JPH0246002B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ ａ ベタイン〔一般式（CH₃）₃―Ｎ ―CH₂
―COO で表されるグリシンベンタイン〕0.1
ないし25重量％と、 ｂ アミノ基を含有しない脂肪族有機酸の少なく
とも一種0.1ないし10重量％を 組み合わせて含有することを特徴とする毛髪処理
剤。

２ 上記ベタインを3.0ないし15.0重量％の量で
含有することを特徴とする請求項１に記載の毛髪
処理剤。

３ 上記アミノ基を含有しない脂肪族有機酸が乳
酸、酒石酸、ピメリン酸、グリオキシル酸及びク
エン酸からなる群から選ばれることを特徴とする
請求項１又は２に記載の毛髪処理剤。

４ ヘヤリンス、毛髪保護用エマルジヨン、ヘヤ
セツト剤、あるいはシヤンプーであることを特徴
とする請求項１〜３いずれか１項に記載の毛髪処
理剤。

５ ａのベタインを0.5ないし10.0重量％と、 ｂのクエン酸を0.1ないし5.0重量％含有すること
を特徴とする請求項１ないし４いずれか１項に記
載の毛髪処理剤。

毛髪処理剤 漂白やパーマや毛染めを繰り返えし行なつてい
ると、さらには頻繁にシヤンプを行なつていると
毛髪の油脂分が段々なくなり、毛髪構造にまで損
傷を来たすようになる。毛髪はざらざらした状態
となり、艷がなくなる。さらにブラツシングの際
毛髪は静電気を帯びやすく、また毛髪表面がざら
ついているために毛髪はもつれたり、からみ合つ
たりする。このため非常にブラツシングがしにく
くなる。

従つてブラツシングしやすくするための毛髪処
理剤ないしは毛髪を保護する目的の毛髪処理剤は
非常に重要である。この様な処理剤は、たとえば
透明な毛髪洗浄剤という形態で、あるいはエマル
ジヨンの形態で、いわゆるクリームリンスとし
て、毛髪洗浄後まだ湿つた状態の毛髪に塗布さ
れ、数分間ないしは１時間作用させた後、水で洗
い流す。

毛髪の構造を改良する目的の処理剤としては、
主にカチオン系化合物、特にセチルトリメチル塩
化アンモニウムのような第四級アンモニウム化合
物が、たとえばワセリン、脂肪アルコールあるい
は脂肪酸エステルのようなワツクス状添加剤と一
緒に、用いられている。

しかし上に述べたコンデイシヨニング剤を基本
とした毛髪処理剤では、乾燥した、細孔を有する
毛髪を処理した場合にしか満足できる結果は得ら
れない。上記の様な処理剤を使用することによつ
て毛髪本来の油脂補給（Nachfettung）が強ま
り、それによつて毛髪のセツトの保持力が格段と
悪くなるために、上記の様な処理剤はすぐ油脂補
給する毛髪の処理にはあまり適さない。

毛髪の油脂補給が強まるのは、一つは洗い流し
た後も毛髪中に残存する処理剤が原因であり、も
う一つはこの処理剤中に含まれているカチオン系
乳化剤が原因である。毛髪に吸着したカチオン系
乳化剤によつて毛髪の表面が疎水性となり、それ
によつて皮脂線からの分泌物は直ぐに毛髪中に広
がつてゆく。さらにカチオン系乳化剤は、アニオ
ン系成分とは、相溶性が悪いために、アニオン系
成分を含有する毛髪処理剤、たとえばシヤンプや
毛髪染色剤のほとんどのものと併用することがで
きない。

これにもとづいて本発明は、上に述べたような
欠点のない、しかもよりすぐれた毛髪コンデイシ
ヨニング効果を発揮する毛髪処理剤およびそれに
よる毛髪処理法を提供することを課題として出発
した。

これに対して、 ａ ベタイン〔＝一般式（CH₃）₃N ―CH₂―
COO であらわされるグリシンベタイン0.1な
いし25.0重量％と ｂ アミノ基を含まない脂肪族有機酸の少なくと
も一種0.1ないし10.0重量％とを 合わせて含有する毛髪処理剤が上に述べた課題に
きわめて良好に対処し得ることが、見い出され
た。

ベタインだけを基本とした毛髪処理剤あるいは
脂肪族有機酸だけを基本として毛髪処理剤の場合
毛髪に対するコンデイシヨニング作用ははつきり
とは認めることができないのに対して、本発明に
よる、ベタインと脂肪族有機酸との組合わせを基
本とする毛髪処理剤は、毛髪を傷めることなく、
毛髪に良好なブラツシング性を付与することがで
きる。さらにこれは収れん作用を有し、毛髪のも
つれをほぐし、毛髪表面をなめらかにし、毛髪の
手ざわりをよくする働きを持つている。

本発明による処理剤を製造するに当つては、純
粋のベタインの他に、一般に市販されている、別
の形態のベタイン、たとえばベタインの一水和物
も任意に使用できることはもちろんである。

本発明による処理剤中に含有される脂肪族有機
酸に適するものとして特にクエン酸、酒石酸、乳
酸、ピメリン酸およびグリオキシル酸のような水
溶性ないしは水―アルコール可溶性脂肪族有機酸
が挙げられる。

本発明による処理剤はベタインを特に望ましく
は3.0ないし15.0重量％含有し、脂肪族有機酸を、
単独ないしは複数種混合して、特に望ましくは
0.1ないし5.0重量％含有する。脂肪酸有機酸のう
ち特に好ましいのはクエン酸である。

本出願における毛髪処理剤は毛髪の処理に適す
る任意の調合形態で、たとえばローシヨン、エマ
ルジヨンあるいはゲルなどの形態で提供すること
ができる。好ましい調合物としてヘヤリンス、理
容用エマルジヨン、ヘヤコンデイシヨニングパツ
ク、毛髪安定剤、シヤンプーなどが挙げられる。
本発明による毛髪処理剤はこの他毛髪染色剤、ヘ
ヤコンデイシヨニング剤、ヘヤセツト剤としても
提供することができる。

すなわちこの場合その使用目的に応じて短時間
ないしは長時間毛髪上において保持する様な調合
物が対象である。調合物に上に述べたベタインと
脂肪族有機酸とを組合わせて含有させることによ
つて、被処理毛髪のコンデイシヨニングも同時に
行なうことができる。しかし毛髪の構造上の状態
を改善することだけを目的とする、あるいはこれ
を主目的とする調合剤が特に好ましい。

この理容用調合物はベタインと脂肪族有機酸と
の組合わせから成るコンデイシヨニング処理剤を
毛髪処理剤に対して一般的に用いられている構成
成分と混合することによつて調製される。

毛髪処理剤に対して一般的に用いられている構
成成分として特に水、アルコール、たとえばエタ
ノール、ｎ―プロパノール、ｉ―プロパノール、
およびグリセリンやプロピレングリコールのよう
な多価アルコール、アニオン系、カチオン系、両
性、あるいは非イオン系界面活性剤、たとえば脂
肪アルコール硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫
酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、脂肪酸アルキルトリメチルアンモ
ニウム塩、オキシエチル化脂肪アルコール、オキ
シエチル化ノニルフエノール、および脂肪酸アル
コールアミド、さらに天然、再生、あるいは合成
重合体、たとえばシエラツク、アルギン酸塩、ゼ
ラチン、ペクチン、セルロース誘導体、キトサ
ン、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル重合体、
アクリル酸重合体、メタアクリル酸重合体、アク
リル酸あるいはメタアクリル酸とアミノアルコー
ルから成るエステルの塩基性重合体ないしはこれ
らの塩基性重合体の四級化物、およびポリアクリ
ロニトリル、またこの様な化合物の共重合体、た
とえばポリビニルピロリドン―酢酸ビニル、さら
には増粘剤、たとえば脂肪アルコール、脂肪酸エ
ステル、澱粉、セルロース誘導体、液状ないしは
固形パラフイン、イソパラフイン、ワセリン、羊
毛ワツクス、および脂肪酸、その他ラノリン誘導
体、コレステリン、およびパントテン酸のような
保護剤、染料、顔料、香油、酸化防止剤、並びに
ホルムアルデヒドおよびサリチル酸のような防腐
剤を挙げることができる。

本発明による毛髪の状態改善方法は次の通りで
ある。すなわち ａ ベタインを0.1ないし25.0重量％、および ｂ 一種類以上の脂肪族有機酸を0.1ないし10.0
重量％ 組合わせて含有する毛髪処理剤、特にコンデイシ
ヨニングリンス、を約15ないし60℃の温度下にお
いて毛髪に接触させる。

本発明による毛髪処理剤中に含有される、毛髪
に対してコンデイシヨニング作用を有するベタイ
ン塩、たとえばクエン酸ベタイン、は水ないしは
水―アルコール混合系によく溶解し、生理学上、
非常に高濃度であつても、全く問題はない。

特に、ベタインを10重量％およびクエン酸を２
重量％含有する希薄なエマルジヨン液は、高濃度
電解質含有物であるにもかかわらず、ワツクス成
分および乳化剤を適当に選択することによつて、
問題なく製造することができるということが明ら
かとなつた。

さらにここに記載の、相乗効果を有するベタイ
ンと脂肪族有機酸の組合わせ物はアニオン系、カ
テオン系、非イオン系、あるいは両性界面活性剤
の存在下に調合剤中において沈澱することなく分
散させ得る。

毛髪処理剤中に含有されるベタインと脂肪族有
機酸の組合わせ物はさらにこれら調合物中におい
て酸化防止剤および緩衝剤として働く。さらにま
たベタインを１重量％以上および脂肪族有機酸を
0.2重量％以上含有する毛髪安定剤は、ほかに樹
脂を添加しなくても、すぐれたヘヤセツト性を発
揮する。すなわちヘヤセツト剤において、一般的
に用いられている樹脂の代りにベタイン／脂肪族
有機酸組合わせ物を用いることができる。

最後に本発明による毛髪処理剤の大きな長所
は、一般に用いられているカチオン系ヘヤコンデ
イシヨニング剤、たとえば脂肪酸アルキルトリメ
チルアンモニウム塩、を基本とする毛髪処理剤に
比べて、目および皮膚に対して無害であるという
点である。

次に実施例によつて本発明の対象をさらに詳し
く説明する。

実施例１ 毛髪保護用リンス ベタイン―水和物 10.0g 無水の酒石酸および／あるいはクエン酸 2.0g 35％のホルムアルデヒド 0.1g 完全に脱塩した水 87.9g 100.0g 毛髪を洗浄した後、上記の毛髪保護用リンスを
タオルでふいた湿り気のある毛髪上に塗布して、
二・三分間作用させ、次いで水で洗い流す。毛髪
はもつれなくなり、ブラツシング性が非常によく
なる。

実施例２ 毛髪保護用リンス剤 ベタイン―水和物 10.0g 無水クエン酸 2.0g 35％のホルムアルデヒド 0.1g イソパラフイン 7.0g 完全に脱塩した水 80.9g 100.0g 二液相から成るこの毛髪保護用リンスを使用直
前に十分振揺した後、実施例１と同様に湿り気の
ある毛髪に適用する。この処理によつて毛髪はブ
ラツシング性がよくなり、しなやかになる。

実施例３ 毛髪保護用エマルジヨン ベタイン―水和物 10.0g 無水クエン酸 5.0g セチルアルコール50％とステアリルアコール50
％の混合物（凝固点：48〜52℃） 2.6g セチル硫酸ナトリウム50％とステアリル硫酸ナ
トリウム50％の混合物 0.5g 羊毛ワツクスアルコール 1.5g グリセリン・モノ―ステアレートパルミテート
（１―モノグリセリド85％；２―モノグリセリ
ド10％，HLB値：4.5，酸価：最大1.5，ケン化
価：163〜170，ヨウ素価：最大３） 0.9g ｐ―ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.2g サリチル酸 0.2g 香油 0.5g 水 78.6g 100.0g 毛髪を洗浄した後、ひどくもつれた毛髪に上記
の毛髪保護用エマルジヨンを均一に塗布する。塗
布と同時に毛髪のもつれが解けるのが認められ
る。少し作用時間を置いた後、毛髪を温湯で流い
洗す。この処理によつて非常にすべすべした、理
容上取扱いやすい毛髪が得られる。また湿つた状
態でのブラツシング性もいちじるしく改良され
る。

実施例４ ヘヤセツト剤 ペタイン―水和物 0.5g 無水クエン酸 0.1g イソプロパノール 40.0g ビニルピロリドン60％と酢酸ビニル40％の共重
合体（粉末） 2.0g 香油 0.5g 完全に脱塩した水 56.9g 100.0g このヘヤセツト剤を洗浄した後タオルでふいた
毛髪に均一に塗布する。次いで毛髪をセツト用カ
ーラーに巻き上げて、毛髪を乾燥させる（目的に
応じてドライヤーを用いて約40ないし60℃におい
て乾燥させてもよい）。これによつて毛髪は良好
な状態にセツトされ、しかもセツトが非常に長持
ちする。さらに毛髪の手触りが非常になめらかと
なる。

実施例５ ヘヤセツト剤 ベタイン―水和物 0.5g 無水クエン酸 0.1g 染料アシツド・ブラウン４（C.I.14805） 0.1g ビニルピロリドン60％と酢酸ビニル40％の共重
合体（粉末） 2.0g イソプロパノール 40.0g 香油 0.5g 完全に脱塩した水 56.8g 100.0g この毛髪染色剤を洗浄した後タオルでふいたブ
ロンドの人毛に均一に塗布する。次いで毛髪をセ
ツト用カーラーに巻き上げ、乾燥させる。これに
よつて毛髪は良好な状態にセツトされ、しかもセ
ツトは非常に長持ちする。また毛髪の手触りが非
常になめらかとなる。さらにこれによつて毛髪は
赤味がかつたブロンドに染色される。

実施例６ ヘヤセツト剤 ベタイン 2.5g 無水クエン酸 0.5g イソプロパノール 40.0g 香油 0.5g 完全に脱塩した水 56.5g 100.0g このヘヤセツト剤を洗浄した後タオルでふいた
毛髪に均一に塗布する。次いで毛髪をセツト用カ
ーラーに巻き上げ、乾燥させる。この処理によつ
て―ヘヤセツト剤中には樹脂が含有されていない
にもかかわらず―毛髪は良好な状態にセツトさ
れ、しかもヘヤスタイルが長持ちする。

実施例７ シヤンプ ベタイン―水和物 8.0g 無水クエン酸 2.0g 35％のホルムアルデヒド 0.1g ラウリルアルコール・ジグリコールエーテル硫
酸ナトリウム塩（28％水溶液） 40.0g 塩化ナトリウム 3.5g 水 46.4g 100.0g 人毛を上記配合のシヤンプで洗浄した後、水で
洗い流した。これによつて毛髪は湿つた状態にお
いても非常にすぐれたブラツシング性を示すよう
になる。さらに上記シヤンプ中にはベタインが含
有されているためにシヤンプのPH値が一定に維持
されると共に、頭皮がパサパサに乾くのを防ぐこ
とができる。

本出願中において記載されているパーセント数
はすべて重量パーセント数である。