JPH0245765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、加工された金属材等の平滑面の平
坦性の検知に用いられる測定ヘツドに関し、特
に、その平滑面に付着あるいは生成された微小な
異物による突起物の有無の検査に有用な測定ヘツ
ドに関するものである。

例えば、溶接工程を通る金属ワークの端面に
は、スパツタと呼ばれるごみが付着して、ワーク
端面の平坦性が損われ易いために、スパツタ付着
の有無を検査してスパツタを取除く必要がある
が、この為従来は、目視チエツクその他適当な人
手操作でスパツタの有無を検査していた。

しかし、このような従来の検査方法によると、
作業に時間がかかるほか、検査結果の信頼性に欠
ける難点があつた。

本考案は、上記難点を解消するためになされた
ものであつて、すなわち、本考案の目的は、ワー
ク端面等の平坦面の平坦性を機械的に検出し得る
ようにした測定ヘツドを提供することにある。

その目的を達成する手段として、本考案の測定
ヘツドは、 上面プレートと下面プレートとにより平行に固
着された前面プレートと後面プレートとからなる
枠形ボデーと；前記前面プレートと後面プレート
との間に摺動自在に横架、軸受けされた複数のピ
ン体を設け、該ピン体の中央部につばを固設し、
かつ、前記ピン体の先端部となる当接子が前記枠
形ボデーの前面プレートから突出するように構成
された複数の測定ピンと；前記それぞれの測定ピ
ンを前記枠形ボデーの前面プレート側に摺動付勢
するそれぞれのばねと；前記測定ピンのピン体に
固設したつばに当接して移動する移動板と；該移
動板を前記ピン体に固設したつばに押付け付勢す
るそれぞれのばねと；前記枠形ボデーに保持さ
れ、かつその検出部を前記移動板に当接させて該
移動板の移動寸法を検出する寸法検出器とを具備
し、被測定物によつて複数の当接子が前記前面プ
レートに押付けられたときの移動板の移動量を測
定して、被測定物の平坦度を測定するようにした
ことを特徴としている。

以下、図示の一実施例に基づいて本考案を説明
する。

実施例の測定ヘツド１は、第１図ないし第３図
に示すように、方枠形ボデー２を骨体とする測定
部と、同ボデー２の上部に取付けられた差動トラ
ンス等の寸法検出器３とにより形成されていて、
この測定ヘツド１は、後述する保持ばねを介して
方形ブロツクより成るホルダ４の前面に保持され
ており、しかして同ホルダ４は、軸受台５に軸受
け支持された前方張出軸６の先端にねじ止め固定
されている。なおこの張出軸６は、前後に摺動可
能に軸受けされると共に、図示しない戻しばねの
弾力により、図示前進リミツト位置に保持されて
いる。

ところで、上記ボデー２は、第１図ないし第８
図に示すように、前、後面の各プレート７，８
と、上、下面の各プレート９，１０とにより、側
面が開口した箱形をなしていて、かつ、前面プレ
ート７と後面プレート８との間には、下記複数本
のピン１１，１４が前後摺動自在に横架、軸受け
されている。

(a) センタピン１１ 前、後面プレート７，８の夫々の中央位置間に
横架されたピンであつて、その両端は、ブツシユ
１２を介して軸受けされており、かつこのピン１
１の中間の太径部には、後述する移動板１３の本
体を成す板部１３ａが、圧入により軸着、固定さ
れている。

(b) 測定ピン１４ 前、後面プレート７，８の夫々の中央近傍の複
数箇所間（図示では、中央近傍の４方の４箇所
間）に横架された４本のピンであつて、各ピン１
４の中間箇所につば１４ａが固設されると共に、
その前端部を成す細径の当接子１４ｂは、前面プ
レート７の段付き軸受孔を貫通して、わずかにプ
レート７の前面から突出しており、また、後面プ
レート８の軸受孔に挿通軸受けされた各ピン１４
後端のねじ部１４ｃには、後退摺動時のリミツト
ストツパの作用を行うダブルナツト１５が螺着さ
れている。

なお、各ピン１４のつば１４ａの前側には、移
動板１３の板部１３ａの対向位置の４箇所に開け
られた貫通孔で、板面が直交した状態で滑合によ
り挿通、保持されている。

次に、移動板１３は、その本体を成す上述の板
部１３ａと、板部１３ａの上端の中央から細幅で
Ｌ形に立上る測定子１３ｂとにより形成されてい
て、同測定子１３ｂは、上面プレート９のスリツ
トを通つて上方に張出しており、かつその上端の
後面には、検出器３の測定部に当接する半球面が
突設されている。

そのほか、各測定ピン１４のつば１４ａに接し
て挿嵌されたばね受け用ワツシヤ１６と後面プレ
ート８の内壁との間には、各ピン１４を前方摺動
付勢する圧縮ばね１７が挟置されると共に、移動
板板部１３ａの前面と、前面プレート７の内壁と
の間には、板部１３ａを各測定ピンのつば１４ａ
に押付け付勢する前記圧縮ばね１７より弱い弾力
の圧縮ばね１８が挟置されており、これにより、
各測定ピン１４は、図示前進摺動端位置に保持さ
れると共に、移動板１３は、つば１４ａに押付け
られた図示位置に保たれた常位にある。

ところで、前面プレート７の中央位置には、後
述ワークＷの位置決め用のガイドボス１９がねじ
止めされる一方、後面プレート８の上部の中間箇
所には、クランプ８ａが立上り形成されていて、
検出器３は、締着ねじ２０により同クランプ８ａ
に固定保持されている。

更に、後面プレート８の外面には、その中央位
置にストツパねじ２１がねじ止めされると共に、
その周辺の等弧間隔の３箇所には、リミツトスタ
ツド２２が後方に張出した状態でねじ止めされて
おり、また、同リミツトスタツド２２植設位置と
入違い位置の３箇所には、ばね孔８ｂが浅く切込
まれていて、各ばね孔８ｂ内には、保持ばね２３
（後述）の先端が嵌入している。

一方、測定ヘツド１を保持するホルダ４の前面
の凹入段部の中央には、ストツパボルト２４がね
じ止めされると共に、上述した後面プレート８の
ばね孔８ｂに対向する位置には、深く掘込まれた
ねじ孔４ａが穿設されて、同孔４ａ内には、保持
ばね２３が嵌置されており、また、上述リミツト
スタツド２２に対向するホルダ４の３箇所には、
同スタツド２２が差込まれる段孔４ｂが貫通して
いる。

そのほか、後述作動で説明するように、ボデー
２の側面とホルダ４の側面には、図示しない別の
検出器とその測定子とが取付けられている。

次にこのように構成かつ保持された実施例の測
定ヘツド１の作動につき述べるが、この場合に
は、カラーをワークＷとしてその端面を測定する
際につき説明する。

まず測定に当つては、第１図および第２図に示
すように、ワークＷの軸線を正しくボデー２の軸
線に一致させた状態で、ワークＷの内孔をガイド
ボス１９に差し込む。

次で、ワークＷの端面が測定部の当接子１４ｂ
を押圧すると、各測定ピン１４は、ばね１７を圧
縮しながら後方摺動移動し、これに追従し、移動
板１３は、ばね１８に押されて同時に後方移動
し、最後に、ワークＷの端面が前面プレート７に
当つた時点（第９図参照）で検出器３が規定の移
動量であるかどうかを検出し、規定の移動量以下
のときは、ワークＷの端面のスパツタが前面プレ
ート７に当つているので、スパツタの存在を検知
し得る。

なおその後、保持ばね２３の反力に抗して引続
きワークＷを押付ければ、第９図に示すように、
ストツパねじ２１がストツパボルト２４に衝合し
た時点で、張出軸６の強い弾発力がかかつてワー
クＷの押込みが停止される。

この作動間、若しワークＷの端面にスパツタが
付着していれば、検出器３の出力が規定の移動量
に達しない状態でストツパねじ２１がストツパボ
ルト２４に当り、これによりスパツタの存在を検
知し得る。

そのほか作動間に１部の測定ピン１４が押込ま
れても、第１０図に示すように、他の測定ピン１
４が残るので、移動板１３は移動せず。これによ
り誤測定が防止される。

更に、第１１図に示すように、ワークＷの軸線
が傾いて押付けられた場合には、前述のように誤
測定が防止されるほか、図示しない別の検出器に
より測定ヘツド１とホルダ４との傾き角を、寸法
を測定することによつて検出し、その検果、ワー
クＷの押付方向を容易に修正することが可能であ
る。

以上述べたように、本考案に係る測定ヘツドに
よれば、ワークの被測定面が押付けられる測定ヘ
ツドの前面に、複数本の測定ピンの先端の各当接
子を突出させると共に、全部の測定ピンが同時に
押込まれた状態においてのみ移動板を追従移動せ
しめ、かつ移動板の測定子の移動量を検出器で読
出させるように構成したので、機械的かつ自動的
にワーク平坦面の平坦性を検出することが可能と
なり、これにより、平坦性の検査作動の作業効率
と検査の信頼性とを向上させる実用上の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す測定ヘツド
の平面図、第２図は、同側面図、第３図は、同前
面図、第４図は、同後面図、第５図は、第２図の
要部拡大断面図、第６図および第７図は、夫々第
５図の−線および−線における後面図お
よび前面図、第８図は、第６図の−線におけ
る側断面図、第９図は、第８図およびその隣接部
材の作動図、第１０図は、第８図の他の作動図、
第１１図は、第９図の作動図である。 １……測定ヘツド、２……ボデー、７……前面
プレート、８……後面プレート、８ａ……クラン
プ、９……上面プレート、１３……移動板、１３
ａ……板部、１３ｂ……測定子、１４……測定ピ
ン、１４ａ……つば、１４ｂ……当接子、１７，
１８……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面プレート９と下面プレート１０とにより平
   行に固着された前面プレート７と後面プレート８
   とからなる枠形ボデー２と；前記前面プレートと
   後面プレートとの間に摺動自在に横架、軸受けさ
   れた複数のピン体を設け、該ピン体の中央部につ
   ば１４ａを固設し、かつ、前記ピン体の先端部と
   なる当接子１４ｂが前記枠枠形ボデーの前面プレ
   ートから突出するように構成された複数の測定ピ
   ン１４と；前記それぞれの測定ピンを前記枠形ボ
   デーの前面プレート側に摺動付勢するそれぞれの
   ばね１７と；前記測定ピンのピン体に固設したつ
   ばに当接して移動する移動板１３と；該移動板を
   前記ピン体に固設したつばに押付け付勢するそれ
   ぞれのばね１８と；前記枠形ボデーに保持され、
   かつ、その検出部を前記移動板に当接させて該移
   動板の移動寸法を検出する寸法検出器とを具備
   し、被測定物によつて複数の当接子が前記前面プ
   レートに押付けられたときの移動板の移動量を測
   定して、被測定物の平坦度を測定するようにした
   ことを特徴とする測定ヘツド。