JPH0245716Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貯湯量可変型の貯湯式湯沸器に関する
ものである。

従来の湯沸器は、瞬間式湯沸器と貯湯式湯沸器
とに大きく分類され、前者は必要なときにのみ湯
沸しを行なうので、熱効率は良好であるが、一度
に大量の湯量を必要とするときには不便であると
いう問題があり、また後者は多量の湯量を常時蓄
積しているので、放熱ロスが大きく、また全部の
湯を使い切つた後は湯温の回復に時間がかかると
いう問題があつた。

本考案は従来例のこのような問題点を解決する
ために為されたものであり、蓄積された湯からの
放熱ロスを少なくすると共に、湯温の回復能力を
高くし、また大量の出湯にも応答できるようにし
た貯湯式湯沸器を提供することを目的とするもの
である。

以下本考案の構成を図示実施例について説明す
る。第１図は本考案の一実施例に係る貯湯式湯沸
器の概略構成図、第２図は同上の燃焼制御回路を
示す回路図である。第１図において、１は貯湯タ
ンクであり、貯湯タンク上部２の貯湯量は50〜60
程度、貯湯タンク下部の貯湯量は100程度で
あり、貯湯タンク上部２と貯湯タンク下部３とは
連通している。貯湯タンク下部３の下方には給水
口４および排水口５が設けられており、また貯湯
タンク上部２の上方にな出湯口６が設けられてい
る。７は循環パイプであり、貯湯タンク下部３の
湯水をポンプ８により貯湯タンク上部２に強制循
環させるものである。９は熱交換器であり、貯湯
タンク上部２と貯湯タンク下部３との間に配置さ
れている。１０は熱交換器９を加熱するためのガ
スバーナであり、１１はガスバーナ１０に燃焼用
の空気を供給するための送風装置、１２はガスコ
ツクである。また１３は熱交換器９の端部に設け
られた排気筒である。なお貯湯タンク上部２およ
び貯湯タンク下部３にはそれぞれ湯温検知用のサ
ーミスタ１４および感温スイツチ１５が設けられ
ている。

次に第２図は燃焼制御回路の構成を示してい
る。同図において抵抗R_OとツエナダイオードZD
は基準電圧発生回路１６を構成しており、その基
準電圧V_Zはサーミスタ１４と、抵抗R₁〜R₄およ
び半固定抵抗VRにより構成されたブリツジ回路
１７に印加されている。ブリツジ回路１７の出力
はコンパレータ１８に入力されており、貯湯タン
ク上部２の温度が低下してサーミスタ１４の抵抗
値が増加すると、コンパレータ１８のプラス側入
力電圧が低下するから、コンパレータ１８の出力
はＬレベルになる。このためリレーR_Tが作動し
て接点R_Taがオンになり、図示しないバーナ制御
手段によりガスバーナ１０が点火されて貯湯タン
ク上部２の湯温が上昇するようになつている。ま
た貯湯タンク上部２の湯温が高くなつて、サーミ
スタ１４の抵抗値が小さくなると、コンパレータ
１８のプラス側入力電圧は高くなるから、コンパ
レータ１８の出力はＨレベルになる。このためリ
レーR_Tはオフして接点R_Taが開き、ガスバーナ１
０は停止するものである。なおコンパレータ１８
の出力とプラス側の入力とは抵抗R₅を介して接
続しており、したがつてコンパレータ１８のオン
オフ特性にはヒステリシスが生じるものである。

次に風呂に給湯する場合のように、大量の給湯
を必要とする時間帯には、貯湯量切換スイツチ１
９をオンにしてリレーＲを作動させる。これによ
つてブリツジ回路１７の抵抗R₃と並列に接続さ
れた接点R_a1がオンになり、貯湯タンク上部２の
湯が沸き上がつている場合でもガスバーナ１０の
燃焼が再開される。またポンプ制御用のリレー
R_Pと直列接続されたR_a2が閉じて、ポンプ８が駆
動し得る状態となる。２０はサーミスタ１４によ
つて検知される温度が所定の設定温度の範囲内に
あるか否かを検出するウインドコンパレータであ
り、基準電圧を発生する抵抗R₈〜R₁₁と１対のコ
ンパレータ２１，２２とによつて構成されてい
る。しかしてサーミスタ１４によつて検知される
温度が所定の範囲内にあるときには、ウインドコ
ンパレータ２０の出力はＬレベルになり、インバ
ータ２３の出力はＨレベルになる。このときガス
バーナ１０が燃焼中であれば、抵抗R₆とR₇の接
続点Ｐの電位はＬレベルであるから、インバータ
２４の出力はＨレベルとなり、オア回路２５の出
力もＨレベルになる。したがつてアンド回路２６
の出力はＨレベルになり、抵抗R₁₂を介してトラ
ンジスタ２７にベース電流が流れ、トランジスタ
２７がオンする。これによつてリレーR_Pが作動
して接点R_Paがオンになり、ポンプ８が作動して
貯湯タンク上部２と貯湯タンク下部３の湯水が循
環し、貯湯タンク下部３の湯水を沸き上げて行く
ものである。この際、仮に貯湯タンク上部２の湯
水が出湯口６より出湯されると、サーミスタ１４
の温度が下がるためにウインドコンパレータ２０
の出力がＨレベルになり、インバータ２３の出力
がＬレベルになるので、アンド回路２６の出力は
Ｌレベルになり、ポンプ８が停止する。したがつ
て常に貯湯タンク上部２の湯温が優先して制御さ
れるようになつており、従来の貯湯式湯沸器に比
べると、湯温の回復能力の高い給湯器とすること
ができるものである。さらに貯湯タンク上部２と
貯湯タンク下部３の湯水が共に沸き上がつた場合
には、感温スイツチ１５がオンになり、抵抗R₁₃
を介してオア回路２５の入力がＨレベルになつ
て、ガスバーナ１０が停止した後においてもポン
プ８による湯水の循環を行ない得るようにして湯
温の均一化を図つている。なお感温スイツチ１５
がオフのときには、オア回路２５の一方の入力は
プルダウン抵抗R₁₄によりＬレベルとなつてお
り、したがつてガスバーナ１０の燃焼時にしかポ
ンプ８が作動しないようになつているものであ
る。

なお第２図における貯湯量切換スイツチ１９を
タイマー作動とし、一日のうち風呂に入る頃の16
時〜20時の時間帯にオンになるように設定してお
けば、非常に使い勝手のよい、放熱ロスの少ない
全自動の湯沸器が実現できるものである。

本考案は上述のように構成してあるので、ポン
プ制御手段をオンオフする貯湯量切換スイツチを
操作してポンプ制御手段をオフにしたときには貯
湯タンク上部と貯湯タンク下部の間の湯水の循環
は行なわれず、したがつて貯湯タンク上部におい
てのみ貯湯が行なわれ、放熱ロスを少なくするこ
とができるという利点があり、また貯湯量切換ス
イツチを操作してポンプ制御手段をオンにしたと
きには、貯湯タンク上部と貯湯タンク下部の間の
湯水の循環が行なわれるから貯湯量が大きくな
り、大量の出湯にも応答することができるという
効果がある。さらにまた、出湯口を有する貯湯タ
ンク上部の湯温を検知する温度検知素子と、温度
検知素子による検知温度が第１の設定レベルより
も高い第２の設定レベルよりも高いときにポンプ
を作動させるポンプ制御手段を備えているので、
貯湯タンク上部の湯温を温度検知素子で検知し、
この温度検知素子による検知温度が設定レベルよ
りも高いときにポンプ制御手段でポンプを作動さ
せることができ、つまりは出湯口から湯を供給す
る貯湯タンク上部の湯温を優先してポンプによる
貯湯タンクの上下部の撹拌の制御を行うことにな
るので、出湯口を有する貯湯タンク上部の温度が
低下したときには、ポンプによる貯湯タンク下部
から貯湯タンク上部への強制循環が停止され、湯
温の回復能力が高くなり、このため出湯口からは
常に一定以上の温度の湯を供給できる利点もあ
る。

なお本考案の実施例の説明においても述べたよ
うに、加熱手段および貯湯タンク下部の感温スイ
ツチが共に作動していないときには、ポンプを停
止するようにしておけば、貯湯タンク上部に冷水
が流入するようえことはなく、好都合なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略構成図、第２
図は同上の燃焼制御回路を示す回路図である。 ２は貯湯タンク上部、３は貯湯タンク下部、４
は給水口、６は出湯口、８はポンプ、９は熱交換
器、１０はガスバーナ、１４はサーミスタ、１５
は感温スイツチ、１８はコンパレータ、１９は貯
湯量切換スイツチ、２０はウインドコンパレー
タ、Ｒはリレーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 出湯口を有する貯湯タンク上部と、貯湯タン
   ク上部に連通し、給水口を有する貯湯タンク下
   部と、貯湯タンクの上部および下部の湯水を循
   環させるポンプと、貯湯タンク上部の湯水を加
   熱する加熱手段と、貯湯タンク上部の湯温を検
   知する温度検知素子と、温度検知素子による検
   知温度が第１の設定レベルよりも下降した時に
   は加熱手段を作動させ、検知温度が上記第１の
   設定レベルよりも上昇した時には加熱手段を停
   止させる湯温制御手段と、温度検知素子による
   検知温度が第１の設定レベルよりも高い第２の
   設定レベルよりも高いときにポンプを作動させ
   るポンプ制御手段と、ポンプ制御手段をオンオ
   フする貯湯量切換スイツチとを設けて成る貯湯
   式湯沸器。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の貯湯式
   湯沸器において、貯湯タンク下部の温度が所定
   値以上のときに作動する感温スイツチを設け
   て、感温スイツチ及び加熱手段が共に作動して
   いないときにはポンプを停止するようにしたも
   の。