JPH0244977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、例えば架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ル等の接続部をモールド成形するモールド金型に
接続して使用されるモールド金型用プラグ弁に関
する。

［考案の技術的背景］ 近年、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルのような
合成樹脂絶縁ケーブルの絶縁体接続部を形成する
方法として、第１図に示すように、導体接続部１
の外周にモールド用金型を被嵌して、このモール
ド用金型２内に加熱溶融させた架橋剤を配合した
合成樹脂を、モールド用金型２に接続したモール
ド金型用プラグ弁３により制御しながら圧入し、
成型、硬化させるモールド金型法が用いられてい
る。

このようなモールド金型用に従来から使用され
ているプラグ弁は、第２図に示すように、モール
ド用金型２の樹脂圧入孔２ａ、押出機の樹脂送入
口（図示を省略）に接続される開口４ａ，４ｂお
よび外部排出口となる開口４ｃの穿設された弁本
体４内に、内部に弁本体４の開口４ａ，４ｂ，４
ｃに連通可能なＴ字型に分岐する樹脂通路５が設
けられた円柱回動プラグ６が挿入されて、このプ
ラグ６を回動させることにより樹脂圧入の制御お
よび外部への排出が行えるように構成されてい
た。

［背景技術の問題点］ しかしながら、このような従来のモールド金型
用プラグ弁において、樹脂通路５がＴ字型に分岐
した構造となつているため、樹脂圧入終了後の残
留樹脂の除去が完全に行われず、特に分岐部近傍
（第２図中×印）の残留樹脂の除去が困難で、次
回のモールド成形時にこれらの残留樹脂が焼け樹
脂となつて金型内に圧入され、得られるモールド
接続部の電気特性の低下を招くことがあつた。

［考案の目的］ 本考案はこのような欠点を解決するためになさ
れたもので、金型内への溶融樹脂の圧入の制御お
よび外部への排出が円滑に行われるとともに、焼
け樹脂の原因となる樹脂通路内の残留樹脂を容易
かつ完全に除去し得るモールド金型用プラグ弁を
提供しようとするものである。

［考案の概要］ すなわち本考案のモールド金型用プラグ弁は、
モールド用金型の樹脂圧入口に接続され、前記金
型中への溶融樹脂の圧入を断続させるモールド金
型用プラグ弁において、３方に開口を設けた円筒
状内面を有する弁本体と、前記弁本体内に挿脱自
在に挿入された周面に前記開口の少なくとも２つ
に跨る凹部を有する円柱回動プラグとを備えてな
ることを特徴としている。

［考案の実施例］ 以下図面に示す一実施例について説明する。

第３図および第４図は、本考案の一実施例の分
解斜視図およびそれらの組立後の上面図である。
なお、これらの図において第２図と共通する部分
には同一符号を付してある。

第３図および第４図に示すように、本考案のモ
ールド金型用プラグ弁は、３方に開口４ａ，４
ｂ，４ｃが穿設された円筒状の弁本体４と、この
弁本体４内に挿入される樹脂通路５を有する円柱
回動プラグ６とから構成されている点は従来のモ
ールド金型用プラグ弁と同じである。

しかして、本考案のプラグ弁においては、上記
樹脂通路５は、弁本体４の少なくとも２つの開口
に跨る（例えば第４図では開口４ａ，４ｂの２
つに跨つて形成されている）断面円弧状の凹部か
らなつている。なお第４図において、矢印は溶融
樹脂の流れの方向を示しており、また符号７は円
柱回動プラグ６の回動軸である。

第４図〜は本考案のモールド金型用プラグ
弁の使用時における弁本体４に対する円柱回動プ
ラグ６の位置を示しており、実施例のモールド金
型用プラグ弁は次のように使用される。

すなわち本考案のプラグ弁は、従来のモールド
金型用プラグ弁と同様に開口４ａをモールド用金
型２の樹脂圧入孔２ａと、開口４ｂを押圧機の樹
脂送入口（図示を省略）とにそれぞれ接続し、開
口４ｃを外部排出管（図示を省略）と接続したう
えで、まず第４図の状態にセツトし、モールド
用金型２内へ溶融樹脂を押出機より圧入する。次
第にモールド用金型２内の圧力が上昇し、樹脂の
圧入ができなくなつた時点で、円柱回動プラグ６
の回動軸７を操作してガス抜きの要領で第４図
の状態に切換え、さらに溶融樹脂の圧入を続け
る。溶融樹脂がモールド用金型２内に充分充填さ
れたところで第４図の状態とし、押出機の残り
の樹脂をすべて開口４ｃより外部へ排出する。こ
のように金型内への樹脂の圧入作業が終了した
後、弁本体４と円柱回動プラグ６を分解し、樹脂
通路５に付着している樹脂をブラシ等で除去す
る。

以上のように本考案のモールド金型用プラグ弁
では、樹脂通路５に圧入樹脂が残留して次回モー
ルド時の焼け樹脂の原因となることは完全に防止
される。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のモールド金型用
プラグ弁によれば、樹脂通路を従来のもののよう
に、弁本体に送入する円柱回動プラグの内部で分
岐する貫通路とせず、周面に形成された凹部とし
たので、樹脂の金型内への圧入が円滑に行われる
とともに、焼け樹脂の原因となる樹脂通路内の残
留樹脂を容易に除去することができるため、特性
の良好なモールド成形品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモールド金型用プラグ弁の使用状態を
示す縦断面図、第２図は従来のモールド金型用プ
ラグ弁の分解斜視図、第３図は本考案の一実施例
の分解斜視図、第４図〜はそれらの組立後の
各使用状態を示す上面図である。 １……導体接続部、２……モールド用金型、２
ａ……樹脂圧入孔、３……モールド金型用プラグ
弁、４……弁本体、４ａ，４ｂ，４ｃ……開口、
５……樹脂通路、６……円柱回動プラグ、７……
取手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モールド用金型の樹脂圧入口に接続され、前記
   金型中への溶融樹脂の圧入を断続させるモールド
   金型用プラグ弁において、３方に開口を設けた円
   筒状内面を有する弁本体と、前記弁本体内に挿脱
   自在に挿入された周面に前記開口の少なくとも２
   つに跨る凹部を有する円柱回動プラグとを備えて
   なることを特徴とするモールド金型用プラグ弁。