JPH0244823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、気体圧縮ポンプなどからの吐出気体
中の油分などのように、気体中にミスト状に浮遊
する液体を捕捉するのに適したエアフイルタに関
するものである。

従来技術及び問題点 この種のエアフイルタの構造としては、例え
ば、第２図に示すように、円筒形の内側多孔板１
１の外側に、断面波形の濾紙から成るプレフイル
タ層１２、補強布１３，１３′間にサンドイツチ
状に挟んだグラスフアイバー層１４、及び外側多
孔板１５を層状に周設し、更に最外層として、油
分等の捕捉能力の大きいプラスチツク発泡体から
成る、油分捕捉層１０を設けたものなどが知られ
ている。このようなエアフイルタエレメント２０
は、第３図に示すように空気流路２１，２２間
に、その円筒軸の方向を縦方向に向けて介装され
るのが一般的である。エアフイルタエレメントの
内側から外側に向けて気体が通過する際、油分捕
捉層に捕捉された油分は、第４図に示すように、
該捕捉層１０を伝つて次第に降下して、その下部
に毛細管現象により一定の高さＡで保有される。
そして、更に油分が溜まつてくると、油分捕捉層
中には含みきれなくなり、油滴となつて、エアフ
イルタケース２３（第３図）の下部にあるオイル
パン部２４に落下するようになつている。ところ
で、この様な構造のエアフイルタをエアコンプレ
ツサ等の設計上、エアフイルタの円筒軸の向きを
斜め横、或は真横など横向きにする横置型として
設置すると、第５図に示すように、エアフイルタ
の油分捕捉層１６の下部が一定の高さまで油分で
含浸された状態となるので、有効濾過面積が縦置
の場合と比べて、著しく減少し、縦置型の場合と
同能力にする為には、フイルタの径を可成り大き
くしなければならず、小型で濾過能力に優れた横
置型エアフイルタの実現が困難であつた。

考案の構成 本考案は、この様な事情に対処してなされたも
のであつて、その要旨は、エアフイルタを横向き
にして、気体流路に介装し、通過する気体中に浮
遊する油分等を捕捉する横置型エアフイルタの最
外層に油分捕捉層を形成し、その外周下面に、油
溜まり用突条を設けると共に、該油溜まり用突条
の風上側に、防風帯を臨ましめたことを特徴とす
る横置型エアフイルタにあり、油溜まり用突条へ
の油分の集中と、該突条から、油分が速やかに排
出される高効率のエアフイルタを開示するもので
ある。以下、一実施例に基ずいて詳細に説明す
る。

第１図は、本考案に係るエアフイルタの要部を
示す断面図であるが、内側多孔板４の外側に、紙
製のプレフイルタ層５を有し、更に、その外側に
グラスフアイバ層６、外側多孔板７が設けられて
おり、最外層として、プラスチツク発泡体などか
ら成る油分捕捉層１が形成され、これらの各部材
はその端縁部において、円形キヤツプ８に固着し
ている構造は、第２図に示した従来のエアフイル
タの構造と何等変わりはない。本願エアフイルタ
の特徴は、その最外層に形成された油分捕捉能に
優れた円筒状の濾過体から成る油分捕捉層１の外
周面の下部に円筒の軸方向に沿つて、油溜まり用
突条２を垂設すると共に、この油溜まり用突条２
の風上側にあたる適所（実施例では、内側多孔板
４の内表面）に、帯状プラスチツクテープなどか
ら成る防風帯３を貼着して、設けることにより、
油溜まり用突条及びその基部付近を無風状態にし
たことにある。このような構成によつて、エアフ
イルタの円筒軸に沿つて入つた気体は、その直径
方向にエアフイルタを抜ける際、防風帯３の側端
縁３ａを廻り込んで、油溜まり用突条の方向にカ
ーブして通過し、重力によつて、油分捕捉層１を
伝つて、下降してきた液状のオイルを、前記突条
２に向けて集中させる作用をする。かくして、突
条２には、油分が集合するが、油分の保有力は下
に行く程小さくなるように、テーパ状に絞つてあ
るので、溜まつた油は、油滴となつて、落下排出
される。

上記実施例では防風帯は、可撓テープ状のもの
をフイルタエレメントの最内側表面に貼着した例
を示したが、これは、板状体、織布その他防風効
果のあるものならよく、又、その装着位置も、油
分捕捉層１の内側表面や、プレフイルタ層５とグ
ラスフアイバー層６との間など、任意の位置を選
択できる。又、突条２の垂下する長さＢは、その
材質、形状、油の性質等から経験的に定められ
る。突条２の形状は、第６図に示すように逆山形
にしたり、或は、設計上の要請から第７図のよう
にやや傾斜させてフイルタエレメントを装着し、
突条２を部分的に垂設したもの等であつてもよ
い。又、第１図の突条下端、或は、第８図の突条
２のように横断面形状をテーパ状若しくは逆山形
に形成しておけば、油切れがよく、油溜まり用突
条からの油分の排出が速い。

効 果 本考案に係るエアフイルタによれば、フイルタ
によつて捕捉されたオイルミスト等は、油分捕捉
層を伝つて、油溜まり用突条２に集中し、毛細管
効果により保有され排出される。等に防風帯の存
在により、突条及びその基部付近は、油により含
浸された状態になるので、突条からの油分の落下
は、その上方に、停留する油分を下方へ吸引する
効果を及ぼし、油分の集中及び落下が著しく促進
される。したがつて、第５図に示す従来例のよう
な、油分捕捉層の下半の大部分に油分が停滞する
といつたことがなく、ほぼ全周面にわたつて濾過
能力が有効に維持できる。又、油分保有体積の小
さい油溜まり用突条に油が集中するので、滴下し
やすく、防風帯の存在により再飛散はきわめて少
ない。かくして、従来の縦置型エアフイルタより
も高能率な横置型エアフイルタが実現でき、設置
方向の制約がなくなり、装置のより小型化が実現
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す横断面図、第
２図は、従来のエアフイルタの一例を示す一部破
砕斜視図である。第３図は、第２図に示したエア
フイルタの使用例を示す説明図、第４図は、従来
のエアフイルタの油分捕捉状態を示す説明図、第
５図は従来のエアフイルタを横置状態で使用した
場合における油分捕捉状態を示す説明図、第６〜
８図は、夫々、本考案の他の実施態様を示す説明
図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒軸の方向を斜め或は真横などのように横向
   きにして気体流路に介装し、通過する気体中に浮
   遊する油分、塵埃などを濾去する横置型エアフイ
   ルタの、最外層に形成されている油分捕捉層の外
   周下面に、油溜まり用突条を設けると共に、該油
   溜り用突条の風上側に、防風帯を臨ましめ、前記
   突条へ油分等を集中せしめるように構成したこと
   を特徴とする横置型エアフイルタ。