JPH0244760Y2 - - Google Patents

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JPH0244760Y2
JPH0244760Y2 JP19169785U JP19169785U JPH0244760Y2 JP H0244760 Y2 JPH0244760 Y2 JP H0244760Y2 JP 19169785 U JP19169785 U JP 19169785U JP 19169785 U JP19169785 U JP 19169785U JP H0244760 Y2 JPH0244760 Y2 JP H0244760Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、血液から血球と血漿を分離する血
漿分離器と、分離した血漿を除去し、該血漿と等
量の補液を血球に加えた後、人体に戻す血漿分離
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
腎不全、肝不全、自己免疫疾患等の治療法とし
て、患者の血液を血漿分離器で血液と血球とに分
離し、分離された血球のみを体内に戻すととも
に、除去された血漿に見合つた補液を体内に補充
する血漿分離法が知られている。
ところで、上記治療方法を実行する場合、血漿
分離器の上流に設けられた血液ポンプにより血漿
分離器へは一定流量の血液が送給されるため、膜
の目詰り等が起ると大きな入口圧力が加わり血球
を破壊させる恐れがある。また処理中に体外循環
量の不足等に伴なう凝固因子の活性化により、カ
テーテルや注射針などの血液導出部において、詰
まりが発生したり、あるいは体外循環流量に対す
るカテーテルや注射針の内径が小さい場合には、
血液循環流路に設けられたポンプの駆動力によ
り、血漿分離器の下流側流路の圧力が過大に上昇
して、血液循環流路の接続部が外れ、また、血液
導出部が差し込まれた患者の血管を傷つけるおそ
れがある。
そこで、従来は、かかる問題を解決するため血
液循環流路の少くとも血漿分離器の入口側または
出口側に圧力検知器を設け、これが事前に設定し
た設定値を超えた場合、この圧力検知器と連動し
て、ポンプを停止させる方法が提案されている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところが、上記血漿分離器の入口側または出口
側の血液循環流路の圧力上昇は、血液ポンプの流
量を低下させ適量で血液の循環を行うことにより
簡単に解消される場合が多いにもかかわらず、上
記方法では、圧力上昇が発生するたびにポンプを
停止させるので、圧力異常の解消後に、そのつど
手動でスタート信号を送つて、ポンプを再始動さ
せる必要があり、操作が面倒である。
この考案は、上記従来の問題を解消するために
なされたもので、血液循環流路の血漿分離器と血
液ポンプとの間、または血液循環流路の血漿分離
器の出口側に圧力上昇が発生したとき、血液ポン
プを停止することなく、その回転数を低下させ
て、血漿分離器または血液導出部への圧力増大を
抑制し、さらに、圧上昇解消後のポンプの再始動
を不要にして、操作の容易化を図ることを目的と
する。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するためのこの考案の構成を第
1図に示す。
血液循環流路1には、血液導入部H1から取り
出された血液を血球成分と血漿成分とに分離する
血漿分離器3と血液ポンプが接続され、分離され
た血球成分を血液導出部H2より人体へ戻す。
血漿流路2は、上記血漿分離器3で分離された
血漿成分をドレンポンプ7によりドレン開口Dか
ら外部へ排出する。また補液流路6は補液供給源
12から廃棄される血漿と等量の補液を血球成分
に混入して人体へ供給する。
また血液循環流路1の血液ポンプ4と血漿分離
器3との間、または上記血液循環流路1の血漿分
離器3の出口側に圧力検知器23または26が設
けられている。
13はポンプ駆動手段であり、上記血液ポンプ
4およびドレンポンプ7を所定の流量比になるよ
うに常速で駆動する。14は低速駆動手段であ
り、常時は作動しないで上記圧力検知器の圧力が
設定値を超えた時に作動して上記血液ポンプ4お
よびドレンポンプ7の回転数を低下させ、かつ上
記所定の流量比になるように駆動する。
〔作用〕
上記構成において、常時は、低速駆動手段14
が作動しないで、ポンプ駆動手段13が血液ポン
プ4、ドレンポンプ7を予め設定された所定の流
量比となるように常速で駆動し、血液導入部H1
から取り出された患者の血液を、血漿分離器3で
分離したのち、血球成分と、補液とを血液導出部
H2から患者の体内へ戻す。こうして、通常の血
液処理がなされる。
しかし処理中に血漿分離器に収容した膜の目詰
りの発生により血漿分離器の入口側に大きな圧力
が発生する。また体外循環量の不足に伴なう凝固
因子の活性化により、カテーテルや注射針などの
血液導出部H2での詰まり、あるいは体外循環流
路に対するカテーテルや注射針の内径が小さい場
合での血液ポンプ4の駆動力により血漿分離器の
出口側で大きな圧力が発生する。これらの異常圧
力は圧力検知器23または26で検知され、その
検知信号を受けて低速駆動手段14が作動し、上
記血液ポンプ4およびドレンポンプ7を常速より
も低速で、かつ上記所定の流量比になるように駆
動する。
このように、血液ポンプ4、およびドレンポン
プ7が低速で駆動されるから、血漿分離器3ある
いは血液導出部H2の詰まり解消後に、手動でス
タート信号を送つて血液ポンプ4およびドレンポ
ンプ7を再始動する必要がない。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。
第2図は血液処理時のフロー図であり、1は血
液循環流路、2は血漿流路、6は補液流路であ
る。血液導入部H1(シヤント、注射針などの通常
の採血器や貯血器などと連絡できる部分)から取
り出された血液は、血液ポンプ4により昇圧され
て動脈圧チヤンバ16に入り、ついで、上下方向
に設定された血漿分離器3に上側から導入され、
血球成分と血漿分離とに分離される。この血漿分
離器3には、血漿分離膜、たとえばポリビニルア
ルコール(PVA)系の共重合体などからなる平
板状、チユーブ状、または中空糸状の分離膜が収
容されている。通常は、中空糸状の分離膜を多数
寄せ集めたものが用いられる。
上記血漿分離器3で分離された血球成分は、静
脈圧チヤンバ18に入り、気泡検知器19を経て
血液導出部H2(シヤントや点滴セツトなどに連結
できる部分)より人体へ戻る。
さらに、上記血液ポンプ4の上流側には、膨
張・収縮可能な袋状体からなるピローセンサ21
が設けられており、脱血が困難になつたときに、
流路の陰圧を検知して作動し、血液ポンプ4を停
止させ、陰圧がなくなつたとき、血液ポンプ4を
再始動する。また、上記動脈圧チヤンバ16に
は、血液中にヘパリンを少量だけ混入させて、処
理中の血液の凝固を防止するヘパリン注入器22
と、動脈圧センサ23とが接続され、上記血漿分
離器3には、ろ過圧センサ24が接続され、上記
静脈圧チヤンバ18には、静脈圧センサ26が接
続されている。さらに、血液循環流路1の血液導
出部H2の近傍には、気泡検知器27が設けられ
ている。
上記血漿分離器3で分離された血漿成分は、ド
レンポンプ7により、ドレン開口Dを経て外部へ
排出される。一方上記ドレンポンプ7および気泡
検知器40を介して、補液導入部(点滴セツトな
どに連結できる部分)が、アルブミンやHES等
の補液を供給する補液供給源12に接続され、補
液が上記ドレンポンプ7により血漿分離器3より
も下流の血液循環流路1を経て人体へ戻される。
さらに、上記血液ポンプ4には、この血液ポン
プ4の回転数に基づいて血液循環流路1の流量を
検知する血液量検知器5が、上記ドレンポンプ7
には、このドレンポンプ7の回転数に基づいて血
漿量および/またはドレン量を検知するドレン量
検知器8が、それぞれ接続されている。
48はマイクロコンピユータからなる制御装置
で、第1図のポンプ駆動手段13および低速駆動
手段14を内蔵している。ここで、上記ドレンポ
ンプ7は血漿成分の排出と補液の供給とを兼ねて
いるが、これとは異なり、血漿成分の排出と、補
液の供給とを別個のポンプで行なうようにしても
よい。ただし、この実施例のように、兼用構成と
すれば、特に制御しなくても、血漿成分の排出量
と、補液の供給量とが常に等しくなるので、好都
合である。
上記構成において、患者の治療にあたつて、ま
ず、血液導入部H1と血液導出部H2を患者の血管
に差し込み、外部からのスタート指令により、上
記各ポンプ4,7を回転させる。
ここで、臨床運転時には、上記制御装置48の
ポンプ駆動手段13により、上記各ポンプ4,7
を予め設定させた常速で駆動し、上記各検知器
5,8からの流量検知信号と、各圧力センサ2
3,24,26からの圧力検知信号とを受けて、
血漿分離器3内の膜圧が適正範囲内にあることを
確認しながら、各ポンプ4,7の流量比が所定
値、たとえば10:3になるように回転数を微調整
する。こうして、血液導入部H1から取り出され
た患者の血液を、血漿分離器3で分離したのち、
血球成分と血漿成分と等量の補液とを、血液導出
部H2から患者の体内へ戻す。上記所定の流量比
は、患者の病状や体質に応じて円滑にろ過するた
めに、予め定められており、必要に応じて、外部
からの入力操作により変更される。
治療中に膜の目詰りや、体外循環流量の不足等
に伴なう凝固因子の活性化による血液導出部での
詰まりが発生すると血液ポンプ4の駆動力によ
り、血液循環流路内の圧力が上昇する。動脈圧セ
ンサ23またはセンサ26によりこの圧力を検知
し、設定値を超えた場合には制御装置48の低速
駆動手段14が作動して上記各ポンプ4,7の回
転数を低下させ、かつ上記所定の流量比になるよ
うに駆動する。
上記血液循環流路内の圧上昇が解消されて流路
の圧力が所定の設定値以下に下つたとき、制御装
置48の低速駆動手段14が不作動になつて、ポ
ンプ駆動手段13が直接各ポンプ4,7を常速で
駆動する。つまり、自動的に通常の臨床運転に復
帰する。
このように、膜の目詰りまたは血液導出部H2
の詰まり解消後に、手動でスタート信号を送つて
上記各ポンプ4,7を再始動する必要がないの
で、操作がきわめて容易になる。しかも、血液ポ
ンプ4およびドレンポンプ7は、低速状態でも所
定の流量比が確保されているから、血液のろ過は
低速ながら円滑に行なわれる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によれば、血液
循環流路中の圧力が上昇したとき血液ポンプ4お
よびドレンポンプ7を停止することなく、その回
転数を低下させているから、圧低下後のポンプの
再始動が不要になりそれだけ操作が容易化され
る。
また血液ポンプ4およびドレンポンプ7は、低
速状態でも所定の流量比が確保されているから、
血液のろ過は低速ながら円滑に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の構成を示す回路図、第2図
はこの考案の一実施例を示す血漿分離装置の回路
図である。 1……血液循環流路、2……血漿流路、3……
血漿分離器、4……血液ポンプ、6……補液流
路、7……ドレンポンプ、13……ポンプ駆動手
段、14……低速駆動手段、23,26……圧力
検知器。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 血液を、血液導入部H1から血漿分離器3に導
    入して、血球成分と血漿成分とに分離し、分離さ
    れた血球成分を血液導出部H2より人体へ戻す血
    液循環流路1と、 上記血漿分離器3で分離された血漿成分を排出
    する血漿流路2と、該血漿成分と等量の補液を上
    記分離器3よりも下流の血液循環流路1を経て人
    体へ戻す補液流路6と、 上記血液循環流路1に設はられた血液ポンプ4
    と、 上記血漿流路2と補液流路6に設けられたドレ
    ンポンプ7と、 上記血液循環流路1の血液ポンプ4と血漿分離
    器3との間に設けられた圧力検知器23、または
    上記血液循環流路1の血漿分離器3の出口側に設
    けられた圧力検知器26と、 上記血液ポンプ4とドレンポンプ7を所定の流
    量比になるように常速で駆動するポンプ駆動手段
    13と、 上記圧力検知器23または26からの異常圧力
    検知信号を受けて作動し、上記血液ポンプ4およ
    びドレンポンプ7を常速よりも遅い低速で、かつ
    上記所定の流量比になるように駆動する低速駆動
    手段14とを備えてなる血漿分離装置。
JP19169785U 1985-12-12 1985-12-12 Expired JPH0244760Y2 (ja)

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