JPH0244699B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂製容器蓋の製造方法、更に
詳しくは、型押成形されたライナーを備えた合成
樹脂製容器蓋の製造方法に関する。

〔従来の技術〕

周知の如く、種々の容器のための容器蓋とし
て、天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するス
カート壁を有する合成樹脂製容器蓋が実用に供さ
れている。かかる合成樹脂製容器蓋は、強度及び
剛性等の点から、一般に、比較的硬質の合成樹脂
材料から成形されるが、この場合、容器の口頚部
端縁に係合せしめられる部位（即ち、天面壁の内
面周縁部）に充分な柔軟性乃至クツシヨン性が得
られず、それ故に高度の密封が困難である。従つ
て、金属製容器蓋の場合と同様に、蓋本体の天面
壁の内面に比較的柔軟な材料から形成されたライ
ナーを配設することが一般に必要である。

上記ライナーの配設は、金属製容器蓋の場合と
同様に、成形された蓋本体の天面壁の内面中央部
に溶融状態のライナー素材を供給し、次いでこの
ライナー素材ご所要形状のライナーに型押成形す
ることによつて、好都合に達成される。

〔発明が解決しようにとする課題〕

而して、合成樹脂製容器蓋の場合、上記ライナ
ーの配設に関して、次の通りの解決すべき問題が
ある。即ち蓋本体が金属製である場合には、一般
に、蓋本体を形成している金属材料の内面に適宜
の接着層が被覆されており、それ故に、蓋本体の
天面壁の内面中央部に溶融状態のライナー素材を
供給すると、上記接着層の作用によつてライナー
素材が供給位置に充分確実に保持される。また、
型押成形されたライナーも上記接着層の作用によ
つて天面壁の内面に確実に保持され、従つて蓋本
体からライナーが脱落することが確実の防止され
る。然るに、蓋本体が合成樹脂製である場合に
は、上記接着層が存在せず、それ故に、蓋本体の
天面壁に供給されたライナー素材は供給位置に充
分確実に保持されない。従つて、天面壁の内面中
央部にライナー素材が供給された蓋本体を、ライ
ナー素材供給域からライナー型押成形域に搬送す
る際、特に高速で搬送する際に、ライナー素材が
供給位置、即ち天面壁の内面中央部から移動して
しまう傾向がある。ライナー素材のかような移動
が若干であれば特に重大な問題は生じないが、ラ
イナー素材が相当移動して、例えば天面壁の内面
の特定角度位置にてスカート壁の内面に接触乃至
近接する状態になると、ライナー素材を所要形状
にライナーに型押成形することが不可能乃至著し
く困難になる。また、ライナー成形後において
も、型押成形されたライナーが天面壁の内面に充
分確実に保持されず、蓋本体からライナーが脱落
してしまう虞が少なくない。

本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであ
り、その技術的課題は、蓋本体の天面壁の内面中
央部に供給されたライナー素材の許容し得ない移
動を確実に防止することができると共に、型押成
形されたライナーが蓋本体の天面壁の内面に充分
確実に保持されて蓋本体からライナーが脱落する
ことが確実に防止される、改良された合成樹脂製
容器蓋の製造方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の解決手段は、蓋本体の成形の降に、型
押成形されるライナーの中央部の厚さより大きい
突出高さを有する少なくとも１個の突起を天面壁
の内面中央部に形成し、蓋本体の天面壁の内面中
央部にライナー素材が供給されると上記突起がラ
イナー素材内に突入するようにせしめ、そして更
にライナーの型押成形の最終段階において上記突
起の突出端を押拡げることである。

即ち、本発明によれば、天面壁及び該伝面壁の
周縁から垂下する筒状スカート壁を有する合成樹
脂製蓋本体を形成し、次いで該蓋本体の該天面壁
の内面中央部に溶融状態のライナー素材を供給
し、しかる後に該ライナー素材を所要形状のライ
ナーに型押成形する、合成樹脂製容器蓋の製造方
法において； 該蓋本体の成形の際に、型押成形される該ライ
ーの中央部の厚さより大きい突出高さを有する少
なくとも１個の突起を該天面壁の内面中央部に形
成し、該蓋本体の該天面壁の内面中央部に該ライ
ナー素材が供給されると該突起が該ライナー素材
内に突入するようにせしめ、そして該ライナーの
型押成形の最終段階において該突起の突出端を押
拡げる、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋の製
造方法が提供される。

〔作用〕

本発明の製造方法においては、蓋本体の天面壁
の内周中央部の供給されたライナー素材内に突起
が突入することによつてライナー素材の移動が防
止され、ライナー素材は天面壁の内面中央部に充
分確実に保持される。また、ライナの型押成形後
においては、突起の押し拡げられた突出端がライ
ナー拘束部として機能してライナーを天面壁の内
面に確実に保持し、蓋本体からライナーが脱落す
ることが確実に防止される。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して、本発明の合成樹脂
製容器蓋の製造方法の一実施例について詳細に説
明する。

本発明に従う合成樹脂製容器蓋の製造方法にお
いては、最初に、第１図に図示する如き形態の合
成樹脂製蓋本体２を成形する。蓋本体２の成形
は、射出成形又は圧縮成形等のそれ自体は周知の
適宜の成形方式によつて遂行することができる。
蓋本体２は、適宜の合成樹脂から形成することが
できるが、硬質ポリエチレン又はポリプロピレン
の如き比較的硬質の合成樹脂から形成するのが好
ましい。第１図に倒立状態で図示している蓋本体
２は、円形天面壁４とこの天面壁４の周縁から垂
下する（第１図においては上方に延びている）円
筒形スカート壁６とを有する。スカート壁６の内
面には図示していない容器の口頚部の外周面に形
成されている雄螺条に螺合される雌螺条８が形成
されている。所望ならば、スカート壁６の裾部
（第１図において上端部）に、それ自体は周知の
種々の形態のピルフアープルーフ帯を形成し、か
くして容器蓋にピニルフアープルーフ特性を付与
することもできる。

本発明に従う合成樹脂製容器蓋の製造方法にお
いては、蓋本体２の成形に際し、天面壁４の内面
中央部に少なくとも１個の突起を一体に形成する
ことが重要である。第１図に図示する具体例にお
いては、天面壁４の内面中央に略円錐台形状の突
起１０が１個形成されている。この突起は１０
は、後に言及する如くして型押成形されるライナ
ーの中央部の厚さｔ（第３図）以上の突出高さｈ
を有することが重要である。

上記蓋本体２の成形の後に、蓋本体２をライナ
ー素材供給域に搬送し、第２図に図示する如く、
蓋本体２の天面壁４の内面中央部に溶融状態のラ
イナー素材１２を供給する。このライナー素材１
２は、塩化ビニル樹脂又は軟質ポリエチレンの如
き比較的軟質の合成樹脂であるのが好ましい。蓋
本体２の天面壁４の内面中央部への溶融状態のラ
イナー素材１２の供給は、例えば、特公昭57−
8649号公報に開示されている如き装置を使用する
ことによつて好都合に遂行することができる。蓋
本体２の天面壁４の内面中央部に突起１０が形成
されている故に、第２図に図示する如く、溶融状
態のライナー素材１２を供給すると、かかるライ
ナー素材１２が突起１０を包み込む。換言すれ
ば、突起１０がライナー素材１２内に突入する。
かくして、ライナー素材１２は供給位置、即ち天
面壁４の内周中央部に保留され、これによつて天
面壁４の内面に対するライナー素材１２の相対的
移動が阻止される。

次いで、ライナー素材１２が供給された蓋本体
２をライナー素材供給域から搬出し、ライナー型
押成形域に搬入する。この際に、高速製造ライン
においては蓋本体２は相当高速で搬送され、従つ
て蓋本体２内に存在するライナー素材１２には慣
性に起因して相当な力が作用する。しかしなが
ら、上述した如くライナー素材１２内に突入した
突起１０によつてライナー素材１２は供給位置、
即ち天面壁４の内面中央部に係留されている故
に、蓋本体２の搬送の際に、ライナー素材１２が
天面壁４の内面に対して相対的に移動して天面壁
４の内面の周縁部に偏ることはない。

ライナー型押成形域においては、第３図に図示
する如く、アンビル１４上に倒立状態で位置付け
られている蓋本体２内に、それ自体は周知の適宜
の形態でよい型押工具１６が挿入され、かかる型
押工具１６の作用によつて、ライナー素材１２が
所要形状のライナー１８に型押成形される。上述
した如く突起１０は型押成形されるライナー１８
の中央部の厚さｔよりも大きい突出高さｈ（第１
図）を有し、従つて型押工具１６の作用によつて
ライナー素材１２が径方向外方に流動せしめられ
ると、突起１０の突出端がライナー素材１２から
突出するようになるが、第４図に拡大して図示す
る如く、型押工具１６による型押成形の最終段階
において、型押工具１６の作用によつて突起１０
の突出端を押拡げる。かかる押拡げは、ライナー
素材１２ら伝えられる熱等によつて突起１０の突
出端が軟化せしめられるようにすることによつ
て、実現することができる。突起１０の突出端を
第４図に拡大して図示する如くの形態に押拡げる
と、容易に理解される如く、押拡げられた突出端
２０がライナー拘束部として機能し、完成した容
器蓋を正立状態にした時に蓋本体２からライナー
１８が離脱することが防止される。

次いで、蓋本体２内に挿入された型押工具１６
を上昇せしめて蓋本体２から離脱せしめると、型
押成形されたライナー１８を備えた合成樹脂製容
器蓋が完成される。

〔発明の効果〕

本発明の合成樹脂製容器蓋の製造方法において
は、天面壁の内面中央部に供給されたライナー素
材は、これに突起が突入することによつて供給さ
れた所定位置に確実に保持され、従つて高速製造
においてもライナーの型押成形は充分容易且つ確
実に遂行され得る。また、突起の押拡げられた先
端が型押成形されたライナーを成形位置に拘束
し、従つて蓋本体からライナーが脱落することが
確実に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従う合成樹脂製容器蓋の製
造方法の一具体例における蓋本体を示す断面図。
第２図は、第１図の蓋本体にライナー素材を供給
した状態を示す断面図。第３図は、ライナー素材
を型押成形した状態を示す断面図。第４図は、第
３図の一部を拡大して示す部分断面図。 ２……蓋本体、４……天面壁、６……スカート
壁、１０……突起、１２……ライナー素材、１８
……ライナー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する筒状
   スカート壁を有する合成樹脂製蓋本体を形成し、
   次いで該蓋本体の該天面壁の内面中央部に溶融状
   態のライナー素材を供給し、しかる後に該ライナ
   ー素材を所要形状のライナーに型押成形する、合
   成樹脂製容器蓋の製造方法において； 該蓋本体の成形の際に、型押成形される該ライ
   ナーの中央部の厚さより大きい突出高さを有する
   少なくとも１個の突起を該天面壁の内面中央部に
   形成し、該蓋本体の該天面壁の内面中央部に該ラ
   イナー素材が供給されると該突起が該ライナー素
   材内に突入するようにせしめ、そして該ライナー
   の型押成形の最終段階において該突起の突出端を
   押拡げる、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋の
   製造方法。