JPH0244192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は、生物組織片を包埋したパラフイン
ブロツクを迅速に冷却するための冷却器に使用す
る冷却板に利用される考案である。

（従来の技術） 生物組織片（例えば患者の病変組織）を顕微鏡
検査するために、これをパラフインで包んで固定
し、組織片をパラフインと共に薄切してガラス板
に貼着し、パラフインを除き、染色し、カバーガ
ラスを重ねて顕微鏡標本を作る作業が行なわれて
いる。

この一連の顕微鏡標本製作操作の中のパラフイ
ン包埋は、型箱の中に組織片を入れて溶けたパラ
フインを注入し、固まらせて行なつているが、パ
ラフイン固化を迅速に行なわせるために、第３図
のような卓上型の冷却器が使用されている。

この装置は、前部にある冷却板１の下面に設け
た冷却管に後部の冷却機２から冷媒を流通させて
冷却板１を冷し、組織片、溶融パラフインを入れ
た型箱を冷却板に載せて冷却し、パラフインを迅
速に固化させるものである。

冷却板１は、第４図の断面図に示すように構成
されている。即ち、約１cm程度の厚いアルミニウ
ム板３の下面に冷却管である銅管４を接触させ、
両者をサーモセメント５で結合したものである。
アルミニウム板３の表面および側面にはテフロン
被膜６を施して保護している。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、アルミニウムと銅とを接触させた状
態で水分が介在すると、銅イオンのためアルミニ
ウムが腐食される。

第４図の構造で、アルミニウム板３と銅管４と
は、サーモセメント５で結合されているが、サー
モセメント５とアルミニウム板３との間は完全に
気密にできないので、大気中の水蒸気が凝縮液化
することにより生じた水が浸入し、アルミニウム
板３が著しく腐食される事故が生じる。

この考案は、このような腐食を阻止しようとす
るものである。

ロ 考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、第１図に示すように、アルミニウ
ム板で中空に造り、内部にウレタン７を充填し、
上面に銅管４をゆるく嵌合させる溝８を形成した
ケース９に、シリコンゴム１０で包んだ銅管４を
嵌合させ、ケース上面もシリコンゴム１０で被覆
し、このケース９とアルミニウム板３とをシリコ
ンゴム１０を介在させて重ね結合して冷却板１を
構成するものである。

この冷却板１を造るには、第２図のように、ケ
ース９の溝８に流動性のあるシリコンゴム１０を
塗布した銅管４を嵌入し、ケース上面にも薄くシ
リコンゴム１０を塗布し、下面にシリコンゴム１
０を塗布したアルミニウム板３と重ねて強く締付
ける。この状態でシリコンゴム１０が硬化する
と、アルミニウム板３とケース９とは一体に結合
される。

銅管４とアルミニウム板３、アルミニウムのケ
ース９との間には、上記のように強く締付けても
シリコンゴム層が介在するので、銅とアルミニウ
ム板３、ケース９との接触が避けられ、またアル
ミニウム板３とケース９との間には両者を密に結
合するシリコンゴムが介在して湿気がこの間に浸
入するのを阻止するから、銅イオンによるアルミ
ニウム板３の腐食が避けられる。

ハ 考案の効果 軽量で加工し易く安価なアルミニウム板を使用
してケース９を造つても、これと銅管４との接触
及び湿気の浸入がシリコンゴム１０で阻止される
ので、金属電位の相違による接触腐食が防止でき
て、冷却板１の寿命を永くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による冷却板の断面図、第２図
はこの冷却板製作の途中段階を示す断面図、第３
図はこの冷却板を使用するパラフインブロツク冷
却器の略斜視図、第４図は従来の冷却板の断面図
である。 １：冷却板、２：冷却機、３：アルミニウム
板、４：銅管、５：サーモセメント、６：テフロ
ン被膜、７：ウレタン、８：溝、９：ケース、１
０：シリコンゴム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミニウム板で中空に造りウレタン７を充填
   し、上面に銅管４をゆるく嵌合させる溝８を形成
   したケース９に、シリコンゴム１０で包んだ銅管
   ４を嵌合させ、ケース９の上面とアルミニウムの
   冷却板３とをシリコンゴム１０を介在させて重ね
   結合して成るパラフインブロツク用冷却板。