JPH0244057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は内燃機関のアイドルスピード制御弁に
関する。

〈従来の技術〉 内燃機関のアイドリング運転時における機関回
転速度の制御は、機関吸気通路に設けられた吸気
絞弁上流と下流を連通するバイパス通路を通過す
る吸気流量を制御することにより行われる。

このような流量制御を行うアイドルスピード制
御弁として、従来第３図に示すものがある。

図において、図示しないバイパス通路に接続す
る流体通路１を有するハウジング２に円筒面の一
部をシール面とする弁座３が設けられ、該弁座３
には前記流体通路１が開口する。そして、弁座３
と対応する円筒面の一部をシール面とする弁体４
（以下シヤツターと称する）が以下の如く設けら
れる。即ち、シヤツター４は、支軸としての中空
軸５に軸着されており、該中空軸５はその内部に
挿通された固定軸６に軸受７，８を介して回動自
由に支持されている。

これにより、シヤツター４は、前記シール面を
形成する円筒の中心軸周りに自由に回動可能とな
り、このシヤツター４の回動に伴う、前記弁座３
に開口する流体通路１の開口面積の変化により吸
気流量が制御される。前記中空軸５には磁心とし
てのアーマチユア９が固定されており、このアー
マチユア９には中空軸５と垂直な方向を巻線軸と
する２種類のコイル１０が巻回されている。前記
アーマチユア９外周近傍のケース１４に永久磁石
１１が固定される。このにケース１４はハウジン
グ２に嵌合されると共に、ハウジング２の反対側
にはコネクタ１５が固定されている。そして、前
記一方のコイル１０への通電により発生する磁界
と他のコイル１０への通電により発生する磁界と
は互いに直交するようになつており、これらの磁
界とアーマチユア９外周に設けられた永久磁石１
１の磁界との間に作用する力により夫々開弁及び
閉弁方向のトルクを発生するようになつている。

従つて、これら２種のコイル１０へ交互に通電
する通電比を変化させることによりアーマチユア
９の回転位置即ちシヤツター４回転位置を変化さ
せて吸気量制御を行うようになつている。

一方、中空軸５の反シヤツター４側の端部に
は、コンミテータ１２が装着されており、このコ
ンミテータ１２の外周面に摺接して前記２種のコ
イル１０夫々に通電させるための接点１３が前記
コネクタ１５に支持されている。

〈考案が解決しようとす問題点〉 ところで、かかる構成のアイドルスピード制御
弁においては、組立時に、ケース１４をハウジン
グ２に嵌合し、同時にコンミテータ１２の外周面
に、ケース１４のコネクタ１５側の接点１３をセ
ツトするようにしている。

この接点セツト手順を第４図Ａ，Ｂ，Ｃに示
す。

この場合、接点１３は、コンミテータ１２に取
り付けられたガイド１６の外面に沿つて案内され
つつ該コネクタ１５の周面に至わけであるが、こ
の際、第４図Ｄに示すように接点１３がコネクタ
１５とガイド１６とのギヤツプａに引つ掛かり、
接点圧及び接点位置が狂うことがある等接点セツ
トが難しい。

又、接点圧及び接点位置が狂つても、接点１３
とコネクタ１５とのセツト状態が目視出来ないこ
とにより、実際には接点圧及び接点位置のいわゆ
る接点管理が行えず、接触不良を引き起こしてし
まうという不都合があつた。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みなされ
たもので、コンミテータへの接点摺接構造の簡単
な改良により、従来の欠点を解消することを目的
とする。

〈問題点を解決するための手段〉 このため本考案は、接点を、弾性部材によりコ
ンミテータのスラスト方向の端面に押し付けられ
るカーボンブラシにより構成した。

〈作 用〉 そして、カーボンブラシは、コンミテータのス
ラスト方向の端面に押し付けられることにより、
該コンミテータへのセツト不良が生じず、接点圧
及び接点位置のいわゆる接点管理が不要となる等
の利点を奏することになる。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

第１図において、１７は第２図に示した弁体と
してのシヤツターが軸着された支軸としての中空
軸の反シヤツター側端部に装着されたコンミテー
タ、１８は弾性部材としてのスプリング１９によ
りこのコンミテータ１７のスラスト方向の端面に
夫々押し付けられる３つのカーボンブラシであ
る。

かかるカーボンブラシ１８の取付構造を第２図
に示す。

即ち、カーボンブラシ１８は、コネクタ２０に
設けられた止め具２１の筒状部２１ａに後端部が
挿入支持される。スプリング１９は、一端がコネ
クタ２０の前記筒状部２１ａ近傍位置に設けられ
た支持突起２１ｂに巻回固定され、他端が該巻回
方向と反対側に湾曲形成されたネジリコイルスプ
リング状のものであり、該湾曲部１９ａは、前記
止め具２１の筒状部２１ａ内のカーボンブラシ１
８後端面位置に挿入されている。尚、２３はカー
ボンブラシ１８に接続されたリード線である。

かかる構成によれば、カーボンブラシ１８は、
アイドルスピード制御弁組立時に、ケース１４を
ハウジング２に嵌合した際、同時にコンミテータ
１７のスラスト方向の端面に夫々押し付けられて
セツトされる。

従つて、従来の端子のようにコネクタに取り付
けられたガイドの外面に沿わせて該コネクタの周
面にセツトする手順が不要で、セツトが容易に行
え、接点圧及び接点位置が狂うこともないため、
接点管理が不要であり、接触不良を引き起こすこ
ともない等製品としての信頼性の向上が図れる。

又、従来のような端子のガイドも不要である。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案によれば、内燃機
関のアイドルスピード制御弁において、弁体の支
軸に装着されたコンミテータに摺接してコイルに
通電させるための接点を、弾性部材によりコンミ
テータのスラスト方向の端面に押し付けられるカ
ーボンブラシにより構成したから、接点セツトが
容易に行え、接点圧及び接点位置が狂うこともな
いため、接点管理が不要であり、接触不良を引き
起こすこともない等製品としての信頼性の向上が
図れる実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は夫々は本考案に係わる内燃機関のアイ
ドルスピード制御弁におけるコンミテータと接点
の一実施例を示す斜視図、第２図は同上の接点支
持構造を示す図で、Ａは正面図、Ｂは側面図、第
３図は従来の内燃機関のアイドルスピード制御弁
を示す断面図、第４図Ａ〜Ｃは夫々接点セツト順
序を示す概略図、同図Ｄは同上の接点セツト順序
における不都合を説明する概略図である。 １……流体通路、３……弁座、４……シヤツタ
ー、５……中空軸、９……アーマチユア、１０…
…コイル、１１……永久磁石、１７……コンミテ
ータ、１８……カーボンブラシ、１９……スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁体の回動に伴う、弁座に開口する流体通路の
   開口面積の変化により、吸気絞弁をバイパスする
   吸気流量制御を行う構成であつて、前記弁体が軸
   着された支軸に固定されかつコイルが巻回された
   磁心と、該磁心の近傍に相対して配設された永久
   磁石と、前記支軸に固定されたコンミテータと、
   該コンミテータに摺接して前記コイルに通電させ
   るための接点と、を備え、前記磁心と永久磁石と
   の間に前記コイルへの通電に伴つて発生する力に
   より前記弁体を回転駆動する内燃機関のアイドル
   スピード制御弁において、前記接点を、弾性部材
   により前記コンミテータのスラスト方向の端面に
   押し付けられるカーボンブラシにより構成したこ
   とを特徴とする内燃機関のアイドルスピード制御
   弁。