JPH0243989B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、同一器体内に設けた瞬間加熱部と
通常加熱部に、小型の高圧・小流量型のブロアと
低圧・大流量型のブロアとにより構成される安価
でコンパクトな燃焼空気送気手段を備えた複合型
給湯装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、この種の複合型給湯装置としては瞬間加
熱部を備えた瞬間式給湯機と通常加熱部を備えた
風呂釜とを同一器体内に一体的に設けたものが知
られている。

第１図はこの従来の複合型給湯装置の内部構造
を示す説明側面図である。

図において、１は複合型給湯装置本体で、給湯
機用燃焼室２と風呂釜用燃焼室３とが同一器体内
に一体的に区画形成されている。４は前記給湯機
用燃焼室２内に設けた瞬間加熱部、すなわち給湯
機用バーナ、５はこの給湯機用バーナ４に燃焼一
次空気と燃焼二次空気を同時に供給する高圧・大
流量型の給湯機用ブロアで、このブロア５は周知
の制御手段により容易に送風量を制御できるよう
になつている。６は前記給湯機用バーナ４の上方
に位置する給湯機用熱交換器、６ａはこの熱交換
器６内に水を供給する給水口で、水道に直結され
ている。６ｂは前記給湯機用熱交換器６内で熱交
換されて加熱された湯を導出する給湯口で、シヤ
ワーや台所等に連結されている。７は前記風呂釜
用燃焼室３内に設けた通常加熱部、すなわち風呂
釜用バーナ、８はこのバーナ７に燃焼一次空気お
よび燃焼二次空気を同時に供給する低圧・大流量
型のブロアで、常時一定の送風量が得られる構成
になつている。９は前記風呂釜用バーナ７の上方
に位置する風呂釜用熱交換器、１０は前記給湯機
用バーナ６および風呂釜用バーナ７にそれぞれガ
ス等の気体燃料を供給する配管、１１，１２はこ
の配管１０の中に挿入した電磁弁より成る２個の
燃料遮断弁である。また、特に瞬間加熱部として
の給湯機用バーナ１４への燃料供給量は、必要負
荷に応じて前述したように給湯機用ブロア４によ
る燃焼一次空気の流量と共に所望の制御を行なう
ことができるようになつている。なお、１３，１
４は給湯機用燃焼室２および風呂釜用燃焼室３の
上方部に形成される排気ダクト、１５は排気口で
ある。

上記のように構成された従来の複合型給湯装置
において、給湯機あるいは風呂釜を使用する場合
には、まず燃料遮断弁１１あるいは１２が開放
し、燃料が給湯機用バーナ４あるいは風呂釜用バ
ーナ７に供給される。これと同時に、給湯機用バ
ーナ４あるいは風呂釜用バーナ７には、さらに給
湯機用ブロア５あるいは風呂釜用ブロア８により
燃焼一次および二次空気が送気され、所望の点火
手段で点火することにより前記バーナ４あるいは
７は燃焼する。これにより、給湯機用熱交換器６
内に供給された水は急速に加熱され、また風呂釜
用熱交換器９内に供給された水も有効に加熱され
る。

ところで、一般に瞬間加熱部に相当する給湯機
用バーナを火力の強弱に応じて絶えず安定した状
態の下に燃焼させるには、このバーナに供給する
燃料流量と、燃焼一次空気量との混合比（空燃
比）を常に適正に保持する必要がある。ところ
が、前記給湯機用バーナ４が絶えず最適な燃焼状
態になるようにするには、燃料の供給流量を制御
し、かつ前記給湯機用ブロア５の駆動を制御して
燃焼一次空気の流量を制御することにより、一応
適正な空燃比を保持することが可能になる。

しかしながら、給湯機用ブロア５は単独で給湯
機用バーナー４に燃焼一次空気と、燃焼二次空気
とを同時に供給するようになつているため、燃焼
一次空気を増減させると当然、燃焼二次空気も同
時に増減することになる。ところが、この燃焼一
次空気および燃焼二次空気のうち燃焼量の増減に
影響を与えるのは、燃焼一次空気だけであり、燃
焼二次空気の増減によつて燃焼量はほとんど影響
されない。

従つて、燃焼量を制御するためには、燃焼一次
空気のみを制御すれば良いにも係わらず、この燃
焼一次空気の増減に伴なつて増減させる必要のな
い燃焼二次空気まで増減させることになる。

しかも、この給湯機用ブロア５の動作点の圧力
は、給湯機用バーナ４の炎孔部の圧損により影響
される燃焼一次空気の流量で決定され、かつ前記
ブロア５の動作点の流量は、機器の冷却作用も兼
ねているために燃焼一次空気の流量に比べて極め
て多量に送気される燃焼二次空気の流量で決定さ
れる。

従つて、給湯機用熱交換器６内の水を給湯機用
バーナ４によつて急速に加熱させるためには、こ
のバーナ４に対し多量の燃焼空気を送気しなけれ
ばならないという問題がある。

このため、従来の複合型給湯装置にあつては、
通常加熱部としての風呂釜用ブロア８は格別問題
はないが、瞬間加熱部に対しては燃焼一次および
二次空気を送気する給湯機用ブロア５としてどう
しても高圧・大流量型の能力の高い、速度制御可
能で高価なものを使用しなければならないという
不都合があつた。

〔発明の概要〕

この発明は上記不都合および問題を解決する目
的で成されたもので、瞬間加熱部と通常加熱部に
燃焼一次および二次空気を送気する燃焼空気送気
手段として瞬間加熱部には燃焼一次空気を送気す
る高圧・小流量型の独立ブロアと燃焼二次空気を
送気する低圧・大流量型の共用ブロアとを各別に
設けて適正な燃焼加熱を行なわせると共に、通常
加熱部には前記共用ブロアを共用させて燃焼一次
および二次空気を送気させるように構成して、加
熱能力を低下させることなく小型かつ安価に構成
すると共に、瞬間加熱部の小型化も可能とした複
合型給湯装置を提供するものである。

〔発明の実施例〕

以下、第２図に基づいてこの発明の一実施例を
説明する。なお、前記従来例と同一もしくは相当
部分には同符号を付し、その説明の詳細は省く。

図において、１６は瞬間加熱部、すなわち給湯
機用バーナ４に燃焼一次空気を送気する高圧・小
流量型の独立ブロアで、このブロア１６から送気
された空気は全て燃焼一次空気として給湯機用バ
ーナ４に送気されるようになつている。さらに、
この独立ブロア１６には配管１０より供給される
燃料の流量に応じて前記独立ブロア１６の駆動を
制御し、絶えず適正な空燃比を保持することがで
きる周知の制御手段が備えてある。１７は給湯機
用バーナー４に燃焼二次空気を、風呂釜用バーナ
ー７に燃焼一次空気および二次空気を送気する低
圧・大流量型の共用ブロアで、常時一定の送風量
が得られるようになつている。そして、この共用
ブロア１７と前記独立ブロア１６とにより燃焼空
気供給手段ａが構成されている。

以上のような構成になつているので、給湯機を
使用する場合には、前述の従来例と同様に燃料遮
断弁１１のみが開放し、給湯機用バーナ４には必
要負荷に応じた燃料が供給される。これと同時
に、この給湯機用バーナ４には、さらに給湯機用
熱交換器６内の水を急速に加熱するに最適な流量
の燃焼一次空気が独立ブロア１６より送出され、
さらに共用ブロア１７より一定流量の燃焼二次空
気が送気される。そして所望の点火手段で点火す
ることにより、給湯機用バーナ４は適正に燃焼す
る。これにより、給湯機用熱交換器６内に供給さ
れた水は急速に加熱される。

また、風呂釜を使用する場合には、燃料遮断弁
１２のみが開放して風呂釜用バーナ７に一定流量
の燃料が供給される。これと同時に、その燃料の
流量に応じた一定流量の燃焼一次および二次空気
が共に共用ブロア１７によつて送気され、さらに
所望の点火手段で点火することにより一定の燃焼
が行なわれる。これにより、風呂釜用熱交換器９
内に供給されている水は有効に加熱される。

また、瞬間加熱部としての給湯機用バーナ４
が、小型に形成され、それに伴ない炎孔部が小径
となつて圧損が高くなつたとしても、前記炎孔部
へは独立ブロア１６のみによつて必要な燃焼一次
空気を集中的に供給すれば足りるので格別大流量
を必要とすることなく独立ブロア１６により比較
的小流量を供給すれば充分である。

なお、上記実施例においては、風呂釜に適用し
た場合について説明したが、特に風呂釜に限ら
ず、例えば暖房機等の種々の熱供給手段に適用す
ることも可能であり、この場合にも同様の効果を
期待できる。なお、通常加熱部には、一次空気比
の低いバーナーを使用することが適当である。

さらに上記実施例においては、風呂釜用バーナ
７を燃焼させない場合にも風呂釜用燃焼室３内へ
共用ブロア１７によつて空気が供給されるように
なつているが、風呂釜用バーナ７を燃焼させない
場合には例えばダンパー等により流路を切換え、
共用ブロア１７より送気される空気を全て給湯機
用燃焼室２内へ燃焼二次空気として供給するよう
にし、燃焼二次空気による機器の冷却作用を一層
向上させることも可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したとおり、この発明によれば燃焼空
気供給手段として瞬間加熱部には、燃焼一次空気
を送気する高圧・小流量型の独立ブロアと、燃焼
二次空気を送気する低圧・大流量型の共用ブロア
とを各別に設けて適正な燃焼加熱を行なわせると
共に、風呂釜など他方の加熱部には前記共用ブロ
アを共用させて燃焼一次および二次空気を送気さ
せるように構成したことにより、加熱能力を低下
させずに前記燃焼空気供給手段を小型かつ安価に
構成することができるという効果があり、さらに
独立ブロアを大型にすることなく瞬間加熱部の小
型化を図ることができるという効果もある。

従つて、風呂釜付の瞬間給湯機のような複合型
給湯器を、小型かつ安価に広く実施できる利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の複合型給湯装置の内部構造を示
す側面説明図、第２図はこの発明に係る複合型給
湯装置の一実施例の内部構造を示す側面説明図で
ある。 図において、１は複合型給湯装置本体、４は瞬
間加熱部としての給湯機用バーナ、１６は高圧・
小流量型の独立ブロア、１７は低圧・大流量型の
共用ブロア、ａは燃焼空気供給手段である。な
お、各図中同一符号は同一または相当部分を示す
ものとする。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同一器体内に燃料ガスによる瞬間加熱部と通
   常加熱部とを備え、かつ各々の加熱部に燃焼一次
   空気と燃焼二次空気とを送気する燃焼空気供給手
   段を備えて成る複合型給湯装置において、前記燃
   焼空気供給手段として瞬間加熱部には、燃焼一次
   空気を送気する高圧・小流量型の独立ブロアと燃
   焼二次空気を送気する低圧・大流量型の共用ブロ
   アとを各別に設け、通常加熱部には、前記共用ブ
   ロアを共用させて燃焼一次および二次空気を送気
   させるように構成したことを特徴とする複合型給
   湯装置。