JPH024303B2 - - Google Patents
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- JPH024303B2 JPH024303B2 JP60096692A JP9669285A JPH024303B2 JP H024303 B2 JPH024303 B2 JP H024303B2 JP 60096692 A JP60096692 A JP 60096692A JP 9669285 A JP9669285 A JP 9669285A JP H024303 B2 JPH024303 B2 JP H024303B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、人工肝臓の代謝補助装置に関する。
さらに、具体的には、異種動物より採取した遊離
肝細胞を浮遊させている培地と患者血液との間で
限外濾過膜を介して物質交換を行なわせる代謝補
助装置に関する。 〔従来の技術〕 肝臓は重要な臓器であつて、その機能はつぎの
二つ、すなわち各種化合物の抱合などのいわゆる
解毒能と、糖、アンモニア、脂質などの物質代
識、さらにはアルブミンを始めとする血漿タンパ
クの合成などのいわゆる代謝能とに大別される。 肝臓のこれら機能が低下した場合には、それを
補なう人工的な装置が必要であり、したがつて肝
機能補助装置がいろいろと考案されている。 活性炭、イオン交換樹脂などの吸着剤の中に
は、いわば解毒能の補助として臨床に用いられた
例もある。 しかし、吸着剤だけでは複雑な代謝能の補助は
不可能であり、吸着剤の治療成績にも限界があ
る。そこで、患者の低下した肝機能を補助するた
めには、異種動物より採取した肝細胞の代謝能を
利用した代謝補助装置の開発が不可欠なものと考
えられる。この考えのもとに今日までに行なわれ
た研究においては、材料として摘出した動物肝を
そのまゝ使用するもの、切片として使用するもの
などがある。しかし、遊離肝細胞を浮遊させて用
いるのが、取扱いの簡便さにおいて最もすぐれて
いる〔例えば、特開昭53−94496号公報、
Olumide、F.et al:Surg.82(5)、599(1977)、葛
西真一ほか:人工臓器14(1)、228(1985)〕 一方、異種動物により採取した肝を用いる代謝
補助装置において、異種動物肝細胞から生成する
あるいは遊離するタンパク質が患者体内に入れ
ば、患者にとつて有害な免疫学的反応をひきおこ
すことは自明である。 さりとて前述のOlumideらの如く、キユプロフ
アン膜のように低分子物質だけを通過せしめる膜
を患者血液と肝細胞浮遊培地との間においたので
は、動物肝細胞の代謝能を十分に利用していない
ことになり、代謝補助装置として不満足である。 また、前述の特開昭53−94496号公報に示され
た代謝補助装置においては、濾過材として約0.01
〜0.5μのポアーサイズの高分子材料からなる膜材
が用いられており、肝細胞浮遊培地はこの膜によ
り濾過され、得られた濾液が患者体内に注入され
る。このような条件下では、肝細胞から生成する
あるいは遊離するタンパク質が患者体内に入るお
それがあり、これまた代謝補助装置として不満足
である。 これに対して葛西らは肝細胞における中分子量
物質代謝の重要性に着目している。彼らの考案に
よる代謝補助装置においては、患者血液又は血漿
と肝細胞浮遊培地とが分画分子量2万から30万で
ある限外濾過膜を介して接触し、主として拡散に
よつて両者の間に物質交換が行われる〔人工臓器
11(6)、941(1982);同13(2)、626(1984);同14(1)
、
228(1985)〕。彼らはこの代謝補助装置をガラクト
サミン投与不全犬につなげて潅流し、犬の生存時
間延長に有効であることを認めている。 このように葛西らの代識補助装置はその有効性
が実証されているものの、その構造上さまざまの
問題点がふくまれている。すなわち、彼らの装置
においては、限外濾過膜である中空糸が細胞浮遊
培養槽の側壁から側壁へ低充填密度でスダレ状か
つ多層に充填されており、ポツテイング材により
両側壁に固着されている。 空気又は酸素のバブリングにより上記の中空糸
の外側の細胞浮遊培地から撹拌され、中空糸の内
側を流れる血液又は血漿との間で物質交換が行わ
れる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 彼らの装置を用いて動物実験を行うことは可能
であるが、培養槽、限外濾過膜表面積などを拡大
して臨床に用いようとすると、次のいくつかの困
難に遭遇する。主なるものを挙げれば、 (1) バブリングによるだけでは細胞浮遊培地の均
一循環は期し難いが、さりとて他の撹拌手段を
つけ加えるような設計は困難である。 (2) 血液ポートのプライミング容積を小さく保つ
ような設計は困難である。 (3) 実用機器とするためには中空糸状限外濾過膜
と細胞培養槽とをあわせてデイスポ化すること
が必要となり、量産に適さない。 (4) バブリングは肝細胞生存率の維持に有害であ
る。 本発明は上記の困難に解決を与えることを目的
とし、細胞浮遊培地が患者血液と中空糸状限外濾
過膜を介して物質交換を営む場所を細胞槽の内部
から外部へ移すことによつて、この目的を達成し
ようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明による代謝補助装置は、下記の
部分からなることを特徴とするものである。 (a) 異種動物より採取した遊離肝細胞の浮遊培養
槽、 (b) 0.05から2μ、好ましくは0.1から1μの孔径を
もつ中空糸状分離膜より構成される第1筒型モ
ジユール、 (c) 分画分子量が2万から30万、好ましくは6万
から15万である中空糸状限外濾過膜より構成さ
れる第2の筒型モジユール、 (d) 培養槽から浮遊している肝細胞をその培地と
ともに連続的にとり出し、第1筒型モジユール
の中空糸内側へ送り、分離膜を通過しなかつた
培地およびそれに浮遊している肝細胞と、分離
膜を通過した一部の培地とに分離し、分離膜を
通過しなかつた培地およびそれに浮遊している
肝細胞をともにそのまゝ培養槽へ戻し、分離膜
を通過した一部の培地は第1筒型モジユールの
中空糸外側からとり出し、第2筒型モジユール
の中空糸外側を潅流してから培養槽へ戻すため
の送液機構、および (e) 患者からの血液を第2筒型モジユールの中空
糸内側を連続的に潅流してから患者へ戻すため
の送液機構。 本発明は培養槽から浮遊している肝細胞をその
培地とともにとり出し、一部の培地を中空糸状分
離膜を通過させて分離し、残りの培地をそれに浮
遊している肝細胞とともに培養槽に戻すという操
作を連続的に行なつたときに、この操作が肝細胞
の生存率(Viability)および生化学的指標に有
害な影響を殆んどおよぼさないという新しく発見
された知見に基づいている。 細胞浮遊培地の一部を中空糸状分離膜を用いて
とり出す上記の操作を行うにあたつては、肝細胞
をその培地とともに中空糸状分離膜内側を通過さ
せることが必要である。もしも、肝細胞をその培
地ととも中空糸状分離膜外側を潅流すると、筒型
モジユールの構造からいつて流れのゆるやかなよ
どみの箇所に肝細胞がトラツプされる。よどみの
個所は酸素濃度などの培養条件が悪いので、この
個所の肝細胞は結果として死滅し、培養槽全体の
肝細胞の生存率の急激な低下を招来する。 また、本発明において患者からの血液を第2筒
型モジユールの中空糸内側を潅流すると規定され
ているが、この理由も上記と同様である。 すなわち、患者からの血液を中空糸外側を潅流
すると、よどみの個所において溶血乃至は凝固を
生じ易いからである。 本発明においては、このように肝細胞および血
液に対する損傷をさけるために、第1および第2
の2本の筒型モジユールの使用が不可欠である。
葛西らの代謝補助装置は先ほど述べたようにその
容量拡大に際して設計上いくつかの難点を有して
いる。本発明によればこれらの難点にそれぞれ次
のような解決が与えられる。 (1) 培養槽設計について自由度が与えられるの
で、その材質、形状、撹拌様式、通気方法など
を遊離肝細胞浮遊培養にむけて最適化をはかる
ことができる。 (2) 血液を潅流する第2筒型モジユールの形状は
既存の中空糸型人工腎臓に類似したものにする
ことができるので、血液ポートのプライミング
容積を最少にとどめる設計をなし得る。 これは患者の負担を軽減することにつながる
ものである。 (3) 第1および第2筒型モジユール、および送液
機構のうちの配管部分はデイスポ化することが
容易となり、滅菌済のものを量産することがで
きる。 次に本発明を構成する各部分について具体的な
説明を加える。 (a) 培養槽:培養槽は、異種動物により採取した
遊離肝細胞を培地に浮遊させて培養することの
できる任意の培養槽であり得る。しかし、本発
明の効果のひとつは、培養槽設計について自由
度が与えられることであつた。よつて、培養槽
の仕様は、当然のことながら、遊離肝細胞の生
存率を可能な限り長時間にわたつて維持し、ま
た生化学的指標にて表わされる肝細胞の機能を
最大限に発揮し得るものであり得る。 その一例として、通気方法をあげることがで
きる。槽内の酸素濃度を保つために、肝細胞の
浮遊している培地に直接酸素あるいは空気をバ
ブリングすることは、肝細胞生存率に有害であ
る。培地表面からのみの酸素供給に限るか、肝
細胞の浮遊していない培地にバブリングした後
その培地を肝細胞の浮遊している培地に添加す
れば、肝細胞生存率はより長い時間にわたつて
維持される。よつて、このような通気方法によ
ることが好ましい。このような通気方法は、本
発明による代謝補助装置において始めて採用し
得るものである。 中空糸状限外濾過膜が培養槽内部に固着され
ているような培養槽にあつては、うえに述べた
通気方法を採用することは困難である。あるい
は、可能になつたとしても、量産に適するもの
ではない。 通気方法の例にとどまらず、本発明による代
謝補助装置においては、培養槽の形状、材質、
容量についても、代謝補助装置の使用の目的に
応じて任意に選択をなし得る。 また、適度の撹拌のための装置、保温のため
の装置、さらにPH、温度、酸素濃度などの培養
条件の監視調節装置などが付設されていること
が好ましいことは言うまでもない。 ここで、培養槽の中に浮遊させる異種動物よ
り採取した遊離肝細胞について述べる。肝細胞
としては、使用の目的に応じてラツト、犬、
豚、牛、類人猿などの動物よりBerryおよび
Friendのコラゲナーゼ潅流法あるいはSeglen
によるその変法などを用いて調製され得る。凍
結保存した肝細胞も用いることができる。使用
する培地としては、肝細胞の生存率をより長い
時間にわたつて維持し、生化学的指標にて表わ
される肝細胞の機能を最大限に発揮し得るもの
が好ましい。一般には、牛胎児血清添加MEM
培地あるいはWE培地などが用いられ得る。イ
ンシユリン、デキサメサゾンなどのホルモン、
あるいは酸素運搬剤としてフルオロカーボンな
どが好ましく添加される。近年、市販されてい
る無血清培地も目的に応じて使用され得る。細
胞を浮遊させる濃度としては、10〜1×106
箇/mlの範囲が好ましい。 (b) 第1筒型モジユール:第1筒型モジユールに
おいては、中空糸状分離膜の内側を通る肝細胞
浮遊培地の一部が分離膜を通過して中空糸状分
離膜の外側へ送り出される。この第一筒型モジ
ユールとしては、最近、市販されている中空糸
型の血漿分離器が好適に使用できる。 その分離膜の孔径は、肝細胞を含む培地を患
者に有効な成分を含む培地と肝細胞とに分離す
るため通常0.05〜2μ、好ましくは0.1〜1.0μ程度
である。 さらに、第1筒型モジユールにおいては、遊
離肝細胞を中空糸内側を円滑に通過せしめるた
めに、中空糸内側が平滑であり、またその内径
が100μ以上あることが好ましい。 第1筒型モジユールの分離膜面積、あるいは
その他の形状、仕様、さらには分離膜の材質そ
の他については、代謝補助装置の使用の目的に
応じて任意に選択をなし得る。材質としては例
えば、ポリメチルメタクリレート、セルロース
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リスルホンなど生体に安全なものであれば良
い。 (c) 第2筒型モジユール:第2筒型モジユールに
おいては、中空糸状限外濾過膜の内側を潅流す
る血液と中空糸状限外濾過膜の外側を潅流す
る、細胞の浮遊していない培地とが限外濾過膜
を介して接触し、主として拡散によつて両者の
間に物質交換が行われる。限外濾過膜として
は、肝細胞浮遊培地中の有効成分を患者血液中
に、患者血液中の害毒成分を肝細胞浮遊培地中
へ有効にかつ安全に移動させるため、いわゆる
人工腎臓でヘモフイルターあるいは蛋白質リー
ク膜と呼称されているような、高透水性の分画
分子量2万〜30万付近、好ましくは分画分子量
6万〜15万付近の膜モジユールが使用される。 ここで分画分子量とは、分子量(MW)が明
確な指標物質(IgM(MW960000)、アポフエリ
チン(MW480000)、IgG(MW160000)、アル
ブミン(67000)、卵アルブミン(MW45000)、
ペプシン(MW35000)、イヌリン(MW5200)
などの溶液を用いて、その透過率を測定して、
透過率(阻止率)とMWを軸とするグラフを描
き、透過率10%(阻止率90%)を示す分子量で
ある。 限外濾過膜の材質としては例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、セルロースアセテート、ポ
リビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ
スルホンなど生体に安全なものであれば良い。 第2筒型モジユールの中空糸内径、限外濾過
膜面積、あるいはその他の形状、仕様、さらに
は限外濾過膜の材質その他については、代謝補
助装置の使用の目的に応じて任意に選択をなし
得る。 (d),(e) 送液機構:本発明による代謝補助装置に
おいて、送液機構は上に述べた各部分の間を連
結して、血液、肝細胞浮遊培地および肝細胞の
浮遊していない培地を導く配管、ポンプ、およ
びその他の部品よりなる。 配管としては、いわゆる人工腎臓で使用され
ている滅菌された塩化ビニール製血液回路が好
ましく使用されるが、その他のシリコーンなど
の素材からなる配管も使用できることはいうま
でもない。 また、配管の内径についても、代謝補助装置
の使用の目的に応じて任意に選択をなし得る。 培地および血液を送液するためのポンプ、圧
力測定器、加温コイルも人工腎臓や血漿交換
(プラズマフエレイシス)で臨床用として開発
されている機器が好ましく使用される。 以下、本発明を第1図を参照しながら説明す
る。 第1図は本発明装置の1例を示すものである。 ポンプ1を備えた回路2により培養槽3から肝
細胞浮遊培地が第1筒型モジユール4の中空糸内
側へ送りこまれる。ポンプ5の働きにより一部の
培地が中空糸状分離膜を通過して回路6を経由し
て第2筒型モジユール7の中空糸外側に到る。こ
の培地はここで患者血漿と中空糸状限外濾過膜を
介して物質交換を行なつた後、回路8を通り、回
路9にて第1筒型モジユール4の分離膜を通過し
なかつた培地およびそれに浮遊している肝細胞と
合流して培養槽3へ戻る。 患者血液は、ポンプ10および11の働きによ
り回路12および第2筒型モジユール7の中空糸
内側を潅流した後、回路13を経由して体内へ戻
る。 第1図において、圧力測定器13は1箇示され
ているのみであり、また加温コイル、ドリツプチ
エンバーは全く示されていない。しかし、これら
の付属部品は代謝補助装置使用の目的に沿つて適
宜配置され得る。 また、ポンプの配置は第1図に示されたそれに
必ずしも限定されるものではない。例えば、第1
図における回路13にあるポンプ11を廃止して
回路8に新たにポンプを配置しても全く変らない
培地および血液の流れを確保できる。このよう
に、培地および血液の流れを確保できるものであ
れば、ポンプの配置は任意に設定できる。 次に、送液機構によつて送るべき培地および血
液の流量について述べる。これらは次の条件に合
うかぎり任意に設定することができる。すなわ
ち、肝細胞の生存率の低下、機能の損害を最小限
に抑制すること、患者あるいは実験動物におよぼ
す負担を最小限に抑制すること、培地と血液との
間の物質交換を最も効率的に行なうことである。 より具体的に述べれば、第2筒型モジユールに
おける培地流量の血漿流量に対する比は1より大
であることが好ましい。また、第1筒型モジユー
ルにおいて中空糸状分離膜外側へとり出される培
地の流量は第1筒型モジユールの中空糸内側へ送
りこまれる培地流量の1/2以下であることが好
ましい。 また、本発明による代謝補助装置において、培
養槽に肝細胞を浮遊せしめると同時に患者血液の
潅流を開始する必要は必ずしもない。 細胞を培地に浮遊せしめれば、直ちにその最大
限の機能を発揮するものではなく、幾らかの培養
時間が必要である。したがつて、このような場
合、患者の負担を軽減するために、幾らかの培養
時間をおいた後、患者血液の潅流を開始するのが
好ましい。 以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 本発明による代謝補助装置の代謝能を調べるた
めに、患者血液のかわりに2のハンクス液を第
2筒型モジユールの中空糸内側を潅流させ、肝細
胞の生存率、アンモニアの除去速度などについて
in Vitro試験を行なつた。 細胞は体重8Kgのビーグル犬からSeglenの変
法によるコラゲナーゼ潅流法により採取し、洗滌
後2のMEM培地に4×106箇/mlの濃度に懸
濁した。この培地には、あらかじめ10%の牛胎児
血清、10-6Mのインシユリンおよび10-5Mのデキ
サメサゾンを添加した。培養槽はガラス製で撹拌
翼を有しており、37℃の恒温槽の中に保持されて
いた。培養槽気相部には、流量計にて調節された
流速にて酸素および炭酸ガスが送り込まれた。培
地中の溶存酸素分圧は、100−200mmHgの範囲、
培地中のPHは、7.1〜7.3の範囲に保たれた。 第1筒型モジユールとしてはPMMA製中空糸
よりなる膜面積0.5m2、細孔径0.3μの血漿分離器
(“プラズマツクス”PS−05H(東レ株式会社製)
を用いた。この中空糸内径は330μであつた。 第2筒型モジユールとしては分画分子量10万の
PMMA製中空糸状限外濾過膜よりなるものを用
いた。その膜面積は0.4m2、中空糸内径は300μで
あつた。 内径3.5mm、外形6.0mmの塩化ビニール製血液回
路を用いて上に述べた各部分の間を連結し血液ポ
ンプにより次のように送液した。すなわち、培養
槽から肝細胞浮遊培地を500ml/minにて第1筒
型モジユールの中空糸内側へ送りこんだ。そのう
ち100ml/minの培地を中空糸外側へひき出し、
第2筒型モジユールの中空糸外側を潅流させてか
ら残りの肝細胞浮遊培地とともに培養槽へ戻し
た。患者血液のかわりのハンクス液は第2筒型モ
ジユールの中空糸内側を50ml/minにて潅流し
た。ハンクス液に塩化アンモニウムを2回にわた
つて添加し、ハンクス液および肝細胞浮遊培地に
おけるアンモニア濃度の変化を測定した。測定は
藤井−奥田法変法によつた。 その結果を第2図に示した。さらに、トリパン
ブルー染色法にて計数した浮遊肝細胞の生存率も
あわせて第2図に示した。 また、ルミノアグリゴメーターを用いて測定し
た浮遊肝細胞のATP含量の変化を第3図に示し
た。 肝細胞の生存率については12時間の培養であり
ながらわずかの低下をみたのであつた。 細胞内ATP量は培養開始と同時に増加を始め、
7−8時間後に最大に達した。12時間後であつて
もなお、培養開始時よりも高いレベルにあつた。 ハンクス液に添加したアンモニアは、6時間後
であつても培養開始時と全く変らない速度で除去
された。肝細胞浮遊培地側では、アンモニア濃度
の増加はほとんどみられなかつた。 以上より、本発明による代謝補助装置は代謝能
を有し、しかもそれが長時間にわたつて安定であ
るということがいえる。 比較例 1 第1筒型モジユールを用いない場合以外は、実
施例1と同じ装置を用いて、次の様に送液を行つ
た。すなわち肝細胞浮遊培地を100ml/minにて
第2筒型モジユールの中空糸の外側に潅流させ培
養槽に戻した。患者血液の代わりにハンクス液は
第2筒型モジユールの中空糸内側を50ml/minに
て潅流した。ハンクス液に塩化アンモニウムを2
回にわたつて添加し、ハンクス液および肝細胞浮
遊培地におけるアンモニア濃度の変化を測定し
た。測定は藤井−奥田法変法によつた。潅流を始
めて1時間後より肝細胞浮遊培地をモジユールへ
送る入り口側の圧力が上昇し、3時間後には300
mmHgを越えたため、潅流速度を50ml/minに低
下させたが、6時間後には400mmHgとなり時々モ
ジユールを手でたたいたり、振つて圧力を下げな
がら8時間潅流を行つた。 その間の浮遊肝細胞の生存率(viability)は次
第に低下し8時間後には40%となつたため中止し
た。またハンクス液に添加したアンモニアは5時
間経過後から減少が認められなくなり、6時間目
に2回目の添加を行つた後は逆にわずかの上昇さ
えみられた。 〔発明の効果〕 本発明は中空糸限外濾過膜よりなる筒型モジユ
ールを細胞培養槽の外へ出すことにより、容量拡
大に際する設計および肝細胞を損なわない酸素供
給方法が可能となる。また特定の孔径を有する2
種の筒型モジユールを併用することで、肝細胞浮
遊培地中の有効成分を患者血液中へ、患者血液中
の害毒成分を肝細胞浮遊培地中へ有効にかつ安全
に移動させることができる。さらに第1筒型モジ
ユールでは肝細胞を中空糸内側を通過させること
で肝細胞の培養条件を好ましく保てるので、肝細
胞の生存率が維持できる。また第2筒型モジユー
ルでは血液を中空糸の内側を潅流させることで溶
血、凝固を防ぐことができる。
さらに、具体的には、異種動物より採取した遊離
肝細胞を浮遊させている培地と患者血液との間で
限外濾過膜を介して物質交換を行なわせる代謝補
助装置に関する。 〔従来の技術〕 肝臓は重要な臓器であつて、その機能はつぎの
二つ、すなわち各種化合物の抱合などのいわゆる
解毒能と、糖、アンモニア、脂質などの物質代
識、さらにはアルブミンを始めとする血漿タンパ
クの合成などのいわゆる代謝能とに大別される。 肝臓のこれら機能が低下した場合には、それを
補なう人工的な装置が必要であり、したがつて肝
機能補助装置がいろいろと考案されている。 活性炭、イオン交換樹脂などの吸着剤の中に
は、いわば解毒能の補助として臨床に用いられた
例もある。 しかし、吸着剤だけでは複雑な代謝能の補助は
不可能であり、吸着剤の治療成績にも限界があ
る。そこで、患者の低下した肝機能を補助するた
めには、異種動物より採取した肝細胞の代謝能を
利用した代謝補助装置の開発が不可欠なものと考
えられる。この考えのもとに今日までに行なわれ
た研究においては、材料として摘出した動物肝を
そのまゝ使用するもの、切片として使用するもの
などがある。しかし、遊離肝細胞を浮遊させて用
いるのが、取扱いの簡便さにおいて最もすぐれて
いる〔例えば、特開昭53−94496号公報、
Olumide、F.et al:Surg.82(5)、599(1977)、葛
西真一ほか:人工臓器14(1)、228(1985)〕 一方、異種動物により採取した肝を用いる代謝
補助装置において、異種動物肝細胞から生成する
あるいは遊離するタンパク質が患者体内に入れ
ば、患者にとつて有害な免疫学的反応をひきおこ
すことは自明である。 さりとて前述のOlumideらの如く、キユプロフ
アン膜のように低分子物質だけを通過せしめる膜
を患者血液と肝細胞浮遊培地との間においたので
は、動物肝細胞の代謝能を十分に利用していない
ことになり、代謝補助装置として不満足である。 また、前述の特開昭53−94496号公報に示され
た代謝補助装置においては、濾過材として約0.01
〜0.5μのポアーサイズの高分子材料からなる膜材
が用いられており、肝細胞浮遊培地はこの膜によ
り濾過され、得られた濾液が患者体内に注入され
る。このような条件下では、肝細胞から生成する
あるいは遊離するタンパク質が患者体内に入るお
それがあり、これまた代謝補助装置として不満足
である。 これに対して葛西らは肝細胞における中分子量
物質代謝の重要性に着目している。彼らの考案に
よる代謝補助装置においては、患者血液又は血漿
と肝細胞浮遊培地とが分画分子量2万から30万で
ある限外濾過膜を介して接触し、主として拡散に
よつて両者の間に物質交換が行われる〔人工臓器
11(6)、941(1982);同13(2)、626(1984);同14(1)
、
228(1985)〕。彼らはこの代謝補助装置をガラクト
サミン投与不全犬につなげて潅流し、犬の生存時
間延長に有効であることを認めている。 このように葛西らの代識補助装置はその有効性
が実証されているものの、その構造上さまざまの
問題点がふくまれている。すなわち、彼らの装置
においては、限外濾過膜である中空糸が細胞浮遊
培養槽の側壁から側壁へ低充填密度でスダレ状か
つ多層に充填されており、ポツテイング材により
両側壁に固着されている。 空気又は酸素のバブリングにより上記の中空糸
の外側の細胞浮遊培地から撹拌され、中空糸の内
側を流れる血液又は血漿との間で物質交換が行わ
れる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 彼らの装置を用いて動物実験を行うことは可能
であるが、培養槽、限外濾過膜表面積などを拡大
して臨床に用いようとすると、次のいくつかの困
難に遭遇する。主なるものを挙げれば、 (1) バブリングによるだけでは細胞浮遊培地の均
一循環は期し難いが、さりとて他の撹拌手段を
つけ加えるような設計は困難である。 (2) 血液ポートのプライミング容積を小さく保つ
ような設計は困難である。 (3) 実用機器とするためには中空糸状限外濾過膜
と細胞培養槽とをあわせてデイスポ化すること
が必要となり、量産に適さない。 (4) バブリングは肝細胞生存率の維持に有害であ
る。 本発明は上記の困難に解決を与えることを目的
とし、細胞浮遊培地が患者血液と中空糸状限外濾
過膜を介して物質交換を営む場所を細胞槽の内部
から外部へ移すことによつて、この目的を達成し
ようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明による代謝補助装置は、下記の
部分からなることを特徴とするものである。 (a) 異種動物より採取した遊離肝細胞の浮遊培養
槽、 (b) 0.05から2μ、好ましくは0.1から1μの孔径を
もつ中空糸状分離膜より構成される第1筒型モ
ジユール、 (c) 分画分子量が2万から30万、好ましくは6万
から15万である中空糸状限外濾過膜より構成さ
れる第2の筒型モジユール、 (d) 培養槽から浮遊している肝細胞をその培地と
ともに連続的にとり出し、第1筒型モジユール
の中空糸内側へ送り、分離膜を通過しなかつた
培地およびそれに浮遊している肝細胞と、分離
膜を通過した一部の培地とに分離し、分離膜を
通過しなかつた培地およびそれに浮遊している
肝細胞をともにそのまゝ培養槽へ戻し、分離膜
を通過した一部の培地は第1筒型モジユールの
中空糸外側からとり出し、第2筒型モジユール
の中空糸外側を潅流してから培養槽へ戻すため
の送液機構、および (e) 患者からの血液を第2筒型モジユールの中空
糸内側を連続的に潅流してから患者へ戻すため
の送液機構。 本発明は培養槽から浮遊している肝細胞をその
培地とともにとり出し、一部の培地を中空糸状分
離膜を通過させて分離し、残りの培地をそれに浮
遊している肝細胞とともに培養槽に戻すという操
作を連続的に行なつたときに、この操作が肝細胞
の生存率(Viability)および生化学的指標に有
害な影響を殆んどおよぼさないという新しく発見
された知見に基づいている。 細胞浮遊培地の一部を中空糸状分離膜を用いて
とり出す上記の操作を行うにあたつては、肝細胞
をその培地とともに中空糸状分離膜内側を通過さ
せることが必要である。もしも、肝細胞をその培
地ととも中空糸状分離膜外側を潅流すると、筒型
モジユールの構造からいつて流れのゆるやかなよ
どみの箇所に肝細胞がトラツプされる。よどみの
個所は酸素濃度などの培養条件が悪いので、この
個所の肝細胞は結果として死滅し、培養槽全体の
肝細胞の生存率の急激な低下を招来する。 また、本発明において患者からの血液を第2筒
型モジユールの中空糸内側を潅流すると規定され
ているが、この理由も上記と同様である。 すなわち、患者からの血液を中空糸外側を潅流
すると、よどみの個所において溶血乃至は凝固を
生じ易いからである。 本発明においては、このように肝細胞および血
液に対する損傷をさけるために、第1および第2
の2本の筒型モジユールの使用が不可欠である。
葛西らの代謝補助装置は先ほど述べたようにその
容量拡大に際して設計上いくつかの難点を有して
いる。本発明によればこれらの難点にそれぞれ次
のような解決が与えられる。 (1) 培養槽設計について自由度が与えられるの
で、その材質、形状、撹拌様式、通気方法など
を遊離肝細胞浮遊培養にむけて最適化をはかる
ことができる。 (2) 血液を潅流する第2筒型モジユールの形状は
既存の中空糸型人工腎臓に類似したものにする
ことができるので、血液ポートのプライミング
容積を最少にとどめる設計をなし得る。 これは患者の負担を軽減することにつながる
ものである。 (3) 第1および第2筒型モジユール、および送液
機構のうちの配管部分はデイスポ化することが
容易となり、滅菌済のものを量産することがで
きる。 次に本発明を構成する各部分について具体的な
説明を加える。 (a) 培養槽:培養槽は、異種動物により採取した
遊離肝細胞を培地に浮遊させて培養することの
できる任意の培養槽であり得る。しかし、本発
明の効果のひとつは、培養槽設計について自由
度が与えられることであつた。よつて、培養槽
の仕様は、当然のことながら、遊離肝細胞の生
存率を可能な限り長時間にわたつて維持し、ま
た生化学的指標にて表わされる肝細胞の機能を
最大限に発揮し得るものであり得る。 その一例として、通気方法をあげることがで
きる。槽内の酸素濃度を保つために、肝細胞の
浮遊している培地に直接酸素あるいは空気をバ
ブリングすることは、肝細胞生存率に有害であ
る。培地表面からのみの酸素供給に限るか、肝
細胞の浮遊していない培地にバブリングした後
その培地を肝細胞の浮遊している培地に添加す
れば、肝細胞生存率はより長い時間にわたつて
維持される。よつて、このような通気方法によ
ることが好ましい。このような通気方法は、本
発明による代謝補助装置において始めて採用し
得るものである。 中空糸状限外濾過膜が培養槽内部に固着され
ているような培養槽にあつては、うえに述べた
通気方法を採用することは困難である。あるい
は、可能になつたとしても、量産に適するもの
ではない。 通気方法の例にとどまらず、本発明による代
謝補助装置においては、培養槽の形状、材質、
容量についても、代謝補助装置の使用の目的に
応じて任意に選択をなし得る。 また、適度の撹拌のための装置、保温のため
の装置、さらにPH、温度、酸素濃度などの培養
条件の監視調節装置などが付設されていること
が好ましいことは言うまでもない。 ここで、培養槽の中に浮遊させる異種動物よ
り採取した遊離肝細胞について述べる。肝細胞
としては、使用の目的に応じてラツト、犬、
豚、牛、類人猿などの動物よりBerryおよび
Friendのコラゲナーゼ潅流法あるいはSeglen
によるその変法などを用いて調製され得る。凍
結保存した肝細胞も用いることができる。使用
する培地としては、肝細胞の生存率をより長い
時間にわたつて維持し、生化学的指標にて表わ
される肝細胞の機能を最大限に発揮し得るもの
が好ましい。一般には、牛胎児血清添加MEM
培地あるいはWE培地などが用いられ得る。イ
ンシユリン、デキサメサゾンなどのホルモン、
あるいは酸素運搬剤としてフルオロカーボンな
どが好ましく添加される。近年、市販されてい
る無血清培地も目的に応じて使用され得る。細
胞を浮遊させる濃度としては、10〜1×106
箇/mlの範囲が好ましい。 (b) 第1筒型モジユール:第1筒型モジユールに
おいては、中空糸状分離膜の内側を通る肝細胞
浮遊培地の一部が分離膜を通過して中空糸状分
離膜の外側へ送り出される。この第一筒型モジ
ユールとしては、最近、市販されている中空糸
型の血漿分離器が好適に使用できる。 その分離膜の孔径は、肝細胞を含む培地を患
者に有効な成分を含む培地と肝細胞とに分離す
るため通常0.05〜2μ、好ましくは0.1〜1.0μ程度
である。 さらに、第1筒型モジユールにおいては、遊
離肝細胞を中空糸内側を円滑に通過せしめるた
めに、中空糸内側が平滑であり、またその内径
が100μ以上あることが好ましい。 第1筒型モジユールの分離膜面積、あるいは
その他の形状、仕様、さらには分離膜の材質そ
の他については、代謝補助装置の使用の目的に
応じて任意に選択をなし得る。材質としては例
えば、ポリメチルメタクリレート、セルロース
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リスルホンなど生体に安全なものであれば良
い。 (c) 第2筒型モジユール:第2筒型モジユールに
おいては、中空糸状限外濾過膜の内側を潅流す
る血液と中空糸状限外濾過膜の外側を潅流す
る、細胞の浮遊していない培地とが限外濾過膜
を介して接触し、主として拡散によつて両者の
間に物質交換が行われる。限外濾過膜として
は、肝細胞浮遊培地中の有効成分を患者血液中
に、患者血液中の害毒成分を肝細胞浮遊培地中
へ有効にかつ安全に移動させるため、いわゆる
人工腎臓でヘモフイルターあるいは蛋白質リー
ク膜と呼称されているような、高透水性の分画
分子量2万〜30万付近、好ましくは分画分子量
6万〜15万付近の膜モジユールが使用される。 ここで分画分子量とは、分子量(MW)が明
確な指標物質(IgM(MW960000)、アポフエリ
チン(MW480000)、IgG(MW160000)、アル
ブミン(67000)、卵アルブミン(MW45000)、
ペプシン(MW35000)、イヌリン(MW5200)
などの溶液を用いて、その透過率を測定して、
透過率(阻止率)とMWを軸とするグラフを描
き、透過率10%(阻止率90%)を示す分子量で
ある。 限外濾過膜の材質としては例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、セルロースアセテート、ポ
リビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ
スルホンなど生体に安全なものであれば良い。 第2筒型モジユールの中空糸内径、限外濾過
膜面積、あるいはその他の形状、仕様、さらに
は限外濾過膜の材質その他については、代謝補
助装置の使用の目的に応じて任意に選択をなし
得る。 (d),(e) 送液機構:本発明による代謝補助装置に
おいて、送液機構は上に述べた各部分の間を連
結して、血液、肝細胞浮遊培地および肝細胞の
浮遊していない培地を導く配管、ポンプ、およ
びその他の部品よりなる。 配管としては、いわゆる人工腎臓で使用され
ている滅菌された塩化ビニール製血液回路が好
ましく使用されるが、その他のシリコーンなど
の素材からなる配管も使用できることはいうま
でもない。 また、配管の内径についても、代謝補助装置
の使用の目的に応じて任意に選択をなし得る。 培地および血液を送液するためのポンプ、圧
力測定器、加温コイルも人工腎臓や血漿交換
(プラズマフエレイシス)で臨床用として開発
されている機器が好ましく使用される。 以下、本発明を第1図を参照しながら説明す
る。 第1図は本発明装置の1例を示すものである。 ポンプ1を備えた回路2により培養槽3から肝
細胞浮遊培地が第1筒型モジユール4の中空糸内
側へ送りこまれる。ポンプ5の働きにより一部の
培地が中空糸状分離膜を通過して回路6を経由し
て第2筒型モジユール7の中空糸外側に到る。こ
の培地はここで患者血漿と中空糸状限外濾過膜を
介して物質交換を行なつた後、回路8を通り、回
路9にて第1筒型モジユール4の分離膜を通過し
なかつた培地およびそれに浮遊している肝細胞と
合流して培養槽3へ戻る。 患者血液は、ポンプ10および11の働きによ
り回路12および第2筒型モジユール7の中空糸
内側を潅流した後、回路13を経由して体内へ戻
る。 第1図において、圧力測定器13は1箇示され
ているのみであり、また加温コイル、ドリツプチ
エンバーは全く示されていない。しかし、これら
の付属部品は代謝補助装置使用の目的に沿つて適
宜配置され得る。 また、ポンプの配置は第1図に示されたそれに
必ずしも限定されるものではない。例えば、第1
図における回路13にあるポンプ11を廃止して
回路8に新たにポンプを配置しても全く変らない
培地および血液の流れを確保できる。このよう
に、培地および血液の流れを確保できるものであ
れば、ポンプの配置は任意に設定できる。 次に、送液機構によつて送るべき培地および血
液の流量について述べる。これらは次の条件に合
うかぎり任意に設定することができる。すなわ
ち、肝細胞の生存率の低下、機能の損害を最小限
に抑制すること、患者あるいは実験動物におよぼ
す負担を最小限に抑制すること、培地と血液との
間の物質交換を最も効率的に行なうことである。 より具体的に述べれば、第2筒型モジユールに
おける培地流量の血漿流量に対する比は1より大
であることが好ましい。また、第1筒型モジユー
ルにおいて中空糸状分離膜外側へとり出される培
地の流量は第1筒型モジユールの中空糸内側へ送
りこまれる培地流量の1/2以下であることが好
ましい。 また、本発明による代謝補助装置において、培
養槽に肝細胞を浮遊せしめると同時に患者血液の
潅流を開始する必要は必ずしもない。 細胞を培地に浮遊せしめれば、直ちにその最大
限の機能を発揮するものではなく、幾らかの培養
時間が必要である。したがつて、このような場
合、患者の負担を軽減するために、幾らかの培養
時間をおいた後、患者血液の潅流を開始するのが
好ましい。 以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 本発明による代謝補助装置の代謝能を調べるた
めに、患者血液のかわりに2のハンクス液を第
2筒型モジユールの中空糸内側を潅流させ、肝細
胞の生存率、アンモニアの除去速度などについて
in Vitro試験を行なつた。 細胞は体重8Kgのビーグル犬からSeglenの変
法によるコラゲナーゼ潅流法により採取し、洗滌
後2のMEM培地に4×106箇/mlの濃度に懸
濁した。この培地には、あらかじめ10%の牛胎児
血清、10-6Mのインシユリンおよび10-5Mのデキ
サメサゾンを添加した。培養槽はガラス製で撹拌
翼を有しており、37℃の恒温槽の中に保持されて
いた。培養槽気相部には、流量計にて調節された
流速にて酸素および炭酸ガスが送り込まれた。培
地中の溶存酸素分圧は、100−200mmHgの範囲、
培地中のPHは、7.1〜7.3の範囲に保たれた。 第1筒型モジユールとしてはPMMA製中空糸
よりなる膜面積0.5m2、細孔径0.3μの血漿分離器
(“プラズマツクス”PS−05H(東レ株式会社製)
を用いた。この中空糸内径は330μであつた。 第2筒型モジユールとしては分画分子量10万の
PMMA製中空糸状限外濾過膜よりなるものを用
いた。その膜面積は0.4m2、中空糸内径は300μで
あつた。 内径3.5mm、外形6.0mmの塩化ビニール製血液回
路を用いて上に述べた各部分の間を連結し血液ポ
ンプにより次のように送液した。すなわち、培養
槽から肝細胞浮遊培地を500ml/minにて第1筒
型モジユールの中空糸内側へ送りこんだ。そのう
ち100ml/minの培地を中空糸外側へひき出し、
第2筒型モジユールの中空糸外側を潅流させてか
ら残りの肝細胞浮遊培地とともに培養槽へ戻し
た。患者血液のかわりのハンクス液は第2筒型モ
ジユールの中空糸内側を50ml/minにて潅流し
た。ハンクス液に塩化アンモニウムを2回にわた
つて添加し、ハンクス液および肝細胞浮遊培地に
おけるアンモニア濃度の変化を測定した。測定は
藤井−奥田法変法によつた。 その結果を第2図に示した。さらに、トリパン
ブルー染色法にて計数した浮遊肝細胞の生存率も
あわせて第2図に示した。 また、ルミノアグリゴメーターを用いて測定し
た浮遊肝細胞のATP含量の変化を第3図に示し
た。 肝細胞の生存率については12時間の培養であり
ながらわずかの低下をみたのであつた。 細胞内ATP量は培養開始と同時に増加を始め、
7−8時間後に最大に達した。12時間後であつて
もなお、培養開始時よりも高いレベルにあつた。 ハンクス液に添加したアンモニアは、6時間後
であつても培養開始時と全く変らない速度で除去
された。肝細胞浮遊培地側では、アンモニア濃度
の増加はほとんどみられなかつた。 以上より、本発明による代謝補助装置は代謝能
を有し、しかもそれが長時間にわたつて安定であ
るということがいえる。 比較例 1 第1筒型モジユールを用いない場合以外は、実
施例1と同じ装置を用いて、次の様に送液を行つ
た。すなわち肝細胞浮遊培地を100ml/minにて
第2筒型モジユールの中空糸の外側に潅流させ培
養槽に戻した。患者血液の代わりにハンクス液は
第2筒型モジユールの中空糸内側を50ml/minに
て潅流した。ハンクス液に塩化アンモニウムを2
回にわたつて添加し、ハンクス液および肝細胞浮
遊培地におけるアンモニア濃度の変化を測定し
た。測定は藤井−奥田法変法によつた。潅流を始
めて1時間後より肝細胞浮遊培地をモジユールへ
送る入り口側の圧力が上昇し、3時間後には300
mmHgを越えたため、潅流速度を50ml/minに低
下させたが、6時間後には400mmHgとなり時々モ
ジユールを手でたたいたり、振つて圧力を下げな
がら8時間潅流を行つた。 その間の浮遊肝細胞の生存率(viability)は次
第に低下し8時間後には40%となつたため中止し
た。またハンクス液に添加したアンモニアは5時
間経過後から減少が認められなくなり、6時間目
に2回目の添加を行つた後は逆にわずかの上昇さ
えみられた。 〔発明の効果〕 本発明は中空糸限外濾過膜よりなる筒型モジユ
ールを細胞培養槽の外へ出すことにより、容量拡
大に際する設計および肝細胞を損なわない酸素供
給方法が可能となる。また特定の孔径を有する2
種の筒型モジユールを併用することで、肝細胞浮
遊培地中の有効成分を患者血液中へ、患者血液中
の害毒成分を肝細胞浮遊培地中へ有効にかつ安全
に移動させることができる。さらに第1筒型モジ
ユールでは肝細胞を中空糸内側を通過させること
で肝細胞の培養条件を好ましく保てるので、肝細
胞の生存率が維持できる。また第2筒型モジユー
ルでは血液を中空糸の内側を潅流させることで溶
血、凝固を防ぐことができる。
第1図は本発明装置の実施態様の一例を示す概
略説明図である。第2図は実施例1のアンモニア
濃度変化および浮遊肝細胞の生存率を示し、第3
図は実施例1の浮遊肝細胞のATP含量変化を示
す。 1,5,10,11……ポンプ、3……培養
槽、4……第1筒型モジユール、7……第2筒型
モジユール。
略説明図である。第2図は実施例1のアンモニア
濃度変化および浮遊肝細胞の生存率を示し、第3
図は実施例1の浮遊肝細胞のATP含量変化を示
す。 1,5,10,11……ポンプ、3……培養
槽、4……第1筒型モジユール、7……第2筒型
モジユール。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) 異種動物より採取した遊離肝細胞の培養
槽; (b) 0.05から2μの孔径をもつ中空糸状分離膜より
構成される第1筒型モジユール; (c) 分画分子量が2万から30万である中空糸状限
外濾過膜より構成される第2筒型モジユール; (d) 培養槽から浮遊している肝細胞をその培地と
ともに連続的にとり出し、第1筒型モジユール
の中空糸内側へ送り、分離膜を通過しなかつた
培地およびそれに浮遊している肝細胞をともに
そのまゝ培養槽へ戻し、分離膜を通過した一部
の培地は第1筒型モジユールの中空糸外側から
とり出し、第2筒型モジユールの中空糸外側を
潅流してから培養槽へ戻すための送液機構;お
よび (e) 患者からの血液を第2筒型モジユールの中空
糸内側を連続的に潅流してから患者へ戻すため
の送液機構; を有することを特徴とする代謝補助装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60096692A JPS61255666A (ja) | 1985-05-09 | 1985-05-09 | 代謝補助装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60096692A JPS61255666A (ja) | 1985-05-09 | 1985-05-09 | 代謝補助装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61255666A JPS61255666A (ja) | 1986-11-13 |
| JPH024303B2 true JPH024303B2 (ja) | 1990-01-26 |
Family
ID=14171829
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60096692A Granted JPS61255666A (ja) | 1985-05-09 | 1985-05-09 | 代謝補助装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61255666A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03265302A (ja) * | 1990-03-15 | 1991-11-26 | Ube Ind Ltd | 分布定数形フィルタ |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001070302A1 (fr) * | 2000-03-22 | 2001-09-27 | Katsutoshi Naruse | Nouveau systeme d'organe artificiel |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56119261A (en) * | 1980-02-26 | 1981-09-18 | Nikkiso Co Ltd | Liver auxiliary device |
-
1985
- 1985-05-09 JP JP60096692A patent/JPS61255666A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03265302A (ja) * | 1990-03-15 | 1991-11-26 | Ube Ind Ltd | 分布定数形フィルタ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61255666A (ja) | 1986-11-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |