JP2002514128A - 体液の生物学的修飾を実施する装置およびその方法 - Google Patents

体液の生物学的修飾を実施する装置およびその方法

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Abstract

(57)【要約】 特に、体液の生物学的修飾を行う器官の機能を補助または代行する肝臓微小器官培養物の集合体を含む、体液の生物学的修飾装置。本発明の装置は、好ましくは、上記修飾を実施すべく患者に直接接続される。

Description

【発明の詳細な説明】 体液の生物学的修飾を実施する装置およびその方法発明の分野および背景 本発明は、体液の生物学的修飾を実施する装置および方法に関し、特に、通常 、そのような体液の修飾を実施する器官を補助または代行するための装置および 方法に関する。 肝臓のような、体内の器官のいくつかは、血液をはじめとする体液を修飾する 。肝臓は、フィルターおよび能動代謝器官として機能するので、特に複雑な器官 である。フィルターとしては、肝臓は血液から有毒物質を除去する。また、肝臓 は、アンモニアから尿素への解毒、ビリルビン代謝、グリコゲンの貯蔵、脂質の 合成、薬剤代謝、アルブミン分泌、および凝血因子の分泌など多くの生化学的機 能を実施する。このように、肝臓は、生体内で多くの重要な機能を有しており、 不可欠なものとなっている。肝臓が機能不全に陥ると、生体はその機能を持続す ることが不可能になる。 肝不全の原因としては、毒性物質との接触、肝炎、および遺伝子障害など多く のものがある(Kasai,et al..Artif.Organs,18:348-54,1994)。現在、急性肝不 全患者の70%は治療法がないために死亡している(Kasai,et al..Artif.Orgns ,18:348-54,1994)。さらに、患者の10〜30%はドナーの肝臓を待っている 間に死亡している(LePage,et al.,Am.J.Crit.Care,3:224-7,1994;Sussman,et al .Artif.Organs,18:390-6,1994;and Uchino & Matsushita,Asaio J.,40:74-7,199 4)。 肝不全に陥った肝臓の機能を一時的に行う簡易延命装置は、生体外肝臓補助装 置(Extracorporeal Liver Assist Device,ELAD)と呼ばれている。このよ うな装置の開発および商品化は、様々な理由から大変大きな利益をもたらすもの である(Fox et al,Am.J.Gastroenterol.,88:1876-81,1993)。ELADは、米国 で、激性肝不全(FH)のある約2,000人の患者に毎年恩恵をもたらしてい る(Hoofnagle,et al.,Hepatology,21:240-52,1995)。また、ELADは、ドナー 器官を待っている患者の、肝臓移植のつなぎ役としても用いることができる。 ELADは、数週間機能させると、患者自身の肝臓の通常の機能を回復させる こともできる。障害をもつ肝臓において全ての肝細胞が破壊されることは起こり がたいので、肝臓に適切な処置を2〜3週間行うことによって、障害をもつ肝臓 に残存する肝細胞に再び集団を形成させることができる。動物をモデルとする致 死の肝疾患では、肝臓内にこのような集団を再び形成させるためには、少なくと も12個の肝細胞が必要とされる(Sandgren et al.,Cell,66:245-56,1991)。9 0〜95%の肝臓壊死を持つ患者では、数日の処理のみで、自力で生存するため に十分な肝機能を回復することができる(Sussman et al.Organs,18:390-6,1994) 。 このようなELADを提供するために、いくつかの純粋に機械的、非生物学的 な血液処理装置が開発されている。最も基本的な方式では、これら装置の目的は 、比較的小孔径の生体膜を介して、選択的に毒性物質を除去し、栄養を取り入れ ることである。このような非生物学的装置のうちの最も進んだもののひとつは、 HermocleanseTMによって開発され、最近FDAの承認を受けている。このHemocl eanseTM装置を用いた、無作為かつ管制化された臨床試験では、新陳代謝で生じ た物質の除去は制限されており、血液のアンモニアレベルにおいても、大きな効 果は得られなかった(Hughes et al.,lnt.J.Artif.Orq.,17:657-662,1994)。 明らかに、肝機能は非常に複雑なものであり、現時点においては、機械的もしく は化学的な装置のみによってその機能を代行することの見込みはない。 現在利用可能な他のELADは、最初から生体物質を用いている。たとえば、 一番多く臨床試験が実施されているELADのひとつは、肝細胞のような細胞の 供給源として、形質転換され不死化されたヒトのセルラインを用いている(Sussm an,et al.Artifi.Orqans,18:390-6,1994)。この装置の初期の試験は、“未承 認の医学装置の緊急使用(Emergency Use of Unapproved Medical Devices)”も しくは“研究装置の免除(Investigational Device Exemption)”の状況下で行 われた。効力は確認できなかったものの、薬剤処理によって管理された凝血を除 いては、深刻な副作用は認められなかった。不死化されたヒトのセルラインを用 いることは、細胞の消費可能な供給源を提供することになるので便利ではあるが 、これは以下の2つの理由から理想的ではない。第一に、臨床実施において不死 化されたセルラインを用いることには、明らかに安全性および規制の問題がある 。第二に、特に工業的な規模で展開する場合には、不死化された細胞は、元の肝 細胞における通常の生理学的特性の全てを保持することが期待できない(Sussma n et al.,Artif Organs,18:90-6,1994)。 ELADへの供給源としての肝細胞を得るための第二の一般的な手段は、生体 内肝臓からの、肝細胞もしくは組織の摘出である。過去の試みでは、肝臓から得 られた細胞は、通常、肝臓の正常なミクロ構造を崩壊するコラゲナーゼのような 酵素を用いることにより解離させられている。また、いくつかの試みでは、肝臓 の切片が用いられたが、これら切片の形状は、最適な組織保持のために必要な、 適切な表面積に対する体積の比となるように設定されていなかった(Lie et al., Res EXp Med(Berl)185:483-94,1985)。 現在におけるひとつの限界は、損なわれていない生物における実際の組織が有 する空間的な三次元形状を模倣する組織となるように、細胞を集合させておく状 態を供給するために、哺乳類の肝臓細胞を培養する現在の方法の能力である。同 様の理由から、従来の組織培養処理も、哺乳類細胞の分化、および研究や薬学上 の関心から特殊化された生物的活性分子の分泌に決定的であると考えられている 、大いに機能的に特殊化または分化された状態を、培養組織に発現させるための 能力に限界がある。微生物とは異なり、哺乳類のような高等生物の細胞は、それ 自身高いオーダーの多細胞組織を形成している。この自発的な形成の正確な機能 は知られていないが、今までの研究では、細胞の組織への発達は、細胞同士の配 向、もしくは細胞の他の固定基質に対する配向、および/またホルモンなとの特 定の基質が存在するか否かによって決められていることが分かっている。要約す ると、現在までに器官補助装置で使用されている定型的な培養処理には、生体内 における器官組織構造および機能について優れたモデルを得るための重大な細胞 /細胞/基質相互作用および正常な微小環境を同時に維持する、in vitroの細胞 に特有の機能を同時に達成する能力がない。 肝臓では、血管構造を伴う、調和された多様な細胞集団と細胞間質組成との独 特の近接配置は、繊細な生態システムに由来している。したがって、肝細胞の一 般的な培養物では最低限の肝機能の実施すら見込みがない。上述したように、哺 乳類のような高等動物の細胞は、それ自身高いオーダーの多細胞組織を形成する 。細胞と非細胞基質(細胞間質)との物理的な接触の例は、上皮細胞と、その基 底層との物理的接触である。ある細胞と他の細胞との間の機能的な接触の例は、 細胞間の電気的もしくは化学的な伝達である。たとえば、心筋細胞は、他の心筋 細胞と電気的なインパルスにより伝達を行う。また、多くの細胞は、たとえば、 ホルモンのような化学メッセージにより他の細胞との伝達を行い、局所的に拡散 するか(パラクリン(Paracrine)シグナリングおよびオートクリン(Autocrine )シグナリング)、導管システムによって離れた場所へ搬送される(内分泌シグ ナリング)。細胞間のパラクリンシグナリングの例としては、消化管の様々な細 胞(エンテロエントクレンス(enteroentocrence)細胞として知られる)、たとえ ば幽門D細胞などによって産生されるメッセージがある。この幽門D細胞は、近 傍の幽門ガストリン(G)細胞によるガストリンの放出を抑制するソマトスタチ ンを分泌する。 この微細構造は、例えば、血清の固有の供給源、もしくは成長因子を欠く、最 小培地内の器官の組織片の保持に非常に重要である。これは、肝臓の組織が、微 小器官内での特定の細胞相互作用から得られるパラクリンおよびオートクリン因 子によって、このような最小培地中で保持できることによる。 このような微小器官培養物の調製は、ここで参照される、米国特許08/482,364 号に説明されている。微小器官培養物の調製では、組織片を構成する細胞の集団 は、たとえば、器官それ自身に存在する異なる細胞の層を保持するように、細胞 同士の自然の親和性を保持するように肝臓から摘出される。たとえば、皮膚微小 器官培養物では、表皮のケラチノサイトはストロマと結合され、通常の組織構造 は毛髪小包および腺類を含んだ状態で保持される。この基本構造は、たとえば、 上皮組成を含む全ての器官に共通である。さらにこのような結合は細胞間伝達を 促進する。これは、誘導が、(誘導している)組織または細胞と、(応答してい る)組織または細胞との相互関係で定義され、この結果、応答している細胞が分 化の方向に進むことになる、分化している細胞において特に重要である。さらに 、誘導相互作用は、胚細胞および成体細胞で起こり、誘導分化と同様の形質形成 パターンを確立および保持させることができる(Gurdon,Cell,68:185-199,1992 )。 また、米国特許08/482,364号に基づいて調製された微小器官培養物では、長期 間培養された場合でも正常な肝臓組織構造が保持される。このような培養物は、 制御された一様な状態で保持することができるとともに、生体内組織にも非常に 似ているので、in vitroで機能する肝細胞の独特で連続的な供給源を提供するこ とができる。 しかしながら、これら従来技術の器官補助装置または従来技術に関連する装置 はいずれも、体液の生物学的修飾を実施するために微小器官培養物を用いている のではない。 したがって、特に患者の機能不全に陥った器官を補助を補助したり代行したり するために、器官の機能を実施することができ、また微小器官培養物を含んでい る、体液の生物学的修飾を実施するための装置および方法のための技術が明らか に必要となっている。本発明の要約 本発明の体液の生物学的修飾装置は、(a)体液を取り入れるための取入口と 、体液を外へ流し出すための排出口とを有するチャンバと、(b)ある器官の複 数種の微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾するための集合体とを含 み、上記集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の 微小器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面 までの距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各 々の微小器官培養物は生体中で器官ユニット(たとえば肝臓の腺房ユニット)を なす器官構造(器官組織)がその微小器官培養物内で保持される大きさを有して いて、上記微小器官培養物の集合体は上記チャンバ内に置かれてチャンバを通っ て流れる体液の少なくとも一部に接触している。 ここで、“MC”は微小器官培養物を指す。 上記器官は肝臓であることが好ましい。また、上記微小器官培養物の集合体は 、細胞間の接触が保たれた状態の該器官の細胞を含んでいることが好ましい。最 も好ましいのは、集合体をなす微小器官培養物が、それぞれ少なくとも2.6m m-1のAlephを有していることである。 本発明の好適な実施の形態では、上記微小器官培養物は生物学的に適合した重 合体でできたシートに実質上包まれている。該シートは実質上上記チャンバ内に 存在している。好ましくは、上記シートはその第1の寸法が約30cmから約9 0cmであり、第2の寸法が約30cmから約80cmであり、そして第3の寸 法が約300μmから約900μmであることが好ましい。また、複数枚のシー トがチャンバ内で実質上平行な方向に向いていて、体液がシート間を自由に流れ るようになっていることが好ましい。 本発明の他の実施の形態によれば、患者の体液の生物学的修飾装置は、(a) 体液を取り入れるための取入口と、体液を外へ流し出すための排出口とを有する チャンバと、(b)複数種の微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾す るための集合体と、(c)患者に接続されて患者から体液を取り入れるための第 1の端と上記取入口に接続される第2の端とを有する第1の管と、(d)上記排 出口に接続される第1の端と患者に接続されて生物学的に修飾された体液を患者 に戻すための第2の端とを有する第2の管とを含んでおり、上記集合体をなす微 小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微小器官培養物の最内部 に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面までの距離が約150μ m以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々の微小器官培養物は生 体中で器官ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物内で保持される大きさ を有していて、上記微小器官培養物の集合体は上記チャンバ内に置かれてチャン バを通って流れる体液の少なくとも一部に接触している。 本発明のさらに他の実施の形態によれば、患者の体液の生物学的修飾方法は、 複数種の微小器官培養物からなる集合体が入ったチャンバを通して患者の体液を 流すステップを含み、該微小器官培養物の集合体が該体液を生物学的に修飾させ 、該集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微小 器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面まで の距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々の 微小器官培養物は生体中で器官ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物内 で保持される大きさを有している。 本発明のさらに他の実施の形態によれば、連続した平面状器官を形成する方法 は、(a)ある器官の複数種の微小器官培養物からなる集合体を得るステップと 、(b)上記器官の細胞の懸濁液を該複数種の微小器官培養物に(たとえば層形 成して)加え、上記微小器官培養物の集合体の存在下で該細胞の懸濁液を同時培 養するステップとを含み、ステップ(a)では、上記集合体をなす微小器官培養 物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微小器官培養物の最内部に置かれた 細胞からその微小器官培養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、か つ約225μm未満であり、この結果、該各々の微小器官培養物は生体中で器官 ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物内で保持される大きさを有してい て、ステップ(b)では、該微小器官培養物から得られた細胞と上記懸濁液中の 細胞との混合物から連続した該平面状器官が形成される。 本発明の好適な実施の形態では、上記肝臓微小器官培養物の集合体が、肝臓微 小器官培養物の集合体の存在下で肝細胞を培養することによって形成された、連 続した肝臓平面状器官内に置かれ、該連続した肝臓平面状器官は、上記肝臓微小 器官培養物から得られた細胞と上記肝細胞との混合物から形成されている。 本発明のさらに他の実施の形態によれば、連続した肝臓平面状器官を調製する 方法は、(a)複数種の肝臓微小器官培養物からなる集合体を得るステップと、 (b)肝臓細胞の懸濁液を該複数種の肝臓微小器官培養物に(層形成して)加え 、上記肝臓微小器官培養物の集合体の存在下で該細胞の懸濁液を同時培養するス テップとを含み、ステップ(a)では、上記集合体をなす肝臓微小器官培養物は 各々が複数の肝細胞を含み、また、各々の肝臓微小器官培養物の最内部に置かれ た細胞からその肝臓微小器官培養物の最も近い表面までの距離が約150μm以 上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々の肝臓微小器官培養物は生 体中で腺房ユニットをなす肝臓構造がその肝臓微小器官培養物内で保持される大 きさを有していて、ステップ(b)では、該肝臓微小器官培養物から得られた細 胞と上記肝細胞との混合物から連続した平面状肝臓器官が形成される。 上記以外の本発明の特徴は以下に記す。図面の簡単な説明 本発明の一例を、以下の添付図面を参照して説明する。 図1A〜1Dは、代謝活性を有する微小器官培養物を収容するバイオリアクタ の一例の模式図である。 図2Aおよび2Bは、微小器官培養物の免疫隔離室の模式図である。 図3A〜3Cは、本発明の第2のバイオリアクタの模式図である。 図4は、図1または3のバイオリアクタを使用した装置の作動回路の一例の模 式図である。 図5は、複数種の微小器官培養物における細胞増殖の測定結果を示す図である 。 図6は、微小器官培養物中のマウスの肝細胞が生成したアルブミンの測定量を 示す図である。 図7は、マウスの肝臓微小器官培養物におけるアンモニアの尿素への変換量を 示す図である。 図8は、ヒトの肝臓微小器官培養物による長期にわたるアンモニアの尿素への 多量変換を示す図である。 図9は、ヒトの肝臓微小器官培養物の代謝活性を示す図である。 図10は、低温保存された微小器官培養物が温度37℃で育成された場合、機 能を維持していることを示す図である。 図11は、低温保存されたヒトの微小器官培養物が温度37℃で育成された場 合、機能を維持していることを示す図である。 図12は、アルギン酸塩シートで被包したときのマウスの肝臓微小器官培養物 の代謝活性を示す図である。 図13は、100%胎児牛血清中で培養したときのマウスの肝臓微小器官培養 物が機能を維持していることを示す図である。 図14Aおよび14Bは、アルギン酸塩シートで被包され、凍結後解凍された ときのラットの肝臓微小器官培養物の代謝活性を示す図である。 図15は、本発明の装置の一例と、正常なラットとが安全に接続されることを 示す図である。 図16は、マウスの肝臓微小器官培養物の最適な厚みが450μmであること 示す図である。優先的な実施の形態の詳細 本発明は、体液の生物学的修飾を行うための装置、特に、通常この修飾を行う 器官の機能を補助するか、または代行するための装置である。ここで使用されて いる、「体液の生物学的修飾」は、体内中の血液で通常の修飾を行う器官による 分泌、取り込み、または触媒作用によって、それぞれ定期的に体液に導入、体液 から除去、または体液内で修飾された該体液の生物学的成分の変化を指す。本発 明の装置は、患者の体液を修飾するために、該患者に直接接続されることが好ま しい。ここで使用されている“患者”は、本発明の装置が接続された、または本 発明の方法が適用されているヒトまたはそれよりも下級の動物を指す。 本発明の装置は、機能の増強が望まれている組織由来の微小器官培養物を含ん でいる。血液や血漿などの、生物学的に修飾されようとする体液は、本発明の装 置内に導入され、微小器官培養物と接触する。そして、該体液は微小器官培養物 によって生物学的に修飾される。たとえば、肝臓の微小器官培養物を用いること によって、解毒および他の肝臓の生物学的活性を増強させることができる。 さらに、他の器官の機能も、微小器官培養物のための器官の供給源によって増 強可能であることは明らかである。たとえば、パラクリン機能は、膵臓の微小器 官培養物を用いることによって、インシュリンもしくはグルカゴンの産生のため に増強させることができる。同様に、下垂体前葉の微小器官培養物を用いること によって、甲状腺、生殖腺、副腎皮質、および他の内分泌器官の正常な機能を調 節するホルモンの産生を増強させることができ、また下垂体後葉の微小器官培養 物を用いることによって、制尿および平滑筋収縮作用を持つホルモンの産生を増 強させることができる。 以下に詳しく説明されるように、このような微小器官培養物を使用することの 顕著な特徴は、元の器官の細胞の微細構造が保持されることである。本発明の装 置は、たとえば、間充組織および上皮層などの器官組織片の異なる組織層の細胞 の成長は、ある一定の状況下では、培養液中で増殖、分化、および機能を活性化 することができるという発見に一部基づいている。ここで使用される“組織片” は、器官から切除された組織を指す。 また、組織片内ての、細胞−細胞、および細胞−細胞間質の相互作用は、細胞 のホメオスタシスをサポートするのに充分なものであるため、器官の微細構造と 機能を長期間保持することができる。ここで使用される“ホメオスタシス”は、 細胞増殖と細胞損失との均衡と定義される。 このような細胞のホメオスタシスのサポートでは、たとえば、元の器官内での 細胞−細胞、および細胞−細胞間質の相互作用が保持される。このため、ホルモ ンなどの制御基質が存在するか否かと同様に、細胞同士の配向、もしくは細胞の 他の固定基質に対する配向は、元の器官の生化学的および生物学的活性を適切に 保持することができる。さらに、微小器官培養物は、培養中に大規模な壊死を起 こすことなく、比較的長期間、もっとも、少なくとも48日またはそれ以上の培 養物が一般的であるが、好ましくは、少なくとも約24時間保持することができ る。 本発明の装置は、体液を生物学的に修飾するあらゆる器官の機能を補助および 交換するために使用することができるが、以下の説明では、説明の便宜上、肝臓 を用いて説明を行う。微小器官培養物の組織片の供給源 本発明の装置で使用可能な、肝臓微小器官培養物が摘出される動物の例として は、ヒトおよび他の霊長類、完全もしくは一部近親交配されたような豚(たとえ ば、小型豚およびトランスジェニック豚)、およびげっ歯類などが挙げられる。 好ましい実施の形態では、肝臓組織の供給源は、移植には適さないが生存肝細胞 を含む、ヒトの肝臓の小葉などの変異肝臓組織である。 別の好ましい実施の形態では、さらに信頼のおける供給源は、牛、羊、または 、好ましくは豚の肝臓などを含む異種(xenogenic)供給源であるが、これらに限 定されるものではない。長期間にわたる異種抗原との接触は免疫反応を引き起こ すが、短期間であれば、患者の血液細胞は肝臓微小器官培養物に接触することか ら妨げられるので、初期段階での臨床実験では、上記免疫反応は問題になってい ない。成長培地 動物から得た細胞を培養するための組織培養培地は数多く存在する。それら培 地のいくつかは複雑なものであり、その他のいくつかは簡単なものである。肝臓 微小器官培養物は、複雑な培地で成長するものだと思われがちだが、米国特許08 /482,364号では、培養物は、Dulbecco最少必須培地のような簡単な培地で保持で きることが提示されている。また、培養物は、血清もしくは下垂体抽出物のよう な他の生物学的抽出物を含む培地で成長させることもできるが、上記米国特許08 /482,364号では、血清および他の生物学的抽出物も必要でないことが提示されて いる。さらに、器官培養物は、血清なしで長期間保持することができる。本発明 の好ましい実施の形態では、in vitroで培養物を保持する間、成長因子は培地に 含まれていない。 この最小培地に関する点は重要である。現在、哺乳類の細胞成長期間を延長す るための培地またはシステムのほとんどは、不確定のタンパク質を混合したり、 その成長を保持するために必要なタンパク質を得るための供給細胞を用いている 。このような不確定のタンパク質の存在は、患者の肝臓微小器官培養物の最終的 な使用目的を妨害する可能性があるため、一般的に、組織片は、不確定のタンパ ク質の存在を最小限にするように培養されるのが好ましい。 ここで使用される“最小培地”は、培養物の細胞が生存、増殖するのに必要な 栄養のみを含む、化学的に定義された培地である。通常、最小培地は、培養物の 細胞集団の生存、増殖をサポートするのに必要でない、たとえば成長因子、血清 、下垂体抽出物などの生物学的抽出物を全く含まない。たとえば最小培地は、一 般的に、少なくとも1つのアミノ酸、少なくとも1つのビタミン、少なくとも1 つの塩、少なくとも1つの抗生物質、少なくとも1つの、たとえば、フェノール レッドなどの水素イオンの濃度を調べるためのインジケータ、グルコース、少な くとも1つの抗生物質、および細胞の生存、増殖に必要な、他の様々な構成物を 含んでいる。最小培地は血清を全く含まない。最小必須培地としては、Gibco BR L,Gaithersburg,MDから、様々な最小培地を商業的に得ることができる。 しかしながら、成長因子および調節因子は、培地に含まれる必要はないものの 、このような因子の添加、または他の特別な細胞の接種は、培地内での細胞の増 殖および成熟を増強、変化、または調整するために使用されてもよい。培養物の 細胞の成長および活性は、インシュリン、成長ホルモン、ソマトメジン、コロニ ー刺激因子、エリスロポエチン、表皮成長因子、肝エリスロポエチン因子(ヘパ トポエチン)、および肝細胞成長因子などの様々な成長因子の影響を受けうる。 増殖、および/もしくは分化を調節する他の因子としては、プロスタグランジン 、インターロイキン、天然の負成長因子、線維芽細胞成長因子、および変換成長 因子ベータファミリーの一群が挙げられる。培養器 微小器官培養物は、適当な培養器で、37℃、5%CO2で保持されてもよい 。また、該培養物は、通気をよくするために振盪してもよい。 微小器官培養物が好ましく扶養される培養器に関しては、好ましい実施の形態 では、このような培養器は、一般的に、どのような材料、また形状であってもよ い。培養器を形成するためには、ナイロン(ポリアミド)、ダクロン(ポリエス テル)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニル化合物 (たとえば、ポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート(PVC)、ポリテトラフル オロエチレン(PTTE;テフロン)、サーモノックス(TPX)、ニトロセル ロース、綿、ポリグリコール酸(PGA)、ガット縫合糸、セルロース、ゼラチ ン、デキストランなどのいくつかの異なる材料を使用することができるが、これ らに限定されるものではない。また、これらの材料は、網状に織り込まれていて もよい。 培養物を長期間もしくは低温保存する場合は、ナイロン、ダクロン、ポリスチ レン、ポリアクリレート、ポリビニル、テフロン、綿などの非分解材料が好まし い。本発明で簡便に使用できるナイロンメッシュとしては、平均孔径が210m m、および平均ナイロン繊維径が90mmのナイロン濾過メッシュであるNitex を使用することができる(#3-210/36,Tetko,Inc.,N.Y.)。組織片の大きさ 元の組織の、細胞−細胞、細胞−細胞間質、および細胞−ストロマの構造を保 持している組織片を摘出することに加えて、組織片の大きさは、たとえは、微小 器官培養物を、7〜21日間もしくはそれ以上の長い期間保持したい場合などの 、組織片内の細胞の生存性にとって重要である。 したがって、組織片の大きさは、十分な栄養および酸素のようなガスを三次元 の微小器官のそれぞれの細胞に拡散できるように、また細胞の老廃物が組織片か ら拡散され、該微小器官内での老廃物の局在による細胞毒性および付随死を最小 限にするように選択される。そのため、組織片の大きさは、特定化された分配組 織または合成基質の欠損におけるそれぞれの細胞へのアクセス度の必要最低限の レベルによって決められている。 米国特許08/482,364号に説明されているように、このアクセス度は、表面積に 対する体積の指標がある範囲を満たすことによって保持できることが分かってい る。 この表面積に対する体積の指標の選択範囲は、細胞の拡散による、栄養および 老廃物処理手段へのアクセスを、単層の細胞の場合と同様に可能にする。このア クセス度は、ここでは“Aleph”もしくは“Aleph index”で定義される、表面積 に対する体積の指標が少なくとも約2.6mm-1であれば、達成され維持される ことができる。 第3の寸法の変動が体積および表面積両方の比における計測の変動を引き起こ すので、表面積に対する体積の指標を求めるにあたって、第3の寸法は考慮され ていない。 しかしながら、Aleptを求める場合、aおよびxは、組織片の2つの最小寸法 と定義されるべきである。 ここで使用されている“Aleph”は、x=組織の厚み(mm)、a=組織の幅 (mm)とした場合の式、1/x+1/aで表される表面積に対する体積の指標 である。好ましい実施の形態では、組織片のAlephは、約2.7mm-1〜約25 mm-1の範囲であり、好ましくは約2.7mm-1〜約15mm-1の範囲であり、 さらに好ましくは約2.7mm-1〜約10mm-1の範囲である。 表1は、Alephの例を示すものである。たとえば、厚み(x)0.1mm、幅 (a)1mmの組織では、Aleph指標は11mm-1である。表1:a(幅)とx(厚み)の関数としての、表面積に対する体積の指標“Alep h”の値(mm-1 したがって、たとえば、各微小器官培養物または組織片の最内部に置かれた細 胞からその微小器官培養物の最も近い表面までの距離が少なくとも約150μm 以上、かつ約225μm未満であり、この結果、生体内での構造は保持されると 同時に、ガスおよび栄養の供給源から225μmより遠くの細胞はないことにな る。 1世紀もの間、肝臓の基本構造および基本機能ユニットは、直径700μm、 長さ2mmの多面体ユニットである小葉であると考えられてきた。1950年代 以降は、さらに小さい腺房と呼ばれるユニットが、そのような肝臓の基本構造お よび基本機能ユニットであると認められている。腺房は、門脈域から側方に分岐 する細静脈および胆管であり、末端動脈の周りに配列された、実質細胞のほぼ卵 型の塊体である。腺房の一方の端部は、末端肝静脈として知られている導管であ る(導管は、古い小葉用語では、中心静脈とも呼ばれる)。腺房は、その小さい 方の寸法が、約300〜450μmの小ユニットであり、2つの隣接する、古典 的には小葉である区域を含んでいる。また、ここで指摘すべきは、腺房は、その 発見当時から、肝臓の最小の構成および機能ユニットであることが知られており 、また、肝細胞の、ガスおよび栄養供給源からの最長距離を定めるものである。 したがって、腺房を例とする肝臓の微細構造では、肝臓内では、栄養供給源から 約150〜225μmより離れた細胞は存在しないことになる。実際、この約1 50〜225μmの距離は、ガスと栄養の効果的な拡散の上限であるので、事実 上、これは他の全ての生体器官についても言えることである。腺房の構造および 機能のその他の詳しい情報は、組織学の教科書から得ることができる。例えば、 “A text book of histoligy”・Bloom and Fawcett Eds.12th Edition.Chatman and Hall.N.Y.-London.1994.Pages 652-656.がある。 特定の理論に縛られることなく、三次元培養物システムから得られるいくつか の要素が良い結果を導きだすと思われる。 第一に、例えば上記のAleph計算による、組織片のサイズの適切な選択によっ て、組織片の全ての細胞への栄養の十分な拡散、および組織片の全ての細胞から の老廃物の十分な拡散のための適切な表面積に対する体積の比を得ることができ る。 第二に、組織片は三次元であるので、成長の抵触および接触抑制が見られ、成 長と分割が停止する単層培養物の細胞とは異なり、該組織片の様々な細胞は活発 に成長し続ける。培養物内の細胞、たとえば、総体積に変化のない微小器官培養 物であっても、それら細胞の増殖の刺激および分化の調節は、一部、組織片の複 製細胞による成長の同化および調節因子によるものであると考えられている。 第三に、組織片の三次元細胞間質における細胞素子の空間的配置は、生体内に おいて対応する器官にみられるものに非常に近いものが保持されている。 第四に、細胞−細胞、および細胞−細胞間質の相互作用は、細胞成熟の助けと なる、局所的な微細な環境を設定することができる。分化した細胞の表現型の保 持には、成長および分化因子だけでなく適切な細胞相互作用が必要であることが 分かっている。本発明は、この組織の微細な環境を効果的に模倣している。肝臓微小器官培養物の生物学的活性 本発明の装置に含まれる肝臓微小器官培養物は、“肝臓特有”の生物学的機能 の全てを実施することができると考えられる。そのような機能の例は、アンモニ アおよび尿素代謝、そしてアルブミン産生である。このような肝臓特有の生物学 的機能は、細胞が肝臓補助装置(LAD)において使用される場合に特に重要で ある。 激性肝不全(FHF)患者、肝臓移植を待っている患者、もしくは肝臓移植片 が機能していないような患者の、LADを用いた比較的短期間の看護では、上記 の肝臓特有の生物学的機能は最も重要であると考えられている。しかしながら、 他にも、これと同様、もしくはそれ以上に重要なものもあると考えられる。その 他の機能欠如は、他の手段(グルコースの供給およびグルコースレベルの監視な ど)によって補うことができるか、または、応急の処置を必要としない(たとえ ば、胆汁酸または胆汁色素生産の変化、あるいは薬剤代謝活性)。 肝不全もしくは肝障害を有している患者を“看護するのに十分な”、肝臓特有 の生物学的機能のレベルは、肝臓で生産もしくは代謝される、血清タンパク質、 アンモニアの尿素への転化、凝固因子、アミノ酸、および他の代謝物のレベルが 、正常、もしくはほぼ正常であることである。 このような機能の向上は、生化学的、または患者の臨床状態の向上によって計 測することができる。これら様々な分子、代謝、および臨床パラメータ、および 生産物、そして、またこれらの濃度またはレベルの生理学的および病理学的範囲 は、当業技術においてよく知られており、ここで参照されている、たとえば、Za kim & Boyer,Hepatology;A Textbook of Liver Disease,W.B.Saunders Compan y;Harcourt,Bruce,Jovamnovich,Inc.,Philadelphia,Iondon,Tronto,Montr eal,Sydney,Tokyo,(1990)に記載されている。微小器官培養物の貯蔵 本発明の一部として使用される微小器官培養物は、好ましくは、たとえば、1 0%DMSO(ジメチルスルホキシド)および20%血清の存在下で調製および 低温保存され、必要になるまで−160℃で貯蔵される。好ましい実施の形態で は、肝臓微小培養物は、図2Bに示すように、アルギン酸塩のような半透過性マ トリックス状のシート内に包み込まれ、たとえば、10%DMS0および20% 血清を含むHam's F12のような標準培地の存在下で徐々に凍結させることにより 低温保存される。凍結されたシートは、−160℃で貯蔵される。たとえば、微 小器官培養物を含む平面シートは、その全ての辺で密閉され、平面シートとほぼ 同じ寸法の、殺菌された合成プラスチック袋に挿入される。この袋は、一方にプ ラスチック導入管が装備され、その反対側にプラスチック排出管が備えられてい る。微小器官培養物が備えられた平面シートを含むこのプラスチック袋は、10 %DMSOおよび20%血清を含むHam'sF12のような標準培地によって灌流 され、徐々に凍結され−160℃で貯蔵される。 凍結されたシートもしくは凍結された微小器官培養物は、必要な時に解凍され 、好ましくはその場で、本発明の装置に組み込まれシステムに接続される。連続した模造平面状器官形成のための微小器官培養物の使用 本発明は、器官の微細構造が保持され、全ての細胞が、ガスおよび栄養の供給 源から適切な距離内にあるように状態(たとえば、その大きさ)を選択すれば、 細胞は生体外でも生体内と同様に機能するという知見に基づいている。 以下の実施例(実施例13参照)に説明する実験は、厚みに対する関数として の肝臓MC培養物の性質を示す。関数は、肝臓MC培養物が、生体外で形質導入 された際に、外来の遺伝子を表現できるかどうかによって定められた。厚さ45 0μmのMCから一番良い結果が得られるのが明確に示されている。このデータ は、培養物の組織テストによって確認された。 したがって、本発明にかかるMCのシートは平面状の器官とみることができ、 それぞれのシートが巻き込まれた状態を解除された器官を表している。生体から 分離された場合、通常の成人の器官は、システムによるサポート、および器官の それぞれの細胞への十分な栄養およびガスの交換のための循環を失う。これに対 して、ここで説明する生体外平面状器官では、(i)平面形状でありながら器官 構造を保持でき、それと同時に(ii)栄養の供給源から約150〜225μmよ り離れた細胞が器官内に存在しない。 本発明の他の実施の形態に基づいて、連続した平面状器官を調製し、本発明の 方法と装置の実施に用いる。 連続した平面状器官は次のようにして調製される。上述したようにして調製さ れた個々の微小器官の集合体をフィーダー層あるいは基質層として使用し、この フィーダー層あるいは基質層で同一器官に由来し懸濁液中で成長した細胞を支持 あるいは維持する。フィーダー層は、懸濁液中の細胞に、細胞が付着、増殖し、 その生物学的機能を発揮する表面を提供する。付着した細胞に由来する細胞は、 最終的に、個々のMCの集合体とともに、互いに密着する平面状器官の連続した シートを形成する。たとえば、連続した肝臓平面状器官は、個々の肝臓微小器官 培養物の集合体と肝細胞を同時培養することによって調製される。 このようにして、連続した平面状器官は、元の器官における微小構造あるいは 組織が維持されている再設計された凝集器官を構成することになる。連続した平 面状器官の平面寸法によって、本発明の連続した平面状器官は、栄養の供給源か ら約150〜225μm以上離れた細胞がないことが確実になるので、循環の必 要がなくなる。 細胞の単層を、他のタイプの細胞が成長するフィーダー層あるいは基質層とし て使用するという概念は新しいものではなく、過去にも広くかつ成功裏に使用さ れていることがわかる。 しかしながら、微小器官の集合体をフィーダー層または基質層、むしろ“フィ ーダー器官”として使用するという概念は新しいものであり、かつ様々な長所を 呈するものであり、主なものとしては、フィーダー器官で成長した細胞は、生体 中において増殖したような細胞によって遭遇する基質により近い、非常に複雑な 基質となる。 本発明の装置と方法は、以下に示す例、説明、図面を参照することによって十 分に理解されるであろう。ここで図面を参照し、本発明の装置に好適に使用され るバイオリアクターを図1A〜1Cに示す。バイオリアクター2は、灌流入口6 と灌流出口24とその間に体液用流路を備えているチャンバ4である。体液は、 矢印8によって示されるように入口6から流入し、矢印10によって示されるよ うに出口24から流出する。少なくとも一つ、好ましくは複数の灌流コンパート メント18がチャンバ4の流路に設けられていることが好ましい。各コンパート メント18は、少なくとも一つ、好ましくは複数の多孔質膜19によって区切ら れている。各コンパートメント18は、肝臓微小器官培養物などの微小器官培養 物20を少なくとも一つ、好ましくはその集合体を含んでいる。チャンバ4の体 液路に灌流コンパートメント18を保持する取付けクランプ14、または他の取 付け手段を取り付ける一つ以上のブラケット16がある。バッフル22によって 体液の流れをチャンバ4内に導くことが好ましい。チャンバ4内において体液が 流れる方向は矢印によって示されている。また、微小器官培養物20の集合体か らなる少なくとも一つの生成物を患者(図示せず)に戻すために、返還器21が 設けられていることが好ましい。 図1A〜1Cに示される実施の形態では、流路と圧力については,各灌流コン ートメント18は略同種である。それゆえ、多孔質膜19を介してコンパートメ ント18へ至る拡散は、濃度勾配、ブラウン運動などの単なる境界拡散原理によ って抑制されている。このような拡散が不十分な場合、たとえば、コンパートメ ント18内で圧力差を与えことによって、チャンバ4への体液浸透率を高めるこ とができる。たとえば、図1Dは図1Aに示されたバイオリアクター2がチャン バ4に二つの異なる流路、“体液”コンパートメント4aと“濾液”コンパート メント4bとを持つように再構成されたものを示しており、体液連絡は灌流コン パートメント18を通じてのみ、したがって、微小器官集合体20を通じて行わ れる。図示されたバイオリアクター2では、たとえば、バルブを使うなどして体 液排出物24aの下流での流速を抑制することによって、圧力差を灌流コンパー トメント18内につくりたすことができる。正の圧力差(Pfluid−Pfiltrate )が、体液コンパートメント4aから濾液コンパートメント4bまでの体液流を つくりだし、チャンバ4を通過する体液が微小器官培養物20の集合体と交わり 、それによって生物学的に修飾される。一般に、濾液コンパートメント4bから の流出物24bは、患者に戻る前に、体液チャンバ4aからの流出物24aと再 混合されることが好ましい。 微小器官灌流コンパートメントを形成するのに好ましいマトリクス物質として は、ポリカプロラクタンやポリヘキサメチレンアジペートなどのナイロンを含む ポリアミド類、ポリアミドーイミド類、ポリカーボネート類、ポリメチルメタク リレートやポリエチルメタクリレートなどのポリアクリレート類、およびポリス チレンが挙げられる。用途によっては、好ましいマトリクス物質として、ケラチ ン(絹、羊毛、毛)、種々のコラーゲン、ポリエチレンやポリプロピレンやポリ ブチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン アジペートなどのポリエステル類、ポリエステルウレタンやポリエーテルウレタ ンなどのポリウレタン類、ガラスファイバーを含むガラス、ステンレス鋼、シリ コーン類、オルガノポリシロキサン類、グラファイトやこれらの組み合わせも挙 げられる。ケラチンマトリクスはケラチン、ケラチン含有物質、またはケラチン 状の物である。他の物質は従来から知られているものである。たとえば、米国特 許5,344,454号、米国特許4.883,666号、米国特許4,892,538号および5,106,627号 、米国特許4,391,909号、米国特許4,353,888号に記載されている。 微小器官培養物20の集合体は隔離チャンバを形成する、たとえば、従来から 知られている様々な半透過性物質からなる、半透過性のマトリクスの中に封じ込 められていることが好ましい。膜やその類似物は、栄養と、酸素、グルコース、 ホルモンなどの小生命分子を微小器官培養物と治療される体液間で通過させるが 、白血球や必要ならば抗体などの免疫系因子は通過させない。ここで述べられる “粒子”とは分子、細胞、およびタンパク質である。 具体的には、微小器官培養物が他の(すなわち、治療される患者とは異種であ る)動物種由来である場合、孔径は、宿主からの炎症細胞と分子免疫原性因子の 両方の移植組織チャンバへの通過を十分に阻止する大きさでなければならない。 本明細書では、“分子免疫原性因子”とは、抗体や補体などの分子のことを意味 している。人間の炎症細胞と分子免疫原性因子の両方の通過を十分に阻止する孔 径は、約0.015μmの範囲にある。微小器官培養物が同一の動物種からのも ので異なる遺伝子構成を持つ(すなわち、同種である)場合、通常、宿主から移 植細胞チャンバまでの炎症細胞の通過を阻止することができるだけの孔径で十分 である。ヒトの炎症細胞の通過を阻止するのに十分な孔径は約0.8μm未満の 範囲にある。ほとんどの実施の形態では、微小器官培養物は免疫隔離コンパート メントの中で得られることが望ましく、たとえば、孔径および膜厚が、約40, 000Daから約250,000Daの分子量(MW)カットが得られるよう選 択されるので、通過可能な分子は約40,000Daから約250,000Da までの分子量を持つ。 このような免疫隔離コンパートメントの実施の一形態として、図2Aは二枚の 対向する半透過性膜30のシートによって形成された免疫隔離コンパートメント 28に配置された少なくとも一つの微小器官培養物26、好ましくはその集合体 を示している。微小器官培養物26の集合体は二枚の膜シート30の間に配置さ れるか、以下に示すように(図2B)、一枚の膜に直接包まれている。対向する クランプ32が、一本あるいは複数のねじ34によって互いに締められ、各クラ ンプ32の対向する突出部36が,ほぼ防液シールを微小器官培養物26の周り に形成する。あるいは、また好ましくは、クランプ32の代わりに、接着剤、音 波溶接や他の従来からある好ましいシーリング技術を使って、膜シート30の端 部を封じることも可能である。 さらに好ましくは、微小器官培養物26の集合体は、指定された寸法の平面状 アルギン酸シートに直接封じ込められる。このような構成が複数の平面状アルギ ン酸シート38とともに図2Bに示されている。一例として、第1の寸法が約4 0cm、第2の寸法が約60cm、第3寸法の約350μmの平面状アルギン酸 シートを準備する。このようなシートはそれぞれ約1〜2×1010細胞を含んで いる。それゆえ、たとえば、ヒトの肝臓とほぼ同数の細胞を得るために要求され るシートの枚数は、約4枚から約10枚の範囲になるであろう。 本バイオリアクターにおける体液/濾液の実施の形態における他の構成が、多 灌流コンパートメントシステムに使用することができることは明らかである。こ れらの構成は、上述したシート構成の一つと使用することが可能である。 たとえば、図3A〜3Cは多灌流チャンバを持つバイオリアクター(図示せず )を形成する、他のカートリッジ40と直列につなぐことができる基本カートリ ッジ40を示している。この実施の形態では、微小器官培養物20の集合体が灌 流コンパートメント18に配置されている。少なくとも一つのスペーサ46を挟 持するように、灌流コンパートメント18を二枚のエンドプレート42・44間 に挟持することによって、体液コンパートメント48と濾液コンパートメント5 0が灌流コンパートメント18の対向する側に形成される。オペレーション中、 少なくとも一つの、好ましくは複数の体液入口52から流入した体液は、体液コ ンパートメント48を流れ、そして灌流コンパートメント18の透過性表面に沿 って、少なくとも一つの、好ましくは複数の灌流コンパートメント18内に延び る内径である体液管54を経由して体液コンパートメント48から流出する。体 液管54からの体液は、その後、濾液コンパートメント50内の体液との接触を 不可能とする少なくとも一つの、好ましくは複数の体液出口56を通じて、カー トリッジ40から出ていく。同様に、少なくとも一つの、好ましくは複数の濾液 入口58から流入した濾液は、体液コンパートメント48内の他の体液と接触す ることなく、少なくとも一つの、好ましくは複数の濾液管60へと直接通じてい る。 しかしながら、濾液管60は,濾液を濾液コンパートメント50に排出し、濾 液コンパートメント50では濾液は、直接、灌流コンパートメント18の他の( 透過性)表面と接触する。透析物は少なくとも一つの、好ましくは複数の濾液出 口62を介してコンパートメント50から流出する。体液コンパートメント48 からの体液が灌流コンパートメント18を透過し、微小器官培養物20の集合体 に影響され、代謝誘導体として、濾液コンパートメント50に戻されることは本 記述から明らかである。 実際、第2カートリッジ40の体液入口52と濾液入口58がそれぞれ第1カ ートリッジ40の体液出口52と濾液出口62と一致するように、二つの隣接す るカートリッジの第2番目を180度回転させることによって、カートリッジ4 0を直列に配置することができる。この組立を繰り返すことにより、効果的に一 つの体液チャンバと一つの濾液チャンバとその間に多数の微小器官培養物が配置 され、順次接続された多数のカートリッジ40を得ることができる。一連のカー トリッジの第1カートリッジ40の濾液入口を覆う、あるいは封じることによっ て、濾液コンパートメントに供給された体液の流れが,結果として灌流コンパー トメントから排出された処理済み体液となる。 さらに図4は、本発明における図1〜3に示された、上述されたバイオリアク ター2を用いた場合について示している。より理解しやすくするために、肝臓微 小器官培養物を使用する肝臓補助装置(ELAD)について、好ましい実施の形 態を記載する。しかしながら、上述したように、他の器官増強を本発明の装置に よって行うこともできる。 図4は本発明の装置の他の実施の形態を示しており、この装置は、好ましくは 図1D、2B、3A〜3Cに示されたバイオリアクター2を備えている。この実 施の形態はあくまでも一例としてあげられたものであり、本発明を限定するもの ではない。この実施の形態の使用方法を以下に述べる。 動脈管64が示されており、この動脈管64を介して、患者からの二腔管静脈 カテーテル(あるいは同種のもの)から血液が運ばれる。ELADシステムに流 れた血液は、たとえば、蠕動性ポンプ66によって制御されることが好ましい。 たとえば、ヘパリンなどの抗凝血剤が注射器68で動脈管64に注入されること が好ましい。また、尿、凝固因子、その他のタンパク質または転化物質生成物に 由来する肝細胞などが血液に加えられてもよい。血液が、前カラム圧(PI)が 監視されている動脈点滴チャンバ70に入る。血液は点滴チャンバ70を通過し 、バイオリアクター2に流れ込み、患者からの血液がバイオリアクター2(ここ では、微小器官培養物の集合体を含むチャンバ)に充満する。要求があれば、装 置が詰まるのを防ぐために、フィルターやその類似物(たとえば、市販の1mm メッシュのフィルター)を点滴チャンバ70とバイオリアクター2との間に設け てもよい。バイオリアクター2は、動脈管64からの血液が抗凝血剤とともに、 あるいは抗凝血剤なしに運ばれる入口管セット72を備えている。バイオリアク ター2、具体的には微小器官培養物の集合体を含んでいるバイオリアクター2が 血液を処理する。 バイオリアクター2を通過している間、分子、好ましくはそのサイズが約10 ,000Daから約250,000Daの分子、最も好ましくはサイズが約60 ,000Daから約80,000Daの分子は免疫隔離膜中で拡散し、微小器官 培養物にさらされる。血液からの非細胞質は、直接、微小器官培養物と接触する 。小分子と分子量カットより小さいタンパク質は血液中に戻る。 バイオリアクター2は、処理された(たとえば、修飾された、あるいは解毒さ れた)血液を血中空気検出器の一部であってもよい静脈点滴チャンバ74へ、そ して静脈管76へと運ぶ。さらに本システムは、点滴チャンバ74の静脈圧(P v)である圧力を監視する。これによって、カラム圧(PI−Pv)が算出され る。 微小器官培養物を介して、好ましくはバイオリアクター2を流れる血液と同時 に、プラズマが限外濾過される。ポンプ78は、微小器官培養物からプラズマを 濾液チャンバへ引き出し、濾液チャンバではプラズマが集められ、プラズマは濾 液点滴チャンバ80と細胞や大分子が患者にまで到達することを防ぐために設け られた、たとえば0.45μmのフィルターなどの細胞フィルター素子82とを 通過する。このチャンバ80内の圧力(P2)が計測され、それによって膜圧( P1−P2)が得られる。フィルター82は微小器官培養物からの細胞の漏れを 感知し、それを抑える。濾液はバイオリアクター2からの血液の流れと再混合さ れる。 フィルター82の出口は、体液が酸素を含有するように、人工肺に接続される 人口肺ラインのための取付け具を一端に持つ、第1の三口(たとえば、Y字形あ るいはT字形)管器具に接続されることが好ましい。 それゆえ、図4に示された濾過回路は、微小器官培養物を流れる血清を高める ために、微小器官培養物チャンバ内に正圧差をつくりだす。また、圧力センサー 84を動脈管64と注射器68のライン内に配置することも好ましい。圧力セン サー84は、患者からバイオリアクター2へ汲み上げられた動脈血液の圧力を監 視する。さらに、ヘパリンまたは同様の抗凝血剤が動脈ラインに汲み上げられた 後に、バイオリアクター2に接続されている入口管での圧力を監視するのも好ま しい。患者へ戻る体液を計測するために、安全のために様々な位置に設けられた 再循環管セット内にあるのと同じように、取出静脈ラインに他の圧力センサーを 配置することが好ましい。このようにして、圧力センサーは、患者に対する進入 圧と戻り圧の両方と、装置内の圧力を監視することができ、プラグの差し込みや 破裂不良などを検知する。さらに、フィルター82の両側の圧力センサーは、細 胞または大分子が装置から放出されていないかを監視する。 全管セット86は、上記実施の形態で使用された管を全て含むものである。管 セット86は、血液透析、治療的プラズマ交換、心臓切開手術用のシステムに一 般に適用されるグレードの押し出し成形されたポリ塩化ビニル(PVC)管や同 様の管から形成されることが好ましい。管のポンプ部分は、患者からの失血によ る問題を生じることなく、およそ100ml/分から500ml/分、好ましく は250ml/分の血流速度で、およそ120時間、動作するように設計される ことが好ましい。管セット86の成形部分は、硬質PVC、レキサンHp樹脂、 あるいは同様な材質からなり、上述した用途と一致する環境でPVC管と強固な 接続を長期間にわたって持てるよう設計されている。管セット86の減菌法とし ては、エチレンオキシドによって管セット86を減菌することが挙げられる。 さらに図4に示すように、制御システム88は、全システムの動作を制御する 。制御システム88は、多数のモジュールを単一の集積システムに含んでいるか 、あるいは分離したモジュールとして含んでいる。一つのモジュールが複式ポン プシステムを動作させる。このような制御モジュールは市販されている(たとえ ば、コロラド州レークウッドのCGH,Inc.製のBSM−22 Dual Pump Blo odsafety module) 。 制御システム88の他のモジュールは、圧力を監視し、操作者がキーパッドや その類似物を介してアラームを設定することを可能にし、あるアラーム限度に達 したことを操作者に知らせるように設計された補助監視ユニット(AMU)であ る。 制御システム88の第三のモジュールは、治療中、体外回路で患者へ戻る静脈 の圧力を監視する静脈圧モニター(Venous Pressure monitor,VPM)である。 VPMもCGH,Inc.から市販されており、二種類のアラームを備えている。第 1のアラームは、限界窓を持ち、圧力値が選択値より40mmHg、または小さ くなった場合、あるいは、70mmHg、または大きくなった場合、警報を発す るようになっている。第2のアラームは、いわゆる“範囲外アラーム”で、圧力 値が+450mmHgを越えた場合、あるいは+10mmHgより下がった場合 、警報を発するようになっている。一つのアラームが起動すると、血液ポンプは 停止する。VPMは圧力導入素子と電源を備えている。 説明した装置の管とその接続は、大きな故障や管セットの内側と外側間で漏れ を起こすことなく、3気圧(2,300mmHg)の正圧(内腔から外側)と0 .75気圧の負圧に耐えられることがことが好ましい。この設計は、体外治療に 使用され、吐き出し限界が約0.7気圧負圧、1.5気圧正圧である一般のポン プや管を考慮した結果である。確定した圧力限界はこれらの限界を一まとめとし て扱い、穏当な安全性を提供する。 血流速度は、0ないし500ml/分の範囲で調節可能であることが好ましい 。このための理論的根拠はいくつかのフォールド(fold)である。連続血液透析 は、血流速度を150ml/分とすることが効果的であるということは立証され ている。これは休止している正常腎流速が約1,000ml/分であることと比 較される。肝臓の貯蔵容量は腎臓より少ないと信じられているので、最大流速が 約1,500ml/分の休止正常肝血流量の高い分数となる。また、このような 体外流速が標準の血液アクセス装置、たとえば、一または二腔管鎖骨下カテーテ ルによって得られることも立証されている。より高い血流速度によって治療効果 が高められるであろう。 再循環管セット用の再循環流、たとえば取り出し流速度は、約5m/分から約 120ml/分の間にあり、好ましくは約20ml/分から約80ml/分の間 にある。また、この流れは、血流のフラクションによって定義することができる 。たとえば、取り出し流速度は、血流速度の約5%から約30%の範囲、好まし くは約10%から約20%の範囲にある。操作者には、血流速度と相互的関係を 持つ再循環流速度のテーブルが提供されることが好ましく、あるいはこれらを制 御システム88のメモリーに記憶することが好ましいと考えられる。 さらに、または好ましくは、血液が生物学的に修飾された体液である場合、ヘ モグロビン検出器が、微小器官培養物チャンバ内の漏れを検出するために濾過回 路で使用される。また、ヘモグロビン検出器は、体外スペースからの細胞や粒子 のロスを、これら細胞が光を散乱し、対応するモニターの出力を低下させること として示す。さらに、ヘモグロビンモニターは、様々なアラーム回路と接続され 、操作者の注意が必要であることを知らせる。圧力センサーを同様のアラームシ ステム内に設けることも可能であるし、アラームシステムを圧力センサー用に設 けることもできる。ヘモグロビン検出器と圧力センサーの両方をコントローラに 接続することも可能であり、閉ループシステムの一つ以上のポンプを停止するた めに使用することができる。光学ヘモグロビン検出器は、60部のプラズマに対 して1部の赤血球が充填されている再循環ラインまでの失血を検出できることが 好ましい。この検出方法は、検出器内で赤血球をそのままとする双方の損失のた めと、ある指定された量の細胞が全体的に溶血させるためとの何れかで作用する ことが好ましい。 また、システムの構造は、動脈管64に接続されたポンプが不要である動静脈 管を備えるように変更することが可能である。さらに、この構成は、バイオリア クター2の両端に貯蔵所を設け、返還ラインに血液ポンプを設けることによって 、単針アクセスで使用することが可能である。 本発明の装置の動作を立ち上げるにあたっては、通常の医学的手順を行い、設 備配置は当業者の理解できる範囲で十分であると思われる。すなわち、設備配置 担当の操作者は、管セット86を制御ユニット88上に置き、ポンプ母管を縫う ように通り抜けさせてポンプ66、78(もし、あれば)へ適切に導き、圧力監 視管を圧力モニター74(もし、あれば)に接続し、アラームセットを準備モー ドにふさわしい値に設定し、抗凝結剤(例えば、ヘパリン)注射器68に所定の 供与量のヘパリンを充填し、ヘパリン注射器68を管72に取付け、ヘパリン注 射器68を制御ユニット88に固定し、そして準備溶液を動脈管64に取付ける 。準備溶液は、通常の塩類水溶液であればよい。 血液アクセスのために、この手順を担当する医師は、適切な手順を確立し、血 液アクセスを行う。この血液アクセスは、所望の治療投入量を患者に与えるのに 必要である上記の血流速度で、血液を運搬する能力がなくてはならない。本発明 の装置の動作の原理は、微小器官培養物を囲む灌流コンパートメントへの諸物質 を運搬する確実な血液の妨げられない通過と、同様の微小器官培養物からの溶質 の血液への通過に依存している。不適当な凝結によるこの運搬容量を低下させる ことは避けるべきである。循環の開始時において懸念されることは、準備器官中 のアクセス内での停止によって生じる凝固である。 行われるべき第一の接続は、たとえば動脈管64のような患者アクセスライン である。準備溶液は、返還管76と返還ラインとの接続が封入された空気がない ようにさせるのに十分な速度で、動脈管64に注入される。接続がなされると、 準備溶液流が停止するので、医師が接続点で許容量を越える空気がないか確かめ るために管を操作することができる。それから、動脈管64が接続される。 この手順を開始するために、ポンプ66が始動される。静脈管76が開放され 、ヘパリンが注入される。圧力監視チャンバレベルが調べられ、必要であれば調 整される。この手順を続行するために、操作者、あるいは介護者は定期的に、漏 れがないか器具を調べ、血球堆積の形跡のためにバイパス管セットを調べ、監視 チャンバが適切なレベルであるかを調べなければならない。監視チャンバレベル が、点滴チャンバの50%以上である基準レベルよりも0.5cm以上高い場合 、レベルは再調整しなければならない。監視チャンバレベルの頻繁な調整は、操 作者が管のわずかな漏れを十分に調べる動機を与えるであろう。注射器68は、 抗凝結剤の残量を調べるために監視され、適当に交換されなければならない。 この手順を終了する場合、また設備が壊れた場合、ポンプ66とヘパリン注入 が順次停止され、動脈管64が締められる。システムに残っている血液は、体液 あるいは空気転位を使って、プロトコルごとに患者に戻され、そして静脈管76 が締められる。この時点で、制御ユニット88と取付けられた管セット86と治 療装置が、使用されている集中治療室あるいは領域から片付けられる。 上記では、本発明の装置、方法を中心に説明した。以下に、本発明の装置、方 法に使用される微小器官培養物の良好な調製例と、本発明の装置の生体における 使用例を挙げる。これらの例は、本発明を説明するために記載されるものであっ て、本発明を限定するものではない。 以下に記載される例のように、肝臓からの微小器官培養物は、隔離され、培養 液で48日間成長させられたものである。しかしながら、培養を48日より長い 期間維持することも本発明の範囲である。 実施例1 肝臓微小器官培養物調製法 マウスの肝臓からの微小器官培養物を以下の方法で準備した。器官を切除し、 ハサミで幅2mm、長さ3mmの適切なサイズに切断し、さらに組織チョッパー あるいは他の好適な切断手段により、厚さ300μmの断片にスライスした。該 微小器官を、24個のウエルが設けられたマイクロプレートに投入し、400m lのDulbeco最小必須培地(DMEM)中で牛胎児血清(FCS)の欠乏下で、 5%CO2の雰囲気中において温度37℃で、1〜8日間12rpmで継続的に 振盪した結果、各ウエルに24個の微小外植片が形成された。 実施例2 肝臓微小器官培養物における細胞増殖の測定法 複数のマウスの器官からの微小器官培養物を切開し、実施例1に記載の微小器 官細胞培養技術により、血清の欠乏下、温度37℃に設定された湿潤恒温器で培 養した。細胞分裂測定のため、トリチウム化されたチミジン結合を、標準プロト コール(Kobayashi,et al.(1994,J Biomater Sci Polym Ed 6(4):325-42) により測定した。測定結果(図5)から、培養期間内にDNA合成が行われたこ とがわかる。また、マウスの肝臓微小器官培養物を、実施例1に記載の方法によ り14日間育成し、ブロモデオキシウリジンにより4時間パルスした後固定し、 有糸分裂核を標識するためのブロモデオキシウリジンの蛍光抗体(Sigma chemic al)により染色した。該培養物中に、活発なDNA合成を行う核の存在が観測さ れた(添付データなし)。 実施例3 微小器官培養物中のマウス肝細胞によるアルブミン生成 実施例1に記載の方法により微小器官培養物中で育成した初代マウス肝細胞は 、アルブミンの分泌および尿素の生成の測定結果(図6)から、培養開始から少 なくとも4週間その機能を維持してることが判る。Eliza法および比色分析(キ ット番号631、Sigma Chem.Co.St.Louis MO)による試験結果から、微小器 官培養物中のマウス肝細胞は、比較的多量のアルブミンを生成することが判明し た。下記のヒストグラムに106個の細胞が1時間に分泌するアルブミンの量を 示す。培養開始から1ヵ月後も、マウス肝細胞は高いアルブミン生成率を維持し 、この生成率は従来の2通りの培養条件により得られる生成率と比較すると特に 高い。図中Aは、Nyberq et al.(Cell Transplant,2:441-52,1993)からのデ ータであり、図中Bは、shatford et al.(J.Surq.Res.,53:549-57,1992)か らのデータである。 実施例4 マウスの肝臓微小器官培養物でのアンモニアから尿素への変換 マウスの肝臓を切開し、実施例1に記載の微小器官細胞培養技術により、血清 または外因成長因子の欠乏下でin vitroで培養した。尿素およびアンモニアを、 尿素−窒素キット番号640−A(Sigma Chem.Co.St.Louis Mo)を使用し、 標準比色分析により上清から計測した。図7のデータから、微小器官培養物中の マウス肝細胞は、培養開始から48日後も多量の尿素を生成していることがわか る。一方、Dixit et al.(Transplantation.55:616-22,1993)の報告によると 、微小被包ラット肝細胞をin Vitroで培養した場合、培養開始から1日後の尿素 の合成量は14.6mg/hr/106個細胞であり、10日後の尿素の合成量 は11.7mg/hr/105個細胞である。 実施例5 ヒトの肝臓微小器官培養物による長期間にわたるアンモニアから尿素への 多量変換 ヒトの肝臓微小器官培養物を以下の方法で準備した。ヒトの肝臓片を肝臓ウエ ッジ生検法で入手した。該肝臓片を幅2mm、長さ3mmの適切なサイズに切断 し、さらに組織チョッパーで、厚さ300μmの断片にスライスした。該断片を 、24個のウエルが設けられたマイクロブレートに投入し、0.4mlのDME M中で牛胎児血清(FCS)の存在下または欠乏下、5.5%CO2雰囲気中に おいて温度37℃で、12rpmで継続的に振盪した結果、各ウエルに20個の 微小外植片が形成された。2日毎に培地を交換し、サンプルを採取して尿素およ びアンモニアを計測した。図8に示す培地中に分泌された尿素の量は、任意の単 位であるが、10〜25μg尿素/hr/106個細胞を示す。 ヒトは1日に11.2gの尿素を生成し、ヒトの肝臓には少なくとも1011個 の肝細胞があることから、ヒトの肝細胞による生体内での尿素生成量は約5mg /hr/106個細胞と算出される。したがって、ヒトのin Vitroでの肝臓微小 器官培養物のアンモニアの尿素への変換率は、正常な生体内での肝臓細胞の変換 率を上回ることはないが、略同一である。 実施例6 ヒトの肝臓微小器官培養物の代謝活性 実施例5に記載の方法により、ヒトの肝臓微小器官培養物を調製した。結果を 図9に示す。 実施例7 低温保存後、温度37℃で育成された肝臓微小器官培養物の機能維持 マウスの肝臓微小器官培養物を実施例1に記載の方法により調製し、10%D MSO中で−80℃まで徐冷した後、液体窒素中に移し替えた。数日後、該微小 器官培養物を急速解凍し洗浄した後、10%FCS中で数日間育成した。図10 からわかるように、培養開始から数日経っても、微小器官培養物中の肝臓細胞は 、アンモニアの尿素への変換量により測定される生存能力および機能を維持して いた。同図に示す測定結果値は、冷凍保存されず同様の条件で育成された微小器 官培養物の測定結果値と同等である。 実施例8 低温保存後、温度37℃で育成されたヒトの肝臓微小器官培養物の機能維持 ヒトの肝臓微小器官培養物を実施例5に記載の方法により準備し、10%DM SO中で−80℃まで徐冷した後、液体窒素中に移し替えた。数日後、該微小器 官培養物を急速解凍し洗浄した後、10%FCS中で数日間育成した。図11か らわかるように、培養開始から数日経っても、微小器官培養物中の肝臓細胞は、 アンモニアの尿素への変換量により測定される生存能力および機能を維持してい た。同図に示す測定結果値は、冷凍保存されず同様の条件で育成された微小器官 培養物の測定結果値と同等である。 実施例9 アルギン酸塩シートで被包した肝臓微小器官培養物の代謝活性 マウスの肝臓微小器官培養物を実施例1に記載の方法により調製した。該培養 物の半分をアルギン酸塩からなる薄いシート(厚み約40μm)で被包した。ア ルギン酸塩シートで被包した該微小器官培養物を、10%FCSを加えたDME M中で、12日間生体外で培養した。2日毎に培地を交換し、サンプルを採取し て尿素およびアンモニアを計測した。図12に示す培地内への尿素分泌量は、任 意の単位であるが10ないし15μg尿素/hr/106個細胞を示す。左側は 微小器官培養物のみから得られた数値を示し、右側はアルギン酸塩で被包した微 小器官培養物から得られた数値を示す。 実施例10 100%牛胎児血清中で培養したマウスの肝臓微小器官培養物の機能維持 マウスの肝臓微小器官培養物を実施例1に記載の方法により調製した。該培養 物の半分を、10%FCSを加えたDMEM中(左側)で、残りの半分を100 %FCS中(右側)で5日間育成した。2日毎に培地を交換し、サンプルを採取 してアンモニアおよび尿素を計測した。図13に示す結果は非常に適切である。 つまり、該培養物はin vitro条件下のみでなく、全血に近く、また多くの場合、 in vitroでの細胞には有毒な100%血清の存在下においても高い機能を示して いるからである。 実施例11平面アルギン酸塩シートで被包され、−80℃で冷凍保存した後、温度37℃で 培養したラットの肝臓微小器官培養物の機能維持 マウスの肝臓微小器官培養物を実施例1に記載の方法により調製した。該培養 物の半分をアルギン酸塩からなる薄いシート(厚み約400μm)で被包した。 該微小器官培養物、およびアルギン酸塩シートで被包した該微小器官培養物を1 0%DMSO中で−80℃まで徐冷した後、液体窒素中に移し替えた。数日後、 該微小器官培養物を急速解凍し洗浄した後、10%FCS中で数日間育成した。 2日毎に培地を交換し、サンプルを採取して尿素およびアンモニアを計測した。 図14(a)に尿素生成量を、図14(b)に培地中に分泌されたアルブミンの 量を任意の単位で示す。 実施例12正常なin vivoとしてのラットとアルギン酸塩で被包した肝臓微小器官培養物を 含むバイオリアクタとの安全な接続 ラットの右頸動脈および左頸静脈へカニューレ管を挿入し、ラットを上記のプ ロトタイプに接続した。血液を原型に数時間流入させた。実験対象動物の健康状 態を含めた数種の生化学的パラメータをモニターした後、微小器官培養物により 処理された血液を蠕動ポンプにより補助された頸静脈に再導入した(図15には 、具体的にラットの輪郭を示す)。実験対象動物を実験期間中、約8時間生存さ せた。 実施例13 肝臓微小器官培養物の最適厚みの決定 マウスの肝臓微小器官培養物を以下の方法で調製した。つまり、器官を切除し 、ハサミで幅2ミリ、長さ3ミリの適切なサイズに切断し、さらに組織チョッパ ーあるいは他の好適な切断手段により、厚さ150〜700μmの断片にスライ スした。該微小器官を35ミリのペトリ皿に投入し、2mlのF12培地中で、 牛胎児血清(FCS)の存在下、5%CO2雰囲気中において温度37℃で、最 長3週間12rpmで振盪した結果、各皿に所定の厚みを有する微小器官培養物 が生成された。2日毎にサンプルを摂取し、型にはまった組織構造および尿素生 成のための処理を施した。また、培養開始から6日後、該微小器官を、107C FUs/mlのlac-z遺伝子を転写する様に構成したアデノ誘導ウイルス構造に より形質転換した(J.Clin,Invest,90:2598-2607,1992参照)。形質転換後 、2週間後にサンプルを採取し固定した後、β−gal生成を伴う組み換えβ−ガ ラクトシダーゼのための処理を施した。図16に、厚み機能としてのβ−gal生 成量を示す。生成は、厚さ450μmの微小器官培養物を用いた場合に最高レベ ルに達した。同様に、培養開始から3週間後に測定した組成構造および尿素生成 は、厚さ150、300、および700μmの微小器官培養物と比較して、何れ も厚さ450μmの微小器官培養物から最適値が得られた。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)体液を取り入れるための入口と、体液を外へ流し出すための出口とを 有するチャンバと、 (b)複数種の肝臓微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾するため の集合体とを含み、 上記集合体をなす肝臓微小器官培養物は、各々が複数の肝臓細胞を含み、また 、各々の肝臓微小器官培養物の最内部に置かれた肝臓細胞からその肝臓微小器官 培養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、かつ約225μm未満で あり、この結果、該各々の肝臓微小器官培養物は生体中で腺房ユニットをなす肝 臓構造がその肝臓微小器官培養物内で保持される大きさを有していて、上記肝臓 微小器官培養物の集合体は上記チャンバ内に置かれてチャンバを通って流れる体 液の少なくとも一部に接触している体液の生物学的修飾装置。 2.上記肝臓微小器官培養物の集合体は、肝臓微小器官培養物の集合体の存在下 で肝細胞を同時培養することによって形成された、連続した肝臓平面状器官内に 供給され、該連続した肝臓平面状器官は、上記肝臓微小器官培養物から得られた 細胞と上記肝細胞との混合物から形成されている請求項1に記載の体液の生物学 的修飾装置。 6.上記チャンバ内に実質上置かれた多孔質膜をさらに含み、該多孔質膜が体液 と上記肝臓微小器官培養物の集合体との接触を実現する請求項1に記載の体液の 生物学的修飾装置。 10.上記肝臓微小器官培養物の集合体は、上記チャンバ内に置かれる前に低温 保存される請求項1に記載の体液の生物学的修飾装置。 12.(a)体液を取り入れるための入口と、体液を外へ流し出すための出口と を有するチャンバと、 (b)複数種の肝臓微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾するため の集合体と、 (c)患者に接続されて患者から体液を取り入れるための第1の端と、上記取 入口に接続される第2の端とを有する第1の管と、 (d)上記出口に接続される第1の端と、患者に接続されて生物学的に修飾さ れた体液を患者に戻すための第2の端とを有する第2の管とを含み、 上記集合体をなす肝臓微小器官培養物は各々が複数の肝臓細胞を含み、また、 各々の肝臓微小器官培養物の最内部に置かれた肝臓細胞からその肝臓微小器官培 養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であ り、この結果、該各々の肝臓微小器官培養物は生体中で腺房ユニットをなす肝臓 構造がその肝臓微小器官培養物内で保持される大きさを有していて、上記肝臓微 小器官培養物の集合体は上記チャンバ内に置かれてチャンバを通って流れる体液 の少なくとも一部に接触している患者の体液の生物学的修飾装置。 13.上記肝臓微小器官培養物の集合体は、肝臓微小器官培養物の集合体の存在 下で肝細胞を同時培養することによって形成された、連続した肝臓平面状器官内 に置かれ、該連続した肝臓平面状器官は、上記肝臓微小器官培養物から得られた 細胞と上記肝細胞との混合物から形成されている請求項5に記載の患者の体液の 生物学的修飾装置。 17.上記チャンバ内に実質上置かれた多孔質膜をさらに含み、該多孔質膜が体 液と上記肝臓微小器官培養物の集合体との接触を実現する請求項5に記載の患者 の体液の生物学的修飾装置。 21.複数種の肝臓微小器官培養物からなる集合体が入ったチャンバを通して患 者の体液を灌流するステップを含み、該肝臓微小器官培養物の集合体が該体液を 生物学的に修飾させ、該集合体をなす肝臓微小器官培養物は各々が複数の肝臓細 胞を含み、また、各々の肝臓微小器官培養物の最内部に置かれた肝臓細胞からそ の肝臓微小器官培養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、かつ約2 25μm未満であり、この結果、該各々の肝臓微小器官培養物は生体内で腺房ユ ニットをなす肝臓構造がその肝臓微小器官培養物内で保持される大きさを有して いる患者の体液の生物学的修飾方法。 33.(a)ある器官の複数種の微小器官培養物からなる集合体を得るステップ と、 (b)上記器官の細胞の懸濁液を該複数種の微小器官培養物に加え、上記微小 器官培養物の集合体の存在下で、該細胞の懸濁液を同時培養するステップとを含 み、 ステップ(a)では、上記集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を 含み、また、各々の微小器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培 養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であ り、この結果、該各々の微小器官培養物は生体内の構造がその微小器官培養物内 で保持される大きさを有していて、 ステップ(b)では、該微小器官培養物から得られた細胞と上記懸濁液中の細 胞との混合物から連続した平面状器官が形成される連続した平面状器官を形成す る方法。 34.(a)複数種の肝臓微小器官培養物からなる集合体を得るステップと、 (b)肝臓細胞の懸濁液を該複数種の肝臓微小器官培養物に加え、上記肝臓微 小器官培養物の集合体の存在下で該細胞の懸濁液を同時培養するステップとを含 み、 ステップ(a)では、上記集合体をなす肝臓微小器官培養物は各々が複数の肝 臓細胞を含み、また、各々の肝臓微小器官培養物の最内部に置かれた細胞からそ の肝臓微小器官培養物の最も近い表面までの距離が約150μm以上、かつ約2 25μm未満であり、この結果、該各々の肝臓微小器官培養物は生体中で腺房ユ ニットをなす肝臓構造がその肝臓微小器官培養物内で保持される大きさを有して いて、 ステップ(b)では、該肝臓微小器官培養物から得られた細胞と上記肝臓細胞 との混合物から連続した平面状の肝臓器官が形成される連続した肝臓平面状器官 を形成する方法。 35.(a)体液を取り入れるための入口と、体液を外へ流し出すための出口と を有するチャンバと、 (b)ある器官の複数種の微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾す るための集合体とを含み、 上記集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微 小器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面ま での距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々 の微小器官培養物は生体内で器官ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物 内で保持される大きさを有していて、上記微小器官培養物の集合体は上記チャン バ内に置かれてチャンバを通って流れる体液の少なくとも一部に接触しているこ とを特徴とする体液の生物学的修飾装置。 46.(a)体液を取り入れるための入口と、体液を外へ流し出すための出口と を有するチャンバと、 (b)ある器官の複数種の微小器官培養物からなる、体液を生物学的に修飾す るための集合体と、 (c)患者に接続されて患者から体液を取り入れるための第1の端と、上記取 入口に接続される第2の端とを有する第1の管と、 (d)上記出口に接続される第1の端と、患者に接続されて生物学的に修飾さ れた体液を患者に戻すための第2の端とを有する第2の管とを含み、 上記集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微 小器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面ま での距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々 の微小器官培養物は生体内で器官ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物 内で保持される大きさを有していて、上記微小器官培養物の集合体は上記チャン バ内に置かれてチャンバを通って流れる体液の少なくとも一部に接触している患 者の体液の生物学的修飾装置。 55.ある器官の複数種の微小器官培養物からなる集合体が入ったチャンバを通 して患者の体液を流すステップを含み、 該微小器官培養物の集合体が該体液を生物学的に修飾させ、 該集合体をなす微小器官培養物は各々が複数の細胞を含み、また、各々の微小 器官培養物の最内部に置かれた細胞からその微小器官培養物の最も近い表面まで の距離が約150μm以上、かつ約225μm未満であり、この結果、該各々の 微小器官培養物は生体内で器官ユニットをなす器官構造がその微小器官培養物内 で保持される大きさを有している患者の体液の生物学的修飾方法。
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