JPH0242642B2 - - Google Patents

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JPH0242642B2
JPH0242642B2 JP61279364A JP27936486A JPH0242642B2 JP H0242642 B2 JPH0242642 B2 JP H0242642B2 JP 61279364 A JP61279364 A JP 61279364A JP 27936486 A JP27936486 A JP 27936486A JP H0242642 B2 JPH0242642 B2 JP H0242642B2
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porous elastic
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タイル等の陶磁器板の製法およびそ
れに用いる成形型に関するものである。
〔従来の技術〕
タイル等の陶磁器板の製造は、一般に、上型と
下型との間で原土を圧縮成形し、これを焼成して
製造することが行われている。このような原土を
用いてタイル等を製造する場合において、離型性
を向上させるため、上型および下型の成形面に通
気性部材を設け、成形面に離型剤を噴出させたの
ち下型上に原土を載せ、つづいて上型と下型とで
原土を圧縮成形し、成形完了後、上型および下型
の通気性部材を介してエアーを打ち込み成形品を
離型させる方法が開発されている(特開昭61−
64409)。この方法は、原土を用いて効率よく陶磁
器板等を製造しうるものである。しかしながら、
このような原土を用いる方法は、作業がバツチ的
になるため、最近では、原土に代えて粘土質原料
と珪長石質原料ならびにタルク、ドロマイト、石
灰等の原料を、適宜に組み合わせて高含水率の湿
式組成物(スラリー状原料組成物)を形成し、こ
れを成形する方法が開発されている。すなわち、
上記湿式組成物を、成形部を有する石膏からなる
透水性下型内に入れ、ついで石膏等の透水性材料
からなる上型を取り付け、上記型を通して水切り
し、その型内に上記スラリー状湿式組成物の固形
分からなる成形品を形成する。そして、上記成形
品を、吸盤等を用いて吸着して脱型し乾燥したの
ち、焼成炉に入れて焼成することによりタイル等
の陶磁器板を製造するという方法が開発されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記のように、石膏等からなる
透水性材料製の型を用いて水分を水切りするに際
して、湿式組成物中に分布する微粒物が、透水性
材料製型の通水路(石膏の分子と分子の間に形成
された空隙)に入り込んで目詰まりを起こし、水
切り性が悪くなつて製造に長時間を要するように
なると同時に、得られる成形体が成形回数を重ね
るに従つて含水率の高いものとなり、脱型の際
に、場合によつては崩形するという難点が生じ
る。このような水切り性を向上させるために、湿
式組成物を加圧しようと試みると、石膏からなる
型が欠けたり割れたりするため、実現は不可能で
ある。
このような問題を解決するため、本発明者は、
前記湿式法に用いる透水性皿状型に代えて、ゴ
ム、合成樹脂等からなる、連通孔を備えたスポン
ジ状体を用い、その型内に湿式組成物(スラリー
状の原料組成物)を加圧注型し、かつ周囲から真
空吸引して水切りを行うと、紛体の分布の均一な
成形体が短時間で得られるようになり、これを焼
成すると極めて良好な陶磁器板が得られることを
見いだし、すでに特許出願(特願昭61−189407
号)している。この方法によれば、上記のような
従来の問題を全て解決することができるが、さら
に成形品の離型性等を改善すれば一層優れた効果
が得られるようになる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、粉体の分布が均一で、割れ、ひび等が入らな
い陶磁器板を、一層効率よく製造しうる陶磁器板
の製法およびそれに用いる成形型の提供をその目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は、少なく
とも一方が連続気孔付多孔質弾性体で形成されて
いる上型および下型を準備し、上記両型を合わせ
て型を閉じた状態で上記上型および下型の少なく
とも一方の成形空間内にスラリー状の原料組成物
を加圧注型し、上記原料組成物中の水分の一部が
上記連続気孔付多孔質弾性体からなる型の型面に
水膜を形成しうる程度に残存するように連続気孔
付多孔質弾性体の連続気孔を介して上記原料組成
物を吸引脱水し、ついで水分を霧状に強制含有さ
せた気体を加圧状態で上記連続気孔付多孔質弾性
体の連続気孔を介して上記成形空間に吹き込んで
成形品を離型させ、これを陶磁器板化する陶磁器
板の製法を第1の要旨とし、少なくとも一方の型
面に成形空間が形成されている上型および下型
と、上記両型を合わせて型が閉じられている状態
において上記成形空間にスラリー状の原料組成物
を加圧注型する原料注型手段を備え、上記上型お
よび下型の少なくとも一方が連続気孔付多孔質弾
性体で構成され、上記連続気孔付多孔質弾性体で
構成された型が周囲に空隙を保つて型枠に密封収
容され、上記型枠の空隙を真空吸引するための吸
引手段および上記型枠の上記空隙内に水分が霧状
に強制含有されている加圧気体を吹き込みその気
体を上記連続気孔付多孔質弾性体の連続気孔を介
して上記成形空間内に吹き込むための水分強制含
有加圧気体吹込手段が設けられ、かつ上記吸引手
段および加圧気体吹込手段の作動を制御する制御
手段が設けられている成形型を第2の要旨とす
る。
〔作用〕
すなわち、本発明は、上型および下型として、
一方もしくは双方が連続気孔付多孔質弾性体で形
成されているものを用い、吸引脱水に際して、上
記原料組成物中の水分の一部が上記連続気孔付多
孔質弾性体中に残存するようにし、ついで上記連
続気孔付多孔質弾性体の連続気孔を介して上記成
形部内に、水分が強制含有された気体を加圧状態
で吹き込むため、連続気孔付多孔質弾性体中に残
存する水分と、上記気体中に強制含有された水分
とが成形体の外周面に向かつて噴出し成形体の外
周面に水膜を形成した状態で成形体を型から離型
させる。したがつて、成形体を変形させることな
く円滑活迅速に離型することができるようにな
る。その結果、表面に凹凸模様が形成された大形
の陶磁器板であつても割れ、ひび等が入らないよ
うにして極めて効率よく製造しうることになる。
本発明に係る陶磁器板は、上記特殊な上型およ
び下型を用い、上記両型を合わせて型を閉じた状
態で上記型の成形部内に湿式組成物を加圧注型し
たのち、吸引脱水して水切りし、ついで水分が強
制含有されている加圧用の気体を吹き込んで成形
品を離型させ、得られた成形品を焼成することに
より得られる。
上記上型および下型は、いずれか一方もしくは
双方が連続気孔付多孔質弾性体で形成されてい
る。双方が連続気孔付多孔質弾性体で形成されて
いるのではなく、一方が連続気孔付多孔質弾性体
で形成されているときは、他方がシール体で形成
される。そして、上記上型および下型の型面の片
方もしくは双方に成形用凹部等の成形部が形成さ
れ、型を合わせた状態において、その成形部で上
記湿式組成物の加圧成形を行うようになつてい
る。
上記連続気孔付多孔質弾性体としては、ゴムや
合成樹脂のスポンジ状体が用いられる。この場
合、スポンジ状体は、連続気孔を有するものであ
る必要があり、独立気孔を有するものでは本発明
の効果は達成しえない。すなわち、スポンジ状体
の連続気孔が、吸引脱水時ならびに加圧用気体吹
き込み時の流路となるのであり、この流路によつ
て湿式組成物の水切り、成形品の離型が行われる
からである。この場合、上記連続気孔の孔径は、
水切り性、離型性に大きな影響を与え、上記孔径
は、石膏からなる透水性皿状型における石膏分子
間の空隙とほぼ同程度の空隙に設定することが好
適である。
このような連続気孔付多孔質弾性体により形成
される型は、通常、その型面(成形部が形成され
た面もしくは成形部に対面する面)を残した状態
で空隙を保つて型枠に密封収容され、型枠の空隙
の真空吸引によつて、成形部内に加圧注型された
湿式組成物の吸引脱水を行い、上記空隙に対する
加圧気体の吹き込みによつて成形品の離型を行う
ようになつている。
上記加圧用の気体としては、通常、空気が用い
られるが、窒素ガス等のガス体を用いても差し支
えはない。本発明はこのような気体に対して水分
を霧状に強制含有させて用いる。本発明におい
て、水分を霧状に強制含有させるとは、例えば圧
縮空気に対して100℃以上の水蒸気を強制混合す
ることであり、本来気体が有している水分以外
に、他の水分を霧状で添加して水分含有量を当初
よりも高めることをいう。
本発明に用いる成形型は、先に述べたように、
連続気孔付多孔質弾性体によつて、上型および下
型のいずれか一方もしくは双方が形成される。片
方が連続気孔付多孔質弾性体で形成されるとき
は、他方がシール体で形成される。この場合、シ
ール体は板状体、台状体等その形状を問わない。
このシール体は、上記連続気孔付多孔質弾性体か
らなる片方の型の連続気孔を通して成形部内の湿
式組成物を吸引脱水するとき、連続気孔付多孔質
弾性体からなる片方の型の型面をシールして吸引
脱水時の吸引力を湿式組成物に充分に作用させる
ようにする。したがつて、シール性を保持してい
るものであれば、どのような材質のもので形成さ
れていてもよく、緻密なゴムないしは合成樹脂等
の弾性体で構成してもよいし、金属等の剛性体で
構成してもよい。
スラリー状の原料組成物を加圧注型するための
成形用凹部等の成形空間は、通常、上記連続気孔
付多孔質弾性体からなる型に形成される。しか
し、場合によつてはシール体からなる型に形成し
てもよい。また、上型、下型のいずれか一方に形
成するのではなく、双方の型に形成し、型を閉じ
た状態で双方の成形空間が一致するようにしても
よい。また、上記成形空間は1個だけを設けるの
ではなく、1個の型面に複数の成形空間を設け、
それらをスラリーの供給路を介して相互に連通さ
せるようにし、1回の成形動作で複数個の成形体
が得られるようにしてもよい。
上記のような成形空間に加圧注型される湿式組
成物(スラリー状の原料組成物)としては、先に
述べた粘土質原料や、シリカ粉末、長石等からな
る珪長石質粉末原料や、タルク等の従来公知の陶
磁器原料を従来公知の方法で混練し、その含水率
を適宜に調節してなるものが用いられる。この場
合、成形部に対する湿式組成物の注型は加圧によ
つて行われるため、この注型の際には、上記上型
および下型を合わせて型が閉じられた状態にされ
る。そして、その閉じられた型の成形部内に、ノ
ズル等を用い湿式組成物を加圧注型することが行
われる。このとき、加圧注型時の圧力によつて連
続気孔付多孔質弾性体が変形し、成形部の底面も
しくは弾性体の表面等があまり大きく変形する
と、所定の形状の陶磁器板が得られなくなる。し
たがつて、上記連続気孔付多孔質弾性体として
は、圧力を30Kg/cm2程度加えたときに、成形用凹
部の底面弾性体の型面が初期状態から0.1mm以下
の割合でしか沈下しないような比較的硬質なもの
を用いることが好ましい。そして、成形部内に加
圧注型される湿式組成物は、含水率が20〜25重量
%(以下「%」と略す)になるように調節するこ
とが好ましい。また、上記加圧注型の際の圧力
は、5〜30Kg/cm2に設定することが好適である。
すなわち、上記含水率および圧力を上記のように
設定することにより、吸引脱水の効果と相俟つて
良好な水切り性が発揮されるようになるからであ
る。このような水切り後に形成される成形品の含
水率は、10〜15%になるように設定することが好
適である。すなわち、成形品中に残存水分が多過
ぎると、加圧気体の吹き込み時の圧力によつて、
成形品が崩形する可能性があるからである。この
ように、成形品に上記のような割合で水分を残存
させる結果、上記連続気孔付多孔質弾性体からな
る型内に必然的に水分が残存するようになり、こ
の残存水分が、離型の際の加圧気体、例えば加圧
空気の吹き込みによつて、上記加圧気体に霧状に
強制含有された水分とともに、連続気孔を通つて
成形部内に吹き出し、成形品の表面に水膜を形成
し、均一な圧力で成形品を型から離型させるよう
になる。したがつて、変形等を生じることなく成
形品の円滑かつ迅速な離型が実現されるようにな
る。この場合、吹込圧力は、0.5〜15Kg/cm2に設
定することが好ましく、最も好ましいのは2〜5
Kg/cm2である。吹き込み時間は特に限定するもの
ではないが、通常は1〜45秒程度であり、3〜30
秒程度に設定することが好結果をもたらす。
このようにして得られる成形体を、例えば300
〜500℃で1〜3時間かけて乾燥したのち、1100
℃以上の温度の焼成炉に入れて焼成することによ
りタイル等の陶磁器板が得られる。この場合、乾
燥および焼成は成形体にひび割れが生じないよう
に予備乾燥、予備加熱し、それに引き続く本乾
燥、本加熱を行うことが好ましい。このようにし
て得られるタイル等の陶磁器板は、450×450×10
mmの大形の寸法のものであつてもひび割れ等が生
じず、しかも表面に立体模様が形成されているも
のであつても立体模様等が全く変形せず良好な状
態になつている。
つぎに、本発明の製法に用いる成形型の一例を
第1図に示す。図において、1は断面形状がコ字
状の下型枠で、底板2の周囲に側板3を配設しボ
ルト4で締め付けて構成されている。5は上記下
型枠1内に収容されたゴムスポンジ製の連続気孔
付多孔質弾性体からなる下型で、それ自体の底面
が下型枠1の底面と一定の空隙6を保つよう桟7
より持ち上げられた状態になつている。8は成形
用凹部である。すなわち、上記下型5は成形用凹
部8が形成された面(型面)を残した状態で空隙
6を保つて下型枠1内に密封収容されている。そ
して、上記成形用凹部8は、上記連続気孔付多孔
質弾性体製の下型5の表面に穿設され底面が立体
模様転写用の凹凸模様面に形成されている。10
は上記下型枠1と同様に構成されている上型枠
で、上記下型枠1同様、連続気孔付多孔質弾性体
からなる上型5′を底面との間に空隙6を保つた
状態で密封収容している。11は湿式組成物タン
クで、パイプ12を介して上記成形用凹部8内に
湿式組成物13を加圧注型するようになつてい
る。14は三方弁16を備えた吸引・吐出パイプ
で、下型枠1および上型枠10の空隙6を真空吸
収することにより連続気孔付多孔質弾性体の連続
気孔を通して成形用凹部8内に注型された湿式組
成物13を吸引脱水し、また三方弁16を切り換
え、水分が霧状に強制混合された加圧空気を上記
成形用凹部8内に送入して成形品を脱型させる。
15はパツキンで、上記下型枠1の側板3の上端
面に取着され、型閉成時に、上型枠10の側板3
の下端面と圧接して両型枠1,10内を密封す
る。上記三方弁16は、上記パイプ14に設けら
れており、その切り換えによつて、矢印Aのよう
に真空排気し、成形用凹部8内に注型された湿式
組成物13の吸引脱水を行い、その後、弁16を
切り換え、矢印Bのように水分が霧状に強制混合
された加圧空気を吹き込んで成形品を下型5から
離型させ、ついで型を開き、今度は矢印B′のよ
うに加圧空気を吹き込み成形品を上型5′から離
型させるようになつている。
この成形型は、図示のような型閉成状態では矢
印Cのように、上記両型5,5′を加圧状態に保
つて湿式組成物13を成形用凹部8内に加圧注型
し、ついで上記矢印Aのようにして吸引脱水した
のち矢印BおよびB′のように水分が霧状に強制
混合された加圧空気を2段階に分けて吹き込んで
成形品を順次上型(下型)、下型(上型)から離
型させ成形品を取り出すようになつている。この
場合、上記成形品は、成形用凹部8の底面および
上面の双方から吸引脱水しうるため、多量の湿式
組成物13を使用する大形陶磁器板の製造に際し
て、成形を短時間で行うことができ、また、成形
用凹部8の底面の凹凸によりタイル等の表面に対
して美麗な立体模様を形成することができる。し
かも、上記離型が加圧空気の吹き込みによつて円
滑に行われるため、その成形体および美麗な模様
に、離型時に加わる力(成形品を型面から剥離さ
せる力)にもとづく変形等が生じない。
なお、上記のように吸引脱水する際、仮に、か
なりの真空度で行つても、その吸引力は上記連続
気孔付多孔質弾性体における連続気孔を通じ、適
正に緩和されて成形用凹部8における湿式組成物
13に加えられる。したがつて、吸引脱水におけ
る吸引力により湿式組成物13の成形に悪影響が
加わるということはない。また、加圧空気の吹き
込みについても同様である。
特に、本発明の方法によつて陶磁器板を製造す
る場合には、表面に立体模様が形成されている大
形の陶磁器板の製造に極めて効果的である。すな
わち、上記方法によれば、湿式組成物13を用い
て成形するため、粉体の分布が均一になり、しか
もそれを加圧注型および吸引脱水で行うため迅速
に行うことができる。そのうえ、水分が霧状に強
制含有された加圧気体の吹き込みによつて成形品
の離型を行うため、離型を円滑かつ迅速に行うこ
とが可能となり、しかも大形の陶磁器板であつて
立体模様が転写形成されているものであつても板
や模様を変形させることがない。
なお、上記の説明では、上型5′および下型5
の双方を連続気孔付多孔質弾性体で構成している
が、第2図に示すように、上型5′をゴム、金属
板等からなるシール体で形成し、下型5のみを連
続気孔付多孔質弾性体で構成するようにしてもよ
いし、第3図に示すように、それを逆にしてもよ
い。第2図、第3図において、2aは桟である。
また第4図に示すように、下型5を連続気孔付多
孔質弾性体で構成するとともに、上型5′をシー
ル体で構成し、さらに上記両型5,5′に成形用
凹部8,8′を設け、型の閉成時に成形用凹部8,
8′が合致して全体で一つの成形用凹部18を構
成するようにしてもよい。また、第5図に示すよ
うに、上型5′および下型5の双方を連続気孔付
多孔質弾性体で構成し、これを内部が中空になつ
ている上型枠19′および下型19に入れて、そ
の型枠19′,19の内側面に小孔19aを形成
し、この中空部に対して真空吸引、加圧気体の吹
き込みを行うことにより、連続気孔付多孔質弾性
体5の外周面の全体に対して吸引脱水および加圧
気体の吹き出しを及ぼすようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明は、連続気孔付多孔質弾
性体製の型を用いて成形品を製造し、ついで、上
記型の連続気孔から加圧気体を吹き込み成形型内
の残留水分で型面に水膜をつくつて成形品を離型
させるため、成形品を変形させることなく円滑か
つ迅速に離型しうる。特に、本発明は、上型およ
び下型として少なくとも一方とが連続気孔付多孔
質弾性体で形成されているものを用いるため、吸
引脱水または加圧脱型する際に、限度以上の過吸
引または過加圧がなされても、型を構成する多孔
質弾性体が、それらの圧力が加わる面で弾性変形
してその部分の連続気孔が少し変形し気孔径が少
し小さくなる。その結果、上記過吸引または過加
圧の力が、成形品自体には直接加わらず緩和され
て加わるようになるため、上記過吸引、過加圧に
もとづく成形品の崩形、特に成形品表面の崩形が
生じない。また、上記吸引脱水または加圧脱型の
際に、上記型面に、部分的に過吸引または過加圧
(偏在)が加わる場合においても、その部分の気
孔が少し変形し気孔径が小さくなることから、上
記同様、成形品表面の崩形防止がなされ、また、
本発明は、成形品を型面から離型する際に、水分
を霧状に強制含有させた気体を加圧状態で上記連
続気孔付多孔質弾性体の連続気孔を介して成形空
間内に吹き込み、成形品を離型させるため、仮り
に、前記吸引脱水時に部分的に過吸引がなされそ
の部分の多孔質材製型の型内の残留水が少なくな
つても、加圧気体中に、霧状に強制含有された水
分がその少ない部分に重点的に補給される(過吸
引のなされる部分は過加圧もなされやすいことか
ら、過加圧気体に帯同する霧状水分が、過吸引に
よつて水分の少なくなつている部分に余分に供給
される)ようになる。その結果、型内残留水によ
つて型面に形成される水膜の圧力は全体的に均一
になつて成形品の表面に部分的に強い圧力が加わ
らなくなるため、成形品表面に対する割れ、ひび
の発生が防止されるようになる。また、加圧気体
に水分を霧状に強制含有させることにより、仮り
に多孔質材製の型内に残留水分が少ないときで
も、型面に水膜をつくつて成形品を安定に脱型さ
せることができ、かつ型内に残留水と加圧気体中
の水分とにより離型速度の向上を実現できる。こ
れは、上記成形品として、表面に凹凸模様が形成
されていて脱型時に凹凸模様部に割れ、ひびの入
りやすい大形タイル成形品(例えば450×450×10
mm)を形成する時に特に有効である。
つぎに、本発明を実施例にもとづいて詳しく説
明する。
〔実施例〕
まず、成形型として、第1図に示すようなタイ
ル製造用の成形型を準備した。つぎに、粘土質原
料40重量部(以下「部」と略す)、珪長石質粉末
原料55部、タルク5部からなる陶磁器原料組成物
であつて、含水率が20%程度に設定されているも
の13をタンク11から下型5の成形用凹部8内
に20Kg/cm2の圧力で注ぎ込んだ。つぎに、真空吸
引を行つて上記組成物13を5分間水切にしてタ
イル成形品をつくつた。この成形品の含水率は約
15%程度であつた。他方、圧縮空気(2Kg/cm2
に、100℃の水蒸気を体積比で1/10強制混合し、
これを下型5に2〜4Kg/cm2のエアー圧で5〜15
秒間吹き込んで成形品を下型5の型面から離型さ
せ、その状態で上型5′を少し上昇させた。この
状態では、成形品は上型5′の型面に付着したま
まの状態になつている。つぎに、上記下型5に対
して行つたと同様、上型5′に対して上記と同様
の加圧空気を吹き込んだ。その結果、成形品が上
型5′から円滑に離型した。このようにして得ら
れたタイル成形品を300〜500℃で1〜3時間かけ
て乾燥させたのち、1100℃以上の温度の焼成炉に
入れて焼成した。この場合、乾燥および焼成はタ
イル成形品にひび割れが生じないよう予備乾燥、
予備加熱し、それに引き続く本乾燥、本加熱を行
うことにより実施した。このようにして得られた
タイルは、450×450×10mmの大形の寸法のもので
あつて、表面に立体模様が形成されている美麗な
ものであり、ひびや割れ等が生じていず極めて強
度も大きかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる成形型の一実施例の断
面図、第2図は他の実施例の断面図、第3図はさ
らに他の実施例の断面図、第4図は他の実施例の
断面図、第5図はさらに他の実施例の断面図であ
る。 1……下型枠、5……下型、5′……上型、8
……成形用凹部、10……上型枠、11……湿式
組成物タンク、13……湿式組成物、14……吸
引・吐出パイプ、16……三方弁。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも一方が連続気孔付多孔質弾性体で
    形成されている上型および下型を準備し、上記両
    型を合わせて型を閉じた状態で上記上型および下
    型の少なくとも一方の成形空間内にスラリー状の
    原料組成物を加圧注型し、上記原料組成物中の水
    分の一部が上記連続気孔付多孔質弾性体からなる
    型の型面に水膜を形成しうる程度に残存するよう
    に連続気孔付多孔質弾性体の連続気孔を介して上
    記原料組成物を吸引脱水し、ついで水分を霧状に
    強制含有させた気体を加圧状態で上記連続気孔付
    多孔質弾性体の連続気孔を介して上記成形空間に
    吹き込んで成形品を離型させ、これを陶磁器板化
    することを特徴とする陶磁器板の製法。 2 成形部の凹部面に、凹凸模様転写形成用の凹
    凸模様が形成されている特許請求の範囲第1項記
    載の陶磁器板の製法。 3 連続気孔付多孔質弾性体が、ゴムもしくは合
    成樹脂製のスポンジ状体で構成されている特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の陶磁器板の製
    法。 4 スラリー状の原料組成物の含水率が、20〜25
    重量%に設定され、吸引脱水により形成された成
    形品の含水率が10〜15重量%に設定されている特
    許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか一項
    に記載の陶磁器板の製法。 5 スラリー状の原料組成物の加圧注型が、5〜
    30Kg/cm2の圧力で行われる特許請求の範囲第1項
    ないし第4項のいずれか一項に記載の陶磁器板の
    製法。 6 少なくとも一方の型面に成形空間が形成され
    ている上型および下型と、上記両型を合わせて型
    が閉じられている状態において上記成形空間にス
    ラリー状の原料組成物を加圧注型する原料注型手
    段を備え、上記上型および下型の少なくとも一方
    が連続気孔付多孔質弾性体で構成され、上記連続
    気孔付多孔質弾性体で構成された型が周囲に空隙
    を保つて型枠に密封収容され、上記型枠の空隙を
    真空吸引するための吸引手段および上記型枠の上
    記空隙内に水分が霧状に強制含有されている加圧
    気体を吹き込みその気体を上記連続気孔付多孔質
    弾性体の連続気孔を介して上記成形空間内に吹き
    込むための水分強制含有加圧気体吹込手段が設け
    られ、かつ上記吸引手段および加圧気体吹込手段
    の作動を制御する制御手段が設けられていること
    を特徴とする成形型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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