JPH0242512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はウオークインタイプの自動車用シー
ト、詳しくはシートバツクを構成するバツクフレ
ームの下端部と、シートクツシヨンの前後位置調
節装置における機構とを操作ワイヤにより連動連
結して、前記シートクツシヨンに対するシートバ
ツクの倒伏操作により、前記操作ワイヤを介して
前記ロツク機構のロツクを自動的に解除するごと
くした自動車用シートに関する。

（従来の技術） 一般に２ドアタイプの自動車用シートは、ドア
を開いてリヤシートへの乗降を行うような場合、
フロントシートのシートバツクを前方に倒伏させ
ることにより、この倒伏動作に連動して、前記フ
ロントシートのシートクツシヨンを自動的に前方
に移動させ、前記リヤシートへの乗降を行い易い
ようにしている。

しかして前記のごときウオークインタイプの自
動車用シートは、例えば実開昭56−170043号公報
に記載されているごとく、前記シートクツシヨン
のクツシヨンフレームと車体フロアとの間にスプ
リングを設けて、前記シートクツシヨンを常時前
方側に移動させるべく付勢すると共に、前記車体
フロアと前記クツシヨンフレームとの間に、前記
シートクツシヨンを車体前後方向の所定位置に固
定するロツク機構をもつた前後位置調節装置を設
ける一方、該調節装置のロツク機構と、前記クツ
シヨンフレームに起伏可能に支持したシートバツ
クのバツクフレームとの間に、前記シートバツク
の前方への倒伏動作で、前記ロツク機構のロツク
を解除する連動機構を設けて、前記シートバツク
の前方への倒伏動作で前記連動機構を介して前記
ロツク機構によるロツクを解除し、前記スプリン
グの作用により前記シートクツシヨンを自動的に
前方に移動させるごとくしている。

また前記シートバツクのバツクフレームと前記
調節装置のロツク機構とを連動連結する前記連動
機構は、前記シートクツシヨンのクツシヨンフレ
ームに上方に延びるブラケツトを取付け、該ブラ
ケツトに前記シートバツクのバツクフレームを固
定ピンを介して起伏可能に支持すると共に、前記
バツクフレームとブラケツトとの間で前記固定ピ
ン上にクランクアームを設けて、該クランクアー
ムの一端と前記バツクフレームとを連動ピンで連
結する一方、前記クランクアームの他端に前記ロ
ツク機構に至る操作ワイヤを結合して、前記バツ
クフレームの前方側への倒伏時に、この倒伏動作
に連動して前記連動ピンを介し前記クランクアー
ムを揺動させ、該アームの揺動に伴う前記操作ワ
イヤの引張操作により前記ロツク機構を解除させ
るごとくしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが前記のごとき自動車用シートでは、前
記バツクフレームの倒伏動作を前記ロツク機構に
伝達するための機構が非常に複雑であり、しかも
構成部品点数も多いことから、制作コストが高く
なる問題があつた。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、その目的は、簡単な部品を用いることによ
り、前記バツクフレームの倒伏動作を前記ロツク
機構に伝達するための機構を、著しく簡略化する
ことにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の自動車用シートは、第１図乃至第４図
に示すごとく構成したもので、シートバツクＢを
構成するバツクフレーム２の下端部と、シートク
ツシヨンＣの前後位置調節装置におけるロツク機
構７とを操作ワイヤ１４により連動連結して、前
記シートクツシヨンＣに対するシートバツクＢの
倒伏操作により、前記操作ワイヤ１４を介して前
記ロツク機構７のロツクを解除するごとくした自
動車用シートにおいて、前記バツクフレーム２の
下端部に、該フレーム２の下端エツジ部２ａを覆
うプロテクタ１５を組付けると共に、該プロテク
タ１５に、前記シートバツクＢの前記シートクツ
シヨンＣに対する倒伏操作時に、前記操作ワイヤ
１４の一端を係止する係止部１５ａと、前記シー
トバツクＢの前記シートクツシヨンＣに対する展
開操作時に前記操作ワイヤ１４の一端を摺動自由
に受け止めるガイド部１５ｂとを形成したことを
特徴とするものである。（作用） しかして前記バツクフレーム２の先端に前記プ
ロテクタ１５を取付け、該プロテクタ１５に前記
操作ワイヤ１４の一端を結合する極めて簡単な構
成でもつて、前記シートバツクＢの前方側への倒
伏動作が前記ロツク機構８に伝達され、該ロツク
機構８が解除されるのである。

（実施例） 以下本考案にかかる自動車用シートを図面の実
施例によつて説明する。

第１図はウオークインタイプの自動車用フロン
トシートを示し、シートクツシヨンＣとシートバ
ツクＢとから成り、該シートバツクＢのバツクフ
レーム２を前記シートクツシヨンＣのクツシヨン
フレーム１に起伏可能に枢着支持している。

前記クツシヨンフレーム１と車体フロアとの間
には、前記クツシヨンフレーム１を車体進行前後
方向に位置調節する調節装置を設けており、即ち
前記クツシヨンフレーム２の車幅方向両側下面
に、車体進行前後方向に向けて延びるアツパーレ
ール３を取付け、該アツパーレール３を車体フロ
アに固定したロアレール４に係合させて、これら
各レール３，４間にローラ（図示せず）を介装さ
せることにより、前記クツシヨンフレーム１を前
記ロアレール４に沿つて車体フロアの前後方向に
位置調節可能としている。

また前記クツシヨンフレーム１の後部と、前記
車体フロアに固定した取付金具５との間には、テ
ンシヨンスプリング６を掛説して、該スプリング
６により前記クツシヨンフレーム１を常時前方側
に付勢させるごとくしている。

更に前記アツパーレール３とロアレール４との
間には、前記位置調節装置のロツク機構７を設け
るのである。

このロツク機構７は、第２図で明らかなごと
く、前記ロアレール４の下面側に固定したロツク
プレート７１と、前記アツパーレール３に回転自
由に支持されるロツクハンドル８に固定したロツ
クレバー７２とから成り、前記ロツクプレート７
１の側面に複数の係止部７１ａを鋸刃状に形成す
ると共に、前記ロツクレバー７２の下部に、前記
係止部７１ａの一つに係合する係合孔７２ａを形
成して、前記ロツクハンドル８の回転操作に伴い
前記ロツクレバー７２の係合孔７２ａを、前記ロ
ツクプレート７１の係止部７１ａに係合させるこ
とにより、前記クツシヨンフレーム１を車体進行
前後方向の所定位置にロツクするごとくしてい
る。

また前記ロツクハンドル８は、前記アツパーレ
ール３の両側に支持片９ａ，９ａをもつブラケツ
ト９を固定し、該ブラケツト９の前記各支持片９
ａ間に回転可能に支持するのであり、前記ハンド
ル８の前端部に操作部８ａを設け、かつ後端部に
はロツクスプリング８ｂを設けて、該スプリング
８ｂにより前記ハンドル８を、前記ロツクレバー
７２が前記ロツクプレート７１に係合する方向に
常時付勢されるごとくしている。 前記ロツク機
構７は、前記シートバツクＢの倒伏に連動して、
ロツク解除を行うごとくなすのであり、即ち前記
ロツクレバー７２の上部に、前記アツパーレール
３の上方に突出する突出杆７２ｂを一体に形成す
ると共に、前記アツパーレール３の上面に、前記
突出杆７２ｂに係合可能な係合孔１０ａをもつベ
ルクランク１０を枢支ピン１１を介して揺動可能
に支持する一方、前記シートフレーム１の後部に
ブラケツト１２を取付け、該ブラケツト１２に前
記バツクフレーム２の下端部を枢支ピン１３を介
して前後方向に揺動可能に支持し、前記バツクフ
レーム２の下端部と前記ベルクランク１０の一端
とを、イコライジングワイヤから成る操作ワイヤ
１４を介して連結するのである。

斯くして前記バツクフレーム２の前方側への倒
伏時に、該フレーム２に連動する前記操作ワイヤ
１４の引張操作により、前記ベルクランクを揺動
させて、該ベルクランク１０の係合孔１０ａで前
記ロツクレバー７２の突出杆７２ｂを揺動させ、
このロツクレバー７２の係合孔７２ａと、前記ロ
ツクプレート７１の係止部７１ａとのロツクを解
除するごとくなし、また前記バツクフレーム２の
前記シートフレーム１に対する展開時には、前記
操作ワイヤ１４の弛緩操作により、前記ベルクラ
ンク１０を自由状態として、前記ロツクレバー７
２の係合孔７２ａを、前記スプリング８ｂの付勢
力により、前記ロツクプレート７１の係止部７１
ａに係合させ、前記シートフレーム１を所定位置
にロツクするごとくしている。

しかして前記のごとき構成において、前記バツ
クフレーム２の下端部に、該フレーム２の下端エ
ツジ部２ａを覆うプロテクタ１５を組付け、該プ
ロテクタ１５に、前記シートバツクＢの前記シー
トクツシヨンＣに対する倒伏時に、前記操作ワイ
ヤ１４の一端を係止する係止部１５ａと、前記シ
ートバツクＢのシートクツシヨンＣに対する展開
操作時に、前記操作ワイヤ１４の一端を摺動自由
に受け止めるガイド部１５ｂとを形成したのであ
る。

具体的には、第３図及び第４図に示すごとく、
パイプ部材から成る前記バツクフレーム２の下端
部を圧漬して扁平に形成すると共に、このフレー
ム２の下端エツジ部２ａを覆う合成樹脂製のプロ
テクタ１５を形成する。

前記プロテクタ１５には、上端開口部側から内
方に向けて延びる挿入孔１５ｃを形成し、該挿入
孔１５ｃに前記バツクフレーム２の下端部を挿嵌
可能となすと共に、前記プロテクタ１５の下端部
からは、中央部に向けて延びる弾性片１５ｄを一
体に設け、該弾性片１５ｄの先端中央部に、前記
バツクフレーム２に設けた軸孔２ｂに係合可能
で、前記枢支ピン１３の軸受を兼用するブツシユ
部１５ｅを側方に向けて一体に突出形成し、該ブ
ツシユ部１５ｅを前記軸孔２ｂに係合させること
により、前記プロテクタ１５を前記バツクフレー
ム２の下端部に固定するごとくなすのである。

また前記プロテクタ１５の側部位置には、前記
ブツシユ部１５ｅを中心として円弧状に延びる長
孔状のガイド部１５ｂを形成し、このガイド部１
５ｂの下端側に前記操作ワイヤ１４の一端を係止
する係止部１５ａを形成するのであり、斯くして
前記シートバツクＢのシートクツシヨンＣに対す
る倒伏操作時に、前記操作ワイヤ１４の一端を前
記係止部１５ａに係止させて、前記操作ワイヤ１
４に引張力を付与するごとくなすと共に、前記シ
ートバツクＢのシートクツシヨンＣに対する展開
操作時には、前記操作ワイヤ１４の係止端部を前
記ガイド部１５ｂに沿つて上方に案内後退させる
ごとくなす。

更に、前記プロテクタ１５の係止部１５ａと対
向する前記バツクフレーム２の側壁一部に、前記
操作ワイヤ１４の一端を係止する係止部２ｃを形
成し、該係止部２ｃに前記操作ワイヤ１４の一端
を係止させることにより、合成樹脂で形成される
前記プロテクタ１５の係止部１５ａに、前記操作
ワイヤ１４が直接接触するのを阻止して、前記プ
ロテクタ１５を保護するごとくなすのである。

第４図において、１２ａは前記ブラケツト１２
に形成した前記枢止ピン１３の挿通孔であつて、
前記バツクフレーム２の下端部に取付けた前記プ
ロテクタ１５のブツシユ部１５ｅから前記挿通孔
１２ａへと前記枢支ピン１３を挿通させることに
より、前記バツクフレーム２を前記ブラケツト１
２に倒伏自由に支持させるごとくしている。

（考案の効果） 以上説明したごとく本考案にかかる自動車用シ
ートでは、前記バツクフレーム２の下端部に挿嵌
可能としたプロテクタ１５を形成し、該プロテク
タ１５を前記バツクフレーム２に挿嵌することに
より、該フレーム２の下端エツジ部２ａを前記プ
ロテクタ１５で披覆するごとくしたから、前記フ
レーム２の下端エツジ部２ａが外部に露出するこ
とがなく、外観を良好ならしめ得るのであり、し
かも前記プロテク１５に、前記シートバツＢの前
記シートクツシヨンＣに対する倒伏操作時に、前
記操作ワイヤ１４の一端に係止して該ワイヤ１４
に引張力を付与する係止部１５ａと、前記シート
バツクＢの前記シートクツシヨンＣに対する展開
操作時に、前記操作ワイヤ１４の一端を前記係止
部１５ａから外方に案内後退させるガイド部１５
ｂとを形成するごとくしたから、前記プロテクタ
１５の係止部１５ａとガイド部１５ｂとにより、
前記操作ワイヤ１４の緊弛操作、つまり前記ロツ
ク機構７の作動を確実に行い得るのであり、その
上本考案では前記プロテクタ１５を利用して、前
記操作ワイヤ１４の緊弛操作を行うため、従来に
比べて構成部品点数を少なくして、構造を著しく
簡略化できるに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる自動車用シートの一部
省略斜面図、第２図はロツク機構の拡大斜面図、
第３図はプロテクタとバツクフレーム一部との分
解面図、第４図はバツクフレームとシートフレー
ムとの連結状態を示す分解斜面図である。 ２……バツクフレーム、２ａ……エツジ部、７
……ロツク機構、１４……操作ワイヤ、１５……
プロテクタ、１５ａ……係止部、１５ｂ……ガイ
ド部、Ｂ……シートバツク、Ｃ……シートクツシ
ヨン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクＢを構成するバツクフレーム２の
   下端部と、シートクツシヨンＣの前後位置調節装
   置におけるロツク機構７とを操作ワイヤ１４によ
   り連動連結して、前記シートクツシヨンＣに対す
   るシートバツクＢの倒伏操作により、前記操作ワ
   イヤ１４を介して前記ロツク機構７のロツクを解
   除するごとくした自動車用シートにおいて、前記
   バツクフレーム２の下端部に、該フレーム２の下
   端エツジ部２ａを覆うプロテクタ１５を組付ける
   と共に、該プロテクタ１５に、前記シートバツク
   Ｂの前記シートクツシヨンＣに対する倒伏操作時
   に、前記操作ワイヤ１４の一端を係止する係止部
   １５ａと、前記シートバツクＢの前記シートクツ
   シヨンＣに対する展開操作時に、前記操作ワイヤ
   １４の一端を摺動自由に受け止めるガイド部１５
   ｂとを形成したことを特徴とする自動車用シー
   ト。