JPH0242441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラベル供給装置に関するものであ
る。更に詳しくは、ラベル貯蔵部に保持されたラ
ベルを、正確に、かつ、損傷せずに、射出成形金
型のラベル案内部の複数の溝に、一枚づつ供給す
る、改良されたラベル供給装置に関するものであ
る。

従来、容器の底壁部および側壁部が可撓性薄片
体よりなるラベルからなり、容器の上縁リブ、下
縁リブおよびこれらを連結する側壁リブが、射出
成形法により成形された合成樹脂製の骨組よりな
る複合容器が知られている（米国特許第3119540
号明細書、特公昭53−7867号公報等参照。）。しか
し、これら刊行物には、複合容器を製造する際の
ラベルの具体的供給方法については、全く記載さ
れていない。

複合容器等の複合成形品を製造する際に、ラベ
ルを射出成形金型の所定位置に供給するラベル供
給機構に関しては、特開昭49−129751号公報、特
公昭51−6716号公報、特開昭53−101057号公報、
特開昭53−102368号公報、特開昭55−89051号公
報等に記載のような種々の技術が提案されている
が、複合成形品製造の生産性を向上させるには、
若干の改良が必要であることが、本考案者らの実
験で分つた。

従来のラベル供給装置における問題点を、第１
図〜第４図および第７図〜第８図にもとづいて説
明する。

第１図〜第２図は、複合容器製造に使用される
ラベルの例の平面図、第３図〜第４図は、それぞ
れ第１図〜第２図に示したラベルを用いて製造さ
れた複合容器の斜視図を示す。第７図〜第８図
は、従来から知られているラベル供給装置を備え
た射出成形機の要部の一例の一部切り欠き側面図
であり、第７図は型締め時の状態、第８図は型開
き時の状態をそれぞれ示す。

図において、１，１１はそれぞれラベル、２は
切れ目、１２は折れ目、３ａ，３ｂ，４ａ，４
ｂ，１３ａ，１３ｂ，１４ａ，１４ｂはそれぞれ
ラベルコーナー部、５，１５はそれぞれ上縁リ
ブ、６，１６はそれぞれ下縁リブ、７，１７はそ
れぞれ側壁リブを示す。１ａは下段用ラベル、１
ｂは上段用ラベル、５０はラベル支持棒、５１は
取付けプレート、５２はラベル吸引部、５３は吸
引ゴム、５４はラベル案内溝、５５はラベル落下
溝、５６はエアシリンダー、５７はラベル押圧ブ
ロツク、５８はラベル振り分け具、５９はラベル
振り分け具用エアシリンダー、６０はラベル供給
装置架台である。６１は取付けプレート、、６２
は下駄プレート、６３はラベル案内部、６４，６
５はそれぞれ雌型、６６，６７はそれぞれ雄型、
６８はラベルストツパー、７０はラベル振り分け
具ピン、７１は射出シリンダー、７２は固定盤、
７３は固定型取付板、７４は可動盤、７５は可動
型取付板、７６は射出成形機型締めシリンダー、
７７は射出成形機タイバー、７８はホツトランナ
ー、７９はラベル案内部用ガイドピン、８０，８
１はそれぞれラベル案内部下のラベルストツパー
駒を示す。

第１図および第２図に、平面図として示したよ
うな複数枚のラベル１は、ラベル支持棒５０、ラ
ベル押出ブロツク５７によつて構成されるラベル
貯蔵部に貯蔵される。ラベル吸引部５２は、図示
されていない真空源につながれており、吸引ゴム
５３に真空を適用可能にされている。ラベル吸引
部５２は、取付けプレート５１に取り付けられ、
エアシリンダー５６によつて、ラベル貯蔵部側に
前進し、ラベルを吸引して元の位置に後退可能に
されている。吸引ゴム５３に吸引されたラベル
は、その上端をラベル案内溝５４内に、その下端
をラベル落下溝５５内にそれぞれ位置させ、吸引
ゴム５３に適用していた真空を切ると、ラベルは
自重により、ラベル落下溝５５内を下方に落下す
る。落下溝５５を通過したラベルは、ラベル振り
分け具５８に達し、ラベル案内部６３の溝に振り
分けられる。ラベル振り分け具５８は、上側に設
けられたピン７０を支点とし、エアシリンダー５
９に連結したピストンロツドによつて、その下側
をラベル案内部６３の溝の数に応じて振り、往復
運動可能な構造とされている。

ラベル案内部６３は、射出成形金型の分割面の
間であつて、可動金型又は固定金型のいずれか一
方側にガイドピン７９によつて設置される。可動
金型側に設置されているときは、ラベルをラベル
案内部に供給できるのは、ラベル案内部が動いて
いないとき、すなわち、金型がラベル案内部から
離れた時に限られる。固定金型側に設置されてい
るときは（第７図参照）、ラベル案内部６３の溝
に入れたラベルが必要時以外には金型内に落下し
ないように、ラベルストツパー６８のようなスト
ツパーでラベル案内部６３の溝内に留めておかな
ければならない。従つて、ラベル案内部６３を固
定金型側に設けた場合にも、ラベル案内部にラベ
ルを供給できるのは、ラベル案内部６３の下側
に、ラベルストツパーが位置している型締め途中
状態の時に限られる。

複合容器や複合蓋は、金型キヤビテイに射出さ
れる溶融樹脂の量が極めて少ないため、成形サイ
クルは極めて短かくてよい。実際の複合成形品製
造にあたつて、金型がそのラベル案内部にラベル
を供給できる位置にある極めて短い時間内に、複
数のラベルをラベル案内部の複数の溝にそれぞれ
１枚づつ落下させることは困難で、このラベル供
給時間が長くなり、全体として成形サイクルを長
びかせてしまうという問題があつた。

更に、ラベル吸引ゴムで吸引したラベルは、ラ
ベル落下溝５５、ラベル振り分け具５８を通つ
て、ラベル案内部６３に落下し、ラベルストツパ
ー６８によつてとめられる。この際、ラベル吸引
部からラベルストツパー６８までの間の距離があ
るので（第７図の場合、少なくともラベルの長さ
方向の寸法の２倍以上の距離がある）、ラベルが
ラベルストツパー６８に強く当たり、ラベルのラ
ベルストツパーに当つた部分を損傷することがあ
る。更に、ラベル自体の形状が大きいときは、こ
の損傷はひどくなり、場合によつては、ラベルが
切れ目を入れられた部分で折れ曲がることがあ
る。このように、ラベルに損傷や折れ曲りが生じ
ると、金型キヤビテイ内でのラベルの位置決めが
正確に行なわれず、最終的に得られる複合成型品
の商品価値が損なわれるという問題があつた。

本考案者らは、かかる状況にあつて、上記問題
を排除して、ラベル貯蔵部に保持されたラベル材
を、正確に、かつ、損傷せずに、射出成形金型の
ラベル案内部の複数の溝に、一枚づつ供給する改
良されたラベル供給装置を提供することを目的と
して鋭意検討した結果、本考案を完成するに至つ
たものである。

しかして、本考案の要旨とするところは、あら
かじめ所定形状にされたラベルを、複数枚重ねて
ラベル貯蔵部に保持し、真空源に通じる吸引口を
有するラベル吸引部で、ラベル貯蔵部より一枚づ
つ吸引し、ラベル振り分け具を介して、射出成形
金型に設置したラベル案内部に供給するラベル供
給装置において、上記ラベル振り分け具は、ラベ
ル供給装置にあるラベル案内部の真上に、ラベル
案内部の溝に対応する数の溝を設け、かつ、ラベ
ル振り分け具ピンを支点としてその上側を一定方
向に振れる構造とされ、ラベル振り分け具の複数
の溝の下には、この溝に対して直角の方向に、前
進、後退可能にラベルストツパーが設けられてな
ることを特徴とするラベル供給装置に存する。

本考案においてラベルとは、合成樹脂フイルム
又はシート、金属薄板、紙、紙と合成樹脂フイル
ムとの積層板、合成樹脂フイルムと金属箔及び合
成樹脂フイルムとの積層板等の可撓性薄片材料を
素材としたものをいう。ラベルの形状は、最終的
に得ようとする複合成形品の構造により、種々選
ぶことができる。第１図および第２図に、複合容
器製造の際に使用されるラベルの例の平面図を示
した。ラベルの外側表面には、印刷、着色等が施
されていてもよいことは、勿論である。

以下、本考案を図面にもとづいて詳細に説明す
るが、本考案はその要旨を超えない限り、以下の
例に限定されるものではない。

第５図および第６図は、本考案に係るラベル供
給装置を備えた射出成形機の要部の一例の一部切
り欠き側面図であり、第５図は型締め時の状態、
第６図は型開き時に状態をそれぞれ示す。

図において、２０はラベル支持棒、２１は取付
けプレート、２２はラベル吸引部、２３は吸引ゴ
ム、２４はラベル案内溝、２５はラベル落下溝、
２６はエアシリンダー、２７はラベル押圧ブロツ
ク、２８はラベル振り分け具、２９はラベル振り
分け具用エアシリンダー、３０はラベル供給装置
架台、３１は取付けプレート、３２は下駄プレー
ト、３８はラベル振り分け具ピン、３９はラベル
ストツパー、４０はラベルストツパー用エアシリ
ンダーである。３３はラベル案内部、３４，３５
はそれぞれ雌型、３６，３７はそれぞれ雄型、４
１は射出シリンダー、４２は固定盤、４３は固定
型取付板、４４は可動盤、４５は可動型取付板、
４６は射出成形機型締めシリンダー、４７は射出
成形機タイバー、４８はホツトランナー、５０，
５１はそれぞれラベル案内部下のラベルストツパ
ー駒を示す。

第１図および第２図に、平面図として示したよ
うな複数枚のラベル１は、ラベル支持棒２０、ラ
ベル押圧ブロツク２７によつて構成されるラベル
貯蔵部に貯蔵される。ラベル吸引部２２は、図示
されていない真空源につながれており、吸引ゴム
２３に真空を適用可能にされている。ラベル吸引
部２２は、取付けプレート２１に取り付けられ、
エアシリンダー２６によつて、ラベル貯蔵部側に
前進し、ラベルを吸引して元の位置に後退可能に
されている。吸引ゴム２３に吸引されたラベル
は、その上端をラベル案内溝２４内に、その下端
をラベル落下溝２５内にそれぞれ位置させ、吸引
ゴム２３に適用していた真空を切ると、ラベルは
自重により、ラベル落下溝２５内を下方に落下す
る。落下溝２５を落下したラベルは、ラベル振り
分け具２８に達する。

本考案においては、このラベル振り分け具２８
に、ラベルをラベル案内部の複数の溝に、一枚づ
つ正確に振り分ける機能を果させるばかりでな
く、ラベル案内部に供給する複数枚のラベルを、
一時的に保持して待機する機能をも果させる。

このため、ラベル振り分け具２８は、まず、そ
の下側に設けられたピン３８を支点とし、エアシ
リンダー２９に連結したピストンロツドによつ
て、その上側を、ラベル振り分け具２８に設けた
溝の数に応じ、ラベル落下溝２５の下で、往復運
動可能な構造とする。次に、ラベル振り分け具２
８には、ラベル案内部３３の溝に対応する数の溝
を備えた構造とする。更に、ラベル振り分け具２
８は、ラベル案内部３３にラベルを供給可能な位
置（ラベル案内部が動いていないとき）にあるラ
ベル案内部３３の真上に、ラベル案内部３３の溝
に対応る数の溝を備えた構造とする。更にまた、
ラベル振り分け具２８の複数の溝に導いたラベル
を、一定時間保持し、必要時にラベルをラベル案
内部３３の溝に落下させるためのラベルストツパ
ー３９を、ラベル振り分け具２８の複数の溝の下
に、この溝に対して直角の方向に、前進、後退可
能に設置する。

このような構造のラベル振り分け具２８は、ラ
ベル案内部３３が、射出成形金型の動作（型開
き、型締め等）に伴つて動いている間も、ラベル
供給装置架台３０の一定の場所に設置されるの
で、ピン３８を支点として、エアシリンダー２９
の作動にともなつて頭部をラベルストツパー３９
と同一の方向に振り、複数の溝に一枚づつのラベ
ルを入れて待機できる。ラベル案内部３３がラベ
ル供給可能位置に達した時に、ラベル振り分け具
２８下側のラベルストツパー３９を、エアシリン
ダー４０を稼動させてエアシリンダー４０側に後
退させれば、ラベル振り分け具２８の複数の溝内
に待機せしめられていたラベルを、ラベル案内部
３３の複数の溝に、それぞれ一枚づつ落下させる
ことができる。

ラベルを落下させたラベル振り分け具２８は、
金型の動作とは全く関係なしに、ラベルストツパ
ー３９を前進させて第５図に示した位置に戻し、
次の成形サイクルで使用するラベルを受けて、ラ
ベル案内部３３が次のサイクルのラベル供給位置
に達するまでの間待機する。

ラベル振り分け具２８からラベル案内部３３に
導かれたラベルは、金型の構造に応じてラベルス
トツパー駒５０，５１によつて止められる。１ａ
は上段に止められたラベルであり、１ｂは下側に
止められたラベルである。このようにラベル案内
部に落下したラベルは、次の金型の型締め動作
で、雄型によつて雌型内に導かれ、キヤビテイ内
に挾持される。次いで、溶融樹脂の射出、冷却、
型開き、離型等を経て、目的とする第３図、第４
図に斜視図として示したような複合成形品が得ら
れる。

本考案に係るラベル供給装置は、次のように特
別に顕著な効果を奏し、その実用的利用価値は極
めて大である。

(1) 本考案に係るラベル供給装置は、射出成形金
型の動作とは関係なしに、複数枚のラベルをラ
ベル振り分け具で保持しておき、ラベル案内部
がラベル供給位置に達した時に、ラベル案内部
の複数の溝に、一時に、一枚づつ供給すること
ができる。従つて、ラベル案内部の複数の溝の
全てにラベルを供給するのに時間を要せず、従
来法におけるように、成形サイクルを長びかせ
ることがない。

(2) 本考案に係るラベル供給装置は、ラベル吸引
部からラベルストツパー３９までの間の距離が
小さいので（第５図の場合、ラベル長さ方向の
寸法の１倍余りの距離である）、ラベルがラベ
ルストツパー３９に当る際の衝撃が小さく、ラ
ベルが損傷しにくいばかりでなく、ラベルの切
れ目で折れ曲がることも少なくなる。従つて、
ラベルの金型キヤビテイ内での位置決めが正確
に行なわれ、最終的に得られる複合成形品の商
品価値が損なわれることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第２図は、複合容器製造に使用される
ラベルの例の平面図、第３図〜第４図は、それぞ
れ第１図〜第２図に示したラベルを用いて製造さ
れた複合容器の斜視図を示す。第５図〜第６図
は、本考案に係るラベル供給装置を備えた射出成
形機の要部の一例の一部切り欠き側面図であり、
第５図は型締め時の状態、第６図は型開き時の状
態を示す。第７図〜第８図は、従来から知られて
いるラベル供給装置を備えた射出成形機の要部の
一例の一部切り欠き側面図であり、第７図は型締
め時の状態、第８図は型開き時の状態を示す。 図において、１，１１はそれぞれラベル、２は
切れ目、１２は折れ目、５，１５はそれぞれ上縁
リブ、６，１６はそれぞれ下縁リブ、７，１７は
側壁リブ、２０はラベル支持棒、２１は取り付け
プレート、２２はラベル吸引部、２３は吸引ゴ
ム、２５はラベル落下溝、２７はラベル押圧ブロ
ツク、２８はラベル振り分け具、２９はラベル振
り分け具用エアシリンダー、３８はラベル振り分
け具ピン、３９はラベルストツパー、４０はラベ
ルストツパー用エアシリンダー、３３はラベル案
内部、３４，３５はそれぞれ雌型、３６，３７は
それぞれ雄型、４１は射出シリンダー、４２は固
定盤、４４は可動盤、４６は射出成形機型締めシ
リンダー、４７は射出成形機タイバー、４８はホ
ツトランナー、５０，５１はそれぞれラベル案内
部下のラベルストツパー駒を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. あらかじめ所定形状にされたラベルを、複数枚
   重ねてラベル貯蔵部に保持し、真空源に通じる吸
   引口を有するラベル吸引部で、ラベル貯蔵部より
   一枚づつ吸引し、ラベル振り分け具を介して、射
   出成形金型に設置したラベル案内部に供給するラ
   ベル供給装置において、上記ラベル振り分け具
   は、ラベル供給装置にあるラベル案内部の真上
   に、ラベル案内部の複数の溝に対応する数の溝を
   設け、かつ、ラベル振り分け具ピンを支点として
   その上側を一定範囲に振れる構造とされ、ラベル
   振り分け具の複数の溝の下には、この溝に対して
   直角の方向に、前進、後退可能にラベルストツパ
   ーが設けられてなることを特徴とするラベル供給
   装置。