JPH0528026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、合成樹脂材料の射出成形機におけ
る金型装置に関するものであり、特に、非対称形
状の成形品を成形するための金型装置に係わるも
のである。

＜従来技術＞ 一般に、射出成形機における成形品の取出しに
際しては、射出完了後に型開きを行い、突出しピ
ンを金型の型彫空間内に突出してそこに成形され
た成形品を金型から突出し、下方に設けたホツパ
内にこれを落下させて回収することが行われてい
た。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記従来技術においては、金型から落下した成
形品がホツパ内に無秩序な姿勢で回収されるの
で、後続の組立作業に移行する場合には、一旦、
回収された成形品を改めてフイーダーに充填する
作業が必要となり、とりわけ、成形品が非対称形
状である場合には、それの姿勢を揃えながらフイ
ーダーへの充填作業を行わなければならないとい
う煩雑さがあるのえ、作業能率が低下するという
問題点があつた。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は、上記従来技術に基づく射出成形機
の金型装置における成形品取出し装置の構造上の
制約による成形品の姿勢不揃いの問題点に鑑み、
金型の下方にエアシリンダーによつて昇降自在、
即ち、シユート移動手段によつて金型面内に対し
て進入退出可能な成形品取出し用シユートを配設
し、該シユートの断面開口形状を非対称形状の成
形品の輪郭形状に沿つた形状とするとともに、シ
ユートの上昇時、即ち、金型面内への進入時に金
型の開放された型彫空間に対して整合する位置に
開口するシユート窓を形成する構成としたことに
より、前記問題点を解決せんとするものである。

＜作用＞ この考案の構成は、成形品の射出完了に次いで
金型を型開きした後、エンシリンダーを駆動して
成形品取出し用シユートを上昇させて、それのシ
ユート窓を型開きされた金型の型彫空間に対して
位置整合させ、突出しピンを型彫空間内に前進さ
せて成形品をそこから突き出して、シユート窓経
由でシユート内に挿入し、該シユート内を成形品
の姿勢を変えることなくそのままの姿勢で落下さ
せて、下端に配置された整列ボツクス内にれを充
填することで、回収するように作用するものであ
る。

＜実施例＞ 次にこの考案の実施例を図面に基づいて説明す
れば以下のとおりである。

第１図において、型板１に取付けられた金型２
には、非対称形状の成形品Ｍに整合する型彫空間
３が形成されており、ここで非対称形成の成形品
Ｍが成形されるものであるが、図の例では、第３
図に示すような前辺の高さと後辺の高さが異なる
開口箱状成形品Ｍが対象となつている。

第１図に戻つて、金型２内には、突出しピン４
が組み込まれており、エジエクターロツド５及び
エジエクタープレート６を介して型彫空間３内に
突出し可能に配設されている。なお、図示された
状態は型開き状態を示すものであり、可動型の金
型２の右方には、図示しない別の固定型の金型、
即ち、前記金型２と対をなす金型を配設されてい
る。

一方、型板１の近傍、典型的には、型板１の下
部に、取付けブラケツト８が装着されており、該
ブラケツト８には、シユート移動手段としてのシ
ユート昇降用シリンダー９が支持されている。該
シリンダー９のピストンロツド１０には、成形品
取出し用シユート１１の上端部が連結されてい
る。シユート１１は、金型２の下方にあつて、し
かも該金型２の前面側に配置されていて、その通
路１２の形状、即ち、それの断面開口形状は前記
成形品Ｍの輪郭形状に沿つた形状になつており、
成形品Ｍが該シユート１１内を通過するときに内
部でその姿勢を変えることがないように形造られ
ている。そして、シユート１１の金形２に対向す
る側面の上部には、第２Ａ図が一層明らかに示さ
れるように、シユート窓１３が開口されており、
該シユート窓１３も成形品Ｍの輪郭形状に概ね沿
う形状に穿設されていて、シユート１１の上昇時
に金形２の形彫空間３に位置整合するように配置
されているものである。

第１図に戻つて、前記シユート１１の下端に
は、整列ボツクス１５が連結配置されていて、該
シユート１１からの成形品Ｍがそこに収容される
ものである。

上記構成において、金形２の形彫空間３内で非
対称形状の成形品Ｍが射出成形された後、第１図
に示されるように形開きが行われるが、このとき
には、シユート昇降用シリンダー９のピストンロ
ツド１０が、下方に収縮されて、成形品取出し用
シユート１１は金形２の下方に下降して金形面内
から退出している。

形開き後に、第２図に示されるように、シリン
ダー９を駆動してピストンロツド１０を上方に伸
張させてシユート１１を上昇させることで、これ
を金形面内に進入させ、シユート窓１３を金型２
の開放されている金型面内の型彫空間３に位置接
合させる。次いで、エジエクターロツド５及びエ
ジエクタープレート６を介して突出しピン４に前
進させて成形品Ｍを突き出してこれをシユート窓
１３からシユート１１内に挿入する。そして、突
出しピン４を後退させると、成形品Ｍは、該成形
品Ｍと略同形状の断面開口を有する通路１２に沿
つてシユート１１内を所定の姿勢のまま落下し、
その姿勢を保つたまま整列ボツクス１５内に順次
充填されてゆく。

尚、上記実施例においては、シユート昇降用シ
リンダー９は型板１にブラケツト８を介して取付
けられるものとしたが、これに限られず、基台に
取付けるようにしてもよいことは勿論である。

＜効果＞ 上記のように、この考案によれば、非対称形状
を有する成形品を成形する射出成形機の金型装置
において、金型の近傍に、シユート移動手段によ
つて金型面内に対して進入退出可能な成形品取出
し用シユートを設け、該シユーの断面開口形状を
成形品の輪郭形状に沿つたものとするとともに、
シユートの金型面内への進入時に金型の開放され
ている金型面内の型彫空間に対して整合する位置
に開口するシユート窓を形成したことにより、突
出しピンで突出された成形品をシユート内に導
き、その姿勢を変えることなく落下させて、下端
に配置された整列ボツクス内に姿勢が整えられた
状態でこれを充填してゆくことができるという優
れた効果が奏される。

さらに、この考案によれば、シユート移動手段
によつてシユート自体を直接的に移動させること
で、成形品取出し時に、シユートを金型面内に進
入させて、シユート窓を開放されている金型面内
の型彫空間に対して整合させることができるの
で、工業用ロボツトアームのように複雑な動作制
御を必要とせずに、簡単な構造で効率的に成形品
の姿勢が整えられるという優れた効果も奏され
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すものであり、第１
図は側断面図、第２図は動作を説明する側断面
図、第２Ａ図はシユート窓付近を抽出して示す斜
視図、第３図は成形品の斜視図である。 １……型板、２……金型、３……型彫空間、４
……突出しピン、９……シユート昇降用シリンダ
ー、１０……ピストンロツド、１１……成形品取
出し用シユート、１３……シユート窓、Ｍ……成
形品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非対称形状の成形品Ｍに整合する型彫空間３が
   形成され、成形品突出ピン４が組み込まれた金型
   ２を有する射出成形機の金型装置において、前記
   金型２の近傍には、金型面内に対して進入退出可
   能にシユート１１を移動させるシユート移動手段
   ９，１０を配設し、該シユート１１には、金型面
   内への進入時に、金型２の開放されている金型面
   内の型彫空間３に対して整合する位置に開口する
   シユート窓１３を形成し、該シユート１１の断面
   開口形状を成形品Ｍの輪郭形状に沿うものとした
   ことを特徴とする射出成形機の金型装置。