JPH0242405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はいわゆる吊上げ反転治具を用いて、コ
ンクリート二次製品を吊上げ反転すべく、前記コ
ンクリート二次製品の両側壁略中央に吊上げ反転
用の穴を補強、形成するために前記コンクリート
二次製品中に埋設されるコンクリート二次製品の
吊上げ反転穴用埋設具に関するものである。

〈従来技術〉 従来より考案者はコンクリート二次製品の両側
壁略中央に吊上げて反転しうるための穴を補強、
形成する埋設具を種々考案している。

ところでＵ字溝等のコンクリート二次製品には
何種類もの規格があり、その規格ごとにコンクリ
ート二次製品の大きさ、長さ、厚み等が異なるも
のである。

しかるにコンクリート二次製品中には例えば第
１図に示すように鉄筋が埋設されており、特に厚
みのあるコンクリート二次製品ほど外側方向に鉄
筋が埋設される傾向がある。

しかして、前記コンクリート二次製品の両側壁
内に吊上げ、反転用の穴を形成すべく埋設される
埋設具は中空パイプ状の基杆とこの基杆が直角に
貫挿して固着してなる係止板とからなつている
が、基杆に係止板が固着されているため、規格の
異なるコンクリート二次製品の両側壁内に埋設す
るごとに、鉄筋に埋設具の係止板が当接しない様
に各種の長さの異なる埋設具を用意しなければな
らないとの欠点があつた。

〈考案の目的〉 かくして本考案はこの様な従来の欠点に対処す
べく案出されたものであつて、コンクリート二次
製品の吊上げ反転穴用の埋設具を、端部に開口を
有し、外周面には長手方向に向つて連続する雄ね
じ部を有する中空パイプ状の基杆と、 周囲に複数のアンカー部を有し、中央部には前
記基杆の雄ねじ部が螺挿してなる貫挿部とを備
え、前記基杆の長手方向に移動調節可能にしてな
る係止板とを有して構成し、もつて一種類の埋設
具で多数種類の規格の異つたコンクリート二次製
品に埋設使用することが出来、製品コストを大巾
に安価にしうるコンクリート二次製品の吊上げ反
転用穴の埋設具を提供することを目的とするもの
である。

〈考案の構成〉 本考案によるコンクリート二次製品の吊上げ反
転穴用埋設具は、 コンクリート二次製品の両側壁略中央に各々外
側に開口する吊上げ反転用穴を形成すべく、前記
コンクリート二次製品中に埋設されるコンクリー
ト二次製品の吊上げ反転穴用埋設具であり、 該埋設具は、端部に開口を有し、外周面には長
手方向に向つて連続する雄ねじ部を有する中空パ
イプ状の基杆と、 周囲に複数のアンカー部を有し、中央部には前
記基杆の雄ねじ部が螺挿してなる貫挿部とを備
え、前記基杆の長手方向に移動調節可能にしてな
る係止板とを有して構成されているものである。

〈実施例〉 以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。

図面第１図は本考案によるコンクリート二次製
品Ａの吊上げ反転穴Ｂの埋設具Ｃの使用状態を示
す断面図であり、第２図、第３図は各々埋設具Ｃ
の実施例を示す断面図である。

先ず、第２図に示す実施例より説明する。第２
図において符号１は基杆を示す。該基杆１は少な
くとも一方の端部に開口２を有し、かつ、その外
周面には長手方向に連続する雄ねじ部３を有する
中空パイプ状の部材で構成されている。

また符号４は係止板を示す。該係止板４は端部
を相互に切り起こして形成した複数のアンカー部
５…を有してなると共に、この係止板４の略中央
部には前記基杆１の雄ねじ部３が螺挿する貫挿部
６とを備えて構成されている。

そして前記係止板４は基杆１の長手方向に回転
させることにより無段階に移動調節可能とされて
いるものである。

尚、符号７は薄片に形成した止めナツトであ
り、所定の位置に移動調節した係止板４を基杆１
に固定する役目を果たすものである。

次に図面第３図に本考案の他の実施例を示す。
この実施例においては、係止板４の貫挿部６とし
てナツト部材を使用してある。よつて係止板４を
移動する際の回転操作をスムーズにすることが出
来ると共に、第２図に示す実施例のように止めナ
ツト７，７がなくとも基杆１に対して直角に設置
固定することができる。

以上において、本考案の使用状態について説明
すると、各種の規格の異なるＵ字溝等のコンクリ
ート二次製品Ａでは製品中に埋設される鉄筋８の
埋設位置も、前記製品Ａの厚みによつて異なる。
よつて埋設具Ｃの係止板４の位置を規格の異なる
コンクリート二次製品Ａに合わせて、鉄筋８に当
接しない様に調節する。

しかしてこの調節は係止板４を回転させること
により簡単に行えるものである。

尚、第２図に示すように係止板４の位置を調節
した後、止めナツト７，７で締め付ければ、コン
クリート打設時のバイブレーターによる振動があ
つても係止板４が移動してしまう恐れはないもの
である。

以上の様にして埋設具Ｃを鉄筋８に当接しない
様に配置して型枠内に設置し、その後、型枠内に
コンクリートを充填、固化して吊上げ反転用穴を
有するコンクリート二次製品Ａを成形するのであ
る。

〈考案の効果〉 かくして本考案は以上の構成より成る。そして
本考案によるコンクリート二次製品の吊上げ反転
穴用の埋設具であれば各種の規格の異なつたコン
クリート二次製品に兼用して使用することが出
来、もつて規格ごとにその規格にあつた埋設具を
製作する必要がなく、その面から製品コストを大
巾に安価にすることが出来る等のすぐれた効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使用状態を示す断面図、第２
図、第３図は本考案の実施例を示す各々断面図で
ある。 Ａ……コンクリート二次製品、Ｂ……吊上げ反
転用穴、Ｃ……埋設具、１……基杆、２……開
口、３……雄ねじ部、４……係止板、５……アン
カー部、６……貫挿部、７……止めナツト、８…
…鉄筋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンクリート二次製品の両側壁略中央に各々外
   側に開口する吊上げ反転用穴を形成すべく、前記
   コンクリート二次製品中に埋設されるコンクリー
   ト二次製品の吊上げ反転穴用埋設具であり、 該埋設具は、端部に開口を有し、外周面には長
   手方向に向つて連続する雄ねじ部を有する中空パ
   イプ状の基杆と、 周囲に複数のアンカー部を有し、中央部には前
   記基杆の雄ねじ部が螺挿してなる貫挿部とを備
   え、前記基杆の長手方向に移動調節可能にしてな
   る係止板とを有して構成されていることを特徴と
   するコンクリート二次製品の吊上げ反転穴用埋設
   具。