JPH0242227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、小物品を収納する収納部と手洗い鉢
とを一体形成し、該成形体を半埋込み式で相手方
部材（取付壁面）へ取り付けるようにした収納部
を備えた手洗い器に関する。

〔従来の技術〕

従来の手洗い器は、陶器製のものが大部分であ
る。また手洗い器と、これの上方又は下方に設置
される小物品等の収納部は、別体である。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述の如く従来の手洗い器は、陶器製であるた
めに、重量が重く、これを木製の間仕切壁に取り
付ける場合は、間仕切壁を補強枠で補強する必要
があつた。また手洗い等に際しては、洗浄水の飛
沫が壁面に付着することがあり、該飛沫により壁
紙やタイル目地にカビを発生し易いという欠点が
あつた。

また手洗い器と収納部とは別構成であり、それ
ぞれを別個に取り付けるか、或いは両者を一体に
組み立てた後、該組立品を取り付ける必要があ
り、いずれにしても取付作業が繁雑であつた。

更に、従来の手洗い器は、その全部を壁面等の
相手方部材へ埋込み以外は、手洗い器が取付面よ
り前方へ大きく突出し、室内スペースを制限する
という欠点があつた。

本考案は従来の上記欠点に鑑みてこれを改良除
去したものであつて、収納部と手洗い鉢とを一体
成形することで取付作業性の簡略化を図り、また
半埋込み式にすることで室内スペースの損失を少
なくせんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の前記課題を解決する手段は、小物品を
収納する収納部と手洗い鉢とを合成樹脂、金属等
で一体形成すると共に、この収納部の背面を取付
基準面から取付相手方部材側へ突出させて相手方
部材への埋込み部分を形成した収納部を備えた手
洗い器において、前記手洗い鉢の手洗空間の奥部
を取付基準面から取付相手方部材側へ突出させて
相手方部材への埋込み部分とし、手洗空間の奥部
の上部側に吐水口を開設し、手洗空間の開口周縁
に連接する垂直面部に水栓金具のハンドルを配設
したことである。

〔作用〕

収納部と手洗い鉢とを一体成形することによ
り、取り付けに際して両者の組立作業が不要とな
り、取付作業の簡略化が図れる。それに収納部と
手洗い鉢の手洗空間の奥部を取付基準面から取付
相手方部材側へ突出させて相手方部材へ埋込み、
残りの部分を室内側へ露呈させることで、手洗い
鉢の室内側への突出量を少なくすることができ、
室内スペースの有効利用が図れる。更に、手洗空
間の奥部の上部側に吐水口を開設すると共に手洗
空間の開口周縁を形成する垂直面部に水栓金具の
ハンドルを配設することで、吐水口と水栓金具と
の距離を短くすることができ、給水配管作業が簡
単となる。それに垂直面部に水栓金具のハンドル
を配設することで、手洗空間からの手洗いの飛沫
がハンドルにかかり難く。

〔実施例〕

以下に本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて更に詳細に説明すると次の通りである。

第１図及び第２図は、本考案の第１の実施例を
示すものであり、第１図は手洗い器１の全体を示
す斜視図、第２図はそのＡ−Ａ線断面図、第３図
は第１図のＢ−Ｂ線断面図である。同図に示す如
く、この実施例にあつては、手洗い鉢２の上方及
び下方に収納部３，４を形成し、更に収納部３の
上方に鏡５の取付部６を形成している。８は、前
記鏡取付部６の上方に形成された照明灯７の設置
部である。これらの各部材は合成樹脂又はステン
レス等の金属材料を用いて一体成形されている。
また手洗い鉢２、収納部３及び４、鏡取付部６
は、第３図で明らかな如く、形成体９の取付基準
面９ａよりも取付相手方部材（壁材）１０側へ突
出した部分を有している。手洗い鉢２の手洗空間
２ａは、取付基準面９ａから取付相手方部材１０
側へ突出させた奥部２ａ−１の上部側に吐水口１
４を開設してある。成形体９は、手洗い鉢２の水
平部２ｃから立ち上げて取付基準面９ａと面一に
形成した垂直面部９ｂを手洗空間２ａの開口周縁
２ｂに連接させると共に、垂直面部９ｂの右側上
方寄りに水栓金具のハンドル１１を配設してあ
る。

ところで、手洗い器１を合成樹脂で一体形成す
る場合は、複合型等を用いてハンドレイアツプ
法、プレス成形、真空成形等により行えばよい。
また合成樹脂としては、FRP樹脂、ABS樹脂等
が適当である。

ステンレス等の金属材料を用いて一体成形する
場合は、複合型等でプレス成形すればよい。

尚、成形体９の相手形部材１０への取り付け
は、ビス１２及び該ビス１２に螺着される化粧用
ビス１３等を用いて行えばよい。

第４図は、本考案の第２の実施例を示す手洗い
器２１の斜視図である。該手洗い器２１は、手洗
い鉢２２の上方に小物品等の収納部２３が形成さ
れている。手洗い鉢２２と収納部２３とが合成樹
脂、金属等で一体成形されること、手洗い鉢２２
と収納部２３との背面が取付基準面２９ａから相
手形部材側へ突出している部分を有すること、手
洗い鉢２２の手洗空間２２ａの上部側に吐水口１
４を開設したこと及び手洗空間２２ａの開口周縁
２２ｂに連接した垂直面部２９ｂに水栓金具のハ
ンドル１１を配設してあることは、前記第１の実
施例の場合と同じである。また作用効果について
も前記第１の実施例の場合と同じである。

第５図は、本考案の第３の実施例を示す手洗い
器３１の斜視図である。この実施例は収納部３３
を手洗い鉢３２の下方に形成している。その他の
構成並びに作用効果は前記第１及び第２の実施例
の場合と同じであるので、ここでの説明を省略す
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、次の如き実用的
効果を有する。

小物品を収納する収納部と手洗い鉢とが一体
成形されており、取り付けに際しての両者の組
立作業が不要である。従つて、取付作業が極め
て簡単である。

手洗い鉢は合成樹脂或いはステンレス等の金
属で成形されており、従来の陶器製に比較して
その重量が軽く、間仕切壁を補強枠で補強する
必要がない。

収納部と手洗い鉢とは、相手形部材側へ半埋
込み状態で取り付けられるものであり、使い勝
手が良い大きな収納空間及び手洗い空間を確保
できるにも拘わらず室内側への突出量が少な
く、室内スペースの有効利用が図れる。

手洗空間の奥部を取付基準面から取付相手方
部材側へ突出させると共に、垂直面部に水栓金
具のハンドルを配設してあるので、手洗いに際
しての洗浄水の飛沫が収納部及びハンドル等に
かかり難く、たとえ飛沫が付着しても容易に拭
き取ることができ衛生的である。

吐水口と水栓金具との距離を短くすることが
でき、給水配管作業が簡単となる。

【図面の簡単な説明】

第１図及至第３図は本考案の第１の実施例を示
すものであり、第１図は壁面へ取り付けた状態を
示す手洗い器の斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ
線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面図、第
４図及び第５図はそれぞれ本考案の第２及び第３
の実施例を示す手洗い器の斜視図である。 １，２１，３１……手洗い器、２，２２，３２
……手洗い鉢、２ａ，２２ａ，３２ａ……手洗空
間、２ｂ，２２ｂ，３２ｂ……開口周縁、３，２
３，３３……収納部、９ａ，２９ａ，３９ａ……
取付基準面、９ｂ，２９ｂ，３９ｂ……垂直面
部、１０……取付相手方部材、１１……ハンド
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小物品を収納する収納部と手洗い鉢とを合成樹
   脂、金属等で一体形成すると共に、この収納部の
   背面を取付基準面から取付相手方部材側へ突出さ
   せて相手方部材への埋込み部分を形成した収納部
   を備えた手洗い器において、前記手洗い鉢の手洗
   空間の奥部を取付基準面から取付相手方部材側へ
   突出させて相手方部材への埋込み部分とし、手洗
   空間の奥部の上部側に吐水口を開設し、手洗空間
   の開口周縁に連接する垂直面部に水栓金具のハン
   ドルを配設したことを特徴とする収納部を備えた
   手洗い器。