JPH0241424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は配管用の継手、特にカーエアコン等に
用いられるフレヤ管継手の構造に関する。

（従来の技術） 一般に、カーエアコン等の冷媒回路では配管と
して鋼管を曲げ加工したフレヤ管が用いられてお
り、このフレヤ管同士の接続には所謂フレヤ管継
手が用いられている。

ところで、鋼管は曲げ加工に限界があるため
（一般に曲げ半径（Ｒ）≧鋼管の直径（Ｄ）の２倍
あるいは2.5倍）、自動車等の冷媒回路のように高
さ等を制限される場合は、フレヤ管継手としてエ
ルボ−コネクタ、フレヤ管及びフレヤナツトをろ
う付あるいは溶接によつて組み付けたものが用い
られていた。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、フレヤ管は鋼管を切削加工して製造
され、またエルボ−コネクタは棒鋼を切削加工し
て製造していたため、切削加工の負荷が多く、か
つ切粉による歩留が悪くコスト的に割高となつて
しまうという問題点がある一方、前述したように
鋼管は曲げ加工に限度があるため、極端な高さ等
の制限がある場合は配管作業が極めて面倒になる
という問題点があつた。

一方、フレヤ管はエルボ−コネクタの一端に圧
入され、ろう付あるいは溶接されていたが、片持
ち構造であるため、構造的に強度があまりよくな
く、フレヤ管の厚みをあまり薄くすることができ
ないという問題点がある。

本考案の目的は高さ制限等があつても配管作業
性がよく、しかも軽量で強度が十分保てるコスト
的に安価なフレヤ管継手を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明によれば、一端が開口され、側面に通過
口が設けられ、この通過口を流体の流れ方向によ
つて開閉する開閉手段を備えたフレヤ管と、前記
開口された一端に配設されたフレヤ管ナツトと、
一端が開口され、かつ側面を貫通する貫通孔の設
けられた外殻管とを有し、上記のフレヤ管は外殻
管の貫通孔に通過口が外殻管内に存在するよう
に、しかもフレヤ管の両端が前記外殻管の側面か
ら突出するように圧入されて、前記外殻管に固着
されていることを特徴とするフレヤ管継手が得ら
れる。

（実施例） 以下、本考案について実施例に基づいて説明す
る。

まず、第１図ａ及びｂを参照して、鉄あるいは
アルミニウム板等を用いてプレス加工等によつて
ラツパ状に形成されたフレヤ管１は上端が開口さ
れ、下端部が閉じられている。フレヤ管１の側面
には互いに対向して一対の通過口１１が設けられ
ている。

第１図ａに示すように、薄い帯状のバネ板体を
まるめて円筒状に成形したリード弁２がフレヤ管
１の上端開口部からフレヤ管１内に挿入され、フ
レヤ管１に設けられている微少孔１２とリード弁
２に設けられている微少孔２１にネジ等を通し
て、リード弁２がフレヤ管１の内壁面に配設され
る。この時リード弁２は通過口１１を塞いでい
る。なお、図示のようにリード弁２の両端部はわ
ずかに離されて、ギヤツプを形成している。そし
て第１図ｂに示すように上端開口部に対向してフ
レヤナツト３が装着されている。

第１図ｂに示すように、外周面（側面）の上部
及び下部に貫通孔が設けられ、一端（右端）が閉
塞された外殻管部４の貫通孔にフレヤ管１が圧入
される。この時、フレヤ管１の両端（上端及び下
端）は外殻管部４の外周面から直角方向に突出し
ており、フレヤ管１は２点で外殻管部４に支持さ
れている。その後フレヤ管１と外殻管部４とはろ
う付あるいは溶接等で固着される。なお、この外
殻管部４は鉄あるいはアルミニウム板をプレス加
工して製作される。

外殻管部４の左端には接続パイプ（冷媒パイ
プ）５が挿入されて、溶接等によつて固定され
る。あるいは第２図に示すように接続パイプ５に
突起部５１を設け、さらにＯ−リング５２を配設
して、突起部５２の上部にテフロンシート（図示
せず）を装着した後、接続パイプ５を外殻管部４
に挿入し、かしめれば、接続パイプ５に対して外
殻管部４を回転することができる。

上述のようにして装置されたフレヤ管継手は第
１図ｂに示す実線矢印方向に流体（冷媒）が流さ
れる。この時冷媒の圧力によつてリード弁２は径
方向に収縮するから、即ち、リード弁２はフレヤ
管１の内壁面から離れるから、冷媒は通過口１１
を通つて上端開口部へぬける。一方、破線矢印で
示す方向に冷媒が流れた場合、冷媒の圧力によつ
てリード弁２は径方向に膨張するから、即ち、リ
ード弁２はフレヤ管１の内壁面にぴつたりと密着
するから、冷媒の流れが阻止される。このように
リード弁２は逆止弁として働く。

次に、第３図ａ及びｂを参照して、ラツパ状の
フレヤ管１の外壁面に通過口１１を塞ぐようにし
てねじ等により（微少孔２１及び１２にねじを通
す）リード弁２が取り付けられる。そして、第３
図ｂに示すようにフレヤナツト３、外殻管部４及
び接続パイプ５が装置される。この場合は、実線
矢印で示す方向に冷媒が流される。この時冷媒の
圧力によつてリード弁２は径方向に膨張するか
ら、即ち、リード弁２はフレヤ管１の外壁面から
離れて、冷媒はフレヤ管１の上端開口部を通つて
通過口１１へぬける。一方、破線矢印で示す方向
に冷媒が流れた場合、冷媒の圧力によつてリード
弁２は径方向に収縮するから、即ち、リード弁２
はフレヤ管１の外壁面にぴつたりと密着して、冷
媒の流れを阻止する。このようにリード弁２は逆
止弁として働くことになる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案のフレヤ管継手によ
れば、フレヤ管が外殻管に２点で支持されている
から、強度を十分保てる。従つて、フレヤ管の厚
みを薄くでき、しかもプレス加工によつて成形さ
れているからコスト的に安価になる。またフレヤ
管と外殻管とが直角の関係にあるから、高さ等が
制限される場合においても配管作業が容易である
という利点がある。

また、本考案によるフレヤ管継手によれば、流
体の流れ方向を制御できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案によるフレヤ管継手の一実施
例に用いられるフレヤ管及びリード弁を示す斜視
図、第１図ｂは本考案によるフレヤ管継手の一実
施例を用いた配管構造の一例を一部破断して示す
図、第２図は本考案によるフレヤ管継手の一実施
例を用いた配管構造の他の例を一部破断して示す
図、第３図ａは本考案によるフレヤ管継手の他の
実施例に用いられるフレヤ管及びリード弁を示す
斜視図、第３図ｂは本考案によるフレヤ管継手の
他の実施例を用いた配管構造の一例を一部破断し
て示す図である。 １……フレヤ管、２……リード弁、３……フレ
ヤナツト、４……外殻管部、５……接続パイプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端が開口され、側面に通過口が設けられ、
   該通過口を流体の流れ方向によつて開閉する開
   閉手段を備えたフレヤ管と、前記開口された一
   端に配設されたフレヤ管ナツトと、一端が開口
   され、かつ側面を貫通する貫通孔の設けられた
   外殻管とを有し、前記フレヤ管は前記外殻管の
   貫通孔に前記通過口が該外殻管内に存在するよ
   うに、しかも前記フレヤ管の両端が前記外殻管
   の側面から突出するように圧入されて、前記外
   殻管に固着されていることを特徴とするフレヤ
   管継手。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項の記載におい
   て、前記開閉手段は前記フレヤ管の内壁面ある
   いは外壁面に前記通過口に対応して、径方向に
   膨張及び収縮可能な円筒状のリード弁を配設す
   ることによつて構成され、流体の流れ方向によ
   り前記リード片が膨張あるいは収縮し、前記通
   過口を実質的に開閉するようにしたことを特徴
   とするフレヤ管継手。