JPH0241194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （本考案の利用分野） 本考案は無杼織機の緯糸混合装置の改良に関す
るもので、更に詳しくは２個の緯糸選択レバーを
１個の溝カム装置により作動させ、２個の緯糸供
給ボビンから引出された２本の緯糸のうちの１本
を選択して緯糸引渡位置に交互に導くにようにし
た混合装置に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来、無杼織機の緯糸混合装置においては、第
２図に示すように、緯糸案内孔を有する緯糸選択
レバーを２個の別々の軸にそれぞれ回動自在に取
付けると共に該選択レバーの端部をスライド機構
を採用して相互に連結し、１個の溝カムの作動に
より、緯糸選択レバーを交互に降下せしめるよう
にしたものが提案されている。

（特公昭50−10983号）この混合装置では２つ
の緯糸選択レバーの形状が相異したものが必要で
あるため、組立取付時に煩雑さがあり、また保全
管理の面からみると常に２種類のものを準備する
必要がある不便があり、更に２つの緯糸選択レバ
ーの連結にスライド機構を採用してあるため、摩
耗によりガタが発生しやすく、特に織機回転数
350rpm以上の高速化に対し、このガタの問題は
無視できなくなつている。そこでこれらの欠点を
解消する試みとして第３図に示すように緯糸案内
孔を有する緯糸選択レバーの形状を同じ形状にす
ると共に該選択レバーの連結にリンク機構を採用
したものが提案されている。（実開昭56−91391
号）しかしこの装置は緯糸選択レバーの形状は確
かに同一であつても、リンクレバーの長さが不揃
いのものが必要であり、その上リンクの支点に作
用する負荷が、緯糸選択レバー２本分のため織機
高速化に対してガタが発生しやすく、更にカムに
圧接する転子にスプリングの力を利用したもので
あるため、高速化に不向きである欠点があつた。

（本考案の目的） そこで本考案は上述の欠点を解消せんとするも
ので、その目的とするところは、２本の緯糸選択
レバーの交互の降下作動に関連する装置の各構成
部品に全く同一形状の部品を採用して製作時や、
組付作業時の保全管理の煩雑さを無くすると共に
各部品に作用する負荷を均一に分担せしめるよう
になし、更に駆動源にスプリングの作用を排除し
て、織機回転数350rpm以上の高速化に対して迅
速確実に作動する無杼織機の混合装置を提供せん
とするものである。

（本考案の構成） 本考案は上記目的を達成するため次の構成より
なるものである。即ち、それぞれの先端部に緯糸
ガイド孔を有する同一形状の選択レバーを具備し
た２個の同一形状の第１揺動レバーを１個の固定
軸に回動自在に取付けると共に、該２個の第１揺
動レバーをそれぞれ同一形状の連結杆を介し、そ
のほぼ中央部を固定軸に緩着して揺動可能に設け
た第２揺動レバーの両端にそれぞれ取付け、更に
該第２揺動レバーに、カムの溝に係合する転子を
取付け、該カムを動源として前記緯糸選択レバー
先端の緯糸ガイド孔を交互に降下させて、緯糸引
渡位置に緯糸を導くように構成したことを特徴と
するものである。

（本考案の実施例） 本考案を実施する装置の一例を図面について具
体的に説明すると第１図において、１はその先端
に緯糸を案内する孔１ａが設けられている緯糸選
択レバーで、該選択レバーは中間部が屈曲してい
ると共にその根幹部は第１揺動レバー２の一端に
ネジ４で固定されている。前記第１揺動レバー２
は機枠（図示せず）に固定された軸３に回動可能
に緩着されている。尚、前記軸３には前記緯糸選
択レバー１を取付けた第１揺動レバー２と全く同
じ形状の部品が図面において紙面と直交する方向
に重ねて緩着され（以下ダツシユ記号を付した各
構成部品は全く同一形状のものを表す）、しかも
この２つの緯糸選択レバー１，１′は一方の選択
レバーが最上死点に待機した位置にあるとき、も
う一方の選択レバーの方は最下死点の作動位置に
あるように（図面ではこの場合30゜の角度差があ
る）構成されている。

５，５′は連結杆で、該連結杆の一端はそれぞ
れピン６，６′によつて前記第１揺動レバー２，
２′にそれぞれ回動可能に取付けられ、一方その
他端はピン７，７′によつて第２揺動レバー９の
両端にそれぞれ回動可能に取付けられている。前
記第２揺動レバー９はその中央部が機枠（図示せ
ず）に固定された軸８に回動可能に緩着されてい
る。１０は前記第２揺動レバーに取付けられたカ
ム転子、１１は前記カム転子１０と係合するカム
溝１１ａを有し、この混合装置の駆動源となる溝
カムで、該溝カムは織機本体より適宜な伝導手段
を介し駆動されるカム軸１２に固定されていて、
織機クランク軸４回転に対して１回転するもので
ある。

本考案を実施する装置の一例は上述のように構
成されたもので次にその作用について説明する
と、織機本体から適宜な伝導手段を介し、カム軸
１２が駆動されると、溝カム１１の溝１１ａに係
合する転子１０によつて第２揺動レバー９は固定
軸８を支点として正、逆交互の回動運動を行う。

今、第１図に示すようにカム溝１１ａに係合し
ているカム転子１０が丁度カム曲線の大経部に致
るときは、第２揺動レバー９は固定軸８を支点と
して反時計方向に回動して、連結杆５を左方向に
引張するので、第１揺動レバー２は軸３を支点と
して反時計方向に回動する。このため、第１揺動
レバー２に固定された緯糸選択レバー１は上方に
持上げられて待機状態となる。

一方このとき、別の緯糸選択レバー１′の方は
逆に降下して緯糸引渡位置に緯糸を導く作動状態
となる。即ち、第２揺動レバー９が固定軸８を支
点として反時計方向に回動するときは、連結杆５
を右方向に押圧するので、第１揺動レバー２は軸
３を支点として時計方向に回動する。

このため緯糸選択レバー１′は降下して緯糸引
渡位置に至る。次いで溝カム１１がさらに回転し
てカム転子１０が、カム曲線の小経部に至ると、
今度は第２揺動レバー９は固定軸８を支点として
時計方向に回動する。すると連結杆５は右方向に
押圧されるので、第１揺動レバー２は軸３を支点
として時計方向に回動する。このため緯糸選択レ
バー１は降下して緯糸引渡位置に至る。

一方もう一つの緯糸選択レバー１′は上述とは
逆に軸３を支点として反時計方向に回動して、緯
糸選択レバー１′を上昇せしめて待機位置に至る。

以下溝カム１１の回転に従つて上述の作用を繰
り返し、緯糸選択レバー１及び１′を交互に緯糸
引渡位置に臨ませるのである。

このとき第２揺動レバー９には固定軸８を支点
として連結杆５，５′、第１揺動レバー２，２′及
び緯糸選択レバー１，１′等が対称的に配設され
ているので、各ピン７，７′，６，６′に作用する
負荷は第３図に示す従来例の一つのピンに集中す
るようなことはなく、均等に分散される。

（本考案の効果） 本考案は上述のように織機本体より適当な伝導
手段を介し駆動される溝カムの溝に係合する転子
を有する第２揺動レバーのほぼ中央部を、固定軸
に緩着して回動可能に設けると共に、該第２揺動
レバーの両端に連結杆を介して緯糸案内孔を有す
る緯糸選択レバーを駆動するようにしたので、従
来の混合装置に比較して、緯糸選択レバー、連結
杆、第１揺動レバー等に全く同一の部品が使用で
きると共に、これらの部品は第２揺動レバーの固
定軸を支点としてほぼ対称的に配設されているの
で、各部品に作用する負荷はほぼ同一となり、織
機回転数350rpm以上に高速化しても極めて迅速
確実に応答して作動する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施する装置の一例を示す側
面図、第２図は従来の例を示す側面図、第３図は
従来の他の例を示す側面図である。 １，１′……緯糸選択レバー、１ａ，１a′……
緯糸案内孔、２，２′……第１揺動レバー、３…
…固定軸、５……連結杆、８……固定軸、９……
第２揺動レバー、１０……転子、１１……カム、
１１ａ……カム溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれその先端部に緯糸案内孔１ａ，１a′を
   有する同一形状の選択レバー１，１′を具備した
   ２個の同一形状の第１揺動レバー２，２′を１個
   の固定軸３に回動自在に取り付けると共に、該２
   個の第１揺動レバー２，２′をそれぞれ同一形状
   の連結杆５，５′を介し、そのほぼ中央部を固定
   軸８に緩着して揺動可能に設けた第２揺動レバー
   ９の両端にそれぞれ取付け、更に該第２揺動レバ
   ー９に、織機本体と同期して回転するカム１１の
   溝１１ａに係合する転子１０を取付け、該カム１
   １を動源として前記緯糸選択レバー１，１′先端
   の緯糸ガイド孔１ａ，１a′を交互に降下させて、
   緯糸引渡位置に緯糸を導くように構成したことを
   特徴とする無杼織機における緯糸混合装置。