JPH0240508B2 - Inkujetsutokirokusochioyobisorenimochiirareruinkukasetsuto - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジエツトプリンタに係り、さら
に詳しくはインクの供給路とインクタンクとの間
の結合部分におけるインク漏れを防止することが
できるようにしたインクジエツト記録装置及びそ
れに用いられるインクカセツトに関するものであ
る。

インクジエツト記録装置及びそれに用いられる
インクカセツトはノズルの吐出口から液滴の状態
でインクを吐出し印字用紙上に印字をドツトタイ
プで形成するようにした記録装置で、当然のもの
としてインクタンクを備えている。従来のこの種
のインクジエツトプリンタにおいては、インクタ
ンクを供給路と結合した状態で長期間放置してお
いた場合、あるいは輸送、保管等により長時間高
温状態が続いた直後インクタンクを装置から取り
はずすと、袋状に形成されているインクタンクの
封止用のゴム材では塑性変形してしまい、インク
漏れが生じ装置の内外をインクにより汚染してし
まう。例えば高温特性が優れた塑性変形しにくい
シリコンゴム等をインクタンクと供給路との結合
部に用いても、結合を解かれた直後、ゴムの弾性
により復帰させ、封止を行う方式では応答性が著
しく悪く、インク漏れが生じる。このようなイン
ク漏れが生じる状態でインクタンクを傾斜放置あ
るいは廃棄した場合、周囲のインクによる汚染は
極めてひどいものとなる。

第１図Ａ及びＢは従来のインクタンクと供給路
との間の連結構造を記録するもので、第１図Ａに
示す例においてはケース１内に袋状のインクタン
ク２を収容し、その開口端とケース１の開口端と
を閉塞した状態でゴム栓３を設け、インクの供給
チユーブ４の端部に連結された中空に形成された
ニードル５をゴム栓３を貫通して圧入する構造を
採用している。又、第１図Ｂに示す例はケース１
内に収容された袋状のインクタンク２の一端にパ
イプ６を連結し、この６の外方端をケース１に固
定されたゴム栓３と連結し、このゴム栓３内の空
間３ａ中にその端部を臨ませ、ニードル５の先端
もこの空間３ａ中に臨ませる構造を採用してい
る。ケース１にはそれぞれ通気孔７が形成されて
いる。

第１図Ａ，Ｂに示すような結合構造を採用する
と、ニードル５がゴム栓３から引き抜かれた時、
ゴム栓３の持つ弾性ではその引き抜かれた穴が容
易に、かつ短時間でちぢまることがなく、この部
分からインクが流出してしまう。

そこで、このような欠点を解消しようとして第
２図に示すようにゴム栓３に筒体１５を嵌合さ
せ、予めゴム栓に収縮する方向への力を与える構
造が提案された。ところがこのような構造を採用
しても第２図Ｂに示すようにニードル５を引き抜
いた後においてもゴム栓３は短時間では収縮せず
ニードル５をさした小孔３ｂはゴム栓を塑性変形
させたまま残つてしまう。

このようにして従来構造を採用すると必ずイン
クタンクとインクの供給路の結合部であるゴム栓
の部分からインク漏れが生じてしまうことにな
る。

本発明は以上のような従来の欠点を解消するた
めに成されたもので、インクタンクの着脱時にお
けるインク漏れを防止することができるように構
成したインクジエツト記録装置及びそれに用いら
れるインクカセツトを提供することを目的として
いる。

本発明は、上記目的を達成する第１発明インク
カセツトとして、袋状のインクタンクを収納する
ためのインクカセツトであつて、インクジエツト
記録装置のインク供給路接続用ニードルが挿入さ
れる結合部に弾性部材を有し、インクジエツト記
録装置に対して着脱可能なインクカセツトであつ
て、インクジエツト記録装置に装着する際に上記
弾性部材の上記接続用ニードルに対する結合を許
容し、インクジエツト記録装置に対する抜脱動作
に応じて上記弾性部材の上記接続用ニードルに対
する抜脱部に当接して該抜脱部の封止を行う封止
手段を具備していることを特徴とするインクカセ
ツトを提供するものである。本第１発明インクカ
セツトによれば、インクカセツト結合部の弾性部
材の材質の許容範囲を拡大して安価な構成を可能
とするだけでなく、長期放置時のインク蒸発量を
大幅に減少でき、インクカセツトの信頼性を向上
できる。

また、本発明は、上記目的を達成する第２発明
インクジエツト記録装置として、インク供給路と
該インク供給路の端部に設けられた接続用ニード
ルとを有し袋状のインクタンクを収納し該接続用
ニードルが挿入される弾性結合部の該接続用ニー
ドルに対する結合を許容すると共に該接続用ニー
ドルに対する抜脱部に当接して該抜脱部の封止を
行う封止手段を具備したインクカセツトを、着脱
可能にするインクジエツト記録装置であつて、上
記インクカセツトの弾性結合部に上記接続用ニー
ドルが挿入される前に上記インクカセツトの装着
に連動して上記弾性部材の上記接続用ニードルに
対する結合が許容される位置へ上記封止手段を移
動せしめると共に、上記インクカセツトの脱動作
に連動して上記封止手段が上記抜脱部に当接こと
を許可する手段を具備したことを特徴とするイン
クジエツト記録装置を提供するものである。本第
２発明インクジエツト記録装置によれば、インク
カセツトの装着、脱動作に連動してインクカセツ
トの封止手段の確実な移動を達成出来るので、記
録装置の使用者が複雑な操作を行うことなく、イ
ンク供給を信頼性の高いものとして実施でき、イ
ンクカセツトの長期保存に対しても自動的にこの
封止手段を作動せしめることができる。

以下、図面に示す実施例に基いて本発明の詳細
を説明する。

第３図以下は本発明の一実施例を説明するもの
で、図において符号１で示すものは袋状のインク
タンク２を収容した容器で、その一端にはゴムな
どの弾性材からなるゴム栓３が装着されている。
この栓３とインクタンク２との間はチユーブ６に
よつて連結されている。この栓３の外方端に内部
に連通した状態で形成された通路３ｂは板ばねな
どから成る封止板８によつて封止される。この封
止板８はその一端を容器１の底板側に固定されて
おり、その自由端はほぼ直角に上方に向つて屈曲
され、自由状態においてゴム栓３方向へ押圧され
るような弾力が与えられている。この弾力が与え
られた屈曲部８ａの途中には半球状の突起８ｂが
形成されており、ゴム栓３の外側面の中央に押圧
されている。屈曲部８ａの上端縁の一方の側、第
４図において突起８ｂの右側には上方に伸びる突
片８ｃが形成されている。

一方、符号９で示すものはガイドで、このガイ
ド９は装置の固定部に取付けられており、その一
部は前方に延びる突出部９ａとなつており、その
先端には前記封止板８の突片８ｃの上端と係合す
るテーパ面９ｂとなつている。そして、このガイ
ド９にニードル５が固定されている。

次に以上のように構成された結合構造の機能に
ついて説明する。

まず、新しいインクタンクの取付時にはケース
１を封止板８が取付けられた状態でガイド９側に
接近させる。すると、ガイド９の突出部９ａの先
端のテーパ面９ｂが封止板８の突片８ｃと係合し
て、これを下方に押圧する。すると、封止板８は
第４図に鎖線で示すように下方に向かつて押動さ
れて弾性変形し、ゴム栓３とニードル５とが対向
する状態となり、ニードル５は封止板８の上端部
を越えてゴム栓３に圧入することができるように
なる。この時、突出部９ａの先端は第４図に符号
１ａで示すようにケース１に形成された開口部か
らケース内に嵌入するため、邪魔にはならない。
突出部９ａの下面９ｃが突片８ｃを押圧したと
き、封止板８は最も下方に変位された状態とな
る。

一方、ケース１を取り外したい場合には、ケー
ス１に力を加えて引けば、ゴム栓３はニードル５
から抜け、ガイド９の突出部９ａもケース１の開
口部１ａから抜け出し、ケース１はガイド９から
分離される。同時に封止板８は自らの弾性により
元の状態に復帰し、突起８ｂがニードル５が抜け
た後の小孔３ｂを封じる。従つて、インクタンク
２内のインクが小孔３ｂから漏れることがない。

第５図は本発明の他の実施例を説明するもの
で、本実施例にあつてはケース１の側方にほぼＬ
字状に形成された回動レバー１０がブラケツト１
１に対して軸１２を介して回動自在に軸承された
状態で取り付けられている。軸１２にはねじりコ
イルばね１３が巻装されており、その一端１３ａ
は回動レバー１０の一端に突設された突起１０ａ
に係合されており、他端１３ｂはケース１の側壁
に係合されている。回動レバー１０はほぼ「く」
の字状に形成されており、他端はゴム栓３の外側
に延びており、曲面をなす突起１０ｂを介してゴ
ム栓３に接している。

そして、装置固定部側にはほぼＬ字状のガイド
１４がニードル５の近傍に取付けられている。従
つて、ケース１を回動レバー１０がガイド１４と
接触するようにしてニードル５側に導けば、第５
図に鎖線で示すように回動レバー１０の突起１０
ａが形成されている側の端部がガイド１４と接触
してねじりコイルばね１３をたわませて図中時計
方向に回動され、突起１０ｂが形成されている側
の端部はゴム栓３から離れ、ニードル５をゴム栓
３中に圧入することができる。

ケース１を引き抜いて取り外せば、回動レバー
１０はねじりコイルばね１３の復帰力により元の
状態に復帰し、突起１０ｂがニードル５の抜けた
後の小孔を封じるためインクが漏れることはな
い。

以上の説明から明らかなように本実施例によれ
ば、インクタンクを収容したケース側に板ばねと
して形成された封止板を有し、この封止板により
ゴム栓のニードル貫通孔を封止できる構成とされ
ているため、ケースを引き抜いた場合に、ニード
ルの貫通孔を完全に封止でき、インク漏れを確実
に防止することができる。

本発明第１発明インクカセツトによれば、イン
クカセツト結合部の弾性部材の材質の許容範囲を
拡大して安価な構成を可能とするだけでなく、長
期放置時のインク蒸発量を大幅に減少でき、イン
クカセツトの信頼性を向上できる。本発明第２発
明インクジエツト記録装置によれば、インクカセ
ツトの装着、脱動作に連動してインクカセツトの
封止手段の確実な移動を達成出来るので、記録装
置の使用者が複雑な操作を行うことなく、インク
供給を信頼性の高いものとして実施でき、インク
カセツトの長期保存に対しても自動的にこの封止
手段を作動せしめることができる。従つて、装置
全体の記録性能を従来に比べて長期的に向上でき
たインクジエツト記録装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは、それぞれ異なつた従来構造を
説明する縦断側面図、第２図Ａ，Ｂは、さらに異
なつた他の従来構造を説明する縦断側面図、第３
図及び第４図は、本発明の一実施例を説明する縦
断側面図及び分解斜視図、第５図は本発明の他の
実施例を説明する縦断側面図である。 １……ケース、２……インクタンク、３……ゴ
ム栓、５……ニードル、８……封止板、９……ガ
イド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 袋状のインクタンクを収納するためのインク
   カセツトであつて、インクジエツト記録装置のイ
   ンク供給路接続用ニードルが挿入される結合部に
   弾性部材を有し、インクジエツト記録装置に対し
   て着脱可能なインクカセツトにおいて、 インクジエツト記録装置に装着する際に上記弾
   性部材の上記接続用ニードルに対する結合を許容
   し、インクジエツト記録装置に対する抜脱動作に
   応じて上記弾性部材の上記接続用ニードルに対す
   る抜脱部に当接して該抜脱部の封止を行う封止手
   段を具備していることを特徴とするインクカセツ
   ト。 ２ インク供給路と、該インク供給路の端部に設
   けられた接続用ニードルと、を有し、袋状のイン
   クタンクを収納し該接続用ニードルが挿入される
   弾性結合部の該接続用ニードルに対する結合を許
   容すると共に該接続用ニードルに対する抜脱部に
   当接して該抜脱部の封止を行う封止手段を具備し
   たインクカセツトを着脱可能にするインクジエツ
   ト記録装置であつて、 上記インクカセツトの弾性結合部に上記接続用
   ニードルが挿入される前に上記インクカセツトの
   装着に連動して上記弾性部材の上記接続用ニード
   ルに対する結合が許容される位置へ上記封止手段
   を移動せしめると共に、上記インクカセツトの脱
   動作に連動して上記封止手段が上記抜脱部に当接
   ことを許可する手段を具備したことを特徴とする
   インクジエツト記録装置。