JP3928312B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、一層詳細には、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給する接続部の接続構造を改良したインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置には、記録ヘッドとインクタンクの供給路を着脱可能に構成したものが使用されている。供給路を着脱可能に構成したものは、インクを液密に保持するため、以下ような構造が開示されている。
【0003】
例えば、特開平9−187967号公報(米国特許第5815182号)(以下、従来例1という)には、ヘッドとの接続部がスリットが切られたゴムから形成されており、インクを供給する針をスリットに進入させることによってスリットが開き、ゴムの弾性力でスリットをシールする構造が開示されている。
【0004】
また、特開平10−128992号公報(米国特許第5825387号)(以下、従来例2という)、米国特許第5854646号(以下、従来例3という)には、インクタンク側に弾性力によって付勢されたボールによって供給路を閉塞する構造が示されている。これは、ゴムの弾性力だけでなく、ボールによってインクタンクの液密を確保するためである。
【0005】
さらに、特開平5−318761号公報(従来例4という)には、チューブが具備されたインクジェット記録装置でヘッドを着脱自在とし、肉厚が薄く変形可能な弾性付与部材で接続し、インクの供給を可能とした構造が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1のインクジェット記録装置では、針をスリットに挿入するため、経時的にスリットが設けられたゴムの弾性力が低下し、インクが漏洩するおそれがあった。
【0007】
また、従来例2、3のインクジェット記録装置では、ボールによって供給路を閉塞するために、上記従来例1のようにスリットのシール性が低下してもインクが漏洩することはない。しかしながら、スリットのシール性が低下した後は、針がスリットから抜かれるとき、針が抜けてからボールが供給路を閉塞する間にインクが漏洩することが推測できる。
【0008】
なお,径が細い針はゴムなどで形成されたスリットに液密に進入させることが可能であるが、針の流路におけるインク供給時の圧力損失が大きくなり、印字時におけるインク供給不足による印字かすれが発生してしまうおそれがある。これを回避するために径の大きい(流路断面積の大きい)パイプを使用すると、スリットを広げるのに大きな力が必要となると共に、結果的にスリットが裂けるおそれもあり、液密に接続できないという不都合がある。
【0009】
さらに、従来例4では、肉厚が薄く変形可能な弾性付与部材で接続するとしているが、詳細な構成の開示がない。
【0010】
本発明は、上記不都合を解決すべく成されたもので、インクタンクから記録ヘッドに液密にインクを供給可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給し、記録ヘッドから記録用紙にインク滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、前記インクが貯留されたインクタンクと、前記インクタンクの開口部外部に設けられ、内部には軸方向に貫通し、拡縮可能な孔部が形成され、前記孔部に、前記インクが流入する弾性変形可能なシール部材と、前記記録ヘッドに連通する流路が内部に形成され、前記シール部材の前記孔部に挿入され、前記孔部から前記インクが流入するパイプ部材と、前記シール部材の外側に、前記シール部材の軸方向に沿って移動可能に配置され、前記軸方向に沿った第1の方向に移動して、前記シール部材の外部を押圧することで前記孔部を閉塞させる押圧手段と、前記パイプ部材の周囲に設けられ、前記インクタンクを前記記録ヘッドへ装填する装填動作に伴って、前記押圧手段を前記第1の方向とは逆方向へ移動させて、前記シール部材に対する押圧作用を解除させながら閉塞された前記孔部を復元させ、前記孔部に前記パイプ部材を挿入させる解除手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の発明の作用について説明する。
【0013】
インクタンクのインクは、通常、開口部の外部に設けられたシール部材の孔部が押圧手段の押圧作用によって閉塞されて(押し潰されて)、外部に漏れないようにされている。インクタンクから記録ヘッドにインクを供給可能にする場合には、解除手段によって押圧手段のシール部材に対する押圧作用を解除させて、潰されていたシール部材の弾性変形力によって孔部を復元させながら、パイプ部材を孔部に挿入する。この際、押圧手段の押圧力を解除させながらパイプ部材を挿入していくため、パイプ部材の外周面に孔部壁面が密着し、インク漏れを生ずることがない。パイプ部材の先端がインクタンク内部に到達し、パイプ部材の流路を介して記録ヘッドにインクが供給される。
【0014】
また、本発明では、弾性変形可能な弁体に予め形成された孔部を復元することによってパイプ部材を挿入しているため、断面積が大きいパイプ部材でも容易に挿入できると共に、パイプ部材の外周面に孔部壁面が密着してシール性を確保できる。したがって、インクタンクから記録ヘッドに供給するインクの圧力損失を抑制して良好なインク供給を行なうことができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記押圧手段は、前記シール部材の外周部に装填され、前記シール部材の軸方向に移動して前記シール部材に当り、前記シール部材の外部を押圧する圧縮ホルダーと、前記第1の方向前記圧縮ホルダーを付勢する付勢部材と、を有することを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の発明の作用について説明する。
【0017】
本発明では、付勢部材が、シール部材の外周部に装填された圧縮ホルダーを、シール部材の孔部を閉塞させる第1の方向へ付勢しており、シール部材からインクが漏れることはない。
【0018】
請求項3記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記解除手段は、前記パイプ部材の周囲に、前記パイプ部材の軸方向へ移動可能に設けられた保護カバーと、前記保護カバーに設けられ、前記圧縮ホルダーに当たって、前記保護カバーを前記第1の方向へ移動させて、前記パイプ部材の流路を露出させると共に、前記圧縮ホルダーを、前記第1の方向とは逆方向へ移動させて、前記シール部材に対する押圧作用を解除させる突起と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明の作用について説明する。
【0020】
本発明では、保護カバーと、保護カバーに設けられた突起が、パイプ部材の流路を露出させると共に、圧縮ホルダーを第1の方向とは逆方向へ移動させて、シール部材に対する押圧作用を解除させ、閉塞された孔部を復元させる。
即ち、解除部材が圧縮ホルダーを孔部が復元する方向に押圧するため、シール部材の孔部を押し潰す力が解除され、弾性変形していたシール部材の孔部が復元され、パイプ部材が挿入される。したがって、インクタンクを前記記録ヘッドに装填する装填動作に伴ってパイプ部材をシール部材の孔部に容易に挿入できる。
パイプ部材がインクタンクに挿入されていない時には、パイプ部材の先端に形成された連通口を保護カバーによって外部から遮蔽しておくことによって、連通口近傍に付着したインクが固化して連通口が目詰まりすることを防止する。一方、パイプ部材をシール部材の孔部に挿入する際には、解除手段によって保護カバーをパイプ軸方向に退避させて連通口を外部に露出させることにより、パイプ部材流路(連通口)をインクタンクと確実に連通させる。
【0021】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明において、前記インクタンクは、インクが含浸された毛細管部材が配設され大気連通孔が設けられた第1インク室と、前記第1インク室と連通すると共に記録ヘッドと連通するインク自由液面を有する第2インク室と、第1インク室と第2インク室の連通部分に配設されたメニスカス形成部材と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明の作用について説明する。
【0023】
記録ヘッド側とインクタンクが接続された場合に、記録ヘッドでインク吐出が行なわれるに従って、インク消費による負圧によって第1インク室の毛細管部材からインクが第2インク室に供給され、パイプ部材を介して記録ヘッドに供給されていく。第1インク室のインクが枯渇すると、大気連通孔とから供給された空気がインクメニスカス形成部材によって形成されたインクメニスカス膜を破って空気が徐々に供給され、第2インク室の負圧が一定に保持される。したがって、記録ヘッドから安定的にインク吐出を行なうことができる。
【0024】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の発明において、前記孔部のパイプ部材側には、当該孔部が押圧手段によって孔部が閉塞されている場合でも漏斗状になるガイド部が形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項5記載の本発明の作用について説明する。
【0026】
孔部が閉塞されている状態でパイプ部材が弁体に接近する場合、位置精度が低いと孔部にパイプ部材が挿入しにくい、あるいは挿入できないという不都合が発生するおそれがある。しかしながら、本発明では、位置精度が低くても、孔部閉塞状態で孔部のパイプ部材側に漏斗状のガイド部を有するため、ガイド部を介してパイプ部材が孔部に案内され、スムーズに挿入される。
【0027】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明において、前記パイプ部材の先端部は、先端に向かって断面積が減少する先細形状であることを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の本発明の作用について説明する。
【0029】
孔部が閉塞されている状態でパイプ部材が弁体に接近する場合、位置精度が低いと孔部にパイプ部材が挿入しにくい、あるいは挿入できないという不都合が発生するおそれがある。しかしながら、本発明では、位置精度が低くても、先端が先細形状とされているため、パイプ部材が孔部にスムーズに挿入される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置について詳細に説明する。
【0031】
図2に示すように、インクジェット記録装置10には、搬送ローラ12によって搬送される用紙14の上部に、用紙14の搬送方向(副走査方向、矢印A方向)と交差する主走査方向(矢印B方向)に移動可能とされたキャリッジ16が配置されている。キャリッジ16は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクを用紙14に向かって吐出する記録ヘッド18が備えられている。
【0032】
記録ヘッド18にインクを供給するためのインクタンク20は、ポート22を介して、記録ヘッド18にインクを供給する構成になっている。
【0033】
記録ヘッド18の上部に突出形成されているポート22は、図1に示すように、円柱形の基台24と、基台24の内部に配設され先端が上部から突出しているパイプ26と、パイプ26に巻回されるスプリング28およびスプリング28に支持される保護カバー30とから基本的に構成される。
【0034】
パイプ26は、内部に記録ヘッド18に連通する通路32が形成されており、先端近傍に形成された横孔34によって外部と連通している。パイプ26の先端は半球状に形成されており、保護カバー30に形成された孔部36から外部に突出すると共に、横孔34が孔部36内に配設されたリップシール38によって外部から遮蔽されている。したがって、横孔34近傍のインクが乾燥して横孔34に目詰まりが発生することを防止する。
【0035】
保護カバー30は、下端部に形成されたフランジ40が基台24の突出部42に係合され、上部がスプリング28で支持されている。したがって、保護カバー30は、スプリング28の伸縮によって上下動(矢印C方向)し、保護カバー30の外部に露出するパイプ26の長さを変化させる。
【0036】
また、保護カバー30の上面外縁部には、後述する圧縮ホルダー68のフランジ部94に当接する突起44が形成され、内周側にシール部材66を押圧するためのテーパ面46が形成されている。
【0037】
さらに、保護カバー30の上面には、パイプ26をインクタンク20から抜き出した時に、リップシール38でパイプ26から除去されたインクを含浸させるインク吸収体48が配設されている。
【0038】
一方、インクタンク20は、ハウジング49の内部に毛細管部材50が配設された第1インク室52と、インクが自由に流動可能な第2インク室54と、インクを液密に保持すると共にポート22に液密にインクを供給する接続部56とから基本的に構成される。
【0039】
第1インク室52は、ハウジング49の最上部に形成されており、毛細管部材50の内部にインクが含浸されており、大気開放孔58によって大気開放されている。また、微小な開口が形成されたインクメニスカス形成部材60を介して第2インク室54に連通されている。したがって、第1インク室52、第2インク室54が接続部56(ポート22)を介して記録ヘッド18に連通した場合には、記録ヘッド18の負圧によって毛細管部材50内のインクがインクメニスカス形成部材60を介して第2インク室54に移動していく。なお、第1インク室52の毛細管部材50のインクが枯渇した場合には、第1インク室52からインクの消費によって増加した第2インク室54の負圧分だけインクメニスカス形成部材60の開口に形成されたインクメニスカス膜を破って供給する。したがって、記録ヘッド18に安定的にインクを供給することができる
第2インク室54は、連通孔62を介して接続部56に連通している。
【0040】
接続部56は、ハウジング49の下部に形成された孔部64に、基本的にシール部材66と、シール部材66を押し潰してシール性を確保する圧縮ホルダー68と、圧縮ホルダー68を付勢するスプリング70とから基本的に構成される。
【0041】
シール部材66は、図3に示すように、軸方向に貫通する直径1〜2mmの孔部72が形成された略円筒体である。シール部材66の材質は期待透過性に優れたブチルゴムが望ましい。また、シール部材66の肉厚は、押圧によって孔部72を押し潰すために1〜2mm程度が良い。孔部72は、パイプ26を内部に案内する円錐状のガイド部74と、これに連続する断面積が略一定なシール部76と、再び拡径する拡径部78とから構成される。また、ガイド部74側の先端外周には保護カバー30に形成されたテーパ面46に当接されるフランジ80が、ガイド部74側の外周には後述する圧縮ホルダー68のテーパ面90に当接されるテーパ面81が形成されている。拡径部78側にはハウジング49の突起84に係止されるフランジ82が外出に突出形成されている。
【0042】
したがって、シール部材66のフランジ82側をハウジング49の孔部64に形成された突起84の開口部86に挿入させることによって、フランジ82が突起84によって係止される。この結果、フランジ82によって開口部86が塞がれ、第2インク室54から連通孔62を介して接続部56に到達したインクは、シール部材66の拡径部78のみに進入することになる。
【0043】
孔部64の突起84上には、円筒形のガイド部材88が設けられており、内周面に案内されてスプリング70に付勢された圧縮ホルダー68が矢印D方向に移動可能とされている。
【0044】
圧縮ホルダー68は、内周面がテーパ面90とされている基部92と、基部92の先端に外周に向かってL字型に突出したフランジ部94が形成されている。フランジ部94が孔部64の段差96に当接する、あるいは、フランジ部94がガイド部材88に当接することによって圧縮ホルダー68の移動範囲が規制されている(図4、7参照)。突起84と圧縮ホルダー68の間にはスプリング70が配設され、初期圧縮されたスプリング70の弾性力によって矢印D方向に付勢された圧縮ホルダー68のテーパ面90がシール部材66のテーパ面81を押圧し、これによって第2インク室54と外部を連通させる孔部72(シール部76)が潰れて外部からシールする。この結果、第2インク室54から連通孔62を介してシール部材66の拡径部78に到達したインクが外部に漏洩することを防止する。
【0045】
ここで、スプリング28、70の関係を図5を参照して説明する。図5には、スプリング28、スプリング70に作用する力と変位量(縮む方向を正とする)の関係を示しており、スプリング70の破線部分は初期圧縮を示す。したがって、スプリング28とスプリング70の圧縮力が均衡する(スプリング28の変位量がAになる)までスプリング28のみが圧縮される。これは、シール部材66にパイプ26が挿入される際、パイプ26がシール部材66のガイド部74に当接するまでは、保護カバー30が圧縮ホルダー68を押圧して圧縮ホルダー68がシール部材66から離間してシール部76が開かないようにするためである。
【0046】
このように構成されたインクジェット記録装置10の作用について説明する。
【0047】
先ず、インクタンク20を上方から記録ヘッド18に接近させ、ポート22が孔部64に進入するようにする。この結果、図4に示すように、保護カバー30の突起44が圧縮ホルダー68のフランジ部94に当接する。
【0048】
ここで、スプリング70はスプリング28よりも強く初期圧縮されているため、スプリング28とスプリング70の圧縮力が均衡するまでスプリング28のみが圧縮される(図5、変位量0〜変位量A参照)。この結果、インクタンク20と共に保護カバー30が下方に移動し、保護カバー30からパイプ26が突出してシール部材66のガイド部74に当接する(図6参照)。
【0049】
この際、パイプ26は、半球状の先端が円錐状のガイド部74に案内され、孔部72の軸中心側に移動する。すなわち、パイプ26とシール部材66の孔部72との位置精度が低くても、ガイド部74がパイプ26を所定位置に案内する。
【0050】
さらに、インクタンク20を下方に押し込むことによりスプリング28とスプリング70の圧縮力が均衡し、スプリング70も圧縮を開始し、圧縮ホルダー68のフランジ部94がガイド部材88に当接するまで圧縮される。この結果、圧縮ホルダー68のテーパ面90がシール部材66のテーパ面81から離間する。したがって、圧縮ホルダー68からシール部材66に作用していた押圧力が解除され、押し潰されていたシール部76がゴムの弾性力によって元形状、すなわち断面円形の孔部に復元し、パイプ26の先端が挿入される(図7参照、図5、変位量A〜変位量B参照)。この際、パイプ26の先端は半球状の先細形状であるため、孔部72に進入しやすい。
【0051】
この後、圧縮ホルダー68のフランジ部94がガイド部材88に当接することによってスプリング70の圧縮が停止すると、スプリング28のみが圧縮する(図5、変位量B〜変位量C参照)。この結果、保護カバー30がさらに下方に移動して、パイプ26の大部分が外部に露出する。したがって、下方に移動してきたインクタンク20のシール部材66のシール部76をパイプ26が貫通し、拡径部78に横孔34(パイプ26の先端)が到達する(図8参照)。すなわち、パイプ26の通路32が第2インク室54に連通することになる。この結果、記録ヘッド18の負圧によって第1インク室52および第2インク室54から記録ヘッド18にインクが供給されることになる。この際、保護カバー30の突起44に形成されたテーパ面46がシール部材66のフランジ80に押圧する。この結果、シール部材66のシール部76を構成する壁面がパイプ26の外周面に密着してシール性を確保する。
【0052】
なお、インクタンク20をポート22から取り外す場合には、上記手順と逆に行なう。すなわち、インクタンク20を上方に移動させることによって、シール部材66のシール部76からパイプ26を抜き出すと共に、圧縮ホルダー68のテーパ面90によってシール部材66のテーパ面81を押圧して、シール部76を押し潰してシール性を確保する。
【0053】
このように本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、シール部材66に予めパイプ26の径に相当する孔部72(シール部76)を形成しておき、圧縮ホルダー68によって押し潰すことによってインクタンク20のシール性を確保すると共に、パイプ26を進入させて記録ヘッド18とインクタンク20を連通させる場合には、圧縮ホルダー68による付勢状態を解除させて孔部72を復元させることによりシール部76内をスムーズに進入させる。しかも、保護カバー30のテーパ面46によって圧縮ホルダー68を押圧してシール部材66をパイプ26に密着させ、シール性を確保する。
【0054】
このように、予めシール部材66にシール部76(孔部72)が形成されているため、径の大きいパイプ26をシール部76内を挿通させてもシール部材66のシール性が損なわれることがない。また、径の大きいパイプ26で接続できるためインク供給の圧力損失を小さくでき、良好にインクを供給することができる。
【0055】
なお、パイプ26の先端は、半球形状としたがこれに限定されず、円錐形状等、先端に向かって断面積が減少していくものならば良い。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施形態では、シール部材66の拡径部78の内部にシール用のボール100と、スプリング102が設けられている。すなわち、ボール100はスプリング102の弾性力によって拡径部78の壁面に当接してインクの漏洩を防止している(図9(A)参照)。
【0058】
シール部材66のシール部76を貫通してパイプ26が進入してきた場合には、パイプ26に押圧されることによって拡径部78から離間してシール状態を解除する(図9(B)参照)。
【0059】
このような構成を採用することにより、インクタンク20のシール性が一層良好となり、パイプの進入動作中にインクが漏洩することを一層確実に防止できる。
【0060】
なお、第1、第2実施形態では、ポート22(記録ヘッド18)側にパイプ26を設け、インクタンク20側にシール部材66を設けたが、反対でも良い。すなわち、記録ヘッド18側にシール部材(弁体)を設け、インクタンク20側にパイプを配設する構成でも良い。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録装置では、シール性を確保したまま、径の太いパイプ部材を用いてインクタンクと記録ヘッドを接続できるため、インクタンクから記録ヘッドに良好にインクを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るインクタンクとポート(以下、接続構造という)を示す分解断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係るシール部材の一部断面斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る接続構造における接続動作説明図である。
【図5】 本発明の第1実施形態に係る接続構造におけるスプリングに作用する力と変位の関係を示す図である。
【図6】 本発明の第1実施形態に係る接続構造における接続動作説明図である。
【図7】 本発明の第1実施形態に係る接続構造における接続動作説明図である。
【図8】 本発明の第1実施形態に係る接続構造における接続動作説明図である。
【図9】 (A)、(B)は、本発明の第2実施形態に係る接続構造における接続動作説明図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
18 記録ヘッド
20 インクタンク
22 ポート
26 パイプ(パイプ部材)
30 保護カバー(解除手段)
66 シール部材(弁体)
68 付勢部材(押圧手段)
70 スプリング(押圧手段)
72 孔部

Claims (6)

  1. インクタンクから記録ヘッドにインクを供給し、記録ヘッドから記録用紙にインク滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記インクが貯留されたインクタンクと、
    前記インクタンクの開口部外部に設けられ、内部には軸方向に貫通し、拡縮可能な孔部が形成され、前記孔部に、前記インクが流入する弾性変形可能なシール部材と、
    前記記録ヘッドに連通する流路が内部に形成され、前記シール部材の前記孔部に挿入され、前記孔部から前記インクが流入するパイプ部材と、
    前記シール部材の外側に、前記シール部材の軸方向に沿って移動可能に配置され、前記軸方向に沿った第1の方向に移動して、前記シール部材の外部を押圧することで前記孔部を閉塞させる押圧手段と、
    前記パイプ部材の周囲に設けられ、前記インクタンクを前記記録ヘッドへ装填する装填動作に伴って、前記押圧手段を前記第1の方向とは逆方向へ移動させて、前記シール部材に対する押圧作用を解除させながら閉塞された前記孔部を復元させ、前記孔部に前記パイプ部材を挿入させる解除手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記押圧手段は、前記シール部材の外周部に装填され、前記シール部材の軸方向に移動して前記シール部材に当り、前記シール部材の外部を押圧する圧縮ホルダーと、
    前記第1の方向前記圧縮ホルダーを付勢する付勢部材と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記解除手段は、前記パイプ部材の周囲に、前記パイプ部材の軸方向へ移動可能に設けられた保護カバーと、
    前記保護カバーに設けられ、前記圧縮ホルダーに当たって、前記保護カバーを前記第1の方向へ移動させて、前記パイプ部材の流路を露出させると共に、前記圧縮ホルダーを、前記第1の方向とは逆方向へ移動させて、前記シール部材に対する押圧作用を解除させる突起と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクタンクは、インクが含浸された毛細管部材が配設され大気連通孔が設けられた第1インク室と、
    前記第1インク室と連通すると共に記録ヘッドと連通するインク自由液面を有する第2インク室と、
    第1インク室と第2インク室の連通部分に配設されたメニスカス形成部材と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記孔部のパイプ部材側には、当該孔部が押圧手段によって孔部が閉塞されている場合でも漏斗状になるガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記パイプ部材の先端部は、先端に向かって断面積が減少する先細形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
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