JP2004255602A - 液体注出装置、注出ノズル付き収容体、及び収容体の注出ノズルに接続される接続部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】注出ノズルを有する収容体を外部装置の接続部材にセットして液体を注出するにあたり、その注出量を多くすることを可能にすると共に、注出ノズルや接続部材から液漏れや液ダレが生じることのない液体注出装置を提供する。
【解決手段】液体注出装置は、収容体100に取着された注出ノズル10と、外部装置に装着される接続部材50とを有する。注出ノズル10及び接続部材50は、夫々流路を有する筒部15,55と、この筒部15,55内に配設されて流路を閉塞可能にするバルブ18,58が設けられている。これら2つのバルブ間には、連結流路70aを有し、いずれか一方の筒部に保持された連結部材70が配設されており、注出ノズル10と接続部材50を接続した際、連結部材70によって、各バルブ18,58の閉塞状態を解除し、注出ノズル10と接続部材50の接続を解除した際、各バルブ18,58を閉塞位置に付勢される。
【選択図】 図1
【解決手段】液体注出装置は、収容体100に取着された注出ノズル10と、外部装置に装着される接続部材50とを有する。注出ノズル10及び接続部材50は、夫々流路を有する筒部15,55と、この筒部15,55内に配設されて流路を閉塞可能にするバルブ18,58が設けられている。これら2つのバルブ間には、連結流路70aを有し、いずれか一方の筒部に保持された連結部材70が配設されており、注出ノズル10と接続部材50を接続した際、連結部材70によって、各バルブ18,58の閉塞状態を解除し、注出ノズル10と接続部材50の接続を解除した際、各バルブ18,58を閉塞位置に付勢される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、プリンタの印字ヘッドにインク(液体)を供給する際に用いられる液体注出装置、この液体注出装置を構成する注出ノズルを備えた注出ノズル付き収容体、及び前記液体注出装置を構成し、前記収容体の注出ノズルに接続される接続部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、プリンタ(外部装置)の印字ヘッドにインクを供給するにあたっては、プリンタの所定位置にインクを収容した収容体をセットし、ここから注出動作が行なわれている。通常、収容体には、様々な形状の注出ノズルが取着されており、この注出ノズルを介してインクが注出され、印字ヘッドに向けて供給される。
【0003】
一般的に、収容体からのインクの注出方式は、例えば、特許文献1の図3に示されているような構成となっている。すなわち、プリンタの所定位置に収容体をセットすると、プリンタ側に装着された接続部材が収容体の注出ノズルに差し込まれ、吸出し動作、或いは収容体に圧力を加えることでインクが注出される。
【0004】
この場合、収容体をプリンタから取り外す際、収容体の注出ノズルから液漏れが生じないようにするため、収容体の注出ノズルは封止構造を備えている。例えば、プリンタ側の接続部材が針のような形状を備えた構成であれば、注出ノズルには、針が差し込まれる弾性体(封止ゴム)が装着されており、収容体の取り外しに伴って針が抜けると、封止ゴムの押圧力により針孔が閉塞され、液漏れや液ダレが防止されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−192718号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公知技術の構成では、インクを注出してそれを受け取る側、すなわちプリンタ側の接続部材については、何等、液漏れや液ダレに関して考慮されていない。このため、収容体を取り外すと、取り外した部分の接続部材部分から液漏れや液ダレが発生してしまう。また、上記したように接続部材が針形状をなし、これを突き刺してインクを注出する構成では、その注出量が少なく、高速に多量のインクを消費するプリンタでは適さないという問題がある。
【0007】
この発明は、上記した問題に基づいて成されたものであり、注出ノズルを有する収容体を外部装置の接続部材にセットして液体を注出するにあたり、その注出量を多くすることを可能にすると共に、注出ノズルや接続部材から液漏れや液ダレが生じることのない液体注出装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記した液体注出装置を構成する注出ノズルを装着した注出ノズル付き収容体、及び上記した液体注出装置を構成する接続部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明に係る液体注出装置は、液体を収容した収容体に設けられる注出ノズルと、前記収容体が装着される部分に設けられ、前記注出ノズルと接続される接続部材とを有しており、前記注出ノズルの本体には、流路を有する第1の筒部と、この第1の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第1のバルブと、この第1のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第1の付勢体とが設けられており、前記接続部材の本体には、流路を有する第2の筒部と、この第2の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第2のバルブと、この第2のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第2の付勢体とが設けられており、前記2つのバルブ間には、連結流路を有し、前記注出ノズル、接続部材のいずれか一方に保持された連結部材が配設されており、前記注出ノズルと接続部材を接続した際、前記連結部材によって、第1の付勢体及び第2の付勢体の各付勢力に抗して各バルブの閉塞状態を解除し、前記注出ノズルと接続部材の接続を解除した際、前記各付勢体の付勢力によって、各バルブを閉塞位置に付勢することを特徴としている。
【0009】
上記した構成の液体注出装置によれば、収容体の注出ノズルを、外部装置に装着されている接続部材に接続すると、上記した連結部材が、各バルブを付勢体の付勢力に抗して押圧し、夫々の閉塞状態を解除する。このとき、収容体内に収容された液体は、注出ノズルの第1の筒部、第1のバルブを介して注出され、連結部材の連結流路を介して接続部材の第2のバルブに案内される。この第2のバルブは、連結部材によって開放された状態にあるため、液体は、接続部材を介してその接続部材が設けられている外部装置側に流れる。そして、収容体を外部装置から取り外すと、第1及び第2のバルブに対する連結部材の押込みが解除され、注出ノズルの流路、及び接続部材の流路は各バルブによって閉塞され、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0010】
また、本発明に係る注出ノズル付き収容体は、注出ノズルの本体に、収容体に取着される取着部と、流路が形成された筒部と、この筒部の流路に形成されたフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とが設けられており、前記付勢体のバルブと反対側の端部は、前記流路内に配設された固定部材に保持されており、この固定部材は、前記本体に差し込まれる差込部材によって収容体内部側に対して抜け止めされていることを特徴としている。
【0011】
このような構成では、流路内に対して、順に、フランジに当て付くバルブ、次にバルブを付勢する付勢体、次に付勢体を保持する固定部材が挿入され、この状態で外部から差込部材を差し込むことで、固定部材の抜け止めが成される。
【0012】
また、本発明に係る接続部材は、液体を収容し、この液体を注出する注出ノズルが設けられた注出ノズル付き収容体と接続され、前記収容体内の液体を流入させる構成において、前記接続部材の本体は、流路が形成された筒部と、この筒部の流路内に位置するフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とを有しており、前記バルブは、前記注出ノズルが接続された際、前記付勢体の付勢力に抗して開放され、前記注出ノズルとの接続を解除した際、前記付勢体の付勢力によって閉塞位置に付勢されることを特徴としている。
【0013】
このような構成では、収容体の注出ノズルが接続されると、バルブは付勢体の付勢力に抗して押圧されて閉塞状態が解除される。これにより収容体内に収容された液体が、その接続部材が設けられている外部装置側に流れることが可能になる。そして、収容体を外部装置から取り外すと、バルブに対する押込みが解除され、接続部材の流路はバルブによって閉塞されるので液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に沿って具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、本発明に係る液体注出装置を示した全体構成図、図2は、注出ノズルの構成を示す図、図3は、図2のA−A線に沿った断面図、図4は、接続部材の構成を示す図、図5は、図4をB方向から見た図、そして、図6は、液体注出装置の液体の注出状態を示す図である。
【0015】
液体注出装置1は、インク等の液体が収容される収容体100に取着される注出ノズル10と、外部装置(例えばプリンタ)の所定位置に予め装着されている接続部材50の2つの要素によって構成されている。なお、これらの注出ノズル10及び接続部材50は、夫々合成樹脂によって一体的に型成型されている。
【0016】
液体が収容される収容体100は、例えば柔軟な合成樹脂シート101を2枚対向配置して周囲を熱溶着すると共に、注出ノズル10の本体11に形成された取着部13を挟持するように熱溶着することで形成される(図3参照)。なお、収容体については、このようなシート状の構成に限定されることはなく、注出ノズルに対する取着方法を含め、種々変形することが可能である。
【0017】
注出ノズル10の本体11には、液体が通過する流路14を有する筒部15が一体的に形成されている。この筒部15の中間部内周の所定位置には、流路の中心に向けて突出するフランジ16が一体形成されており、フランジ16によって円形の開口16aが形成されている。このフランジ16の収容体側には、円形の開口16aを閉塞可能にするバルブ18が配設されており、バルブ18には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口16aを閉塞状態にするスプリング(付勢体)20の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0018】
一方、スプリング20のバルブと反対側の端部は、流路14内に配設された固定部材21に保持されており、この固定部材21は、流路14に対して直交する方向に形成された2つの貫通孔23に夫々差し込まれる2本のピン(差込部材)25によって収容体内部側に対して抜け止め保持されている。これにより、実際の組み込み作業は、流路14内に対して、順に、フランジ16の開口16aに当て付くバルブ18、次にバルブ18を付勢するスプリング20、次にスプリング20を保持する固定部材21が挿入され、この状態で外部からピン25を差し込むことで、固定部材21は抜け止め保持される。
【0019】
通常、流路内のフランジにバルブを配設する構成では、フランジとスプリングを保持する保持部とを流路内の軸方向2箇所に形成することは、型成型する上で困難であり、かつ、このような構成でスプリングを配設するためには、構造が複雑化してしまうが、上記したように、スプリングの他端に当接する固定部材21を挿入して、この状態で外部からピン25を差し込むようにすることで、簡単にスプリングを保持する構造体が得られる。
【0020】
前記接続部材50は、プリンタ等の外部装置に、収容体とは関係なく予め装着されているものであり、外部装置の接続部材50が設けられている部分(例えばプリンタであればインクカセット)に対して、前記収容体100を装着することで、収容体内に収容された液体を取り出すようになっている。
【0021】
接続部材50の本体51には、前記注出ノズル10と接続された際、注出ノズルの流路14と一致するように形成された流路54を有する筒部55が形成されている。この筒部55の内周の所定位置には、流路の中心に向けて突出するフランジ56が一体形成されており、フランジ56によって円形の開口56aが形成されている。このフランジ56の注出ノズルと反対側には、円形の開口56aを閉塞可能にするバルブ58が配設されており、バルブ58には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口56aを閉塞状態にするスプリング(付勢体)60の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0022】
前記筒部55には、前記スプリング60の他端部を保持すると共に、収容体側からの液体を流出させるための流通孔を有するプラグ62aが形成された円筒状のキャップ62が被着されている。キャップ62の開口端部には、所定位置(図に示す構成では120°間隔で3箇所)に、中心側に向けて突出する係止突部62bが形成されており、キャップ62をB方向から筒部55に嵌め込むことで、各係止突部62bが筒部55の外周に突出形成された外フランジ55aに係止されて、キャップ62は被着状態となる。なお、前記プラグ62aは、スプリング60の中心位置で、前記流路54内に延出しており、前記スプリング60の他端部は、プラグ62aの基部周辺に当て付けられている。
【0023】
前記キャップ62には、外周壁62cと所定間隔おいて、内周壁62dが形成されている。前記筒部55の外周には、リング状のシール材66が止着、保持されており、内周壁62dの内周面に密着して、キャップから液体が漏れないようにシールしている。
【0024】
前記接続部材50の筒部55には、連結部材70が配設されている。この連結部材70は棒状に形成されており、軸方向に延出する貫通孔(連結流路)70aが形成されると共に、両端部に、周方向に沿って所定間隔おいて流路70bが夫々形成されている。
【0025】
連結部材70の一端側外周面には、軸方向に連続したフランジ70c,70dが形成されており、中央側のフランジ70cが、筒部55の開口端に内側に向けて突出形成された係止部55bに当て付くことで、連結部材70は、筒部55に対して抜け止め保持されている。前記各フランジ70c,70d間には、リング状のシール材72が止着、保持されており、筒部55の内周面に密着して、筒部開口から液体が漏れないようにシールしている。また、連結部材70の他端側外周には、軸方向に連続したフランジ70e,70fが形成されており、これらは図1及び図6に示すように、収容体100が注出ノズル10と共に外部装置の所定位置に装着される際に、注出ノズル10の筒部15の先端側の内部に挿入されるようになっている。前記各フランジ70e,70f間には、リング状のシール材74が止着、保持されており、筒部15の内周面に密着して、筒部開口から液体が漏れないようにシールしている。
【0026】
そして、前記連結部材70は、収容体100が外部装置の所定位置に装着された際に、各バルブ18,58を夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して押圧し、バルブによるシール状態を解除して、収容体100内の液体が注出ノズル10及び接続部材50を介して、外部装置の所定位置に流れる程度の長さに形成されている。
【0027】
すなわち、図6に示すように、収容体100の注出ノズル10が外部装置の接続部材50に接続されると、連結部材70がバルブ18,58を夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して押圧し、夫々の閉塞状態を解除する。この状態で収容体100内に収容された液体は、吸引作用、或いは収容体に対する押圧作用によって、注出ノズルの筒部15の流路14、バルブ18及び連結部材70の流路70bを介して貫通孔70a内に流入する。そして、貫通孔70a内に流入した液体は、反対側の流路70b、バルブ58を介して筒部55の流路54内に案内され、プラグ62aを介して外部装置の所望の位置に流出される。
【0028】
このとき、連結部材70と各筒体15,55との間は、シール材72,74によってシールされているため、流路70bから液体が漏れるようなことはない。そして、収容体100を外部装置から取り外すと、各バルブ18,58に対する連結部材70の押込みが解除され、注出ノズル10側の流路14、及び接続部材50の流路54は、各バルブ18,58によって閉塞されるため、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。すなわち、外部装置側に装着されている接続部材50からも液漏れや液ダレが生じることはない。また、上記したように、バルブを介して液体を注出する構成としたため、流出量を多くすることが可能となる。
【0029】
上記した実施形態における連結部材70は、注出ノズル側10に抜け止め、保持するように構成しても良い。ただし、上記した実施形態のように、連結部材70を接続部材50側に抜け止め、保持するようにしておくことで、連結部材70の廃棄ロスを抑えることができ、収容体の製造コストを低減することができる。また、注出ノズル10、及び接続部材50の形状については、適宜変形することが可能である。例えば、上記した実施形態では、接続部材50にキャップ62を被着し、このキャップに形成されたプラグ62aを介して液体を外部装置の必要部分に供給するように構成されていたが、そのようなプラグが形成されていなくても良く、また、注出ノズル側と同じように、差込部材によって抜け止めされた固定部材を介してスプリングを固定するような構成であっても良い。この場合、筒部55に対してキャップ62を被着する必要性が無くなる。さらに、連結部材70は、収容体の装着時に両方のバルブ18,58を開口して液体を注出ノズル10側から接続部材50側に流すように作動し、収容体を取り外した時に両方のバルブを閉塞するように構成されていれば、その形状、構成については適宜変形することが可能である。
【0030】
図7〜図9は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図7は、注出ノズルの構成を示す図、図8は、接続部材の構成を示す図、そして、図9は、両者を接続した状態(液体注出装置)を示す図である。なお、この実施形態において、前記実施形態と同様な部分については、同一の参照符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0031】
上記した実施形態の構成では、注出ノズル側のバルブ、及び接続部材側のバルブを開く手段として、いずれか一方に保持される連結部材を用いたが、このような連結部材を用いることなく各バルブを開くように構成することも可能である。
【0032】
この実施形態の注出ノズル10aは、筒部15の先端部に、流路14の中心に向けて突出するフランジ16が一体形成されており、フランジ16によって円形の開口16aが形成されている。このフランジ16の収容体側には、円形の開口16aを閉塞可能にするバルブ18が配設されており、バルブ18には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口16aを閉塞状態にするスプリング20の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0033】
この実施形態のバルブ18は、スプリング20によって付勢されている状態において、前記開口16aを閉塞すると共に、開口16aから突出する突出部18aを備えている。そして、この突出部18aの先端には、後述する接続部材のバルブと面接可能な当接部18bが形成されている。また、筒部15の外周には、軸方向に沿ってフランジ15a,15bが形成されており、その間にリング状のシール材80が止着、保持されて、後述する接続部材のキャップの収容部内周面に密着して、バルブ部分から液体が漏れないようにシールしている。
【0034】
また、この実施形態の接続部材50aの本体51には、前記注出ノズル10aと接続された際、注出ノズル10aの流路14と一致するように形成された流路54を有する筒部55が形成されている。筒部55の先端には、収容体側からの液体を流出させるための流通孔を有するプラグ82が形成されており、このプラグ82は、前記流路54内に延出して、後述するバルブ58を押圧するスプリング60の一端部がその基部周辺に当て付けられている。
【0035】
前記筒部55には、C方向からキャップ部材90が止着されるようになっている。このキャップ部材90の開口端部には、所定位置に、中心側に向けて突出する複数の係止突部90aが形成されており、キャップ部材90を筒部55に嵌め込だ際、各係止突部90aが筒部55の中間部外周に突出形成された外フランジ55eに係止されて、キャップ部材90は被着状態となる。また、キャップ部材90には、その外周壁90bと所定間隔おいて内周壁90cが形成されており、前記筒部55の外周に止着、保持されたリング状のシール材95が内周壁90cの内周面に密着して、キャップ部材から液体が漏れないようにシールしている。
【0036】
キャップ部材90の上面部には、流路54に一致すると共に、注出ノズル10aの開口16aと略同形状の開口90dが形成されており、ここに筒部55内に収容されるバルブ58がスプリング60によって当て付けられている。なお、バルブ58は、スプリング60によって付勢されている状態において、前記開口90dを閉塞すると共に、開口90dから突出する突出部58aを備えている。そして、この突出部58aの先端には、前記注出ノズル10aのバルブ18の当接部18bと面接可能な当接部58bが形成されている。また、キャップ部材90には、上記した注出ノズル10aの筒部15が収容されるように円筒状の収容部90eが形成されている。
【0037】
上記した構成の注出ノズル10aを接続部材50aに装着すると、図9に示すように、注出ノズル10aの筒部15がキャップ部材90の収容部90e内に挿入され、各バルブ18,58の先端の当接部18b,58bが互いに面接して、夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して相互に反発し、各バルブ18,58のシール状態を解除する。この状態で収容体100内に収容された液体は、吸引作用、或いは収容体に対する押圧作用によって、注出ノズルの筒部15の流路14、バルブ18,58を介して筒部55の流路54内に案内され、プラグ82を介して外部装置の所望の位置に流出される。
【0038】
液体の流出中は、注出ノズル10aのシール材80、及び接続部材50aのシール材95によってシールされているので、開口16a,90dから液体が外部に漏れるようなことはない。そして、収容体100を外部装置から取り外すと、各バルブ18,58は互いに離反することから、各スプリング20,60の付勢力によって流路14,54は閉塞され、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0039】
このような構成の液体注出装置によれば、上記した実施形態のように、連結部材を設ける必要がないため、構成が簡略化されてコストの低減が図れると共に、軸方向の寸法を短くすることが可能となる。また、連結部材を配設しないため、その分、液漏れ、液ダレを防止することが可能となる。
【0040】
なお、上記した実施形態では、各バルブの先端面同士を、互いに面接触させてバルブを開放するように構成していたが、両バルブが押圧できれば、面接触以外の構成であっても良い。
【0041】
以上、本発明に係る液体注出装置が適用される外部装置は、プリンタ以外にも液体を継続的に供給する各種の装置に適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、本発明の構成によれば、注出ノズルを有する収容体を外部装置の接続部材にセットして液体を注出するに際し、その注出量を多くすることが可能となり、また、注出ノズルや接続部材から液漏れや液ダレが生じることのない構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体注出装置の第1の実施形態を示した全体構成図。
【図2】注出ノズルの構成を示す図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】接続部材の構成を示す図。
【図5】図4をB方向から見た図、
【図6】液体注出装置の液体の注出状態を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図であり、注出ノズルの構成を示す図。
【図8】接続部材の構成を示す図。
【図9】両者を接続した状態(液体注出装置)を示す図。
【符号の説明】
1 液体注出装置
10,10a 注出ノズル
50,50a 接続部材
15,55 筒部
18,58 バルブ
20,60 スプリング
70 連結部材
70a 連結流路
100 収容体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、プリンタの印字ヘッドにインク(液体)を供給する際に用いられる液体注出装置、この液体注出装置を構成する注出ノズルを備えた注出ノズル付き収容体、及び前記液体注出装置を構成し、前記収容体の注出ノズルに接続される接続部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、プリンタ(外部装置)の印字ヘッドにインクを供給するにあたっては、プリンタの所定位置にインクを収容した収容体をセットし、ここから注出動作が行なわれている。通常、収容体には、様々な形状の注出ノズルが取着されており、この注出ノズルを介してインクが注出され、印字ヘッドに向けて供給される。
【0003】
一般的に、収容体からのインクの注出方式は、例えば、特許文献1の図3に示されているような構成となっている。すなわち、プリンタの所定位置に収容体をセットすると、プリンタ側に装着された接続部材が収容体の注出ノズルに差し込まれ、吸出し動作、或いは収容体に圧力を加えることでインクが注出される。
【0004】
この場合、収容体をプリンタから取り外す際、収容体の注出ノズルから液漏れが生じないようにするため、収容体の注出ノズルは封止構造を備えている。例えば、プリンタ側の接続部材が針のような形状を備えた構成であれば、注出ノズルには、針が差し込まれる弾性体(封止ゴム)が装着されており、収容体の取り外しに伴って針が抜けると、封止ゴムの押圧力により針孔が閉塞され、液漏れや液ダレが防止されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−192718号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公知技術の構成では、インクを注出してそれを受け取る側、すなわちプリンタ側の接続部材については、何等、液漏れや液ダレに関して考慮されていない。このため、収容体を取り外すと、取り外した部分の接続部材部分から液漏れや液ダレが発生してしまう。また、上記したように接続部材が針形状をなし、これを突き刺してインクを注出する構成では、その注出量が少なく、高速に多量のインクを消費するプリンタでは適さないという問題がある。
【0007】
この発明は、上記した問題に基づいて成されたものであり、注出ノズルを有する収容体を外部装置の接続部材にセットして液体を注出するにあたり、その注出量を多くすることを可能にすると共に、注出ノズルや接続部材から液漏れや液ダレが生じることのない液体注出装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記した液体注出装置を構成する注出ノズルを装着した注出ノズル付き収容体、及び上記した液体注出装置を構成する接続部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明に係る液体注出装置は、液体を収容した収容体に設けられる注出ノズルと、前記収容体が装着される部分に設けられ、前記注出ノズルと接続される接続部材とを有しており、前記注出ノズルの本体には、流路を有する第1の筒部と、この第1の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第1のバルブと、この第1のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第1の付勢体とが設けられており、前記接続部材の本体には、流路を有する第2の筒部と、この第2の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第2のバルブと、この第2のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第2の付勢体とが設けられており、前記2つのバルブ間には、連結流路を有し、前記注出ノズル、接続部材のいずれか一方に保持された連結部材が配設されており、前記注出ノズルと接続部材を接続した際、前記連結部材によって、第1の付勢体及び第2の付勢体の各付勢力に抗して各バルブの閉塞状態を解除し、前記注出ノズルと接続部材の接続を解除した際、前記各付勢体の付勢力によって、各バルブを閉塞位置に付勢することを特徴としている。
【0009】
上記した構成の液体注出装置によれば、収容体の注出ノズルを、外部装置に装着されている接続部材に接続すると、上記した連結部材が、各バルブを付勢体の付勢力に抗して押圧し、夫々の閉塞状態を解除する。このとき、収容体内に収容された液体は、注出ノズルの第1の筒部、第1のバルブを介して注出され、連結部材の連結流路を介して接続部材の第2のバルブに案内される。この第2のバルブは、連結部材によって開放された状態にあるため、液体は、接続部材を介してその接続部材が設けられている外部装置側に流れる。そして、収容体を外部装置から取り外すと、第1及び第2のバルブに対する連結部材の押込みが解除され、注出ノズルの流路、及び接続部材の流路は各バルブによって閉塞され、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0010】
また、本発明に係る注出ノズル付き収容体は、注出ノズルの本体に、収容体に取着される取着部と、流路が形成された筒部と、この筒部の流路に形成されたフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とが設けられており、前記付勢体のバルブと反対側の端部は、前記流路内に配設された固定部材に保持されており、この固定部材は、前記本体に差し込まれる差込部材によって収容体内部側に対して抜け止めされていることを特徴としている。
【0011】
このような構成では、流路内に対して、順に、フランジに当て付くバルブ、次にバルブを付勢する付勢体、次に付勢体を保持する固定部材が挿入され、この状態で外部から差込部材を差し込むことで、固定部材の抜け止めが成される。
【0012】
また、本発明に係る接続部材は、液体を収容し、この液体を注出する注出ノズルが設けられた注出ノズル付き収容体と接続され、前記収容体内の液体を流入させる構成において、前記接続部材の本体は、流路が形成された筒部と、この筒部の流路内に位置するフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とを有しており、前記バルブは、前記注出ノズルが接続された際、前記付勢体の付勢力に抗して開放され、前記注出ノズルとの接続を解除した際、前記付勢体の付勢力によって閉塞位置に付勢されることを特徴としている。
【0013】
このような構成では、収容体の注出ノズルが接続されると、バルブは付勢体の付勢力に抗して押圧されて閉塞状態が解除される。これにより収容体内に収容された液体が、その接続部材が設けられている外部装置側に流れることが可能になる。そして、収容体を外部装置から取り外すと、バルブに対する押込みが解除され、接続部材の流路はバルブによって閉塞されるので液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に沿って具体的に説明する。
図1〜図6は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、本発明に係る液体注出装置を示した全体構成図、図2は、注出ノズルの構成を示す図、図3は、図2のA−A線に沿った断面図、図4は、接続部材の構成を示す図、図5は、図4をB方向から見た図、そして、図6は、液体注出装置の液体の注出状態を示す図である。
【0015】
液体注出装置1は、インク等の液体が収容される収容体100に取着される注出ノズル10と、外部装置(例えばプリンタ)の所定位置に予め装着されている接続部材50の2つの要素によって構成されている。なお、これらの注出ノズル10及び接続部材50は、夫々合成樹脂によって一体的に型成型されている。
【0016】
液体が収容される収容体100は、例えば柔軟な合成樹脂シート101を2枚対向配置して周囲を熱溶着すると共に、注出ノズル10の本体11に形成された取着部13を挟持するように熱溶着することで形成される(図3参照)。なお、収容体については、このようなシート状の構成に限定されることはなく、注出ノズルに対する取着方法を含め、種々変形することが可能である。
【0017】
注出ノズル10の本体11には、液体が通過する流路14を有する筒部15が一体的に形成されている。この筒部15の中間部内周の所定位置には、流路の中心に向けて突出するフランジ16が一体形成されており、フランジ16によって円形の開口16aが形成されている。このフランジ16の収容体側には、円形の開口16aを閉塞可能にするバルブ18が配設されており、バルブ18には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口16aを閉塞状態にするスプリング(付勢体)20の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0018】
一方、スプリング20のバルブと反対側の端部は、流路14内に配設された固定部材21に保持されており、この固定部材21は、流路14に対して直交する方向に形成された2つの貫通孔23に夫々差し込まれる2本のピン(差込部材)25によって収容体内部側に対して抜け止め保持されている。これにより、実際の組み込み作業は、流路14内に対して、順に、フランジ16の開口16aに当て付くバルブ18、次にバルブ18を付勢するスプリング20、次にスプリング20を保持する固定部材21が挿入され、この状態で外部からピン25を差し込むことで、固定部材21は抜け止め保持される。
【0019】
通常、流路内のフランジにバルブを配設する構成では、フランジとスプリングを保持する保持部とを流路内の軸方向2箇所に形成することは、型成型する上で困難であり、かつ、このような構成でスプリングを配設するためには、構造が複雑化してしまうが、上記したように、スプリングの他端に当接する固定部材21を挿入して、この状態で外部からピン25を差し込むようにすることで、簡単にスプリングを保持する構造体が得られる。
【0020】
前記接続部材50は、プリンタ等の外部装置に、収容体とは関係なく予め装着されているものであり、外部装置の接続部材50が設けられている部分(例えばプリンタであればインクカセット)に対して、前記収容体100を装着することで、収容体内に収容された液体を取り出すようになっている。
【0021】
接続部材50の本体51には、前記注出ノズル10と接続された際、注出ノズルの流路14と一致するように形成された流路54を有する筒部55が形成されている。この筒部55の内周の所定位置には、流路の中心に向けて突出するフランジ56が一体形成されており、フランジ56によって円形の開口56aが形成されている。このフランジ56の注出ノズルと反対側には、円形の開口56aを閉塞可能にするバルブ58が配設されており、バルブ58には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口56aを閉塞状態にするスプリング(付勢体)60の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0022】
前記筒部55には、前記スプリング60の他端部を保持すると共に、収容体側からの液体を流出させるための流通孔を有するプラグ62aが形成された円筒状のキャップ62が被着されている。キャップ62の開口端部には、所定位置(図に示す構成では120°間隔で3箇所)に、中心側に向けて突出する係止突部62bが形成されており、キャップ62をB方向から筒部55に嵌め込むことで、各係止突部62bが筒部55の外周に突出形成された外フランジ55aに係止されて、キャップ62は被着状態となる。なお、前記プラグ62aは、スプリング60の中心位置で、前記流路54内に延出しており、前記スプリング60の他端部は、プラグ62aの基部周辺に当て付けられている。
【0023】
前記キャップ62には、外周壁62cと所定間隔おいて、内周壁62dが形成されている。前記筒部55の外周には、リング状のシール材66が止着、保持されており、内周壁62dの内周面に密着して、キャップから液体が漏れないようにシールしている。
【0024】
前記接続部材50の筒部55には、連結部材70が配設されている。この連結部材70は棒状に形成されており、軸方向に延出する貫通孔(連結流路)70aが形成されると共に、両端部に、周方向に沿って所定間隔おいて流路70bが夫々形成されている。
【0025】
連結部材70の一端側外周面には、軸方向に連続したフランジ70c,70dが形成されており、中央側のフランジ70cが、筒部55の開口端に内側に向けて突出形成された係止部55bに当て付くことで、連結部材70は、筒部55に対して抜け止め保持されている。前記各フランジ70c,70d間には、リング状のシール材72が止着、保持されており、筒部55の内周面に密着して、筒部開口から液体が漏れないようにシールしている。また、連結部材70の他端側外周には、軸方向に連続したフランジ70e,70fが形成されており、これらは図1及び図6に示すように、収容体100が注出ノズル10と共に外部装置の所定位置に装着される際に、注出ノズル10の筒部15の先端側の内部に挿入されるようになっている。前記各フランジ70e,70f間には、リング状のシール材74が止着、保持されており、筒部15の内周面に密着して、筒部開口から液体が漏れないようにシールしている。
【0026】
そして、前記連結部材70は、収容体100が外部装置の所定位置に装着された際に、各バルブ18,58を夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して押圧し、バルブによるシール状態を解除して、収容体100内の液体が注出ノズル10及び接続部材50を介して、外部装置の所定位置に流れる程度の長さに形成されている。
【0027】
すなわち、図6に示すように、収容体100の注出ノズル10が外部装置の接続部材50に接続されると、連結部材70がバルブ18,58を夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して押圧し、夫々の閉塞状態を解除する。この状態で収容体100内に収容された液体は、吸引作用、或いは収容体に対する押圧作用によって、注出ノズルの筒部15の流路14、バルブ18及び連結部材70の流路70bを介して貫通孔70a内に流入する。そして、貫通孔70a内に流入した液体は、反対側の流路70b、バルブ58を介して筒部55の流路54内に案内され、プラグ62aを介して外部装置の所望の位置に流出される。
【0028】
このとき、連結部材70と各筒体15,55との間は、シール材72,74によってシールされているため、流路70bから液体が漏れるようなことはない。そして、収容体100を外部装置から取り外すと、各バルブ18,58に対する連結部材70の押込みが解除され、注出ノズル10側の流路14、及び接続部材50の流路54は、各バルブ18,58によって閉塞されるため、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。すなわち、外部装置側に装着されている接続部材50からも液漏れや液ダレが生じることはない。また、上記したように、バルブを介して液体を注出する構成としたため、流出量を多くすることが可能となる。
【0029】
上記した実施形態における連結部材70は、注出ノズル側10に抜け止め、保持するように構成しても良い。ただし、上記した実施形態のように、連結部材70を接続部材50側に抜け止め、保持するようにしておくことで、連結部材70の廃棄ロスを抑えることができ、収容体の製造コストを低減することができる。また、注出ノズル10、及び接続部材50の形状については、適宜変形することが可能である。例えば、上記した実施形態では、接続部材50にキャップ62を被着し、このキャップに形成されたプラグ62aを介して液体を外部装置の必要部分に供給するように構成されていたが、そのようなプラグが形成されていなくても良く、また、注出ノズル側と同じように、差込部材によって抜け止めされた固定部材を介してスプリングを固定するような構成であっても良い。この場合、筒部55に対してキャップ62を被着する必要性が無くなる。さらに、連結部材70は、収容体の装着時に両方のバルブ18,58を開口して液体を注出ノズル10側から接続部材50側に流すように作動し、収容体を取り外した時に両方のバルブを閉塞するように構成されていれば、その形状、構成については適宜変形することが可能である。
【0030】
図7〜図9は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図7は、注出ノズルの構成を示す図、図8は、接続部材の構成を示す図、そして、図9は、両者を接続した状態(液体注出装置)を示す図である。なお、この実施形態において、前記実施形態と同様な部分については、同一の参照符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0031】
上記した実施形態の構成では、注出ノズル側のバルブ、及び接続部材側のバルブを開く手段として、いずれか一方に保持される連結部材を用いたが、このような連結部材を用いることなく各バルブを開くように構成することも可能である。
【0032】
この実施形態の注出ノズル10aは、筒部15の先端部に、流路14の中心に向けて突出するフランジ16が一体形成されており、フランジ16によって円形の開口16aが形成されている。このフランジ16の収容体側には、円形の開口16aを閉塞可能にするバルブ18が配設されており、バルブ18には、バルブを常時フランジに向けて付勢し、開口16aを閉塞状態にするスプリング20の一端側が固定されている(或いは当て付いている)。
【0033】
この実施形態のバルブ18は、スプリング20によって付勢されている状態において、前記開口16aを閉塞すると共に、開口16aから突出する突出部18aを備えている。そして、この突出部18aの先端には、後述する接続部材のバルブと面接可能な当接部18bが形成されている。また、筒部15の外周には、軸方向に沿ってフランジ15a,15bが形成されており、その間にリング状のシール材80が止着、保持されて、後述する接続部材のキャップの収容部内周面に密着して、バルブ部分から液体が漏れないようにシールしている。
【0034】
また、この実施形態の接続部材50aの本体51には、前記注出ノズル10aと接続された際、注出ノズル10aの流路14と一致するように形成された流路54を有する筒部55が形成されている。筒部55の先端には、収容体側からの液体を流出させるための流通孔を有するプラグ82が形成されており、このプラグ82は、前記流路54内に延出して、後述するバルブ58を押圧するスプリング60の一端部がその基部周辺に当て付けられている。
【0035】
前記筒部55には、C方向からキャップ部材90が止着されるようになっている。このキャップ部材90の開口端部には、所定位置に、中心側に向けて突出する複数の係止突部90aが形成されており、キャップ部材90を筒部55に嵌め込だ際、各係止突部90aが筒部55の中間部外周に突出形成された外フランジ55eに係止されて、キャップ部材90は被着状態となる。また、キャップ部材90には、その外周壁90bと所定間隔おいて内周壁90cが形成されており、前記筒部55の外周に止着、保持されたリング状のシール材95が内周壁90cの内周面に密着して、キャップ部材から液体が漏れないようにシールしている。
【0036】
キャップ部材90の上面部には、流路54に一致すると共に、注出ノズル10aの開口16aと略同形状の開口90dが形成されており、ここに筒部55内に収容されるバルブ58がスプリング60によって当て付けられている。なお、バルブ58は、スプリング60によって付勢されている状態において、前記開口90dを閉塞すると共に、開口90dから突出する突出部58aを備えている。そして、この突出部58aの先端には、前記注出ノズル10aのバルブ18の当接部18bと面接可能な当接部58bが形成されている。また、キャップ部材90には、上記した注出ノズル10aの筒部15が収容されるように円筒状の収容部90eが形成されている。
【0037】
上記した構成の注出ノズル10aを接続部材50aに装着すると、図9に示すように、注出ノズル10aの筒部15がキャップ部材90の収容部90e内に挿入され、各バルブ18,58の先端の当接部18b,58bが互いに面接して、夫々のスプリング20,60の付勢力に抗して相互に反発し、各バルブ18,58のシール状態を解除する。この状態で収容体100内に収容された液体は、吸引作用、或いは収容体に対する押圧作用によって、注出ノズルの筒部15の流路14、バルブ18,58を介して筒部55の流路54内に案内され、プラグ82を介して外部装置の所望の位置に流出される。
【0038】
液体の流出中は、注出ノズル10aのシール材80、及び接続部材50aのシール材95によってシールされているので、開口16a,90dから液体が外部に漏れるようなことはない。そして、収容体100を外部装置から取り外すと、各バルブ18,58は互いに離反することから、各スプリング20,60の付勢力によって流路14,54は閉塞され、液漏れ、液ダレが生じない状態となる。
【0039】
このような構成の液体注出装置によれば、上記した実施形態のように、連結部材を設ける必要がないため、構成が簡略化されてコストの低減が図れると共に、軸方向の寸法を短くすることが可能となる。また、連結部材を配設しないため、その分、液漏れ、液ダレを防止することが可能となる。
【0040】
なお、上記した実施形態では、各バルブの先端面同士を、互いに面接触させてバルブを開放するように構成していたが、両バルブが押圧できれば、面接触以外の構成であっても良い。
【0041】
以上、本発明に係る液体注出装置が適用される外部装置は、プリンタ以外にも液体を継続的に供給する各種の装置に適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、本発明の構成によれば、注出ノズルを有する収容体を外部装置の接続部材にセットして液体を注出するに際し、その注出量を多くすることが可能となり、また、注出ノズルや接続部材から液漏れや液ダレが生じることのない構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体注出装置の第1の実施形態を示した全体構成図。
【図2】注出ノズルの構成を示す図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】接続部材の構成を示す図。
【図5】図4をB方向から見た図、
【図6】液体注出装置の液体の注出状態を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図であり、注出ノズルの構成を示す図。
【図8】接続部材の構成を示す図。
【図9】両者を接続した状態(液体注出装置)を示す図。
【符号の説明】
1 液体注出装置
10,10a 注出ノズル
50,50a 接続部材
15,55 筒部
18,58 バルブ
20,60 スプリング
70 連結部材
70a 連結流路
100 収容体
Claims (11)
- 液体を収容した収容体に設けられる注出ノズルと、前記収容体が装着される部分に設けられ、前記注出ノズルと接続される接続部材とを有する液体注出装置において、
前記注出ノズルの本体には、流路を有する第1の筒部と、この第1の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第1のバルブと、この第1のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第1の付勢体とが設けられており、
前記接続部材の本体には、流路を有する第2の筒部と、この第2の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第2のバルブと、この第2のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第2の付勢体とが設けられており、
前記2つのバルブ間には、連結流路を有し、前記注出ノズル、接続部材のいずれか一方に保持された連結部材が配設されており、
前記注出ノズルと接続部材を接続した際、前記連結部材によって、第1の付勢体及び第2の付勢体の各付勢力に抗して各バルブの閉塞状態を解除し、前記注出ノズルと接続部材の接続を解除した際、前記各付勢体の付勢力によって、各バルブを閉塞位置に付勢することを特徴とする液体注出装置。 - 前記連結部材は、前記接続部材側の第2の筒部に抜け止め保持されていることを特徴とする請求項1に記載の液体流出装置。
- 前記連結流路は、前記連結部材を貫通する貫通孔として形成されており、
前記連結部材には、前記注出ノズルと接続部材を接続した際、前記第1の筒部及び第2の筒部に対してシールされるシール材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液体流出装置。 - 液体を収容し、この液体を注出する注出ノズルが設けられた注出ノズル付き収容体において、
前記注出ノズルの本体は、収容体に取着される取着部と、流路が形成された筒部と、この筒部の流路に形成されたフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とを有しており、
前記付勢体のバルブと反対側の端部は、前記流路内に配設された固定部材に保持されており、この固定部材は、前記本体に差し込まれる差込部材によって収容体内部側に対して抜け止めされていることを特徴とする注出ノズル付き収容体。 - 液体を収容し、この液体を注出する注出ノズルが設けられた注出ノズル付き収容体と接続され、前記収容体内の液体を流入させる接続部材において、
前記接続部材の本体は、流路が形成された筒部と、この筒部の流路内に位置するフランジに当て付けられることで流路を閉塞可能にするバルブと、このバルブをフランジに向けて付勢し流路を閉塞状態にする付勢体とを有しており、
前記バルブは、前記注出ノズルが接続された際、前記付勢体の付勢力に抗して開放され、前記注出ノズルとの接続を解除した際、前記付勢体の付勢力によって閉塞位置に付勢されることを特徴とする接続部材。 - 前記バルブは、前記注出ノズルと接続部材とを連結する連結流路を具備した連結部材によって前記付勢体の付勢力に抗して開放されることを特徴とする請求項5に記載の接続部材。
- 前記連結部材は、前記筒部に抜け止め保持されていることを特徴とする請求項6に記載の接続部材。
- 前記連結流路は、前記連結部材を貫通する貫通孔として形成されており、
前記連結部材には、前記筒部に対してシールされるシール材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の接続部材。 - 前記バルブは、前記注出ノズルが接続された際、前記注出ノズルに設けられた注出ノズル側バルブと当接することによって前記付勢体の付勢力に抗して開放されることを特徴とする請求項5に記載の接続部材。
- 液体を収容した収容体に設けられる注出ノズルと、前記収容体が装着される部分に設けられ、前記注出ノズルと接続される接続部材とを有する液体注出装置において、
前記注出ノズルの本体には、流路を有する第1の筒部と、この第1の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第1のバルブと、この第1のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第1の付勢体とが設けられており、
前記接続部材の本体には、流路を有する第2の筒部と、この第2の筒部内に配設され前記流路を閉塞可能にする第2のバルブと、この第2のバルブを閉塞位置に向けて付勢する第2の付勢体とが設けられており、
前記第1のバルブと第2のバルブは、前記注出ノズルと接続部材を接続した際、前記第1の付勢体及び第2の付勢体の各付勢力に抗して各バルブの閉塞状態を解除するように移動し、前記注出ノズルと接続部材の接続を解除した際、前記各付勢体の付勢力によって各バルブは閉塞状態に移動することを特徴とする液体注出装置。 - 前記第1のバルブと第2のバルブは、前記注出ノズルと接続部材を接続した際、互いに当接して相手方のバルブを押圧する当接部を夫々備えていることを特徴とする請求項10に記載の液体注出装置。
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2003
- 2003-02-24 JP JP2003045954A patent/JP2004255602A/ja active Pending
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JP2016083832A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット記録装置 |
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