JPH0240498B2 - - Google Patents
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- JPH0240498B2 JPH0240498B2 JP56097434A JP9743481A JPH0240498B2 JP H0240498 B2 JPH0240498 B2 JP H0240498B2 JP 56097434 A JP56097434 A JP 56097434A JP 9743481 A JP9743481 A JP 9743481A JP H0240498 B2 JPH0240498 B2 JP H0240498B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/30—Extrusion nozzles or dies
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/03—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
- B29C48/09—Articles with cross-sections having partially or fully enclosed cavities, e.g. pipes or channels
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
本発明は、結晶性樹脂の、吹込成形において、
中空成形品の表面状態(平滑性)が極めて優れ、
表面光沢が著しく向上した成形品を製造する方法
に関する。 一般に、結晶性樹脂の吹込成形によつて得られ
た中空成形品は、その表面にメルトフラクチヤー
やダイラインおよびあばた模様等が存在していて
美観という観点からは極めて商品価値の低いもの
であつた。近年、これを改善するために、成形品
表面に光沢を賦与する技術が種々開発され、中空
成形品の商品価値を向上させるのに一応の効果を
発揮した。 本発明の目的は、吹込成形による結晶性樹脂製
中空成形品の表面状態および表面光沢を従来技術
では達成できない程度に著しく向上させるための
ものである。 中空成形品の表面光沢を賦与するために、現在
までに開発された主な技術は、艷のある樹脂を外
層にした多層成形、金型面に断熱層をもうけるた
めに樹脂コートした金型を使用する方法、溶融パ
リソンの表面をガス炎で加熱した後成形する方法
および金型を結晶化温度以上に加熱し、金型面を
鏡面仕上げして成形する方法等がある。 しかるに、艷のある樹脂を外層にした多層成形
では、使用する樹脂に制限をうけたり、装置、技
術が複雑化、高度化して実用的でない。金型面に
樹脂コートする方法は、複雑なデザインがとれず
コート材の寿命が短かい欠点もつ。溶融パリソン
をガス炎で加熱する方法は、光沢を賦与するため
の簡便な方法であるが、成形品表面のメルトフラ
クチヤーやダイラインを消し去ることができず、
外観を向上させたものとは云えない。表面状態お
よび表面光沢を向上させる最も有効な方法は金型
を結晶化温度以上に加熱して、鏡面仕上げした金
型を使用して吹込成形する方法である。しかし同
方法によつて、著しい表面光沢をもつた成形品を
得ようとした場合、金型面の仕上げをより高度な
ものにする必要がある。すなわち、少なくとも
0.5S(面粗さの程度を表わし、JISB0601に規定さ
れている。すなわち、表面凹凸の最大値をμで表
わし、これをSで標示する。例えば0.5Sでは0.5μ
以下を表わす。)以下の鏡面に仕上げなければ高
光沢をもつた成形品表面は得られない。 このような微細な表面凹凸の極めて少ない金型
では、溶融パリソンが、金型面に圧着したとき、
部分的に金型面と溶融パリソンの間に空気を抱き
込みやすくなり、この状態で成形が完了すると、
同部分は非常に汚ないあばた模様となる。こうい
つた現象を避けるために、通常0.2〜0.5mmφ程度
の空気抜穴を金型に設け、抱き込んだ空気を抜く
工夫がなされる。しかし、表面光沢を著しく向上
させる目的で、金型面を0.5S以下の鏡面に仕上げ
ると空気抜穴の径や本数を大巾に増す必要が出て
くる。又金型デザインによつては、空気抜穴を十
分に設けても抱き込んだ空気を脱気できない場合
もある。今仮りに抱き込み空気を脱気できたとし
ても、これら金型面の空気抜穴は成形品表面に忠
実に転写され、凸状の突起物として残る。 成形品表面の美観をセールスポイントにするた
めに高光沢を目指した商品にあつては、このよう
な空気抜穴の突起物が、成形品表面に存在するこ
とは、大巾に商品価値を下げるもので、可能な限
り少なくする必要がある。 又、細い空気抜穴を金型面から金型を貫通し
て、外部に向けて数多く穿つことは、金型製作上
非常に困難をともなう。 本発明の目的は、結晶性樹脂の吹込成形におい
て、中空成形品の表面外観を大巾に向上させるた
めに、表面状態(平滑性)が極めて優れ、表面光
沢が著しく高い成形品を製造する方法を提供する
ものである。これらの目的を達成するために、本
発明は、金型に加熱、冷却できる装置をそなえ、
かつ、金型面を0.5以下の鏡面に仕上げ金型温度
を使用する樹脂の結晶化温度以上に加熱しておき
2〜100μの微細な凹凸をもつた溶融パリソンを
吹込み空気圧により、金型面に押しつけ、溶融状
態で金型面に完全密着させる。しかる後、金型温
度を結晶化温度以下に低下させ成形品を固化させ
て取り出すことからなる方法である。 本発明における特徴は、前記の条件にある加熱
金型に吹込成形する際、表面に深さ2〜100μの
微細な凹凸を多数形成された、例えばメルトフラ
クチヤー状の肌荒れを表面に形成させた溶融パリ
ソンを使用する点にある。これにより、0.5S以下
の鏡面仕上げの金型で吹込成形したときでも、溶
融パリソンと金型の間の空気を脱気しやすく、金
型に設ける空気抜穴は、径、本数において最小に
でき、場合によつては空気抜穴を必要としないこ
ともある。 又、成形直前の金型は、結晶化温度以上に加熱
してあるためパリソンは溶融状態を保つている。
このため、表面の荒れたパリソンでも、金型面に
完全密着して、金型面を忠実に転写することにな
り極めて優れた表面状態(平滑性)をもつた成形
品が得られる。 以上の如く、本発明方法によれば、表面状態が
極めて優れ、表面光沢度が著しく高いにもかゝわ
らず、空気抜穴の跡が極めて少ないか又は全くな
い成形品が得られる。 次に本発明の具体的な方法について述べる。 本発明で使用する結晶性樹脂とは、高〜低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイン樹
脂が主体であり、ポリアミド、ポリアセタール等
の結晶性樹脂にも適応できる。次ぎに、パリソン
表面の微細な凹凸であるが、これの測定方法は、
溶融パリソンを、常温水中に投じ、固化させて
後、その表面をサーフコムを使用した連続指示型
表面あらさ測定器にて測定した。なお、表面凹凸
の深さとは、山と谷の各頂点の距離をいう。パリ
ソン表面に微細な凹凸を形成させるには、押出時
にメルトフラクチヤーを発生させることで達成で
きる。すなわち、溶融時の流動性が小さい樹脂を
もちいたり、樹脂温度を低くして押出したり、メ
ルトフラクチヤーの出やすいダイ、例えば樹脂圧
力の掛りやすいダイを使用すればよい。通常の成
形条件および通常のダイを用いて成形加工する場
合、使用する樹脂は、分子量が大きく、分子量分
布の狭いものがよい。 このようにして溶融パリソンの表面に深さ2〜
100μの微細な凹凸を多数つけるが、その状態は
出来るだけ細かく、凹凸は粗い方が好ましい。し
かしあまり凹凸が大きいと、表面平滑性には問題
ないが、パリソン同志のオーバーラツプした模様
が成形品表面に残り好ましくないケースもある。
したがつてパリソン表面の凹凸としては10〜50μ
の範囲が望ましい。 金型の加熱、冷却については、加熱温度は、用
いる樹脂の結晶化温度以上とし、成形品表面の光
沢度を著しく向上させるためには、結晶化温度よ
りも10〜30℃高目に設定することが望ましい。な
お、結晶化温度はDSC(示動熱量計)により測定
したもので、16℃/minの降温速度で冷却したと
きの発熱ピークを結晶化温度とした。 次に、金型の加熱、冷却方法について述べる。 成形品表面の光沢を著しく向上させる目的から
金型の加熱、冷却は昇降温速度が速く、かつでき
るだけ温度ムラのないことが必要である。すなわ
ち金型温度が高目で急冷するほど光沢が出やす
く、高光沢ほど温度ムラによる光沢ムラが出やす
いためである。本発明の加熱・冷却方法はスチー
ム、水系の加熱・冷却方法で、かつ、金型内の加
熱、冷却配管を1路(ジヤケツトも含む)で共用
させた金型を用いることが推奨できる。 金型面の仕上げは、成形品の表面光沢に最も大
きな影響をもち、鏡面仕上げ度の高いほど光沢が
出やすい。通常の光沢度では0.6〜0.8S程度で良
好な光沢が得れるが、本発明では著しい光沢度を
得るために0.5S以下の鏡面が必要である。 本発明により得られた成形品は、表面状態が極
めて平滑で、表面光沢が著しく優れたものとなり
非常に美しい外観を呈する。さらに、光沢成形品
につきものの空気抜穴が少ないため、より一層商
品価値を高めている。 空気抜穴が少ないことは、金型製作上も非常に
有利である。すなわち、空気抜穴は0.2〜0.5mmφ
程度の細管を金型面から縦横に外部に向けて貫通
させるため、高度な技術を要し、金型構造、成形
品デザインによつては、空気抜穴を満足に配置す
ることは困難である。したがつて、空気抜穴が少
なくてよいことは、金型製作技術、コストの点で
大きなメリツトである。 一般にメルトフラクチヤーをもつ溶融パリソン
は成形品外観をそこねるものとして、避けられて
いたが、本発明方法では、逆にこのメルトフラク
チヤーを積極的に利用して美しい表面外観をもつ
成形品を得るのみならず、金型製作上の困難さを
排除したことは大きな意味をもつ。 実施例と比較例 高密度ポリエチレン(旭化成 商品名:サンテ
ツクB880MI0.02g/10分、密度0.954g/cm3、結
晶化温度108℃)を原料として吹込成形するに際
し、金型面を0.2Sの鏡面仕上げとし、各コーナー
部に0.5mmφの空気抜穴を1点づつもうけた。更
に、スチーム、水の配管をほどこして、金型を加
熱、冷却できるようにした。 次いで、50mmφ押出機にて溶融パリソンを押出
したところ、樹脂温度190℃で表面に15μ以上の
微細な凹凸をもつたパリソンが得られることを確
認した。あらかじめ蒸気圧5Kg/cm2のスチームに
て135℃に昇温した該金型で、この15μ以上の凹
凸をもつた溶融パリソンを挾み、吹込圧力6Kg/
cm2にて溶融パリソンを金型面に完全密着させた。
数秒後、スチームを停止し、直ちに10℃の冷却水
を通水した。金型温度が50℃以下であることを確
認して金型を開き成形品を取り出した。 比較例として一般の吹込成形用高密度ポリエチ
レン(MI0.4g/10分、密度0.963g/cm3、結晶化
温度109℃)を原料として、同上装置にて成形を
行つた。このとき押出温度が190℃のときパリソ
ン表面は2μ以下の微細な凹凸をもつていること
を確認し、このパリソンにて、金型温度を115℃
に加熱して、実施例と同様に成形品を作つた。そ
の結果を第1表に示す。
中空成形品の表面状態(平滑性)が極めて優れ、
表面光沢が著しく向上した成形品を製造する方法
に関する。 一般に、結晶性樹脂の吹込成形によつて得られ
た中空成形品は、その表面にメルトフラクチヤー
やダイラインおよびあばた模様等が存在していて
美観という観点からは極めて商品価値の低いもの
であつた。近年、これを改善するために、成形品
表面に光沢を賦与する技術が種々開発され、中空
成形品の商品価値を向上させるのに一応の効果を
発揮した。 本発明の目的は、吹込成形による結晶性樹脂製
中空成形品の表面状態および表面光沢を従来技術
では達成できない程度に著しく向上させるための
ものである。 中空成形品の表面光沢を賦与するために、現在
までに開発された主な技術は、艷のある樹脂を外
層にした多層成形、金型面に断熱層をもうけるた
めに樹脂コートした金型を使用する方法、溶融パ
リソンの表面をガス炎で加熱した後成形する方法
および金型を結晶化温度以上に加熱し、金型面を
鏡面仕上げして成形する方法等がある。 しかるに、艷のある樹脂を外層にした多層成形
では、使用する樹脂に制限をうけたり、装置、技
術が複雑化、高度化して実用的でない。金型面に
樹脂コートする方法は、複雑なデザインがとれず
コート材の寿命が短かい欠点もつ。溶融パリソン
をガス炎で加熱する方法は、光沢を賦与するため
の簡便な方法であるが、成形品表面のメルトフラ
クチヤーやダイラインを消し去ることができず、
外観を向上させたものとは云えない。表面状態お
よび表面光沢を向上させる最も有効な方法は金型
を結晶化温度以上に加熱して、鏡面仕上げした金
型を使用して吹込成形する方法である。しかし同
方法によつて、著しい表面光沢をもつた成形品を
得ようとした場合、金型面の仕上げをより高度な
ものにする必要がある。すなわち、少なくとも
0.5S(面粗さの程度を表わし、JISB0601に規定さ
れている。すなわち、表面凹凸の最大値をμで表
わし、これをSで標示する。例えば0.5Sでは0.5μ
以下を表わす。)以下の鏡面に仕上げなければ高
光沢をもつた成形品表面は得られない。 このような微細な表面凹凸の極めて少ない金型
では、溶融パリソンが、金型面に圧着したとき、
部分的に金型面と溶融パリソンの間に空気を抱き
込みやすくなり、この状態で成形が完了すると、
同部分は非常に汚ないあばた模様となる。こうい
つた現象を避けるために、通常0.2〜0.5mmφ程度
の空気抜穴を金型に設け、抱き込んだ空気を抜く
工夫がなされる。しかし、表面光沢を著しく向上
させる目的で、金型面を0.5S以下の鏡面に仕上げ
ると空気抜穴の径や本数を大巾に増す必要が出て
くる。又金型デザインによつては、空気抜穴を十
分に設けても抱き込んだ空気を脱気できない場合
もある。今仮りに抱き込み空気を脱気できたとし
ても、これら金型面の空気抜穴は成形品表面に忠
実に転写され、凸状の突起物として残る。 成形品表面の美観をセールスポイントにするた
めに高光沢を目指した商品にあつては、このよう
な空気抜穴の突起物が、成形品表面に存在するこ
とは、大巾に商品価値を下げるもので、可能な限
り少なくする必要がある。 又、細い空気抜穴を金型面から金型を貫通し
て、外部に向けて数多く穿つことは、金型製作上
非常に困難をともなう。 本発明の目的は、結晶性樹脂の吹込成形におい
て、中空成形品の表面外観を大巾に向上させるた
めに、表面状態(平滑性)が極めて優れ、表面光
沢が著しく高い成形品を製造する方法を提供する
ものである。これらの目的を達成するために、本
発明は、金型に加熱、冷却できる装置をそなえ、
かつ、金型面を0.5以下の鏡面に仕上げ金型温度
を使用する樹脂の結晶化温度以上に加熱しておき
2〜100μの微細な凹凸をもつた溶融パリソンを
吹込み空気圧により、金型面に押しつけ、溶融状
態で金型面に完全密着させる。しかる後、金型温
度を結晶化温度以下に低下させ成形品を固化させ
て取り出すことからなる方法である。 本発明における特徴は、前記の条件にある加熱
金型に吹込成形する際、表面に深さ2〜100μの
微細な凹凸を多数形成された、例えばメルトフラ
クチヤー状の肌荒れを表面に形成させた溶融パリ
ソンを使用する点にある。これにより、0.5S以下
の鏡面仕上げの金型で吹込成形したときでも、溶
融パリソンと金型の間の空気を脱気しやすく、金
型に設ける空気抜穴は、径、本数において最小に
でき、場合によつては空気抜穴を必要としないこ
ともある。 又、成形直前の金型は、結晶化温度以上に加熱
してあるためパリソンは溶融状態を保つている。
このため、表面の荒れたパリソンでも、金型面に
完全密着して、金型面を忠実に転写することにな
り極めて優れた表面状態(平滑性)をもつた成形
品が得られる。 以上の如く、本発明方法によれば、表面状態が
極めて優れ、表面光沢度が著しく高いにもかゝわ
らず、空気抜穴の跡が極めて少ないか又は全くな
い成形品が得られる。 次に本発明の具体的な方法について述べる。 本発明で使用する結晶性樹脂とは、高〜低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイン樹
脂が主体であり、ポリアミド、ポリアセタール等
の結晶性樹脂にも適応できる。次ぎに、パリソン
表面の微細な凹凸であるが、これの測定方法は、
溶融パリソンを、常温水中に投じ、固化させて
後、その表面をサーフコムを使用した連続指示型
表面あらさ測定器にて測定した。なお、表面凹凸
の深さとは、山と谷の各頂点の距離をいう。パリ
ソン表面に微細な凹凸を形成させるには、押出時
にメルトフラクチヤーを発生させることで達成で
きる。すなわち、溶融時の流動性が小さい樹脂を
もちいたり、樹脂温度を低くして押出したり、メ
ルトフラクチヤーの出やすいダイ、例えば樹脂圧
力の掛りやすいダイを使用すればよい。通常の成
形条件および通常のダイを用いて成形加工する場
合、使用する樹脂は、分子量が大きく、分子量分
布の狭いものがよい。 このようにして溶融パリソンの表面に深さ2〜
100μの微細な凹凸を多数つけるが、その状態は
出来るだけ細かく、凹凸は粗い方が好ましい。し
かしあまり凹凸が大きいと、表面平滑性には問題
ないが、パリソン同志のオーバーラツプした模様
が成形品表面に残り好ましくないケースもある。
したがつてパリソン表面の凹凸としては10〜50μ
の範囲が望ましい。 金型の加熱、冷却については、加熱温度は、用
いる樹脂の結晶化温度以上とし、成形品表面の光
沢度を著しく向上させるためには、結晶化温度よ
りも10〜30℃高目に設定することが望ましい。な
お、結晶化温度はDSC(示動熱量計)により測定
したもので、16℃/minの降温速度で冷却したと
きの発熱ピークを結晶化温度とした。 次に、金型の加熱、冷却方法について述べる。 成形品表面の光沢を著しく向上させる目的から
金型の加熱、冷却は昇降温速度が速く、かつでき
るだけ温度ムラのないことが必要である。すなわ
ち金型温度が高目で急冷するほど光沢が出やす
く、高光沢ほど温度ムラによる光沢ムラが出やす
いためである。本発明の加熱・冷却方法はスチー
ム、水系の加熱・冷却方法で、かつ、金型内の加
熱、冷却配管を1路(ジヤケツトも含む)で共用
させた金型を用いることが推奨できる。 金型面の仕上げは、成形品の表面光沢に最も大
きな影響をもち、鏡面仕上げ度の高いほど光沢が
出やすい。通常の光沢度では0.6〜0.8S程度で良
好な光沢が得れるが、本発明では著しい光沢度を
得るために0.5S以下の鏡面が必要である。 本発明により得られた成形品は、表面状態が極
めて平滑で、表面光沢が著しく優れたものとなり
非常に美しい外観を呈する。さらに、光沢成形品
につきものの空気抜穴が少ないため、より一層商
品価値を高めている。 空気抜穴が少ないことは、金型製作上も非常に
有利である。すなわち、空気抜穴は0.2〜0.5mmφ
程度の細管を金型面から縦横に外部に向けて貫通
させるため、高度な技術を要し、金型構造、成形
品デザインによつては、空気抜穴を満足に配置す
ることは困難である。したがつて、空気抜穴が少
なくてよいことは、金型製作技術、コストの点で
大きなメリツトである。 一般にメルトフラクチヤーをもつ溶融パリソン
は成形品外観をそこねるものとして、避けられて
いたが、本発明方法では、逆にこのメルトフラク
チヤーを積極的に利用して美しい表面外観をもつ
成形品を得るのみならず、金型製作上の困難さを
排除したことは大きな意味をもつ。 実施例と比較例 高密度ポリエチレン(旭化成 商品名:サンテ
ツクB880MI0.02g/10分、密度0.954g/cm3、結
晶化温度108℃)を原料として吹込成形するに際
し、金型面を0.2Sの鏡面仕上げとし、各コーナー
部に0.5mmφの空気抜穴を1点づつもうけた。更
に、スチーム、水の配管をほどこして、金型を加
熱、冷却できるようにした。 次いで、50mmφ押出機にて溶融パリソンを押出
したところ、樹脂温度190℃で表面に15μ以上の
微細な凹凸をもつたパリソンが得られることを確
認した。あらかじめ蒸気圧5Kg/cm2のスチームに
て135℃に昇温した該金型で、この15μ以上の凹
凸をもつた溶融パリソンを挾み、吹込圧力6Kg/
cm2にて溶融パリソンを金型面に完全密着させた。
数秒後、スチームを停止し、直ちに10℃の冷却水
を通水した。金型温度が50℃以下であることを確
認して金型を開き成形品を取り出した。 比較例として一般の吹込成形用高密度ポリエチ
レン(MI0.4g/10分、密度0.963g/cm3、結晶化
温度109℃)を原料として、同上装置にて成形を
行つた。このとき押出温度が190℃のときパリソ
ン表面は2μ以下の微細な凹凸をもつていること
を確認し、このパリソンにて、金型温度を115℃
に加熱して、実施例と同様に成形品を作つた。そ
の結果を第1表に示す。
【表】
本発明方法による中空成形品は、成形品の表面
光沢度が著しく高く、メルトフラクチヤーやダイ
ラインおよびあばた模様のない美しい外観を呈す
るのに対し比較例では、空気抜穴付近が艷消し状
態となり、明らかに脱気不足の現象を呈してい
た。他の部分はかなりの光沢度をもち、表面平滑
性も良好であるが、部分的に非光沢がムラとなつ
て残つており、商品とはなり難い。この場合恐ら
く3倍以上の空気抜穴を必要とすると推定され
た。
光沢度が著しく高く、メルトフラクチヤーやダイ
ラインおよびあばた模様のない美しい外観を呈す
るのに対し比較例では、空気抜穴付近が艷消し状
態となり、明らかに脱気不足の現象を呈してい
た。他の部分はかなりの光沢度をもち、表面平滑
性も良好であるが、部分的に非光沢がムラとなつ
て残つており、商品とはなり難い。この場合恐ら
く3倍以上の空気抜穴を必要とすると推定され
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 結晶性樹脂からなり、表面に深さ2〜100μ
の多数の微細な凹凸を形成させた溶融パリソン
を、加熱・冷却機構をもち、且つ溶融パリソンと
接する金型面が粗面度0.5S以下の鏡面に仕上げさ
れ、且つ又、樹脂の結晶化温度以上に加熱された
金型に挾み、吹込成形して型内面に密着させた
後、金型温度を結晶化温度以下に下げることを特
徴とする表面外観の優れた中空成形品の製造方
法。 2 金型加熱温度が適用する樹脂の結晶化温度よ
り10〜30℃高い温度である特許請求の範囲第1項
記載の中空成形品の製造方法。 3 溶融パリソンが、表面に深さ10〜50μの多数
の微細な凹凸をもつ特許請求の範囲第1項記載の
中空成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56097434A JPS57212031A (en) | 1981-06-25 | 1981-06-25 | Production of holow molded article excellent in surface appearance |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56097434A JPS57212031A (en) | 1981-06-25 | 1981-06-25 | Production of holow molded article excellent in surface appearance |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57212031A JPS57212031A (en) | 1982-12-27 |
JPH0240498B2 true JPH0240498B2 (ja) | 1990-09-12 |
Family
ID=14192265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56097434A Granted JPS57212031A (en) | 1981-06-25 | 1981-06-25 | Production of holow molded article excellent in surface appearance |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57212031A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5838126A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-05 | Showa Denko Kk | ポリオレフインの押出中空成形品およびその成形方法 |
DE4123933A1 (de) * | 1991-07-19 | 1993-01-21 | Krupp Corpoplast Masch | Vorformling, verfahren zur herstellung des vorformlings sowie verfahren zur beheizung des vorformlings |
JP3794138B2 (ja) * | 1997-11-20 | 2006-07-05 | Jsr株式会社 | 多層ブロー成形品の製造方法 |
JP2001088200A (ja) | 1999-09-21 | 2001-04-03 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 中空成形品の成形方法 |
KR101689047B1 (ko) | 2009-08-04 | 2016-12-22 | 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 | 용기의 제조 방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5026864A (ja) * | 1973-07-10 | 1975-03-19 | ||
JPS5411171A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-27 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | Method of producing hollow moldings having embossment like pattern |
JPS55100130A (en) * | 1979-01-26 | 1980-07-30 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | Manufacture of frosted glass-like synthetic resin bottle |
-
1981
- 1981-06-25 JP JP56097434A patent/JPS57212031A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5026864A (ja) * | 1973-07-10 | 1975-03-19 | ||
JPS5411171A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-27 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | Method of producing hollow moldings having embossment like pattern |
JPS55100130A (en) * | 1979-01-26 | 1980-07-30 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | Manufacture of frosted glass-like synthetic resin bottle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57212031A (en) | 1982-12-27 |
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