JPH0240134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は大洗浄の際に排水させる量よりも少な
い一定量の洗浄水を小洗浄において排出させるこ
とのできる水洗用水タンクの排水弁装置、特にそ
の節水筒に関する。

この種の排水弁装置は、第１図に示すように、
周囲に通孔を有する支持筒２と弁座３とを備えか
つ水タンクの底４に固定される出口管５と、支持
筒２の上端に連結され、円筒内壁６と円筒外壁７
および小孔８付の底壁９で浮子室１０を構成する
内筒１１と、この内筒１１の円筒外壁７を囲んで
下端が出口管５に固定されかつ側方流入口１２を
有しこれを開閉する錘１３付のフラツプ弁１４を
回動自在に取付けた節水筒１５と、内筒１１の円
筒内壁６を貫ぬいて延び、下端に出口管５の弁座
３と協働する弁板１６を備えた操作管１７と、操
作管１７に固定されたストツパ１８と、浮子室１
０の中に配置された浮子１９とからなり、操作管
１７およびフラツプ弁１４は夫々玉鎖２０，２１
を介してタンクのハンドル装置に連結され、ハン
ドル装置の操作で大洗浄のときは操作管１７だけ
を、又小洗浄のときは操作管１７とフラツプ弁１
４の両方を作動するようになつている。水タンク
の満水時にはその水位は操作管１７の上端から幾
分下の位置にあり、従つて排水弁装置は全体が水
没することになる。大洗浄に当つて、ハンドドル
装置の操作で操作管１７を引き上げると、弁板１
６がその弁座３から離れて開弁し、浮子１９は操
作管１７に固定されているストツパ１８の上方へ
の移動に追従し浮子室１０内の水中を浮上して弁
板１６を開位置に保つ。弁板１６の開放によりタ
ンク内の水は、その水位が節水筒１５の流入口１
２の下縁に達するまで、内筒１１の円筒外壁７と
節水筒１５との間の流路および節水筒１５の流入
口１２を通つて出口管５へ多量に排出される。一
方タンク内の水位が内筒１１の上縁に達した後の
浮子室１０内の水位は、内筒１１の底壁９にある
小孔８により水の流出が制限されているために、
ゆつくりと下がり、これに伴つてゆつくりと下降
する浮子１９はストツパ１８を介して操作管１７
の下降を制御し、従つて弁板１６がゆつくりと弁
座３に近ずいてついにはこれを閉じる。水タンク
がボールタツプ（図示せず）により再び給水され
ると先に述べた水位を回復する。小洗浄は、ハン
ドル操作で操作管１７を引き上げて弁板１６をそ
の弁座３から離して開弁し、同時にフラツプ弁１
４を上方に回動させて節水筒１５の流入口１２を
閉じることによつて行なわれる。弁板１６の開弁
により、タンク内の水はその水位が節水筒１５の
上縁に達するまで内筒１１の円筒外壁７と節水筒
１５との間の流路を通つて出口管５へ排出され、
その際、フラツプ弁１４は流路内を通る水流によ
り節水筒の内側と外側との間に生ずる圧力差によ
つて節水筒１５の流入口１２に圧接されて閉弁状
態に維持される。タンク内の水位が節水筒１５の
上縁に達した後節水筒１５内の水が流出すると今
度は、節水筒１５の囲りの水の水圧でフラツプ弁
１４は流入口１２に圧接されて開弁状態に維持さ
れる。尚弁板の閉弁動作は、先に大洗浄の際に述
べたのと同じである。タンクへの給水で排水弁装
置が水没すると、節水筒１５の内側と外側との水
圧が等しくなるため、フラツプ弁１４はその錘１
３の作用で下開きして節水筒１５の流入口１２を
開く。

以上の説明でわかるように、小洗浄の際にはタ
ンク内の洗浄水はその水位が節水筒の上縁に達す
るまでしか排出されないから、水タンクからの洗
浄水の排水量は節水筒の高さで決定される。この
排水量が便器を洗浄するのに十分であれば問題な
いが、もし不十分であれば、高さの異なる節水筒
を付けなおさなければならないし或は予めそのよ
うな節水筒を選定しておかなければならない。

本考案は上述のような欠点と選定に伴う煩わし
さを排除し、洗浄水の希望の排水量に見合つた高
さに簡単に修正しうる節水筒を提供することであ
る。この目的は、節水筒の上部外周に数条の周囲
溝を形成してその部分を薄肉にすることによつて
達成される。周囲溝の部分は薄肉になつているか
らここにカツタナイフ等の刃物を当てて周囲溝に
沿つて移動させれば、節水筒の上部を溝の位置に
応じた所定長さに極めて簡単かつ適確に切り離す
ことができる。従つて希望高さの節水筒を得るこ
とができる。

今添付図面を参照して本考案による節水筒の一
例を説明すると、節水筒１５は第１図におけると
同様に、側部に横長の側方流入口１２を有し、こ
れを下から開閉する錘１３付のフラツプ弁１４が
節水筒の側部の軸受部２２に枢軸２３で回動自在
に取付けられている。節水筒１５の上部外周には
数条の周囲溝２４（本例では二条）が上から等間
隔に形成され、従つて、周囲溝２４の部分は切断
を容易にするよう薄肉部２５を構成する。節水筒
１５の上縁とこれに隣接する周囲溝２４との間お
よび周囲溝２４間の距離は増すべき排水量にもと
ずいて予め決定される。例えば、節水筒１５の上
縁に隣接する周囲溝２４の薄肉部２５にカツタナ
イフを当てて周囲溝２４に沿つてこれを移動させ
れば、この周囲溝２４から上の部分が切り離さ
れ、その分節水筒１５の高さは低くなる。而して
周囲溝２４は切り離すべき部分の目印になるとと
もに、その部分が薄肉になつているからカツタナ
イフで簡単に切断することができるとともに、切
り口が切断中周囲溝２４で規正されるため大変平
滑になる。

節水筒の高さを修正するためのこの切断は節水
筒を排水弁装置に組み込む前に或は組み込んだ後
でも容易に行なえる特徴がある。而して本考案に
よれば、節水筒の上部を適宜周囲溝から切り離す
ことにより、小洗浄に要する水の排出量をその分
増加させることができ、施工上大変都合が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は水洗用水タンクの排水弁装置の断面
図、第２図は本考案による節水筒の斜視図であ
る。 １５……節水筒、２４……周囲溝、２５……薄
肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周囲に通孔を有する支持筒と弁座とを備えかつ
   水タンクの底に固定される出口管と、支持筒の上
   端に連結され、円筒内壁と円筒外壁及び小孔付の
   底壁で浮子室を構成する内筒と、この内筒の円筒
   外壁を囲んで下端が出口管に固定されかつ側方流
   入口を有し、これを開閉する錘付のフラツプ弁を
   回動自在に取付けた節水筒と、内筒の円筒内壁を
   貫いて延び、下端に出口管の弁座と協働する弁板
   を備えた操作管と、操作管に固定されたストツパ
   と、浮子室の中に配置された浮子とからなり、操
   作管及びフラツプ弁は夫々玉鎖を介してタンクの
   ハンドル装置に連結され、ハンドル装置の操作で
   大洗浄のときは操作管だけを、又小洗浄のときは
   操作管とフラツプ弁の両方を作動するようになつ
   ている、水洗用水タンクの排水弁装置において、
   前記節水筒の上部外周に数条の周囲溝を形成して
   その部分を薄肉構造としたことを特徴とする排水
   弁装置用節水筒。