JPH0239323B2 - Atsuenkinoroorukokanhoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は圧延機のロール交換方法に関する。

更に詳細には、本発明の製管圧延機に於いてサ
イズ替え等の際のロール交換を簡便にして、ロー
ル交換の所用時間を短縮する方法に関する。

従来の技術 電縫鋼管製造設備のサイザ等の製管圧延機では
成品サイズ毎に圧延ロールを交換する必要があ
る。

特に、多寸法の成品を製管する際には一定の基
本寸法の粗管を製造し、これをサイザ等で各種成
品寸法に縮径することが生産能率上好ましく、こ
のときサイザでは成品寸法毎にロール交換を行う
必要がある。

しかしながら、従来のロール交換方法は複雑且
つ長時間を要し、非能率である。特に、上記した
如く、１つの基本寸法の粗管から各種寸法の成品
を製造するには、ロール交換に長時間を要する
と、粗管製造のサイクルとサイジング或いはレデ
ユーシング等の成形工程のサイクルは釣り合わ
ず、結局遅い方のサイクルに工程全体の速度を合
わすことになり、工場全体の生産能率の低下の原
因となつていた。

従来の製管圧延機のロール交換方法を詳細に説
明すると、次のような手順に従つて行われてい
た。

油圧シリンダにて操作側ハウジングと同チヨ
ツクを操作側へ引き出す。

クレーンにて操作側ハウジングを取り出す。

クレーンにて上下ロールを１つ１つ取り出
す。

新ロールをクレーンにて１つ１つ挿入する。

操作側ハウジングをクレーンにてセツトす
る。

油圧シリンダにて操作側ハウジングを押込
む。

すなわち、従来技術のロール交換では、クレー
ン作業が非常に多く、ロール交換に要する時間も
約８時間と長かつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は上述した従来技術の問題を解決し、工
程数が少なく単純であり、クレーン作業の少ない
製管圧延機のロール交換方法を提供することを目
的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記した目的を達成するため、本発明に従う
と、圧延機のロールチヨツクを支持し、基台上を
滑動するよう構成されたスライドフレームと、該
ロールチヨツクを圧下スクリユーにより固定保持
するためのハウジングとを具備する製管圧延機の
ロール交換方法であつて、製管圧延終了後、圧下
スクリユーを上昇させて圧下スクリユーと上ロー
ルチヨツクとを分離し、油圧シリンダにて操作側
ハウジングを、上下ロールのロール軸が駆動軸か
ら完全に分離するまで引き出し、次いで、油圧シ
リンダによつて操作側ハウジングをスライドフレ
ーム及びその上に設置されている上下ロール、ロ
ール軸、上下ロールチヨツクと共に引き出して、
上下ロールのロール軸を駆動軸ハウジングから分
離し、更に、油圧シリンダにより操作側ハウジン
グのみを分離し、操作側ハウジングおよび駆動側
ハウジングから分離され、スライドフレーム上に
載架されている上下ロールおよびロールチヨツク
をスライドフレームと共にクレーンにより吊り出
すことを特徴とする製管圧延機のロール交換方法
が提供される。

上記した操作側ハウジングから上下のロールの
ロール軸を分離するための操作側ハウジングの第
１回目の移動は、操作側ハウジングに設けられた
フツク部がスライドフレームの突起部と係合する
ことによつて、その終了位置を決めるようにする
ことが好ましい。

更に、操作側ハウジングの第２回目の移動は、
上記した操作側ハウジングに設けられたフツク部
とスライドフレームの突起部と係合した状態で行
われて、スライドフレームおよびその上に載架さ
れた上下ロール、ロールチヨツクを共に移動せし
めて行われる。更に、この第２回目の移動はスラ
イドフレームの移動を案内するために基台に設け
たガイドキーに段差を設けて、この段差にスライ
ドフレームが当接することによつて停止するよう
構成するのが好ましい。

これらの操作側ハウジングの油圧シリンダによ
る移動を第１回目および第２回目の移動として説
明したが、これらの移動を連続的に実施してもよ
いことは勿論である。

以下、本発明を添付の図面を参照して実施例に
より説明するが、これらの実施例は本発明の単な
る例示であつて、本発明の技術的範囲を何等制限
するものではないことは勿論である。

実施例 添付の第１図は本発明の方法を実施する対象で
ある製管圧延機を一部断面で示す概略図であり、
第２図の上半分は第１図のＡ方向の矢視図、すな
わち製管圧延機の平面図であり、下半分は第１図
のＢ方向の矢視図であり、第３図は第１図に示す
圧延機の操作側からの側面図である。これらの図
面を参照して、まず圧延機の構造を説明する。

第１図に示す如く、圧延機は基台１の上に設置
されている。圧延機は操作側ハウジング２と駆動
側ハウジング３とに上ロールチヨツク４および下
ロールチヨツク５を介して支持された上ロール６
および下ロール７を収容している。ここで、ハウ
ジング２，３は構成を明確にするため一部省略し
た形で示している。上チヨツク４と下チヨツク５
は、それらの間に弾性手段からなるロールバラン
サ８を間挿している。

更に、左右の上ロールチヨツク４は、操作側ハ
ウジング２および駆動側ハウジング３をそれぞれ
貫通して設けられた一対の圧下スクリユー１０に
それぞれ当接され、圧下スクリユー１０を回転す
ることによつて上ロール６の位置、すなわち上ロ
ール６と下ロール７のロール間隔が設定される。

上ロール６と下ロール７との間には粗管の圧延
通路１１が形成される。これらの上ロール６と下
ロール７とはそれらのロール軸１２および１３が
ロールチヨツクで軸受され、且つ、それらの駆動
側端部でユニバーサルジヨイント１４，１５を介
して上スピンドル１６および下スピンドル１７に
接続し、更に上下のスピンドル１６，１７は減速
機１８を介して主電動機１９に接続され、これに
より上下ロールはそれぞれ互いに反対方向に回転
される。

ロール交換時に操作側ハウジング２を移動、す
なわち、圧延方向と直角に引き出すため、操作側
ハウジング２には油圧シリンダ２０が連結される
一方、操作側ハウジング２と一体に構成されたそ
の支持部９は第３図に示すように基台１上をガイ
ドキー２１により案内されながら移動可能に構成
されている。

一方、本発明の方法を実施するため、左右の上
下ロールチヨツク４，５はスライドフレーム２２
に支持され、スライドフレーム２２は基台１上を
ガイドキー２１に案内されて滑動可能に構成され
ている。第１図に示す如く、スライドフレーム２
２は基台１上に載架されたベース部２３と、ウイ
ンドウ部２４，２５とが一体構造として構成され
ている。すなわち、ウインドウ部２４，２５で下
ロールチヨツク５、下ロール７、ロールバランサ
８、上ロールチヨツク４、上ロール６が組立てら
れた状態に保持されている。

更に、操作側ハウジング２とスライドフレーム
２２との関係について説明すると、第２図に示す
ように、スライドフレーム２２のベース部２３の
圧延機操作側の端部に突起部２６を有する。一
方、操作側ハウジング２と一体の支持部９は、油
圧シリンダ２０により引き出されるとそのフツク
部２７が上記突起部２６と係合するよう構成され
ている。

更に、スライドフレーム２２は左右のウインド
ウ部２４，２５が上ロールチヨツク４および下ロ
ールチヨツク５を両側で支持するように延在する
チヨツクサポート２８をそれぞれ備えている。

更に本発明の方法を実施するため、圧延機には
上下のロール軸１２，１３とユニバーサルジヨイ
ント１４，１５を分離したときにスピンドル１
６，１７を支持するためのスピンドルサポートト
２９が設けられている。尚、ロール軸１２，１３
とユニバーサルジヨイント１４，１５とはフエイ
スギア等で接続され、ロール軸１２，１３を引き
出すことによつて分離し、当接することによつて
自動的に接続する。

尚、第１図及び第２図には油圧シリンダ２０で
操作側ハウジング２を引き出したときの操作側ハ
ウジング２と操作側の上下ロールチヨツク４，５
とを鎖線で示している。

次に、上記説明した製管圧延機に於いて本発明
に従いロール交換を行う方法を具体的に説明す
る。

製管終了後、ロール６，７を停止したのち、圧
下スクリユ１０を上昇させ、スクリユと上ロール
チヨツク４とを完全に切り離す。このとき、上ロ
ールセツトはロールバランサー８にて支承された
形となる。

次いで、スピンドルサポート２９にて上下スピ
ンドル１６，１７を支持する。

次に油圧シリンダ２０にて操作側ハウジング２
を引き出して行くと操作側ハウジングのフツク２
７とスライドフレームの突起部２６の間の間隙
“ａ”が徐々に小さくなり、零となる。この時点
で操作側ハウジング２はロール軸１２，１３合操
作側軸端と完全に別れた状態となる。

更に、油圧シリンダ２０で引き出して行くと、
操作側ハウジング２と共に操作側ハウジングのフ
ツク２７に引つ張られてスライドフレーム２２及
びその上に設置されている上下ロール６，７、ロ
ール軸１２，１３、上下チヨツク４，５は一体と
なつて引き出される。

油圧シリンダ２０がストロークエンドとなる
と、操作側ハウジング２は、油圧シリンダ２０の
全ストロークを“ｂ”だけ移動し、一方スライド
フレーム２２は（ｂ−ａ）分だけ引き出される。
このとき、上下ロール軸１２，１３は、駆動側ハ
ウジング３からも完全にかわした状態となる。

尚、最終組立状態では、スライドフレーム２２
は、操作側及び駆動側ハウジング２，３のウイン
ドウ部３０にて乗り上げた状態となつているた
め、引き出し時スライドフレーム２２が予定以上
引き出しすぎるのを防ぐため、ガイドキー２１に
は、段差３１をつけている。

この操作側ハウジング２を完全に引き出した状
態で上下ロールセツトと共にスライドフレーム２
２をクレーンで吊り出し、予めセツトされている
新ロールセツトを予備スライドフレームと共にク
レーンにてセツトする。その後の操作は、上記ロ
ール取り外し行程の逆を行えばよいので、説明を
省略する。

尚、ロール再研磨によりロール外径に変化を生
じた場合には、スライドフレーム２２のフランジ
部２４，２５と下ロールチヨツク５との間にウエ
ツジ或いはシムを間挿して、容易にロール高さの
調節を行うことができる。

発明の効果 本発明のロール交換方法では、圧下ロールを回
転して上ロールチヨツクと分離した後は、操作側
ハウジングを油圧シリングにて引き出すと上下の
ロール軸が操作側ハウジング及び駆動側ハウジン
グから開放される。

従つて、上ロールセツトおよび下ロールセツト
を１回のクレーン操作により取り外すことが可能
となり、ロール交換作業が極めて簡便となる。

更に、クレーン作業が少なくなつたため作業の
安全性が確保され、またロール交換時間の短縮が
大幅に可能となり、工場の製管能率も向上するの
で、本発明の工業的意義は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施する対象である製
管圧延機を一部断面で示す概略図であり、第２図
の上半分は第１図のＡ方向の矢視図であり、下半
分は第１図のＢ方向の矢視図であり、第３図は第
１図に示す圧延機の操作側からの側面図である。 （主な参照番号）、１……基台、２……操作側
ハウジング、３……駆動側ハウジング、４……上
ロールチヨツク、５……下ロールチヨツク、６…
…上ロール、７……下ロール、８……ロールバラ
ンサ、１０……圧下スクリユ、１２，１３……ロ
ール軸、１６，１７……スピンドル、１８……減
速機、１９……主電動機、２０……油圧シリン
ダ、２１……ガイドキー、２２……スライドフレ
ーム、２３……スライドフレームのベース部、２
４，２５……スライドフレームのウインドウ部、
２６……スライドフレームの突起部、２７……操
作側ハウジングの支持部のフツク部、２８……ス
ライドフレームのチヨツクサポート部、２９……
スピンドルサポート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧延機のロールチヨツクを支持し、基台上を
   滑動するよう構成されたスライドフレームと、該
   ロールチヨツクを圧下スクリユーにより固定保持
   するためのハウジングとを具備する製管圧延機の
   ロール交換方法であつて、 製管圧延終了後、圧下スクリユーを上昇させて
   圧下スクリユーと上ロールチヨツクとを分離し、 油圧シリンダにて操作側ハウジングを、上下ロ
   ールのロール軸が駆動軸から完全に分離するまで
   引き出し、 次いで、油圧シリンダによつて操作側ハウジン
   グをスライドフレーム及びその上に設置されてい
   る上下ロール、ロール軸、上下ロールチヨツクと
   共に引き出して、上下ロールのロール軸を駆動側
   ハウジングから分離し、 更に、油圧シリンダにより操作側ハウジングの
   みを分離し、 操作側ハウジングおよび駆動側ハウジングから
   分離され、スライドフレーム上に載架されている
   上下ロールおよびロールチヨツクをスライドフレ
   ームと共にクレーンにより吊り出すことを特徴と
   する製管圧延機のロール交換方法。 ２ 操作側ハウジングにスライドフレームの突起
   部と係合するフツク部を設けて、これらの係合に
   より上記した操作側ハウジングからの上下ロール
   のロール軸を分離する位置決めを行うことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載の製管圧延機
   のロール交換方法。 ３ スライドフレームと基台との間のガイドキー
   に段差を設けて、この段差によつてスライドフレ
   ームの移動を停止することによつて、上記した２
   回目の操作側ハウジングの引き出しの停止を位置
   決めすることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項記載の製管圧延機のロール交換方
   法。