JPH0237942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えばクリーンルームにおける壁
コーナー部の被覆装置に関するものである。

従来の技術 一般に、クリーンルームの側壁と床等の２つの
壁によつて形成されるコーナー部は、塵埃が蓄積
しないように、また清掃し易いように、丸みをも
たせ、かつ側壁からの水平距離が比較的長い状態
で壁コーナー部を被覆することが望ましい。

考案が解決しようとする課題 従来、側壁に取り付けられた帯板状の固定部材
と、固定部材を被いかつコーナー部を跨ぐように
側壁と床に渡された帯板状のコーナー被覆材とよ
りなる壁コーナー部の被覆装置は、既に知られて
いるが、側壁からの水平距離が長い幅広のコーナ
ー被覆材に、特に丸みをもたせる場合や、このよ
うに幅広のコーナー被覆材を、側壁と床との交差
角度が直角でないような壁コーナー部に設置する
場合には、固定部材に対するコーナー被覆材の取
付角度を調節する必要があつた。

ところで、従来、側壁に取り付けられた帯板状
の固定部材と、この固定部材を被いかつコーナー
部を跨ぐように両壁に渡された帯板状のコーナー
被覆材とよりなり、固定部材の上端部に第１掛止
部が設けられるとともに、固定部材の下部にコー
ナー被覆材に向つて伸びる第１連結用突出部が設
けられ、コーナー被覆材の上端部に固定部材の第
１掛止部に引つ掛けられた第２掛止部が設けられ
るとともに、同被覆材の下部に固定部材に向つて
伸びる第２連結用突出部とが設けられている壁コ
ーナー部の被覆装置は、既に公知である（例えば
実開昭47−23925号公報参照）。

しかしながら、従来の壁コーナー部の被覆装置
は、内部に電線等を収めるためのもので、壁コー
ナー部を覆う水平距離が短いものであるため、固
定部材に対するコーナー被覆材の取付角度を調節
する必要はなく、上記の問題を解決するに至らな
いものであつた。

この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解
決し、クリーンルーム等における壁コーナー部に
おいて固定部材に対するコーナー被覆材の取付角
度を調節することができて、側壁からの水平距離
が長い幅広のコーナー被覆材に、特に丸みをもた
せることができるとともに、壁コーナー部が直角
でない場合にもコーナー被覆材を確実に取り付け
ることができ、しかもコーナー被覆材の取付作業
をワンタツチで非常に簡単に行なうことができる
うえに、ビス等の頭が壁の表面に現われたり、コ
ーナー被覆材が剥れたりするような心配がない、
壁コーナー部の被覆装置を提供しようとするもの
である。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、２
つの壁によつて形成されたコーナー部において一
方の壁に取り付けられた帯板状の固定部材と、こ
の固定部材を被いかつコーナー部を跨ぐように両
壁に渡された帯板状のコーナー被覆材とよりな
り、固定部材の上端部に第１掛止部が設けられる
とともに、固定部材の下部にコーナー被覆材に向
つて伸びる第１連結用突出部が設けられ、コーナ
ー被覆材の上端部に固定部材の第１掛止部に引つ
掛けられた第２掛止部が設けられるとともに、同
被覆材の下部に固定部材に向つて伸びる第２連結
用突出部とが設けられている壁コーナー部の被覆
装置において、上記固定部材の第１連結用突出部
は横断面円弧形を有するとともに、その先端部の
下面に多数の係合突起が設けられ、上記コーナー
被覆材の第２連結用突出部の先端部に、これらの
係合突起のいずれか１つに引つ掛けられた１つの
上向きの係合突起が設けられていることを特徴と
している。

作 用 上記壁コーナー部の被覆装置によれば、壁コー
ナー被覆装置を、クリーンルーム等の側壁と床の
コーナー部にセツトするには、コーナー被覆材の
第２連結用突出部を固定部材の第１連結用突出部
の下面に沿わせて、その先端の１つの上向きの係
合突起を、第１連結用突出部の多数の係合用突起
のうちの１つに係り合わせれば良い。これにより
第１および第２連結用突出部を簡単に連結するこ
とができる。また壁コーナー部において固定部材
に対するコーナー被覆材の取付角度を調節するこ
とができて、側壁からの水平距離が長い幅広のコ
ーナー被覆材に、特に丸みをもたせることができ
るとともに、壁コーナー部が直角でない場合にも
コーナー被覆材を確実に取り付けることができ
る。

実施例 つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて詳
しく説明する。

この考案の第１実施例を示す第１図において、
１はクリーンルームの側壁、２は床で、これら２
つの壁１，２のコーナー部３は直角となされてい
る。

４は側壁１にビス１３によつて取り付けられた
帯板状の固定部材、５はこの固定部材４を被いか
つコーナー部３を跨ぐように両壁１，２に渡され
た横断面円形の帯板状のコーナー被覆材で、これ
らの固定部材４とコーナー被覆材５は、例えばア
ルミニウム押出型材または合成樹脂の押出型材に
よりつくられている。

６は固定部材４の上端部に室内側に突出するよ
うに設けられた第１掛止部、７は固定部材４の下
端寄りの部分に長さ方向に設けられたコーナー被
覆材５に向つて伸びる第１連結用突出部で、これ
の先端部の下面に多数の並列状の係合突起３が固
定部材４の長さ方向に設けられている。第１連結
用突出部７は、固定部材４の上端を中心とする所
定半径Ｒの円弧形の横断面形状を有している。

９はコーナー被覆材５の上端部に設けられた横
断面逆Ｕ形の第２掛止部、１０はコーナー被覆材
５の幅の中間部分に長さ方向に設けられた固定部
材４に向つて伸びる横断面円弧形の第２連結用突
出部で、これの先端部の上面に１つの係合突起１
１が設けられている。

１２はコーナー被覆材５の上端部と側壁１との
間、および同下端部と床２との間にそれぞれ詰め
込まれたシール材である。

上記コーナー被覆装置は、つぎのようにしてコ
ーナー部３に取り付けられる。

まず固定部材４が側壁１の下端部にその第１連
結用突出部７を室の内側に向けた状態でビス１３
によつて取り付けられる。

つぎにコーナー被覆材５が固定部材４を被いか
つコーナー部３を跨ぐように側壁１と床２とに渡
され、その上端の第２掛止部９が固定部材４の第
１掛止部６に掛け合わせられたのち、コーナー被
覆材５の第２連結用突出部１０が固定部材４の第
１連結用突出部７の下面に沿わされて、その先端
の係合突起１１が多数の係合用突起８のうちの１
つに係り合わせられ、第１および第２連結用突出
部７，１０が互いに連結され、これによつてコー
ナー被覆材５の上下両端部と側壁１および床２と
の間にシール材１２が詰め込まれるものである。

第２図は、側壁１と床２とが直角でなく、約
85゜の角度を保持している場合、第３図は、側壁
１と床２とが約95゜の角度を保持している場合に、
それぞれのコーナー部３に被覆装置を取り付けた
例を示すものである。

第２図においては固定部材４とコーナー被覆材
５の第１および第２連結用突出部７，１０同志の
重なり部分が少なく、第３図においては逆に多く
なつている。

第４図は、コーナー被覆材５が上記のような横
断面円弧形でなく、平面状となされた第２実施例
を示している。

この第２実施例においては、コーナー被覆材５
の第２連結用突出部１０の幅が上記第１実施例の
場合よりも広くなつている。

第５図は、コーナー被覆材５の上部５ａが幅の
広い垂直状となされるとともに、同下部５ｂが幅
の狭い水平状となされ、同中間部５が平面状とな
された第３実施例を示している。

この対３実施例においては、コーナー被覆材５
の第２連結用突出部１０の幅が上記第１実施例の
場合よりも狭くなつており、また固定部材４の幅
は広くなつている。

第６図は、コーナー被覆材５の第２連結用突出
部１０が、横断面円弧形でなく、水平状に伸びて
いる第４実施例を示すものである。

第２連結用突出部１０先端の係合突起１１は、
固定部材４の第１連結用突出部７の係合突起８に
係り合うことができるように、半径Ｒの円周上に
位置するようになされている。

コーナー被覆材５の第２連結用突出部１０は、
このように横断面直線状、曲線状あるいは両者の
組合わせであつてもよい。

第２図〜第６図のその他の点は、上記第１実施
例の場合と同様であり、図面において同じものに
は同じ符号を付した。

第７図〜第９図は、固定部材の変形例を示すも
のである。

まず第７図においては、固定部材１４の第１連
結用突出部１５の形状が上記第１実施例の場合と
異なつている。

すなわち、第１連結用突出部１５は、横断面逆
Ｌ形の基部１５ａと、これの先端よりコーナー被
覆材に向つて伸びる横断面円弧形の係合部１５ｂ
によつて構成され、係合部１５ｂの下面に多数の
並列状の係合突起８が設けられているものであ
る。

つぎに第８図においては、固定部材１６の上部
に幅広の突出部１７が設けられ、その上端部が第
１掛止部となされている点が上記第１実施例の場
合と異なつている。

第９図においては、固定部材１８の第１連結用
突出部１９が上記第７図の場合と同様に横断面逆
Ｌ形の基部１９ａと、横断面円弧形の係合部１９
ｂとによつて構成されるとともに、固定部材１８
の上部に上記第８図の場合と同様に幅広の突出部
２０が設けられ、その上端部が第１掛止部となさ
れている。

これら第７図〜第９図におけるその他の点は上
記第１実施例の場合と同様であり、図面において
同じものには同じ符号を付した。なお、第７図〜
第９図においては、コーナー被覆材の図示は省略
した。

なお、上記固定部材の第１掛止部と、これに掛
け合わせられるコーナー被覆材の第２掛止部の横
断面形状は、図示のものに限らず、その他適宜の
形状であつてもよい。

また、上記実施例においては、この考案をクリ
ーンルームの側壁と床とのコーナー部を被覆する
場合を示したが、その他この考案はクリーンルー
ムの側壁同志、あるいは側壁と天井のコーナー部
等にも同様に適用可能である。

またこの考案は、クリーンルームだけでなく、
その他実験室などのあらゆる室において２つの壁
によつて形成されたコーナー部を被覆する場合に
同様に適用されるものである。

考案の効果 この考案は、上述のように、２つの壁によつて
形成されたコーナー部において一方の壁に取り付
けられた帯板状の固定部材と、この固定部材を被
いかつコーナー部を跨ぐように両壁に渡された帯
板状のコーナー被覆材とよりなり、固定部材の上
端部に第１掛止部が設けられるとともに、固定部
材の下部にコーナー被覆材に向つて伸びる第１連
結用突出部が設けられ、コーナー被覆材の上端部
に固定部材の第１掛止部に引つ掛けられた第２掛
止部が設けられるとともに、同被覆材の下部に固
定部材に向つて伸びる第２連結用突出部とが設け
られている壁コーナー部の被覆装置において、上
記固定部材の第１連結用突出部は横断面円弧形を
有するとともに、その先端部の下面に多数の係合
突起が設けられ、上記コーナー被覆材の第２連結
用突出部の先端部に、これらの係合突起のいずれ
か１つに引つ掛けられた１つの上向きの係合突起
が設けられているから、壁コーナー被覆装置を、
クリーンルーム等の側壁と床のコーナー部にセツ
トするさい、コーナー被覆材の第２連結用突出部
を固定部材の第１連結用突出部の下面に沿わせ
て、その先端の１つの上向きの係合突起を、第１
連結用突出部の多数の係合用突起のうちの１つに
係り合わせることにより、第１および第２連結用
突出部を簡単に連結することができ、これによつ
て壁コーナー部において固定部材に対するコーナ
ー被覆材の取付角度を調節することができる。従
つて側壁からの水平距離が長い幅広のコーナー被
覆材に、特に丸みをもたせることができるととも
に、壁コーナー部が直角でない場合にもコーナー
被覆材を確実に取り付けることができる。

勿論、コーナー被覆材の取付作業をワンタツチ
で行なうことができて、非常に簡単であり、また
ビス等の頭が壁の表面に現われたり、コーナー被
覆材が剥れたりするような心配がないという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は第１実施例の断面図、第２図と第３図は第１実
施例の変形例を示すもので、第２図は壁コーナー
部が直角より狭い場合、第３図は直角より広い場
合における断面図である。第４図は第２実施例の
断面図、第５図は第３実施例の断面図、第６図は
第４実施例の断面図である。第７図〜第９図はそ
れぞれ固定部材の変形例を示す断面図で、被覆材
の図示は省略されている。 １……側壁、２……床、３……コーナー部、
４，１４，１６，１８……固定部材、５……コー
ナー被覆材、６……第１掛止部、７，１５，１９
……第１連結用突出部、８，１１……係合突起、
９……第２掛止部、１０……第２連結用突出部、
１２……シール材、１３……ビス、１７，２０…
…突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２つの壁によつて形成されたコーナー部におい
   て一方の壁に取り付けられた帯板状の固定部材
   と、この固定部材を被いかつコーナー部を跨ぐよ
   うに両壁に渡された帯板状のコーナー被覆材とよ
   りなり、固定部材の上端部に第１掛止部が設けら
   れるとともに、固定部材の下部にコーナー被覆材
   に向つて伸びる第１連結用突出部が設けられ、コ
   ーナー被覆材の上端部に固定部材の第１掛止部に
   引つ掛けられた第２掛止部が設けられるととも
   に、同被覆材の下部に固定部材に向つて伸びる第
   ２連結用突出部とが設けられている壁コーナー部
   の被覆装置において、上記固定部材の第１連結用
   突出部は横断面円弧形を有するとともに、その先
   端部の下面に多数の係合突起が設けられ、上記コ
   ーナー被覆材の第２連結用突出部の先端部に、こ
   れらの係合突起のいずれか１つに引つ掛けられた
   １つの上向きの係合突起が設けられていることを
   特徴とする、壁コーナー部の被覆装置。