JPH0237828B2 - Yosetsuyoyoriawasewaiya - Google Patents
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- JPH0237828B2 JPH0237828B2 JP28087284A JP28087284A JPH0237828B2 JP H0237828 B2 JPH0237828 B2 JP H0237828B2 JP 28087284 A JP28087284 A JP 28087284A JP 28087284 A JP28087284 A JP 28087284A JP H0237828 B2 JPH0237828 B2 JP H0237828B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/02—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by mechanical features, e.g. shape
- B23K35/0255—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by mechanical features, e.g. shape for use in welding
- B23K35/0261—Rods, electrodes, wires
- B23K35/0283—Rods, electrodes, wires multi-cored; multiple
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、複数本の鋼製素線を撚合せてなる溶
接用撚合せワイヤに関し、殊に溶接時の送給性及
び直進性が良好で自動溶接装置への適合性が高
く、しかも優れた性能の溶接部を得ることのでき
る撚合せワイヤに関するものである。 [従来の技術] 溶接用撚合せワイヤとは、例えば特開昭55−
117255号や同57−31494号等に開示されている如
く複数の素線を撚合せて一本化したもので、ワイ
ヤを直進させるだけでも溶接アークが自然に回転
し、狭開先溶接においても開先側面への溶込みが
均一且つ確実に進行する為、通常のソリツドワイ
ヤに比べると溶接能率が高く且つ優れた性能の溶
接継手を得ることができる。その為この種の撚合
せワイヤはTIG或いはMIG等の自動溶接への適
用を主体にして急速に普及してきている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながらこの撚合せワイヤは、上記の様に
複数本の素線を撚合せたものであるから通常のソ
リツドワイヤに比べると直進性が悪く、しかも表
面に螺旋溝が形成されている為送給抵抗が大きい
という問題があり、特に溶接能率を一段と高めた
いとする最近の要請に対応する目的でワイヤ送給
速度を高めていくと、上記の問題はますます顕著
になつてくる。また溶接ワイヤにおいては、伸線
工程等で表面に付着した潤滑油はブローホール等
の溶接欠陥を生ずる大きな原因となるが、撚合せ
ワイヤでは表面の螺旋溝内に付着した油脂を除去
することが極めて困難である為、溶接部に気孔欠
陥が現われることも多い。本発明はこうした状況
のもとで、高速溶接にも十分対応していくことの
できる優れた送給性と直進性を有し、且つ気孔欠
陥等のない高品質の溶接金属を得ることのできる
溶接用撚合せワイヤを提供しようとするものであ
る。 [問題点を解決する為の手段] 本発明に係る溶接用撚合せワイヤの構成は、炭
素鋼、低合金鋼及び中合金鋼よりなる素線を複数
本撚合せてなり、該ワイヤの引張強さ及び撚ピツ
チが下記の要件を満足する他、潤滑油付着量を
150ppm以下に抑えてなるところに要旨を有する
ものである。 70Kg・f/mm2≦引張強さ≦160Kg・f/mm2 [引張強さ=撚合せワイヤの破断荷重(Kg・f)/素線
の断面積の和(mm2) 15d≦pt≦45d [d:撚合される素線の直径(mm)] [pt:撚ピツチ(mm)] [作用] 本発明において素線として使用される炭素鋼、
低合金鋼及び中合金鋼について代表例を挙げると
下記の通りであるが、勿論上記範疇に入る素材を
すべて例示することは不可能であり、当分野にお
いて炭素鋼、低合金鋼、中合金鋼と認識されるも
のはすべて本発明において使用することができ
る。尚これらからなる素線を以下鋼製素線とい
う。 <炭素鋼> C≦0.18重量%(以下%と略記)、Si≦1.5%、
0.30%≦Mn≦2.50%、残部が実質的にFe或は不
可避不純物からなるが、更にAl、Ti、Zr等を0.3
%程度までBにおいては0.01%程度まで含有させ
たものも使用される。 <低合金鋼> C≦0.20%、0.30%≦Mn≦2.50%、Si≦1.50%
を含み、更にCr≦3.5、Mo≦2.00%及びNi≦5.00
の1種以上を含み、更にはAl、Ti、Nb又はVを
0.50%程度までBにおいては0.01%程度まで含有
させたものも使用される。尚残部がFe及び不可
避不純物であることは言うまでもない。 <中合金鋼> C≦0.20%、0.30≦Mn≦2.50%、Si≦1.50%及
び3.51%≦Cr≦10.50%を含み、更にMo≦3.00%
及び/又はNi≦5.00%を含む他、場合によりAl、
Ti、Nb又はVを0.50%程度までBにおいては
0.01%程度まで含有させたものも使用される。尚
残部がFe及び不可避不純物であることは言うま
でもない。 一方上記の様な鋼製素線を用いた撚合せワイヤ
の断面形状は例えば第1図A〜Cに示す通りであ
り、通常は略同一断面形状の素線1a,1b……
を、横断面において各素線1a,1b……の中心
Pを結ぶ線が正多角形を形成する様に束ねて撚合
せたものであり、溶接時には撚合せワイヤの軸心
Oを中心にしてアークが円周方向へ万遍なく広が
る様に構成されている。第2図A〜Cは本発明に
係る他の撚合せワイヤを示す横断面図であり、中
央部に芯線1oを配置し、略同一断面形状の複数
の素線1a,1bの中心Pを結ぶ線が正多角形を
形成する様に前記芯線1oのまわりに束ねて撚合
せている。 第3図は上記撚合せワイヤの一部側面図であ
り、撚ピツチ(pt)とは撚合される素線1a,1
b……の撚合せ螺旋のピツチを言う。 この様な撚合せワイヤをTIG溶接やMIG溶接
等の自動溶接装置に適用する場合に最も問題にな
るのは、該ワイヤの直進性及び送給安定性であ
る。しかし撚合せワイヤは前述の如く細い鋼製素
線1a,1bを撚合せたものであり、外周面には
複数条の螺旋溝が形成されている為送給抵抗が大
きく、しかも送給抵抗に遭遇したときに座屈を起
こし易いという欠点もあり、通常のソリツドワイ
ヤに比べると直進性及び送給性が悪い。その為撚
合せワイヤ本来の特長を十分に生かしているとは
言えないのが実情である。そこで撚合せワイヤの
送給性及び直進性を改善すべく種々研究を行なつ
たところ、撚ピツチ(pt)を、鋼製素線の直径(d)
に応じて前記条件を満たす様に適正に調整してや
れば、送給性及び直進性を満足のいく程度まで高
め得ることが分かつた。 ちなみに第4図は、直径0.53mmの炭素鋼素線7
本を用いて横断面形状が第2図Aに示した形状と
なる様に設定し、撚合せピツチ(pt)を種々変え
た場合のワイヤ送給抵抗に与える影響を示したも
のである。尚撚合せワイヤとしての直径は1.6mm、
引張強さは75Kg・f/mm2であつた。また送給抵抗
は下記の方法で測定した。 <送給抵抗の測定方法> 第5図に略示する如くワイヤリール2、加圧送
給ローラー3、コンジツトケーブル4及びトーチ
ノズル5を備えた試験装置を使用し、コンジツト
ケーブル4の長さは3000mmとしその途中3カ所に
半径150mmの曲り部を有する送給経路を形成し、
ワイヤリール2から各撚合せワイヤを送給した場
合におけるワイヤ送給モータにかかる負荷を送給
抵抗として測定した。 第4図からも明らかな様に、撚ピツチ(pt)を
撚合される素線の直径(d)に対して15d〜45dの範
囲に設定することによつて送給抵抗を最小限に抑
えることができる。この様に送給抵抗が撚ピツチ
の影響を著しく受ける理由は次の様に考えること
ができる。即ち素線の直径に対して撚ピツチが小
さ過ぎると、撚合せワイヤの外径が不均一になり
易く、しかも撚合される素線の螺旋方向と送給方
向との交差角が大きくなる為、コンジツトケーブ
ル内面との摩擦が増大し送給抵抗が大きくなるも
のと考えられる。逆に撚ピツチが大き過ぎると、
撚合せによる相互の拘束が低下して湾曲したとき
に素線がばらける現象が起こり、撚合せワイヤの
断面形状がくずれて外径が不均一となる他、該ワ
イヤ全体としての剛性が低下する結果、やはり送
給抵抗が増大するものと考えられる。何れにして
も素線の直径に対して撚ピツチが(15d〜45d)
の範囲に収まる様に設定してやれば、撚合せワイ
ヤに対して十分な剛性が保障されると共に素線相
互の拘束力も十分な値が保障され、送給抵抗を最
小限に抑えることができる。また送給抵抗の減少
に伴なつて送給時の湾曲乃至座屈といつた現象も
生じなくなるから、撚合せワイヤの直進性も高ま
る。 尚溶接能率を高めるべくワイヤ送給速度を高め
ようとすると、それに比例して送給抵抗は加速度
的に増大してくる。そして撚合せワイヤ自身の軸
心方向の強度が不十分であるとコンジツトケーブ
ル内でワイヤが座屈し送給不能になることがあ
る。そこで送給抵抗がかなり高くなつても座屈を
起こさない様な軸心方向強度を明らかにする必要
性があると考え実験を行なつたところ、第6図に
示す様な結果が得られた。 即ち第6図は、引張強さの異なる鋼製素線
(0.53mm〓)を第2図Aに示す断面形状となる様に
撚合せて(撚ピツチ:16d、全体としての径:1.6
mm〓)引張強さの異なる種々の撚合せワイヤを製
作し、送給抵抗と引張強さの関係を調べた結果を
示したものである。この図からも明らかな様に、
ワイヤの送給抵抗を小さくする為には、撚合せワ
イヤ全体としての引張強さを70Kg・f/mm2以上に
すべきであることが分かる。但し引張強さが過大
になると、コンジツト内の送給路に沿つた湾曲自
在性が低下して送給抵抗がかえつて増大する他コ
ンジツトチユーブの損耗が著しくなり、更には素
線を撚合せるときに素線が折損する等撚合せ操作
が困難になる傾向がある。従つてこうした問題を
回避する為には、撚合せワイヤの引張強さを160
Kg・f/mm2程度以下に抑える必要がある。 ところで上記の様な撚合せワイヤは、まず伸線
加工によつて細径の素線を得た後、これを所定本
数束ねて撚線機に通すことによつて製造される
が、これらの加工工程では加工性を高める為に鉱
物油等の潤滑油が使用される。この潤滑油は製品
ワイヤの表面に付着したままで相当量残ることに
なるが、この潤滑剤は溶接熱で燃焼若しくは分解
してガスを発生し、ブローホール等の気孔欠陥を
起こす原因となる。殊に撚合せワイヤは通常のソ
リツドワイヤに比べて表面積が大きく、撚合せに
よつて形成される螺旋溝の存在とも相まつて潤滑
剤付着量が多くなり易い為、上記気孔欠陥が顕著
に現われることがある。従つてこうした問題を解
消する為には、気孔欠陥と潤滑油付着量の関係を
正確に把握しておく必要がある。そこで、低合金
鋼素線(化学成分……C:0.11%、Mn:0.75%、
Si:0.32%、P:0.007%、S:0.008%、Cr:
2.37%、Mo:1.01%、直径0.53mm)7本を使用し
第2図Aの断面形状となる様に撚合せた撚合せワ
イヤ(撚ピツチ:16d)を対象とし、潤滑油(油
脂)付着量がブローホール発生数に及ぼす影響を
調べた。尚溶接条件は下記の通りとし、溶接ビー
ド300mm当たりのブローホール発生数を比較した。 <溶接条件> 溶接電流:270A、DC−RP 溶接電圧:30V 溶接速度:25cm/分 シールドガス:Ar+20%CO2 25/分 結果は第7図に示す通りであり、潤滑油付着量
が150ppm以下であればブローホールは殆ど発生
しないが、150ppmを超えるとブローホール発生
数が急激に増大してくる。即ち撚合せワイヤの潤
滑油付着量を150ppm以下に抑えてやれば、溶接
時のブローホール欠陥を実質的に皆無とすること
ができる。 [実施例] 第1表に示す8種類の成分組成の鋼製素線を用
いて、形状・寸法及び撚ピツチ等の異なる種々の
撚合せワイヤを作製し、夫々についてMIG溶接
又はTIG溶接に適用した場合の性能を調べた。
接用撚合せワイヤに関し、殊に溶接時の送給性及
び直進性が良好で自動溶接装置への適合性が高
く、しかも優れた性能の溶接部を得ることのでき
る撚合せワイヤに関するものである。 [従来の技術] 溶接用撚合せワイヤとは、例えば特開昭55−
117255号や同57−31494号等に開示されている如
く複数の素線を撚合せて一本化したもので、ワイ
ヤを直進させるだけでも溶接アークが自然に回転
し、狭開先溶接においても開先側面への溶込みが
均一且つ確実に進行する為、通常のソリツドワイ
ヤに比べると溶接能率が高く且つ優れた性能の溶
接継手を得ることができる。その為この種の撚合
せワイヤはTIG或いはMIG等の自動溶接への適
用を主体にして急速に普及してきている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながらこの撚合せワイヤは、上記の様に
複数本の素線を撚合せたものであるから通常のソ
リツドワイヤに比べると直進性が悪く、しかも表
面に螺旋溝が形成されている為送給抵抗が大きい
という問題があり、特に溶接能率を一段と高めた
いとする最近の要請に対応する目的でワイヤ送給
速度を高めていくと、上記の問題はますます顕著
になつてくる。また溶接ワイヤにおいては、伸線
工程等で表面に付着した潤滑油はブローホール等
の溶接欠陥を生ずる大きな原因となるが、撚合せ
ワイヤでは表面の螺旋溝内に付着した油脂を除去
することが極めて困難である為、溶接部に気孔欠
陥が現われることも多い。本発明はこうした状況
のもとで、高速溶接にも十分対応していくことの
できる優れた送給性と直進性を有し、且つ気孔欠
陥等のない高品質の溶接金属を得ることのできる
溶接用撚合せワイヤを提供しようとするものであ
る。 [問題点を解決する為の手段] 本発明に係る溶接用撚合せワイヤの構成は、炭
素鋼、低合金鋼及び中合金鋼よりなる素線を複数
本撚合せてなり、該ワイヤの引張強さ及び撚ピツ
チが下記の要件を満足する他、潤滑油付着量を
150ppm以下に抑えてなるところに要旨を有する
ものである。 70Kg・f/mm2≦引張強さ≦160Kg・f/mm2 [引張強さ=撚合せワイヤの破断荷重(Kg・f)/素線
の断面積の和(mm2) 15d≦pt≦45d [d:撚合される素線の直径(mm)] [pt:撚ピツチ(mm)] [作用] 本発明において素線として使用される炭素鋼、
低合金鋼及び中合金鋼について代表例を挙げると
下記の通りであるが、勿論上記範疇に入る素材を
すべて例示することは不可能であり、当分野にお
いて炭素鋼、低合金鋼、中合金鋼と認識されるも
のはすべて本発明において使用することができ
る。尚これらからなる素線を以下鋼製素線とい
う。 <炭素鋼> C≦0.18重量%(以下%と略記)、Si≦1.5%、
0.30%≦Mn≦2.50%、残部が実質的にFe或は不
可避不純物からなるが、更にAl、Ti、Zr等を0.3
%程度までBにおいては0.01%程度まで含有させ
たものも使用される。 <低合金鋼> C≦0.20%、0.30%≦Mn≦2.50%、Si≦1.50%
を含み、更にCr≦3.5、Mo≦2.00%及びNi≦5.00
の1種以上を含み、更にはAl、Ti、Nb又はVを
0.50%程度までBにおいては0.01%程度まで含有
させたものも使用される。尚残部がFe及び不可
避不純物であることは言うまでもない。 <中合金鋼> C≦0.20%、0.30≦Mn≦2.50%、Si≦1.50%及
び3.51%≦Cr≦10.50%を含み、更にMo≦3.00%
及び/又はNi≦5.00%を含む他、場合によりAl、
Ti、Nb又はVを0.50%程度までBにおいては
0.01%程度まで含有させたものも使用される。尚
残部がFe及び不可避不純物であることは言うま
でもない。 一方上記の様な鋼製素線を用いた撚合せワイヤ
の断面形状は例えば第1図A〜Cに示す通りであ
り、通常は略同一断面形状の素線1a,1b……
を、横断面において各素線1a,1b……の中心
Pを結ぶ線が正多角形を形成する様に束ねて撚合
せたものであり、溶接時には撚合せワイヤの軸心
Oを中心にしてアークが円周方向へ万遍なく広が
る様に構成されている。第2図A〜Cは本発明に
係る他の撚合せワイヤを示す横断面図であり、中
央部に芯線1oを配置し、略同一断面形状の複数
の素線1a,1bの中心Pを結ぶ線が正多角形を
形成する様に前記芯線1oのまわりに束ねて撚合
せている。 第3図は上記撚合せワイヤの一部側面図であ
り、撚ピツチ(pt)とは撚合される素線1a,1
b……の撚合せ螺旋のピツチを言う。 この様な撚合せワイヤをTIG溶接やMIG溶接
等の自動溶接装置に適用する場合に最も問題にな
るのは、該ワイヤの直進性及び送給安定性であ
る。しかし撚合せワイヤは前述の如く細い鋼製素
線1a,1bを撚合せたものであり、外周面には
複数条の螺旋溝が形成されている為送給抵抗が大
きく、しかも送給抵抗に遭遇したときに座屈を起
こし易いという欠点もあり、通常のソリツドワイ
ヤに比べると直進性及び送給性が悪い。その為撚
合せワイヤ本来の特長を十分に生かしているとは
言えないのが実情である。そこで撚合せワイヤの
送給性及び直進性を改善すべく種々研究を行なつ
たところ、撚ピツチ(pt)を、鋼製素線の直径(d)
に応じて前記条件を満たす様に適正に調整してや
れば、送給性及び直進性を満足のいく程度まで高
め得ることが分かつた。 ちなみに第4図は、直径0.53mmの炭素鋼素線7
本を用いて横断面形状が第2図Aに示した形状と
なる様に設定し、撚合せピツチ(pt)を種々変え
た場合のワイヤ送給抵抗に与える影響を示したも
のである。尚撚合せワイヤとしての直径は1.6mm、
引張強さは75Kg・f/mm2であつた。また送給抵抗
は下記の方法で測定した。 <送給抵抗の測定方法> 第5図に略示する如くワイヤリール2、加圧送
給ローラー3、コンジツトケーブル4及びトーチ
ノズル5を備えた試験装置を使用し、コンジツト
ケーブル4の長さは3000mmとしその途中3カ所に
半径150mmの曲り部を有する送給経路を形成し、
ワイヤリール2から各撚合せワイヤを送給した場
合におけるワイヤ送給モータにかかる負荷を送給
抵抗として測定した。 第4図からも明らかな様に、撚ピツチ(pt)を
撚合される素線の直径(d)に対して15d〜45dの範
囲に設定することによつて送給抵抗を最小限に抑
えることができる。この様に送給抵抗が撚ピツチ
の影響を著しく受ける理由は次の様に考えること
ができる。即ち素線の直径に対して撚ピツチが小
さ過ぎると、撚合せワイヤの外径が不均一になり
易く、しかも撚合される素線の螺旋方向と送給方
向との交差角が大きくなる為、コンジツトケーブ
ル内面との摩擦が増大し送給抵抗が大きくなるも
のと考えられる。逆に撚ピツチが大き過ぎると、
撚合せによる相互の拘束が低下して湾曲したとき
に素線がばらける現象が起こり、撚合せワイヤの
断面形状がくずれて外径が不均一となる他、該ワ
イヤ全体としての剛性が低下する結果、やはり送
給抵抗が増大するものと考えられる。何れにして
も素線の直径に対して撚ピツチが(15d〜45d)
の範囲に収まる様に設定してやれば、撚合せワイ
ヤに対して十分な剛性が保障されると共に素線相
互の拘束力も十分な値が保障され、送給抵抗を最
小限に抑えることができる。また送給抵抗の減少
に伴なつて送給時の湾曲乃至座屈といつた現象も
生じなくなるから、撚合せワイヤの直進性も高ま
る。 尚溶接能率を高めるべくワイヤ送給速度を高め
ようとすると、それに比例して送給抵抗は加速度
的に増大してくる。そして撚合せワイヤ自身の軸
心方向の強度が不十分であるとコンジツトケーブ
ル内でワイヤが座屈し送給不能になることがあ
る。そこで送給抵抗がかなり高くなつても座屈を
起こさない様な軸心方向強度を明らかにする必要
性があると考え実験を行なつたところ、第6図に
示す様な結果が得られた。 即ち第6図は、引張強さの異なる鋼製素線
(0.53mm〓)を第2図Aに示す断面形状となる様に
撚合せて(撚ピツチ:16d、全体としての径:1.6
mm〓)引張強さの異なる種々の撚合せワイヤを製
作し、送給抵抗と引張強さの関係を調べた結果を
示したものである。この図からも明らかな様に、
ワイヤの送給抵抗を小さくする為には、撚合せワ
イヤ全体としての引張強さを70Kg・f/mm2以上に
すべきであることが分かる。但し引張強さが過大
になると、コンジツト内の送給路に沿つた湾曲自
在性が低下して送給抵抗がかえつて増大する他コ
ンジツトチユーブの損耗が著しくなり、更には素
線を撚合せるときに素線が折損する等撚合せ操作
が困難になる傾向がある。従つてこうした問題を
回避する為には、撚合せワイヤの引張強さを160
Kg・f/mm2程度以下に抑える必要がある。 ところで上記の様な撚合せワイヤは、まず伸線
加工によつて細径の素線を得た後、これを所定本
数束ねて撚線機に通すことによつて製造される
が、これらの加工工程では加工性を高める為に鉱
物油等の潤滑油が使用される。この潤滑油は製品
ワイヤの表面に付着したままで相当量残ることに
なるが、この潤滑剤は溶接熱で燃焼若しくは分解
してガスを発生し、ブローホール等の気孔欠陥を
起こす原因となる。殊に撚合せワイヤは通常のソ
リツドワイヤに比べて表面積が大きく、撚合せに
よつて形成される螺旋溝の存在とも相まつて潤滑
剤付着量が多くなり易い為、上記気孔欠陥が顕著
に現われることがある。従つてこうした問題を解
消する為には、気孔欠陥と潤滑油付着量の関係を
正確に把握しておく必要がある。そこで、低合金
鋼素線(化学成分……C:0.11%、Mn:0.75%、
Si:0.32%、P:0.007%、S:0.008%、Cr:
2.37%、Mo:1.01%、直径0.53mm)7本を使用し
第2図Aの断面形状となる様に撚合せた撚合せワ
イヤ(撚ピツチ:16d)を対象とし、潤滑油(油
脂)付着量がブローホール発生数に及ぼす影響を
調べた。尚溶接条件は下記の通りとし、溶接ビー
ド300mm当たりのブローホール発生数を比較した。 <溶接条件> 溶接電流:270A、DC−RP 溶接電圧:30V 溶接速度:25cm/分 シールドガス:Ar+20%CO2 25/分 結果は第7図に示す通りであり、潤滑油付着量
が150ppm以下であればブローホールは殆ど発生
しないが、150ppmを超えるとブローホール発生
数が急激に増大してくる。即ち撚合せワイヤの潤
滑油付着量を150ppm以下に抑えてやれば、溶接
時のブローホール欠陥を実質的に皆無とすること
ができる。 [実施例] 第1表に示す8種類の成分組成の鋼製素線を用
いて、形状・寸法及び撚ピツチ等の異なる種々の
撚合せワイヤを作製し、夫々についてMIG溶接
又はTIG溶接に適用した場合の性能を調べた。
【表】
【表】
実験条件及び実験結果を第2表(1)、(2)に一括し
て示す。尚第2表(1)〜(3)において、送給抵抗とは
前記第5図に示した方法で測定した値であり、ま
た直進性は、第5図に示す方法で各ワイヤを送給
する場合において、第8図に示す如く送給端のコ
ンタクトチツプ6から供試ワイヤWを25mm突出さ
せたときにおける、ワイヤW先端部の送給中心か
らのはずれ幅(x)の大小により判定した。
て示す。尚第2表(1)〜(3)において、送給抵抗とは
前記第5図に示した方法で測定した値であり、ま
た直進性は、第5図に示す方法で各ワイヤを送給
する場合において、第8図に示す如く送給端のコ
ンタクトチツプ6から供試ワイヤWを25mm突出さ
せたときにおける、ワイヤW先端部の送給中心か
らのはずれ幅(x)の大小により判定した。
【表】
【表】
【表】
【表】
第2図1〜3より次の様に考察することができ
る。 ワイヤNo.11、13、26、27、28、33、34:何れも
撚合せワイヤの撚ピツチ(pt)が規定範囲を外れ
ている為、送給抵抗が大きく且つ直進性も悪い。 ワイヤNo.10、12:撚合せワイヤの引張強さが不
足する為送給抵抗狼の変動が著しく、座屈現象を
生じ易い他、ビート幅が不揃いになり易い。 ワイヤNo.14、29、35:撚ピツチ及び引張強さの
双方共規定範囲を外れる比較例であり、送給性及
び直進性共に極めて悪い。 No.18、36:油脂付着量が多すぎる比較例であ
り、何れの場合も溶接ビート中に多数のブローホ
ールの存在が確認された。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されるが、要は撚合せ
ワイヤの引張強さ及び素線の撚ピツチを厳密に規
定することによつて、送給抵抗を最小限に抑える
と共に直進性を高めることができ、更には潤滑油
の付着量を制限することによつて気孔欠陥の発生
を確実に阻止することができ、撚合せワイヤの性
能を一段と高めることができた。
る。 ワイヤNo.11、13、26、27、28、33、34:何れも
撚合せワイヤの撚ピツチ(pt)が規定範囲を外れ
ている為、送給抵抗が大きく且つ直進性も悪い。 ワイヤNo.10、12:撚合せワイヤの引張強さが不
足する為送給抵抗狼の変動が著しく、座屈現象を
生じ易い他、ビート幅が不揃いになり易い。 ワイヤNo.14、29、35:撚ピツチ及び引張強さの
双方共規定範囲を外れる比較例であり、送給性及
び直進性共に極めて悪い。 No.18、36:油脂付着量が多すぎる比較例であ
り、何れの場合も溶接ビート中に多数のブローホ
ールの存在が確認された。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されるが、要は撚合せ
ワイヤの引張強さ及び素線の撚ピツチを厳密に規
定することによつて、送給抵抗を最小限に抑える
と共に直進性を高めることができ、更には潤滑油
の付着量を制限することによつて気孔欠陥の発生
を確実に阻止することができ、撚合せワイヤの性
能を一段と高めることができた。
第1,2図は撚合せワイヤの断面形状を例示す
る説明図、第3図は撚合せワイヤの一部側面図、
第4図は撚ピツチと送給抵抗の関係を示すグラ
フ、第5図は送給抵抗の測定法を示す説明図、第
6図は撚合せワイヤの引張強さと送給抵抗の関係
を示すグラフ、第7図は潤滑油付着量とブローホ
ール発生数の関係を示すグラフ、第8図は撚合せ
ワイヤの直進性試験法を示す説明図である。 1a,1b,1c……鋼製素線、2……ワイヤ
リール、3……加圧送給ローラ、4……コンジツ
トケーブル。
る説明図、第3図は撚合せワイヤの一部側面図、
第4図は撚ピツチと送給抵抗の関係を示すグラ
フ、第5図は送給抵抗の測定法を示す説明図、第
6図は撚合せワイヤの引張強さと送給抵抗の関係
を示すグラフ、第7図は潤滑油付着量とブローホ
ール発生数の関係を示すグラフ、第8図は撚合せ
ワイヤの直進性試験法を示す説明図である。 1a,1b,1c……鋼製素線、2……ワイヤ
リール、3……加圧送給ローラ、4……コンジツ
トケーブル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素鋼、低合金鋼及び中合金鋼からなる素線
を複数本撚合せてなる溶接用撚合せワイヤにおい
て、該ワイヤの引張強さ及び撚ピツチが下記の要
件を満たすものであり、且つ潤滑油付着量を
150ppm以下に抑えてなることを特徴とする溶接
用撚合せワイヤ。 70Kg・f/mm2≦引張強さ≦160Kg・f/mm2 [引張強さ=撚合せワイヤの破断荷重(Kg・f)/素線
の断面積の和(mm2) 15d≦pt≦45d [d:素線の直径(mm)] [pt:撚ピツチ(mm)]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28087284A JPH0237828B2 (ja) | 1984-12-29 | 1984-12-29 | Yosetsuyoyoriawasewaiya |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28087284A JPH0237828B2 (ja) | 1984-12-29 | 1984-12-29 | Yosetsuyoyoriawasewaiya |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61159294A JPS61159294A (ja) | 1986-07-18 |
JPH0237828B2 true JPH0237828B2 (ja) | 1990-08-27 |
Family
ID=17631128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28087284A Expired - Lifetime JPH0237828B2 (ja) | 1984-12-29 | 1984-12-29 | Yosetsuyoyoriawasewaiya |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0237828B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021531976A (ja) * | 2018-06-25 | 2021-11-25 | 江蘇引力▲ハン▼業工程技術研究有限公司Jiangsu Yinli Welding Engineering Technology Research Co., Ltd. | ケーブル式溶接ワイヤ |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07259409A (ja) * | 1994-03-22 | 1995-10-09 | Shigenori Edo | 引戸用戸締金物 |
CN106238950A (zh) * | 2016-08-26 | 2016-12-21 | 武汉市润之达石化设备有限公司 | 不锈钢麻花辫焊接材料及其制作方法 |
-
1984
- 1984-12-29 JP JP28087284A patent/JPH0237828B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021531976A (ja) * | 2018-06-25 | 2021-11-25 | 江蘇引力▲ハン▼業工程技術研究有限公司Jiangsu Yinli Welding Engineering Technology Research Co., Ltd. | ケーブル式溶接ワイヤ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61159294A (ja) | 1986-07-18 |
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