JPH0237028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、高温の排気、特に製鋼用電気炉の
排気を、排風機による吸引や除塵が可能な温度に
まで、誘導中に降温させる水冷ダクトに関する。

〈従来の技術〉 製鋼用電気炉は、酸化鉄粉やスラグ粉末等の粉
靡を多量に発生するので、これを排風機で吸引し
て除塵機で捕集しなければならない。そのため
に、高温の電気炉排気を除塵機まで導出すると同
時に、その温度を排風機や除塵機の動作に支障が
ないまでに降温させる必要があるのでダクトには
水冷ダクトが用いられている。

従来の水冷ダクトは、第２図に示すように、同
軸配置した内筒１，１１及び外筒２，１３の両端
に平板状のフランジ材３，１３を溶接して水筒
４，１４を形成させ、フランジ材３，１３をボル
ト５，５…によつて互に結合したものである。な
お、６は冷却水流入口、７は冷却水排出口であ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 内筒１，１１は千数百度の高温にさらされるこ
とに加え、炉の通電時と非通電時とによる大きな
熱サイクルの結果、大きな膨脹収縮をくり返し、
特にフランジ材３，１３との間の溶接部附近に強
い応力を生じてここに亀裂を生ずる。すると、水
套４，１４内の冷却水は排気通路内へ漏洩し、除
塵機の動作を阻害する。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案においては、水套４，１４の両端の封
止に平板状のフランジ材３，１３を用いず、断面
が半円径弧状をなす環状終端材を用いる。また、
相隣るダクト同士を接続するために、外面に断面
がＬ字形の環状フランジ材を設ける。

〈作用〉 断面において、内筒と外筒とは半円弧状の環状
終端材によつてＵ字形をなして連結され、水套を
封止している。従つて、熱サイクルによる集中応
力が現われず、亀裂の発生を防ぐことができる。

〈実施例〉 １及び１１は内筒、２及び１２は外筒で、それ
らの間に水套４，１４が形成される。８及び１８
は断面が半円弧状をなす終端材で、内筒端と外筒
端とに溶接されて水套４，１４を封止する。外筒
２及び１２の端部外周には断面がＬ字形の環状フ
ランジ材９及び１９が溶接されており、これらフ
ランジ材９と１９とをボルト５，５…によつて結
合することにより、相隣るダクトは接続される。
６及び７は冷却水の流入口及び排出口である。

上述の実施例において、内筒１及び１１が大き
く膨脹、収縮をしても、その歪は終端材８，１８
にそれぞれ吸収されるので、内筒１，１１と終端
材８，１８との間の溶接部に過大な応力が現われ
ず、従つてここに亀裂が発生するのを防ぐことが
できる。

〈考案の効果〉 以上のように、この考案によるときは、水冷ダ
クトにおける内筒と終端材との間の溶接部が、熱
サイクルによつて亀裂するのを効果的に防ぐこと
ができるため、水套内の冷却水がダクト内部へ漏
洩する事故を絶滅させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図
は従来の水冷ダクトの縦断面図である。 １及び１１……内筒、２及び１２……外筒、４
及び１４……水套、８及び１８……環状終端材、
９及び１９……環状フランジ材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒及び外筒を同軸配置してこれら内外筒間に
   水套を構成させ、これら内外筒の両端部分は断面
   が半円弧状をなす環状終端材によつて互に結合し
   て上記水套を封止し、上記両端部分の外面に断面
   がＬ字形の環状フランジ材を取付けてなる高温排
   気用水冷ダクト。