JPS6246159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は連続製銅炉などに利用される高温熔
体用樋に関する。

高温熔体用樋は保温のためおよび排ガスや熱気
を防ぐため、一般に樋蓋により密封されている。
この場合、樋が異物や塊によつて閉塞されないよ
うに管埋するため、樋蓋に点検孔や加熱用のバー
ナー孔を開けざるを得ないことがある。そうした
場合、従来ではそれらの孔から漏出する排ガスや
熱気を捕集するため、孔の上方に局部排気用フー
ドを設けてそれらを吸引している。ところが、こ
うしたフードを設けることによつて、樋内の点検
や樋を構成するレンガの積替作業等の作業性を著
しく悪くする不都合を生じていた。

この考案は以上の点を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、樋蓋に孔がある場
合にも、その上方にフードを設けることなく排ガ
ス等を捕集できるようにし、それにより上記の作
業時の不都合を解消することにある。

この考案は、その目的を達成するため、樋本体
の側壁上部内面側にガス吸引口を設け、このガス
吸引口を樋本体に形成したガス吸引ダクトに連通
させ、自身にガス捕集機能をもたせた点に特徴を
もつ。

以下、この考案の実施例を第１図、第２図を参
照して説明する。この実施例の樋は連続製銅炉の
熔錬炉とカラミ分離炉を結ぶもので、この樋には
熔錬炉で熔融された熔体が約50T／Ｈ流れる。

第１図はその樋の構成を示す断面図であり、樋
Ａの上面に樋蓋Ｂがのせられている状態を示して
いる。この図中１はＵ字状の樋本体であり、この
樋本体１は外側から順に、外形を形作る鉄皮２、
レンガの熔損を防ぐジヤケツト３、キヤスタブル
耐火材４、耐火レンガ５により構成され、耐火レ
ンガ５の内側に熔体Ｐが流れるようになつてい
る。そして、樋本体１の側壁１ａ上部、すなわち
この例の場合はキヤスタブル耐火材４と耐火レン
ガ５の一方の側部の上端部に樋本体１の長手方向
に沿つてガス吸引ダクト６、この例の場合鉄製角
パイプ、が配設されており、そのガス吸引ダクト
６の樋内側の面に間隔的に複数のガス吸引口７が
開けられている。このガス吸引口７は、第２図に
示すように、吸引源に接続されるガス吸引ダクト
６の基端６ａ側から先端６ｂ側にいくに従い順に
大きく形成されている。これは各吸引口７から均
一に吸引できるようにするためである。

なお、耐火レンガ５は勿論ガス吸引口７の前面
には設けられていず、ガスを吸引できるようにな
つている。また、前記吸引ダクト６の上面と、耐
火レンガ５の他方の側部の上面とは同じ高さにさ
れている。そして、この同一高さにされた吸引ダ
クト６および耐火レンガ５の上面に樋内部の空間
を密封するように平板状の樋蓋Ｂがのせられてい
る。

このように構成した樋によれば、熔体Ｐから発
生した排ガスや熱気は吸引口７および吸引ダクト
６を通して矢印イのように捕集される。したがつ
て、樋蓋Ｂに点検孔やバーナー孔（図示せず）が
開いている場合にも、それらの孔からガスや熱気
が漏出するおそれはない。この場合、吸引口７の
位置を樋蓋Ｂの各孔の位置と対応させておけば、
より効果的にガス等の漏出を防ぐことができる。

なお、前記の吸引ダクト６は、樋蓋Ｂとの密着
性が保てるものであれば、上述の角パイプに限ら
ない。また吸引口７の形状も任意である。

また、上記実施例においては樋本体１の側壁１
ａ上端部に吸引ダクト６を設けたが、この吸引ダ
クト６は樋本体１のいずれの場所に設けてもよ
い。

以上説明したように、この考案の高温熔体用樋
は、自身にガス捕集機能をもたせてあるので、樋
蓋に点検孔などの孔が開いている場合にもその孔
からのガス等の漏出を防ぐことができる。したが
つて、従来のように樋上方に排気用フードを設け
る必要がなく、樋内の点検やレンガの組替作業時
の作業性を悪化させることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図、第２図
は同実施例におけるガス吸引ダクト６を第１図中
の矢印方向から見た側面図である。 １……樋本体、１ａ……側壁、６……吸引ダク
ト、７……吸引口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面略Ｕ字状の樋本体により構成される高温熔
   体用樋において、樋本体の側壁上部内面側にガス
   吸引口を設けるとともに、このガス吸引口を樋本
   体に形成したガス吸引ダクトに連通させてなるこ
   とを特徴とする高温熔体用樋。