JPH0236891Y2

JPH0236891Y2 -

Info

Publication number: JPH0236891Y2
Application number: JP1983197713U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-21
Filing date: 1983-12-21
Publication date: 1990-10-05
Also published as: JPS60107318U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、自動車のエンジンの排気ガス放出装
置に関する。

（従来技術）通常、自動車の排気管には、排気脈動等から生
じる排気騒音を低減するために、サイレンサが設
けてある。このサイレンサは、高温の排気ガスに
よつて加熱され、また、サイレンサに設けたテー
ルパイプから外部に放出される排気ガスも高温と
なつて、熱害を惹起する問題があつた。

このため、サイレンサおよびテールパイプを外
側から所定の空隙を保つて包囲する両端が開口し
たエアダクトを設け、排気ガスがテールパイプか
ら放出される際の一種の吸引作用により、エアダ
クトの上流側開口から外気を吸引し、吸引した外
気によつてサイレンサを冷却するとともに、吸引
した外気を放出される排気ガスと混合して、放出
排気ガスの温度を低下させるようにしたものが知
られている（実公昭51−28508号公報参照）。この
エアダクト付サイレンサにおいて、複数本のテー
ルパイプをサイレンサに取付けると、個々のテー
ルパイプから放出される排気ガスの量が低減し、
エアダクト内を通つてきた外気との混合が促進さ
れ、排気ガスの温度を低下させるのに有効であ
る。

ところで、このようなエアダクト付サイレンサ
を設けた排気ガス放出装置においては、共鳴音
が、サイレンサとエアダクトとの間の空隙部を共
鳴空間として新たに発生し、従来の排気の脈動な
どによる騒音に付け加わるという問題がある。

第１図は、２本のテールパイプを設けたエアダ
クト付サイレンサの一例の正面断面図であり、そ
して、第２図は、その斜視図である。排気管１の
末端部に、サイレンサ２を設け、そして、サイレ
ンサ２の下流側端部に排気ガスを放出するための
２本のテールパイプ３，３を取付ける。エアダク
ト４を、サイレンサ２とテールパイプ３，３と
を、軸方向に所定の空隙を保つて包囲するように
配置し、図示しない支持部材を用いて、サイレン
サ２に取付ける。大気は、排気管１側の大気開放
口５から流入し、サイレンサ２を冷却した後、２
本のテールパイプ３，３を共通に包囲する包囲部
４ａを通つて、各テールパイプ３に対応して包囲
部４ａ端壁に軸平行に突設した管６の大気開放口
７から、排気ガスの流れに吸い出されて、排気ガ
スと混合して出ていく。

テールパイプからの騒音は、第１図に）印で示
すように後端側大気開放口７，７からも前端側大
気開放口５からも出ていく。ここで、一方のテー
ルパイプ３からの音は、大気開放口から共鳴音と
なつて出ていくが、第１図の矢印ａで示すよう
に、包囲部４ａを介して最短経路を、また、矢印
ｂで示すように、包囲部４ａを介して他方のテー
ルパイプ３側に回り込んで最長経路を通つたりす
るなど、種々の経路を通るが、その共鳴の様子
は、共鳴空間である空隙部の形状により定まる。

（考案の目的）本考案の目的は、複数本のテールパイプを設け
た排気ガス放出装置において、エアダクトの冷却
能力を維持しつつ、エアダクトによる共鳴音を低
減させた排気ガス放出装置を提供することであ
る。

（考案の構成）このため、サイレンサと、このサイレンサの後
端面に各先端が接続された複数個のテールパイプ
と、サイレンサから各テールパイプの放出口の下
流側まで所定の空〓を保つて外側から包囲し、上
流側端部および各テールパイプの放出口の下流側
に大気開放口を設けたエアダクトとからなるエン
ジンの排気ガス放出装置であつて、エアダクトの
複数個のテールパイプを包囲する部分のテールパ
イプ間の空〓部に、サイレンサの下流側端面とエ
アダクトの下流側端面とに当接して空〓部を仕切
る仕切部材を設けたことを特徴とする。

（考案の効果）本考案により、エアダクトの大気開放口付近の
大気吸い出し効果による冷却性能を維持しつつ、
エアダクトにより派生する共鳴音を低減できる。

（実施例）本考案の実施例を、添付の図面を用いて説明す
る。第３図〜第５図は、それぞれ、本実施例の正
面断面図、平面断面図、側面図である。参照番号
１〜７は、第１図と同じものを指す。ここで、仕
切部材８は、包囲部４ａ内において２本のテール
パイプ３，３の間をサイレンサ２の下流側端面か
ら包囲部４ａの端壁に渡つて完全に仕切るように
設けられ、一方のテールパイプ３から出た音が、
他方のテールパイプ３側に回り込まないように、
サイレンサ２とエアダクト４との間の空隙部を仕
切る。この仕切部材は、吸音材・鉄板などから製
造する。

第６図は、音圧レベルの周波数特性を示したグ
ラフである。音圧レベルは、、大気開放口５の近
傍にマイクを設置して測定した。音圧レベルは、
エアダクト４を設けた場合Ａは、エアダクト４を
設けない場合Ｂに比べて、特定の周波数近傍で大
きく増加する。これは、エアダクト４と、サイレ
ンサ２およびテールパイプ３，３との間の空隙で
の共鳴により、発生する音が、増強されるためで
ある。仕切部材８を設置した場合Ｃは、音圧レベ
ルのピークは、仕切部材を設置しない場合Ａに比
べて、低下する。たとえば、250Hz付近のピーク
では、およそ5dB低下する。第５図において、斜
線部は、音圧の低下した部分を示す。

この音圧レベルのピークの低下は、仕切部材を
設けたことにより、空隙部（共鳴空間）の形状が
変わり、共鳴のパターンが変わり、最長経路側へ
音が回り込みにくくなつたことによると考えられ
る。また、250Hz付近のピークは、若干高波長側
に移動したようにみえる。他方、音圧レベルは、
ピーク付近以外の周波数では、若干増加している
が、その値は、問題にするほど大きくはない。

なお、エアダクト４の本来の目的である冷却効
果の達成を問わなければ、共鳴音を減少する方法
として、エアダクト端面部またはエアダクト側面
部での穴あけやテールパイプの延長が考えられ
る。しかし、これらの方法は、エアダクトの吸出
し効果を小さくし、エアダクトによる冷却性能を
劣下させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の２本のテールパイプを設けた
排気ガス放出装置の正面断面図であり、第２図
は、その斜視図である。第３図と第４図と第５図
とは、それぞれ、本考案による実施例の正面断面
図、平面断面図、側面図である。第６図は、本考
案の実施例の音圧レベルの周波数依存性を示すグ
ラフである。２……サイレンサ、３，３……テールパイプ、
４……エアダクト、５，７，７……大気開放口、
８……仕切部材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】サイレンサと、このサイレンサの後端面に各先
端が接続された複数個のテールパイプと、サイレ
ンサから各テールパイプの放出口の下流側まで所
定の空〓を保つて外側から包囲し、上流側端部お
よび各テールパイプの放出口の下流側に大気開放
口を設けたエアダクトとからなるエンジンの排気
ガス放出装置であつて、エアダクトの複数個のテールパイプを包囲する
部分のテールパイプ間の空〓部に、サイレンサの
下流側端面とエアダクトの下流側端面とに当接し
て空〓部を仕切る仕切部材を設けたことを特徴と
するエンジンの排気ガス放出装置。