JPH023683B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パネル内に配管用のスリーブ穴を形
成するパネル内配管用スリーブ穴の製造法に関す
る。

周知のように建築物には各種のパネルが使用さ
れており、吸音、断熱等のため、中空部に発泡材
を充填した両面パネルが使用されることも少なく
ない。一方、パネル内に冷暖房、配線等の配管を
設けることが室内スペースの有効利用、見映え等
の観点から要求されており、上記両面パネルもこ
の例にもれない。そして上記両面パネルに配管を
するためには、予めそのためのスリーブ穴を発泡
材の充填される中空部に設けておくのが有利であ
る。しかしながら、この場合、単にスリーブ形成
用バー部材を中空部内に配置し、中空部内に発泡
材を充填して発泡させ、発泡材の硬化後上記スリ
ーブ形成用バー部材を引抜くだけでは、上記バー
部材と発泡材とが付着し易いから、その引抜きが
容易でなく、又引抜きの際及び引抜き後配管する
際にスリーブ穴が破壊する惧れがある。

本発明者らはこのような問題点を考慮しつつ、
スリーブ形成用バー部材の引抜きを容易化するこ
と、及び該バー部材の引抜きの際及び配管の際、
スリーブ穴を損壊させないことを目的として研究
を続けた結果、本発明方法を開発するに至り、上
記目的を達成することに成功したものである。

即ち、本発明は発泡材の充填される両面パネル
の中空部内に、スリーブ穴形成用バー部材をその
一部側面を該中空部内壁面に当接させて配置し、
且つ該スリーブ穴形成用バー部材の残部側面に紙
等の保護部材を被覆し、次いで発泡材を充填、発
泡、硬化させた後、上記スリーブ穴形成用バー部
材を引抜くことを特徴とするパネル内配管用スリ
ーブ穴の製造法であつて、パネルの製造と同時に
パネル内に配管用スリーブ穴を形成するものであ
る。

本発明において、上述のように紙等の保護部材
を使用した理由は、スリーブ穴形成用バー部材を
直接発泡材と接触せしめないためであつて、この
構成により、上記バー部材の引抜きを容易にする
ためである。本発明においてはこのバー部材の引
抜きの際、保護部材が発泡材中に残留するが、残
留した保護部材によりスリーブ穴が保護される。

又、本発明において、スリーブ穴形成用バー部
材の一部側面を中空部内壁に当接させた理由は、
比較的堅牢な中空部内壁面の縁部を支点として、
多少バー部材を揺動可能とし、バー部材を引抜き
易くするためである。

次に、本発明方法を図面に示す一実施例につい
てさらに具体的に説明する。

第１図は両面パネルの部分断面図を示すもので
あり、同図において、１は一対の表面板、２は芯
材、３はユリア樹脂等の発泡材を示す。一対の表
面板１は、両面パネルの枠体（図示せず）の上下
に固定されるものであり、又芯体２は用途に応じ
適宜の位置に適宜の数だけ設けられる。発泡材３
は、通常パネルの枠体内に適宜に芯材を配置し、
表面板１を固定して形成した両面パネルの中空部
４、即ち表面板１、枠体、及び芯材２によつて区
画される空間に充填され発泡後硬化される。

本発明においては、このような発泡材３の中空
部４への充填に先立ち、中空部４内にスリーブ穴
形成用バー部材５が配置される。スリーブ穴形成
用バー部材５はその一部側面を中空部４の内壁面
に、例えば図示の如く、芯材２及び表面板１、或
は表面板１のみに当接させて配置することが必要
であり、又その残部側面には第２図にも示す断面
Ｌ字型、或は字型の紙等の保護部材６が被覆さ
れる。

上述のようにスリーブ穴形成用バー部材５を中
空部４内に配置し、保護部材６を被覆した後、発
泡材４が中空部４に充填される。充填された発泡
材４は、保護部材６によつて、スリーブ穴形成用
バー部材５と隔離されているから、上記バー部材
５には付着しない。

発泡材４は充填後、発泡、硬化され、発泡材の
硬化後、スリーブ穴形成用バー部材５が引抜かれ
る。スリーブ穴形成用バー部材５は保護部材６で
発泡材４と隔離されているから容易に引抜くこと
ができ、引抜かれた部分に配管用スリーブ穴が形
成される。形成された配管用スリーブ穴の内側面
には通常保護部材６が残留する。もし、スリーブ
穴形成用バー部材５の引抜きが若干困難なとき
は、パネルの中空部内側壁の縁部を支点としてス
リーブ穴形成用バー部材５を多少揺動させると良
い。スリーブ穴形成用バー部材５を揺動させるこ
とにより、保護部材６が多少発泡材４側に移動す
るから、スリーブ穴形成用バー部材が引抜き易く
なる。

以上のように、本発明の方法は、パネルの製造
と同時にパネル内に配管用スリーブ穴を形成する
ことができるものであつて、スリーブ穴形成用バ
ー部材に発泡材が付着しないから、その引抜きを
極めて容易に行ない得ると共に、スリーブ穴内側
面に保護部材を残留させるものであるから、上記
バー部材の引抜きに際し、スリーブ穴が損壊する
こともなく、又スリーブ穴内側面に保護部材を残
留させるからスリーブ穴への配管を容易にする
等、種々の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のパネル内配管用スリーブ穴の
製造法を説明するための両面パネルの部分断面図
であり、第２図は保護部材とバー部材の一例を示
す斜視図である。 ３……発泡材、４……中空部、５……スリーブ
穴形成用バー部材、６……保護部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 発泡材の充填される両面パネルの中空部内
   に、スリーブ穴形成用バー部材をその一部側面を
   該中空部内壁面に当接させて配置し、且つスリー
   ブ穴形成用バー部材の残部側面に紙等の保護部材
   を被覆し、次いで発泡材を充填、発泡、硬化させ
   た後、上記スリーブ穴形成用バー部材を引抜くこ
   とを特徴とするパネル内配管用スリーブ穴の製造
   法。