JPH0236339B2 - Kankochosetsufuirumunokinchohoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は缶口に張設したフイルム（例えば合
成樹脂フイルム又は金属箔など）を機械的に緊張
させることを目的とした缶口張設フイルムの緊張
方法に関するものである。

缶口へ合成樹脂フイルム又は金属箔を張設して
缶口の密封性を向上させることは普通に行われて
いるが、合成樹脂フイルム等を緊張して張設する
ことがむつかしく、フイルムの設置時に若干のゆ
るみを生じるので、合成樹脂フイルムを熱収縮性
とし、フイルム張設後、フイルム面を加熱して緊
張している。然し乍らこの方法によるときは、熱
収縮性フイルムを用いなければならないのみなら
ず、金属箔には採用し得ない問題点があつた。ま
た加熱方法が適切でなかつたり缶形（例えば角
缶）によつては十分の緊張を得られないという問
題点もあつた。

然るにこの発明はフイルムの内側に嵌挿した金
属リングを缶胴側へ変形し、フイルムの周縁部を
同方向へ引張るので、熱加工することなく、全フ
イルムを緊張できることになり、前記従来の問題
点を解決したのである。

即ちこの発明を第１図および第２図に示す実施
例について説明する。缶胴１の上端部と、缶口部
へ嵌挿した押蓋状の合成樹脂フイルム２の上端部
および前記合成樹脂フイルム２の内側へ重ねた金
属リング３の上端部とを一体に巻締固着する。前
記金属リング３に下端部には断面円形の環状部４
が設けてあつて、環状部４の下壁は合成樹脂フイ
ルムに当接している。前記において、金属リング
の環状部４を第１図中矢示５のように外周に向け
て加圧し、該環状部を第２図図示のように変形す
れば合成樹脂フイルム２は第２図中矢示６，６の
ように缶胴壁方向へ加圧され、均等に緊張され
る。

次に第３図および第４図の実施例は、前記実施
例における金属リング３に代えて下部に断面円形
の環状部を有しない金属リング７（下縁部をカー
ルしてある）を用いるものである。この場合にお
いては金属リングの下部を缶胴壁方向へ膨出させ
て環状凹入部８を設け、これにより合成樹脂フイ
ルム２の周縁部を缶胴壁方向へ押圧し、緊張させ
たものである。また第５図の実施例は、缶胴１と
金属リング９とを外側へ膨出させて、環状凸条１
０を設けたもので、前記外側への膨出により合成
樹脂フイルム２を緊張させたものである。前記実
施例によれば合成樹脂フイルムを緊張したけれど
も合成樹脂フイルムに代えて金属箔を用いること
もできる。またこの発明の方法は、円缶でも角缶
でも採用できる。従つて従来角缶については有効
な緊張方法がなかつたが、この発明により角缶口
に張設したフイルムを容易に緊張することができ
る。

即ちこの発明によれば、加熱することなくフイ
ルムを緊張し得るので、緊張不足を生じたり、フ
イルム材料に制約されることなく、所定の緊張度
を付与することができる効果がある。従つて従来
有効な方法のなかつた角缶および金属箔の緊張に
用い得るなどの利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施に用いる缶の断面図、
第２図は同じく加工後の断面図、第３図は同じく
他の金属リングを用いた缶の断面図、第４図は同
じく金属リングを膨出させた断面図、第５図は同
じく金属リングと缶胴を膨出させた缶の断面図で
ある。 １……缶胴、２……合成樹脂フイルム、３……
金属フイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 缶口部へ押蓋状のフイルムを内装すると共
   に、フイルムの内側へ金属リングを嵌挿し、前記
   缶口縁部と、フイルムの周縁部および金属リング
   の上縁部を重ねて巻き締めた後、前記金属リング
   の下部内周壁を缶胴内壁側へ加圧移動させて、フ
   イルムの周縁部を缶胴周壁方向へ引張り、全フイ
   ルムを緊張させることを特徴とした缶口張設フイ
   ルムの緊張方法。 ２ 金属リングの下部周壁の移動は、金属リング
   の下部に設けた断面円形の環状膨大部を加圧変形
   して行うことを特徴とした特許請求の範囲第１項
   記載の缶口張設フイルムの緊張方法。 ３ 金属リングの下部周壁の移動は、金属リング
   の下部周壁に環状突条を設けて行うことを特徴と
   した特許請求の範囲第１項記載の缶口張設フイル
   ムの緊張方法。 ４ 金属リングの下部周壁の移動は金属リングと
   缶胴とを共に外側へ環状に膨出させて行うことを
   特徴とした特許請求の範囲第１項記載の缶口張設
   フイルムの緊張方法。