JPS6233700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドラム缶の巻締部に関し、より詳し
くは、内圧に対する耐圧性が高くされたドラム缶
の巻締部に関する。

ドラム缶は互いに直角をなす円筒状の缶胴の上
下端縁と、平板状の缶閉鎖板（蓋板及び底板）の
外周縁とを結合して巻締部を形成してなるもので
ある。従来から知られている巻締部としては、例
えば第１図に示すように、缶胴１０の端縁にルー
プ１２を形成し、その中に缶閉鎖板２０の周縁２
２を突入させ、これらを捲回して成るものがあ
る。

しかし、この従来例では、ドラム缶の水圧試験
をすべくドラム缶内に水圧をかけると、缶閉鎖板
２０が膨出して巻締部が順次伸長する。その結
果、ループ１２は缶閉鎖板２０の先端２４の押圧
作用により容易に開口し、巻締部が解放され、内
溶液が漏洩してしまう問題点がある。

本考案は、上記従来例における問題点を解決す
ること、即ち、内圧に対する耐圧性が高く、ドラ
ムの肉厚がうすくされ、しかも製造容易なドラム
缶の巻締部を提供することを目的としてなされた
ものである。

上記目的を達成するために、本考案において
は、缶胴の端縁先端にコブ状の環部を形成してお
き、この端縁と缶閉鎖板の周縁とを接着剤を介在
させることなく重ね合わせて略２回捲回したので
ある。なお、ここで１回捲回とは略180゜にわた
つて半ループ状に捲回することをいい、従つて２
回捲回とはほぼ360゜にわたつてループ状に捲回
することをいう。

これにより、缶胴の端縁と缶閉鎖板の周縁とは
互いに密着され、巻締部の断面には略８層が存在
することになるので、ドラム缶に圧力が加わつた
ときには巻締部が解放されることを防止し、また
内容物が外部にもれ出ることを防止する。

以下、本考案の実施例を図面をもとに説明す
る。

第２図に示した実施例においては、缶胴５０の
端縁には半ループ状の湾曲部５２及び５４と、そ
の先端のコブ状の環部５６とが形成されている。
一方、缶閉鎖板６０の周縁には三つの半ループ状
の湾曲部６２，６４及び６６が形成されている。
缶胴５０の湾曲部５２及び５４は、各々缶閉鎖板
６０の湾曲部６２，６４及び６６の間に画定され
る空間内に配置され、これらに密着している。こ
れは、缶胴５０の端縁と缶閉鎖板６０の周縁とを
重ねたものを二回捲回することにより形成された
ものであり、その際接着剤は使用していない。

このように、本考案によれば、缶胴５０の端縁
に環部５６を形成しておき、接着剤を介在させる
ことなく缶胴５０の端縁と缶閉鎖板６０の周縁と
を重ね合わせて略２回捲回して巻締部を形成した
ので、巻締部の断面においてこれを形成する部材
の層が略８となり、耐圧性が向上することとなつ
た。従つて、このドラム缶で水圧試験を行なつて
缶内に内圧をかけても、缶閉鎖板６０と缶胴５０
とが完全に分離してしまうことがない。缶胴５０
の先端にはコブ状の環部５６が形成され、これが
先端６８により押し拡げられることはなく、また
巻締部を形成する層の数が向上しているからであ
る。

また缶胴５０の端縁と缶閉鎖板６０の周縁との
密着性が向上しているので、巻締部から内容物が
漏洩することが有効に防止される。

さらに巻締部の耐圧性が向上したので缶胴及
び／又は缶閉鎖板の肉厚をうすくでき、これによ
り製造コストが低減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の一つを示す要部断面図であ
る。第２図は本考案の一実施例を示す要部断面図
である。 主要部分の符号の説明、５０……缶胴、６０…
…缶閉鎖板、５２，５４……ループ、６２，６
４，６６……ループ、５６……環部、６８……先
端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに直角をなす缶胴の端縁と、缶閉鎖板の周
   縁とを結合してなるドラム缶において、 先端にコブ状の環部を形成した前記缶胴の端縁
   と前記缶閉鎖板の周縁とを、接着剤を介在させる
   ことなく重ね合わせて略２回捲回することにより
   略断面円形巻締部を形成し、該巻締部の断面は略
   ８層で形成されていることを特徴とするドラム缶
   の巻締部。