JP2005329961A - 粉体陽圧密封容器用蓋 - Google Patents

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善文 田口
Yoshio Oda
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Abstract

【課題】粉体を陽圧状態で密封したとき、破裂することなく、保圧状態であることも確認でき、容易に開封もでき、かつ、開封時、粉体が飛び散ることなく陽圧状態を解除することができる蓋を提供する。
【解決手段】開口部2が形成された蓋体3と蓋体3の内面に取り付けら、開口部を覆う金属薄膜を含む多層フィルムとを備え、多層フィルムと蓋体内面との間には開口部を取り囲むシール部が設けられ、密封後、多層フィルムが外部側へ膨らむことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、容器内を陽圧にした状態で粉体を保存する容器用の蓋に関し、特に初期開封時に治具による易開封性を有し、かつ蓋の破裂,粉体の飛散を防止する粉体陽圧密封容器用蓋に関する。
レギュラーコーヒー用の焙煎挽き割りしたコーヒー粉は、炭酸ガス0.1MPa以上の陽圧状態で封入されると、コーヒー粉自体からの炭酸ガスの発生が抑えられ、同時に香りの散失を抑制できることが知られている。
しかしながら従来、コーヒー粉を0.1MPaの陽圧容器に封入した場合、蓋の開封時に炭酸ガスとともにコーヒー粉が吹き出してくる。粉体陽圧密封容器の粉体吹き出しを防止するため、従来から蓋構造について様々な考案がされている。(特許文献1〜3参照)。
実開昭63−144428号公報 特開平3−133744号公報 特開平9−95353号公報 特許文献1,2には、初期破断される開口用タブの固定部周縁にフィルターや濾紙を取付け、初期開封時にガスのみ逃がして粉体内容物の吹き出しを防止する技術が記載され、特許文献3には蓋体に粉体内容品取出し用開口部と共にガス抜き用のスリットまたは小穴を設け、その上から、すなわち蓋体の外面側から容易に剥離可能なシール膜を貼る技術が記載されている。
しかしながら特許文献1,2の吹き出し防止蓋の場合には、開口用タブを勢いよく持ち上げるとフィルターからガスが抜けきらない内にフィルターと蓋体間に隙間が生じ、この隙間から粉体内容物が吹き出してしまって、フィルターを付けた効果が失われてしまう問題がある。
また、特許文献3の吹き出し防止蓋の場合は、0.1MPaに満たないガスと共に粉体を封入する場合は良好だが、所望とする0.1MPa以上の比較的高い圧力のガスと共に粉体を封入する場合は、シール膜の強固な密着性と容易な剥離性とを両立させることが不可能である。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、0.1MPa以上の陽圧状態を確実に確保でき、しかも開封時に粉体内容物の吹き出しを防止できる吹き出し防止蓋を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明にあたっては、蓋の少なくとも1箇所に開口部を形成し、蓋体の内面側から該開口部を覆うための少なくとも金属箔層を含むフィルムを、該フィルムと蓋体との間に設けた該開口部を取り囲むシール部によりシールしておき、該蓋を用いてガスと共に粉体を容器に密封後、該容器内部が0.1〜0.25MPaに陽圧化されたことにより、密封前に平面状であった該フィルムを上方にドーム状に張り出させたことを特徴とする。
該金属箔層は厚さ10μm以上のアルミ箔としたことを特徴とする。なお、該アルミ箔の厚さは、内圧0.25MPaに耐えられ、0.1〜0.25MPaに陽圧化したときにドーム状に変形しやすく、かつ、カッター等の治具による容易な開封が可能となる10〜55μmとすることがより好ましい。
該開口部はφ40mm以上の円形としたことを特徴とする。
また、該開口部の面積は1400mm以上としたことを特徴とする。
該開口部の端部にカール加工を施したことを特徴とする。なお、該カール加工は蓋体外面側に向かってめくり返されたオーバーロール形状に加工するのがより好ましい。
該フィルムは、樹脂製フィルム層を少なくとも1層以上付加した多層フィルムであることを特徴とする。
該シール部上で、該フィルムを蓋体内面に接着によってシールしたことを特徴とする。
また、該シール部上で、該フィルムを蓋体内面に熱溶着によってシールしたことを特徴とする。
該蓋の容器への密封が、巻き締めにより施されたことを特徴とする。
また、該蓋体の容器への密封が、クリンチにより施されたことを特徴とする。
該シール部を、少なくとも該巻き締めまたは該クリンチによる圧着部に形成したことを特徴とする。
また、該密封された蓋の開封がカッターにより該フィルムを破ることにより行われることを特徴とする。
さらに、該粉体が焙煎挽き割りコーヒー粉であり、該ガスが二酸化炭素であることを特徴とする。
本発明によれば次のような効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、金属箔層を含む多層フィルムを蓋体内面より蓋体開口部を取り囲むようシールすることにより、該蓋で容器を密封した後、容器内が陽圧になってもガスがもれることがなく、多層フィルム自体が裂けることもなく、また、多層フィルムが内圧によりシール面を含む蓋体内面に押しつけられることから剥離しにくくなるので、確実に密封を保つことができる。
また、フィルムを破断する際に、カッターなどの破断手段をフィルムに突き刺した瞬間にガスが抜けて陽圧が解消されるが、その瞬間には、突き刺して破れた部分は破断手段で塞がれており、破断手段と破れ目の隙間からガスのみが解放され、内容物の吹き出しは破れ部に入り込んでいる破断手段によって阻止される。
また、フィルムが圧力によって外側に膨張するので、陽圧状態が維持されていることが、フィルムの膨張状態から一目で確認することができ、内容物の品質保持の証明となる。
請求項2に記載の発明によれば、金属箔層が10μm以上のアルミ箔であるため、該蓋で容器を密封した後、容器内が陽圧になっても多層フィルム自体が裂けることもなく、また、カッターにて開封時、アルミ箔の厚みが十分あるため、内圧によって切り裂かれ、フィルムが破裂することがない。

請求項3,4に記載した発明によれば、開口部が充分広く形成されているため、該蓋で容器を密封した後、内圧により多層フィルムが外部へ充分膨張し、陽圧状態が維持されていることが、フィルムの膨張状態から一目で確認することができ、さらに、粉体をかき取るためのスプーン等を容易に入れることができる。
請求項5に記載した発明によれば、開口部の端部にカール加工が施されているため、開口部の端部で多層フィルムが切り裂けることがなく、また、消費者が端部で手を切ることもない。
請求項6に記載した発明によれば、樹脂製フィルムを少なくとも1層設けることにより、アルミ箔層を保護し、また、多層フィルムを蓋体と熱溶着により接着を行うことが可能となる。
請求項7,8に記載した発明によれば、フィルムを蓋体内面から接着または熱溶着によりシールするので、工業的に簡便であり、特に熱溶着では特別な接着剤を使用しなくて済む。
請求項9,10に記載した発明によれば、該蓋は巻き締めまたはクリンチにより密封されるので、工業的に簡便であり、また、ガスを入れた後、即時、または容器内部が適性圧になるときを見計らって容器を密封する際に適している。
さらに、請求項11に記載した発明によれば、接着によるシール部の外側から多層フィルムを固定するので、容器が陽圧になったときに、接着面の剪断力を低減することができ、さらに、接着面自体省略することも可能である。
請求項12に記載された発明によれば、カッターを用いてフィルムを破ることにより、簡単かつ、粉体を飛散させることなくガスを抜ぬきと開封をすることができる
さらに、請求項13に記載した発明によれば、焙煎挽き割りコーヒーを二酸化炭素とともに密封することにより、フィルムが外部に張り出している場合は新鮮な香りが保持されている証拠となる。
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1(A)〜(D)は、本発明の実施の形態に係わる粉体陽圧密封容器用蓋1を示している。
この粉体陽圧密封容器用蓋1には、部分的に開口部2が形成された蓋体3と、蓋体3の内面に取り付けられ開口部2を覆う、多層フィルム4とを備え、多層フィルム4と蓋体3との間には開口部2を取り囲むシール部7が設けられている。蓋体3の外周は円形で、開口部2の形状は蓋体外周と同心の円形となっている。開口部2の開口縁には蓋体外面側、すなわち図1(C)では上方にめくり返された円環状のカール部5が設けられている。
シール部7は、多層フィルム4を蓋体3の内面側で熱溶着するヒートシールによって構成されている。該熱溶着する際の加熱は、該樹脂製フィルム層をシーラントとし、加熱されたブロックによる接触式加熱でもよいし、該金属箔層、あるいは金属製蓋体の場合はそれを用いて高周波誘導加熱によって行ってもよいし、超音波シールを行ってもよい。また、熱溶着の代わりにセメント等の接着剤を用いて接着してもよい。また、接着剤を用いる場合は多層フィルムのところを金属箔の単層フィルムにしてもよい。
さらに、蓋体3の外径端部は、容器と巻き締めにより密封できるよう通常の缶蓋同様、カール部6の加工が施され、カール部内面側溝には密封用ライナー8が塗られている。
図2には多層フィルム4の層構成と蓋体3の層構成の一例が示されている。
多層フィルム4には、粉体陽圧密封容器用蓋1で容器を密封後0.1MPa以上の陽圧状態となったときに、シール部7が剥離しないよう充分なシール強度を備えさせ、また、耐突き刺し強度を備えさせるための、熱溶着用かつ保護用の樹脂フィルム層4aを接着面側かつ蓋フィルム部外面側である9側に使用している。
また、多層フィルム4には、ガスバリア性と耐破裂性を備えさせるための金属箔層4bと、金属箔層を保護するための製樹脂フィルム層4cを有する。
蓋体3は金属材3aの内外面が合成樹脂3b,3cによってコーティングされ、さらに塗膜3bの上にヒートシール用の樹脂フィルム層3dがコーティングされた構成となっている。なお、外面側合成樹脂3bは省いてもよい。
図3(A)〜(B)に、上記構成の粉体陽圧密封容器用蓋1を使ってコーヒー粉等の粉体を二酸化炭素等のガスと共に容器に充填し、粉体陽圧密封容器用蓋1を巻き締め密封した図を示す。
ガス圧によってシール部7は開口部2に向かって引っ張られるが、ガスの圧力によって多層フィルム4が蓋体3の裏面に押し付けられるので、シール部7に圧着力が働き、シール部7の剥離が防止される。
また、ガス圧によって多層フィルム4は膨張し、図3(B)に示すように、開口部2から蓋体上面より上方に張り出す外観となる。開封前の膨張した容器外観は一般的に好ましくないが、陽圧を保っていることが分かることと、コーヒー粉等の香味性を有する粉体の場合、この外観により新鮮な香りが保持されている証拠となる。

なお、多層フィルム4はこの膨張した状態にあっても、厚さを充分確保した図2における金属箔層4bによって張り裂けることはなく、また、前述のカール部5の丸み5aにより、多層フィルム4は蓋体3の開口部2の端縁によって切り裂けることはない。
この粉体陽圧密封容器用蓋1を開封する場合には、カッター10を多層フィルム4に押し当てて切る。
これにより図4(A)に示すようにカッター10が多層フィルム4を突き破り、容器内のガスが抜けて陽圧が解消される。多層フィルム4の破損部4dはカッター10が入り込んでいるため、勢いよく開封してもカッター10と破損部4dとの隙間からガスのみが解放され、さらに、多層フィルム4も厚さを充分確保した金属箔層4bによって破損部4dから張り裂けることがないので、粉体が飛び散ることはない。
ガス抜きが完了後、カッター10でさらに多層フィルム4を、粉体を取り出すのに充分な大きさまで切り広げることにより開口は完了する。
なお、図4(A)〜(C)に示すように、開封時、カッター10を開口部2の端縁近傍より当てて切ってガス抜きを行い、ガス抜き後、開口部2の端縁に沿って全周の多層フィルムを切り落とすことが好ましい。
さらに、図5(A)〜(B)のような、リシール性を有したキャップ17を具備させ、開封後の蓋をリシール可能にすると、蓋開封後もすぐに鮮度や香りが失われることがないので、より好ましい。
開口部2の形状としては、開口面積が1400mm以上であれば図6(A)〜(C)に示すような半月状形状としてもよい。すなわち、蓋体3の外周と同心円状の円弧部2bと、円弧部2bの両端を結ぶ直線2aとを備え、円弧部2bと直線部2aとの角部は円弧形状となっている。
このように半月状形状とすれば、直線部2aを、粉体を掻き取るための計量スプーン等の擦り切り部として利用可能であり便利である。
図7(A)〜(B)は多層フィルムの他の取り付け例を示している。
図7(A)のシール部は、シール部7aの他に、さらに多層フィルム4の外径端を巻き締め部6aまで延ばし、巻き締め部6aに蓋体3ごと巻き込んでシールした、シール部7bを備えるものである。
このようにすれば、熱溶着シール部7aの剪断方向のずれを防止することができ、シール部7aの剪断剥離による剥がれ防止効果を高めることができる。
また、図7(B)に示すように、図7(A)におけるシール部7aを設けないで多層フィルム4の外径端部を蓋体3の巻き締め部6aに密封状態で巻き込み、巻き締め部6aのみをシール部7bとしてもよい。開口端部2が巻き締め部6aに近い場合は図7(A)におけるシール部7aがなくとも、シール部7bのみでカッター10を押し込むときの支えとして充分機能する。
さらに、図8(A)〜(B)に示すように蓋体3を容器にクリンチにて密封してもよい。図のように、容器の開口端縁に外巻きカール部13を設けておき、蓋体3端部にもあらかじめ取り付け周壁14を設け、さらに取り付け周壁14の上部を外側に湾曲させて取り付け縁15とし、取り付け縁15の内面に密封用コンパウンド16を設けておく。
コンパウンドとしては、食品系の粉体用蓋の場合はスチレンブタジエンまたは天然ゴムを用い、非食品系の粉体用蓋の場合にはブタジエンニトリルを用いてもよい。
そして、粉体とガスを封入後、蓋体3を容器開口部に挿入し、取り付け縁15を外巻きカール部13上に載せて圧着すると共に取り付け周壁14の中間部を外側に突き出して突出部上側を外巻きカール部13の内周下部に締着させる。
図8の形態に置いても、図7同様にクリンチによる締着部を缶体とフィルムのシール部としてもよい。(図示せず)
なお、上記実施の形態の内容物としてはコーヒー粉の他に抹茶や紅茶、ココアパウダー、香辛料、粉体調味料でもよく、封入するガスとしては、炭酸ガスの他に窒素等の不活性ガスでもよい。
また、蓋体形状は容器との密封が可能であれば、楕円形、角型等いずれの形状をとってもよい。
実施例1
この実施例の粉体陽圧密封容器用蓋は、図1〜4に示すように、まず、蓋体として、厚さ0.26mmのSPTEブリキの内外面にエポキシ系合成樹脂を4μm塗布し、内面にはさらに全面を130μmのポリエチレンでラミネートした鋼板を、外端は、開口径φ74mmの缶容器の巻き締めに適合するよう、金属缶蓋で通常行われる円形の打ち抜き,カール成形,カール溝内へのスチレンブタジエン製密封用ライナーの塗布を施し、内側は開口円形穴部を有し、開口穴端縁が外側にR1mmの形状でカールされ、円形穴は穴径がφ40mmで蓋体と同心円になるよう、打ち抜き、カール加工を施した蓋体を作成した。
蓋体開口部をふさぐ多層フィルムとして、蓋外面側から順に70μmのポリエチレン製フィルム層、10μmのアルミ箔層、12μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム層を有する3層構造とし、各層はドライラミネートにより接着した。
この多層フィルムを蓋体開口部の直径より16mm大きい直径(開口径がφ40mmであるこの実施例の場合、φ56mm)で打ち抜き、多層フィルムのポリエチレン層側と蓋体とを蓋体内面側からヒートシールした。
ヒートシールは蓋体開口部端より1mm外側に離れた位置から幅8mmで円環状に形成するシール部(この実施例の場合、内側径φ42mm,外側径φ56mmの円の間に囲まれた領域)で、ホットシール方式の加熱により加熱溶着させ、粉体陽圧密封容器用蓋を作成した。
容器への粉体のガス陽圧充填として、外径φ77mm,高さ130mm,全内容積590mlで、開口部に巻き締め用フランジ部を有する缶体容器に、粉末状ドライアイスを2.5g供給後、焙煎挽き割りしたコーヒー粉150gを充填した後、缶内空気が粉末ドライアイスの昇華で発生する二酸化炭素とともに充分追い出した後、粉体陽圧密封容器用蓋にて巻き締め、缶内圧を0.1MPaにした。
そして、図9(A)に示すように、蓋体開口部に位置する多層フィルム部分は内圧によりドーム状に膨らんだが、破裂は起こらなかった。膨らんだ高さhは4mmで陽圧であることが充分確認できる高さであった。
次に、通常のカッターナイフで多層フィルムの蓋体開口端縁近傍の一部を切り裂いたところ、フィルムが張り裂けることはなく、また、粉体が飛散することもなく、ガスのみがフィルム裂け目とカッターの間から抜け出て、コーヒーの良好な香りが炭酸ガスの流れにのって周囲の空間に行き渡った。
さらに、カッターナイフで多層フィルムを蓋体開口端縁に沿って円形に切り抜いたところ、計量用として広く用いられている、直径φ30mm,高さ25mmのシリンダー状凹部を有する1杯計量用のスプーンが入り、粉体を取り出せる広さの開口部となった。
比較例1
以下の実施例では、実施例1と同様の部分は省略する。この実施例では蓋体内側を穴直径とφ35mmの円形で蓋体と同心円になるよう、打ち抜き、カール加工を施したメガネ蓋体を使った粉体陽圧密封容器用蓋の例であり、巻き締め後、図9(B)に示すように、多層フィルム部分は内圧によりドーム状に膨らむが、膨らんだ高さhは2mmで陽圧であることが確認しにくい高さであった。
実施例2
この実施例では図6に示すごとく、蓋体内側の開口穴として、半径R30mmの蓋体外径円と同心の円弧を有し、直線部を幅Dが30mmとなる位置に設け、開口面積1400mmとなる半月状形状穴を備えた蓋体を用いている。多層フィルムは開口形状より10mm外方に広げた相似形状(開口形状幅Dに相当する部分は幅50mmになる大きさ)に打ち抜き、開口形状と相似形で開口端縁線より2mm外側の稜線と10mm外側の稜線で囲まれたシール部7を有する粉体陽圧密封容器用蓋の例であり、巻き締め後、図6(B)多層フィルム部分は内圧によりドーム状に膨らんだが、多層フィルムが張り裂けることはなかった。また、膨らんだ高さhは4mmで陽圧であることが充分確認できる高さであり、カッターにて開口端縁に沿って切り抜いたところ、該計量スプーンが充分入る大きさで、開口端縁の直線部2aで計量スプーンに入ったコーヒー粉を擦り切ることが可能となった。
比較例2
この実施例では多層フィルムのアルミ箔層の厚さを5μmとした。この蓋を用いて密封したとき、中にはアルミ箔層のみが裂けているものがあり、樹脂フィルム層によって保護はされているが、いつ破裂するか分からない危険性の点とガスバリア性低下の点で好ましくない。
実施例3
この実施例では多層フィルムのアルミ箔層の厚さを55μmとし、容器内圧が0.25MPaとなるよう密封を行った。このとき、図9(A)におけるhは5mmで陽圧であることが確認できる高さであった。また、カッターナイフで多層フィルムの蓋体開口端縁近傍の一部を切り裂いたところ、フィルムが張り裂けることはなく、また、粉体が飛散することもなく、ガスのみがフィルム裂け目とカッターの間から抜け出た。
比較例3
この実施例では多層フィルムのアルミ箔層の厚さを60μmとし、容器内圧が0.25MPaとなるよう密封を行った。このとき、図9(A)におけるhは5mmで陽圧であることが確認できる高さであった。ところが、カッターナイフで多層フィルムの蓋体開口端縁近傍の一部を切り裂こうとしたところ、フィルムが硬いため、カッターの刃が刺さりにくく滑りやすいため、危険で不適であった。
なお、実施例1〜3について、蓋体の構成は1つの例であり、材料にはアルミ板を用いてもよいし、蓋体外面にコーティングする樹脂はポリエステル樹脂またはアクリル系の合成樹脂であってもよいし、無塗装でもあってもよい。また、内面全面にポリエチレンをラミネートする代わりに、開口部を覆うシール部として、蓋体開口径より大きい円環状に樹脂をコーティングしてもよい。
図1は本発明の実施の形態に係る粉体陽圧密封容器用蓋の巻き締め前の図である。 図2は本発明の実施の形態に係る粉体陽圧密封容器用蓋の蓋体とフィルム層構成を示す図である。 図3は本発明の実施の形態に係る粉体陽圧密封容器用蓋の巻き締め後の図である。 図4は本発明の実施の形態に係る粉体陽圧密封容器用蓋の開封の図である。 図5は本発明の実施の形態に係る粉体陽圧密封容器用蓋開封のリシール蓋の図である。 図6は本発明の実施の形態に係る別形態の粉体陽圧密封容器用蓋の巻き締め後の図である。 図7は本発明の実施の形態に係る別形態のシール図である。 図8は本発明の実施の形態に係る別形態の密封図である。 図9は本発明の実施および比較形態に係るフィルムの膨らみを示す図である。
符号の説明
1 … 粉体陽圧密封容器用蓋
2 … 開口部
3 … 蓋体
4 … フィルム
5 … カール部
6 … 巻き締めカール部
7 … シール部
8 … ライナー
9 … フィルム外面側
10 … カッター
11 … 容器
12 … 縮径部
13 … 外巻きカール部
14 … 周壁部
15 … 取り付け縁
16 … ライナー
17 … キャップ

Claims (13)

  1. 容器にガスと共に粉体を入れて密封する蓋において、蓋体の少なくとも1箇所に開口部が形成され、前記蓋体の内面より取り付けられて前記開口部を覆う、少なくとも金属箔層を含むフィルムを備え、前記フィルムと蓋体との間には前記開口部を取り囲むシール部が設けられており、密封後、前記ガスにより前記容器の内部が0.1〜0.25MPaに陽圧化されたことにより、密封前平面状であった前記フィルムが外方に張り出すことを特徴とする、粉体陽圧密封容器用蓋。
  2. 前記金属箔層が、厚さ10μm以上のアルミ箔であることを特徴とする請求項1に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  3. 前記開口部がφ40mm以上の円形であることを特徴とする請求項2に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  4. 前記開口部の面積が1400mm以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  5. 前記開口部の端部にカール加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  6. 前記フィルムは、樹脂製フィルム層を少なくとも1層以上付加した多層フィルムであることを特徴とする請求項1〜5に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  7. 前記シール部上で、前記フィルムを蓋体内面に接着によってシールすることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  8. 前記シール部上で、前記フィルムを蓋体内面に熱溶着によってシールすることを特徴とする請求項7に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  9. 前記蓋の容器への密封が、巻き締めにより施されることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  10. 前記蓋の容器への密封が、クリンチにより施されることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  11. 前記シール部が、少なくとも前記巻き締めまたはクリンチによる圧着部に形成されることを特徴とする請求項9または10に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  12. 前記密封された蓋の開封は、カッターを用いて前記フィルムを破ることにより行えることを特徴とする請求項1〜11に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
  13. 前記粉体が、焙煎挽き割りされたコーヒー粉であり、前記ガスが二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜12に記載の粉体陽圧密封容器用蓋。
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