JPH0236157B2 - - Google Patents
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- JPH0236157B2 JPH0236157B2 JP58213738A JP21373883A JPH0236157B2 JP H0236157 B2 JPH0236157 B2 JP H0236157B2 JP 58213738 A JP58213738 A JP 58213738A JP 21373883 A JP21373883 A JP 21373883A JP H0236157 B2 JPH0236157 B2 JP H0236157B2
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Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
本発明は、原油の重質分(以下単に重質油とい
う)から高収率でガス及び油分を回収する方法に
関する。 重質油に炭素質固体粒子を添加して加圧・加熱
することによりその熱分解改質(以下特に必要で
ない限り熱改質という)を行ない、反応生成物を
減圧蒸留することによりピツチ及び油分を回収す
る方法は、公知である(特公昭52−35681号公報、
特公昭54−16961号公報等参照)。これ等の方法に
おいては、油分の分離回収を減圧蒸留により行な
つているが、処理液の熱分解、重縮合等による変
質を防止する必要上、蒸留温度には限界があり、
工業的規模の装置では、常圧換算で約450〜540℃
が上限である。従つて、沸点が約450〜540℃以上
の成分は、固型分とともに蒸留残渣として取り出
される為、有効に利用されるにいたつていない。 上記の熱改質反応生成物を遠心分離機、フイル
ター、液体サイクロン等により処理して、固型分
等を除去する方法も知られている。しかしなが
ら、これ等の方法では重金属成分(V,Ni等),
固型分、超重質成分等を選択的に分離・除去する
ことが困難であり、回収された液状物中に残存す
るこれ等の成分特に重金属成分が引続く処理工程
における触媒被毒の原因となつている。又、有用
成分である軽質油の一部が残渣に随伴して失わ
れ、プロセス全体の有用成分の収率低下をもたら
すという欠点もある。 本発明者は、重質油に炭素質固体粒子を添加
し、加圧・加熱することにより得られる反応生成
物の有用性をより高めるべく種々研究を重ねた結
果、熱改質反応生成物からガス及び軽質油を回収
した重質な残渣油(以下重質油という)に特定の
溶剤を加え、重力沈降処理を行なう場合には、重
金属成分,固型分及び超重質成分が選択的に分
離・除去されること、蒸留では回収出来なかつた
軽質な液状成分も容易に回収し得るので、有用成
分の収率が著るしく改善されること等を見出し
た。 すなわち、本発明は、下記の方法に係るもので
ある: (i) 重質油に炭素質固体粒子を添加して加圧・加
熱することにより熱分解改質を行なう工程、 (ii) 熱分解改質反応生成物をガス、軽質油及び重
質油残油に分離する工程、及び、 (iii) 上記重質残油に常温で液体であり且つ臨界温
度が350℃以下であるパラフイン化合物及び単
環ナフテン化合物からなる群から選ばれた少な
くとも一種を溶剤として重質残油重量の2〜12
倍量加え、温度100〜350℃、圧力溶剤の臨界圧
力以上の条件下に重力沈降処理を行なうことに
より重金属及び固形分を実質的に含まない液状
物を回収する工程 を備えたことを特徴とする重質油の熱分解改質方
法。 以下図面に示すフローチヤートを参照しつつ、
本発明を詳細に説明する。 第1図において、ライン1からの重質油は、ラ
イン3からの炭素質固体粒子と混合されてライン
5から熱改質装置7に供給され、加圧・加熱下に
熱改質反応に供される。重質油としては、常圧蒸
留残渣、真空蒸留残渣(アスフアルト)、天然ア
スフアルト、ビチユメン等が例示される。炭素質
固体粒子としては、石炭粉,コークス粉,黒鉛
粉,炭化樹脂粉,活性炭,カーボンブラツク等が
例示される。炭素質固体粒子の粒度は10〜400メ
ツシユ程度とすることが好ましい。重質油と炭素
質固体粒子の混合割合は、通常前者100重量部に
対し後者1〜10重量部程度であり、より好ましく
は前者100重量部に対し後者1〜3重量部程度で
ある。熱改質装置7内での加圧・加熱条件は、通
常温度350〜600℃程度、圧力5Kg/cm2G以上程
度、時間1分〜30時間程度である。圧力は、重質
油が所定温度下に液状で存在するために必要な程
度とすれば良い。 熱改質装置7で得られた熱改質反応生成物は、
ライン9から気液分離装置11に送られ、ライン
13からのガス及び軽質油とライン15からの液
状成分とに分離される。液状成分は、更にライン
15を経て減圧蒸留装置17に送られ、ライン1
9からの軽質油とライン21からの重質残油とに
分離される。減圧蒸留装置17内の温度は、液状
成分の熱分解、重縮合等による変質を防止する為
に、常圧換算で450〜540℃程度を上限とすること
が好ましい。ここで得られる重質残油は、油分、
レジン、アスフアルテン、固形分等からなつてい
る。アスフアルテンは、N,S等のヘテロ原子や
重金属の含有量が油分及びレジンよりも高い高分
子成分である。又、固形分は、原料重質油成分の
重縮合により生成したメソフエースが炭素質固体
粒子に合体して形成されたものである。 ライン21からの重質残油は、ライン23から
溶剤を添加され、ライン25を経て重力沈降処理
装置27に送られる。溶剤としては、取扱いやす
さの観点から、常温で液体であり且つその臨界温
度が350℃以下であるパラフイン化合物及び単環
ナフテン化合物を使用する。第1表に本発明で使
用される主な溶剤を示す。これ等の溶剤は、単独
で若しくは2種以上の混合物として使用される。
う)から高収率でガス及び油分を回収する方法に
関する。 重質油に炭素質固体粒子を添加して加圧・加熱
することによりその熱分解改質(以下特に必要で
ない限り熱改質という)を行ない、反応生成物を
減圧蒸留することによりピツチ及び油分を回収す
る方法は、公知である(特公昭52−35681号公報、
特公昭54−16961号公報等参照)。これ等の方法に
おいては、油分の分離回収を減圧蒸留により行な
つているが、処理液の熱分解、重縮合等による変
質を防止する必要上、蒸留温度には限界があり、
工業的規模の装置では、常圧換算で約450〜540℃
が上限である。従つて、沸点が約450〜540℃以上
の成分は、固型分とともに蒸留残渣として取り出
される為、有効に利用されるにいたつていない。 上記の熱改質反応生成物を遠心分離機、フイル
ター、液体サイクロン等により処理して、固型分
等を除去する方法も知られている。しかしなが
ら、これ等の方法では重金属成分(V,Ni等),
固型分、超重質成分等を選択的に分離・除去する
ことが困難であり、回収された液状物中に残存す
るこれ等の成分特に重金属成分が引続く処理工程
における触媒被毒の原因となつている。又、有用
成分である軽質油の一部が残渣に随伴して失わ
れ、プロセス全体の有用成分の収率低下をもたら
すという欠点もある。 本発明者は、重質油に炭素質固体粒子を添加
し、加圧・加熱することにより得られる反応生成
物の有用性をより高めるべく種々研究を重ねた結
果、熱改質反応生成物からガス及び軽質油を回収
した重質な残渣油(以下重質油という)に特定の
溶剤を加え、重力沈降処理を行なう場合には、重
金属成分,固型分及び超重質成分が選択的に分
離・除去されること、蒸留では回収出来なかつた
軽質な液状成分も容易に回収し得るので、有用成
分の収率が著るしく改善されること等を見出し
た。 すなわち、本発明は、下記の方法に係るもので
ある: (i) 重質油に炭素質固体粒子を添加して加圧・加
熱することにより熱分解改質を行なう工程、 (ii) 熱分解改質反応生成物をガス、軽質油及び重
質油残油に分離する工程、及び、 (iii) 上記重質残油に常温で液体であり且つ臨界温
度が350℃以下であるパラフイン化合物及び単
環ナフテン化合物からなる群から選ばれた少な
くとも一種を溶剤として重質残油重量の2〜12
倍量加え、温度100〜350℃、圧力溶剤の臨界圧
力以上の条件下に重力沈降処理を行なうことに
より重金属及び固形分を実質的に含まない液状
物を回収する工程 を備えたことを特徴とする重質油の熱分解改質方
法。 以下図面に示すフローチヤートを参照しつつ、
本発明を詳細に説明する。 第1図において、ライン1からの重質油は、ラ
イン3からの炭素質固体粒子と混合されてライン
5から熱改質装置7に供給され、加圧・加熱下に
熱改質反応に供される。重質油としては、常圧蒸
留残渣、真空蒸留残渣(アスフアルト)、天然ア
スフアルト、ビチユメン等が例示される。炭素質
固体粒子としては、石炭粉,コークス粉,黒鉛
粉,炭化樹脂粉,活性炭,カーボンブラツク等が
例示される。炭素質固体粒子の粒度は10〜400メ
ツシユ程度とすることが好ましい。重質油と炭素
質固体粒子の混合割合は、通常前者100重量部に
対し後者1〜10重量部程度であり、より好ましく
は前者100重量部に対し後者1〜3重量部程度で
ある。熱改質装置7内での加圧・加熱条件は、通
常温度350〜600℃程度、圧力5Kg/cm2G以上程
度、時間1分〜30時間程度である。圧力は、重質
油が所定温度下に液状で存在するために必要な程
度とすれば良い。 熱改質装置7で得られた熱改質反応生成物は、
ライン9から気液分離装置11に送られ、ライン
13からのガス及び軽質油とライン15からの液
状成分とに分離される。液状成分は、更にライン
15を経て減圧蒸留装置17に送られ、ライン1
9からの軽質油とライン21からの重質残油とに
分離される。減圧蒸留装置17内の温度は、液状
成分の熱分解、重縮合等による変質を防止する為
に、常圧換算で450〜540℃程度を上限とすること
が好ましい。ここで得られる重質残油は、油分、
レジン、アスフアルテン、固形分等からなつてい
る。アスフアルテンは、N,S等のヘテロ原子や
重金属の含有量が油分及びレジンよりも高い高分
子成分である。又、固形分は、原料重質油成分の
重縮合により生成したメソフエースが炭素質固体
粒子に合体して形成されたものである。 ライン21からの重質残油は、ライン23から
溶剤を添加され、ライン25を経て重力沈降処理
装置27に送られる。溶剤としては、取扱いやす
さの観点から、常温で液体であり且つその臨界温
度が350℃以下であるパラフイン化合物及び単環
ナフテン化合物を使用する。第1表に本発明で使
用される主な溶剤を示す。これ等の溶剤は、単独
で若しくは2種以上の混合物として使用される。
【表】
重力沈降処理時の温度は、被処理液(重質残油
と溶剤との混合物)の粘度及び比重を低下させて
固液分離を効率良く行なう為に100℃以上とし、
且つ被処理液の熱分解及び重縮合によるコーキン
反応を防止する為に350℃以下とする。圧力は、
溶剤を安定して均一相に保持する為に、当該溶剤
の臨界圧力以下とすべきである。重質残油に対す
る溶剤の添加量は、前者1重量に対し通常後者2
〜12重量部程度である。溶剤添加量が少ない場合
には、被処理液の粘度が十分に低下せず、且つ重
質残油に対する溶解能が十分に発揮されず、一方
溶剤添加量が多過ぎる場合には、装置コストが増
大する。重力沈降処理装置27内では、重質残油
中の固形分のほぼ全量及びアスフアルテンのより
重質な成分が、溶剤に溶解することなく合体及び
凝集し、固体粒子径を増大させる。周知の如く、
重力沈降においては、粒子の沈降速度は、粒子径
の2乗に比例するので、本発明によれば、固形分
及び超重質成分に含まない上澄液が得られる。
又、V,Ni等の重金属は、固形分及び超重質成
分に選択的に含有されている。上澄液は、重金属
をも実質的に含有していないことが判明した。 重力沈降処理装置27で得られた固形分及び重
金属を実質的に含まない上澄液は、ライン29か
ら蒸留装置31に送られてライン33から溶剤を
回収された後、ライン35から液状物として回収
される。 重力沈降処理装置27内で沈降した固形分及び
重金属を含む残渣は、ライン37を経て蒸留装置
39に送られ、ライン41からの溶剤とライン4
3からの固体残渣とに分離される。 尚、ライン33及びライン41から回収された
溶剤は、ライン23に循環使用する。 実施例 1 アラビアンヘビーアスフアルト(コンラドソン
カーボン残渣=CCR:22.3重量%)100重量部に
74μm以下のキーストン炭粉末(残留炭素88.2重
量%)5.3重量部を添加して内容量1の撹拌機
付オートクレーブに仕込み、20Kg/cm2.G、410
℃の条件下に5時間保持した。この際、ガス10重
量部が発生した。 オートクレーブ中に残存する反応生成物を減圧
下(5mmHg)に留出温度が250℃となるまで蒸留
して、油分40重量部を得た。又重質残油中の各成
分含量は、第2表に示す通りであつた。 第2表 V 386ppm Ni 114 〃 CCR 51重量% アスフアルテン 22 〃 次いで、上記の重質残油1重量部にヘキサン:
シクロヘキサン=1:3(重量比)の混合溶剤
(臨界圧力39.09Kg/cm2)6重量部を加え、内容積
3.5の撹拌機付オートクレーブに仕込み、温度
210℃、圧力40Kg/cm2・Gで抽出後、15分間静置
して上澄液を回収した。次いで、上澄液を蒸留す
ることにより溶剤を除去し、重金属及び固形分を
実質的に含まない液状物32.5重量部を回収した。
該液状物の性状を第3表に示す。 第3表 V 14ppm Ni 8 〃 CCR 10重量% アスフアルテン 4 〃 比較例 1 重質残油1重量部に対する溶剤の添加量を1.5
重量部とする以外は実施例1と同様の操作を行な
つた。 回収された液状物中のVは73ppm、Niは
55ppmであつた。 実施例 2 重力沈降処理時の温度を種々変更する以外は実
施例1と同様の操作を行なつた。 各温度における回収液状物の重金属含有量及び
CCR並びに液状物の回収率は、第4表に示す通
りである。
と溶剤との混合物)の粘度及び比重を低下させて
固液分離を効率良く行なう為に100℃以上とし、
且つ被処理液の熱分解及び重縮合によるコーキン
反応を防止する為に350℃以下とする。圧力は、
溶剤を安定して均一相に保持する為に、当該溶剤
の臨界圧力以下とすべきである。重質残油に対す
る溶剤の添加量は、前者1重量に対し通常後者2
〜12重量部程度である。溶剤添加量が少ない場合
には、被処理液の粘度が十分に低下せず、且つ重
質残油に対する溶解能が十分に発揮されず、一方
溶剤添加量が多過ぎる場合には、装置コストが増
大する。重力沈降処理装置27内では、重質残油
中の固形分のほぼ全量及びアスフアルテンのより
重質な成分が、溶剤に溶解することなく合体及び
凝集し、固体粒子径を増大させる。周知の如く、
重力沈降においては、粒子の沈降速度は、粒子径
の2乗に比例するので、本発明によれば、固形分
及び超重質成分に含まない上澄液が得られる。
又、V,Ni等の重金属は、固形分及び超重質成
分に選択的に含有されている。上澄液は、重金属
をも実質的に含有していないことが判明した。 重力沈降処理装置27で得られた固形分及び重
金属を実質的に含まない上澄液は、ライン29か
ら蒸留装置31に送られてライン33から溶剤を
回収された後、ライン35から液状物として回収
される。 重力沈降処理装置27内で沈降した固形分及び
重金属を含む残渣は、ライン37を経て蒸留装置
39に送られ、ライン41からの溶剤とライン4
3からの固体残渣とに分離される。 尚、ライン33及びライン41から回収された
溶剤は、ライン23に循環使用する。 実施例 1 アラビアンヘビーアスフアルト(コンラドソン
カーボン残渣=CCR:22.3重量%)100重量部に
74μm以下のキーストン炭粉末(残留炭素88.2重
量%)5.3重量部を添加して内容量1の撹拌機
付オートクレーブに仕込み、20Kg/cm2.G、410
℃の条件下に5時間保持した。この際、ガス10重
量部が発生した。 オートクレーブ中に残存する反応生成物を減圧
下(5mmHg)に留出温度が250℃となるまで蒸留
して、油分40重量部を得た。又重質残油中の各成
分含量は、第2表に示す通りであつた。 第2表 V 386ppm Ni 114 〃 CCR 51重量% アスフアルテン 22 〃 次いで、上記の重質残油1重量部にヘキサン:
シクロヘキサン=1:3(重量比)の混合溶剤
(臨界圧力39.09Kg/cm2)6重量部を加え、内容積
3.5の撹拌機付オートクレーブに仕込み、温度
210℃、圧力40Kg/cm2・Gで抽出後、15分間静置
して上澄液を回収した。次いで、上澄液を蒸留す
ることにより溶剤を除去し、重金属及び固形分を
実質的に含まない液状物32.5重量部を回収した。
該液状物の性状を第3表に示す。 第3表 V 14ppm Ni 8 〃 CCR 10重量% アスフアルテン 4 〃 比較例 1 重質残油1重量部に対する溶剤の添加量を1.5
重量部とする以外は実施例1と同様の操作を行な
つた。 回収された液状物中のVは73ppm、Niは
55ppmであつた。 実施例 2 重力沈降処理時の温度を種々変更する以外は実
施例1と同様の操作を行なつた。 各温度における回収液状物の重金属含有量及び
CCR並びに液状物の回収率は、第4表に示す通
りである。
【表】
第4表に示す結果から、100℃未満では重金属
及び固形分の除去が十分に行なわれないことが明
らかである。 比較例 2 実施例1と同様の熱改質により得られた反応生
成物を100メツシユの金網で別することにより
液を得た後、これを5mmHg、250℃の条件下に
減圧蒸留してピツチ37重量部を得た。 該ピツチは、V68ppm,Ni49ppm及びCCR29.7
重量%を含んでおり、重金属の分離除去が不十分
であつた。 比較例 3 実施例1と同様にして(i)重質油に炭素質固体粒
子を添加して、熱分解改質し、(ii)熱分解反応生成
物から重質残油を分離した後、該重質残油1重量
部に実施例1で使用したものと同様のヘキサン/
シクロヘキサン混合物6重量部を加え、温度210
℃、圧力常圧の条件下に60分間放置して、重力沈
降処理した。 次いで、全体の87%を占める上層部分を回収
し、蒸留して溶剤を除去した。 得られた液状物の性状を第5表に示す。 比較例 4 実施例1と同様にして(i)重質油に炭素質固体粒
子を添加して、熱分解改質し、(ii)熱分解反応生成
物から重質残油を分離した後、該重質残油1重量
部に実施例1で使用したものと同様のヘキサン/
シクロヘキサン混合物6重量部を加え、温度60
℃、5000rpmで60分間遠心分離処理した。 次いで、遠心分離処理物を回収し、蒸留して溶
剤を除去した。 得られた液状物の性状を第5表に示す。
及び固形分の除去が十分に行なわれないことが明
らかである。 比較例 2 実施例1と同様の熱改質により得られた反応生
成物を100メツシユの金網で別することにより
液を得た後、これを5mmHg、250℃の条件下に
減圧蒸留してピツチ37重量部を得た。 該ピツチは、V68ppm,Ni49ppm及びCCR29.7
重量%を含んでおり、重金属の分離除去が不十分
であつた。 比較例 3 実施例1と同様にして(i)重質油に炭素質固体粒
子を添加して、熱分解改質し、(ii)熱分解反応生成
物から重質残油を分離した後、該重質残油1重量
部に実施例1で使用したものと同様のヘキサン/
シクロヘキサン混合物6重量部を加え、温度210
℃、圧力常圧の条件下に60分間放置して、重力沈
降処理した。 次いで、全体の87%を占める上層部分を回収
し、蒸留して溶剤を除去した。 得られた液状物の性状を第5表に示す。 比較例 4 実施例1と同様にして(i)重質油に炭素質固体粒
子を添加して、熱分解改質し、(ii)熱分解反応生成
物から重質残油を分離した後、該重質残油1重量
部に実施例1で使用したものと同様のヘキサン/
シクロヘキサン混合物6重量部を加え、温度60
℃、5000rpmで60分間遠心分離処理した。 次いで、遠心分離処理物を回収し、蒸留して溶
剤を除去した。 得られた液状物の性状を第5表に示す。
【表】
第5表に示す結果から明らかな様に、本発明に
よる特定の条件下に重力沈降を行わない場合に
は、重金属類の除去が十分に行われないので、得
られた重質残油を引続き改質および精製処理に供
する場合には、触媒被毒などが著しくなるものと
推測される。
よる特定の条件下に重力沈降を行わない場合に
は、重金属類の除去が十分に行われないので、得
られた重質残油を引続き改質および精製処理に供
する場合には、触媒被毒などが著しくなるものと
推測される。
第1図は、本発明方法の実施態様の一例を示す
フローチヤートである。 7は重質油と炭素質固体粒子との混合物の熱改
質装置、11は気液分離装置、17は減圧蒸留装
置、23は溶剤添加ライン、27は重力沈降処理
装置、31は蒸留装置、39は蒸留装置。
フローチヤートである。 7は重質油と炭素質固体粒子との混合物の熱改
質装置、11は気液分離装置、17は減圧蒸留装
置、23は溶剤添加ライン、27は重力沈降処理
装置、31は蒸留装置、39は蒸留装置。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (i) 重質油に炭素質固体粒子を添加して加
圧・加熱することにより熱分解改質を行なう工
程、 (ii) 熱分解改質反応生成物をガス、軽質油及び重
質残油に分離する工程、及び、 (iii) 上記重質残油に常温で液体であり且つ臨界温
度が350℃以下であるパラフイン化合物及び単
環ナフテン化合物からなる群から選ばれた少な
くとも一種を溶剤として重質残油重量の2〜12
倍量加え、温度100〜350℃、圧力溶剤の臨界圧
力以上の条件下に重力沈降処理を行なうことに
より重金属及び固形分を実質的に含まない液状
物を回収する工程 を備えたことを特徴とする重質油の熱分解改質方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21373883A JPS60106884A (ja) | 1983-11-14 | 1983-11-14 | 重質油の熱分解改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21373883A JPS60106884A (ja) | 1983-11-14 | 1983-11-14 | 重質油の熱分解改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60106884A JPS60106884A (ja) | 1985-06-12 |
JPH0236157B2 true JPH0236157B2 (ja) | 1990-08-15 |
Family
ID=16644187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21373883A Granted JPS60106884A (ja) | 1983-11-14 | 1983-11-14 | 重質油の熱分解改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60106884A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8445618B2 (en) | 2005-11-30 | 2013-05-21 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Highly crystalline higher α-olefin polymer and process for production thereof |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5416961A (en) * | 1977-06-09 | 1979-02-07 | Western Electric Co | Decoupling circuit |
JPS54110206A (en) * | 1978-02-16 | 1979-08-29 | Agency Of Ind Science & Technol | Removal of heavy metal contained in petroleum heavy oil |
JPS58111891A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-04 | Toyo Eng Corp | 重質油の熱分解法 |
-
1983
- 1983-11-14 JP JP21373883A patent/JPS60106884A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5416961A (en) * | 1977-06-09 | 1979-02-07 | Western Electric Co | Decoupling circuit |
JPS54110206A (en) * | 1978-02-16 | 1979-08-29 | Agency Of Ind Science & Technol | Removal of heavy metal contained in petroleum heavy oil |
JPS58111891A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-04 | Toyo Eng Corp | 重質油の熱分解法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60106884A (ja) | 1985-06-12 |
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