JPH0234961B2 - Shigaisenshoshakokahoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は紫外線照射により硬化しうる樹脂、塗
料、インキ、接着剤等の物質を高圧水銀灯を用い
た紫外線照射装置にて照射硬化させる方法に関す
る。

通常紫外線照射硬化性物質は、若干の揮発物を
含んでおり、又その硬化には幾分かの時間がかゝ
り、且つ重合熱をも伴なう。さらに紫外線照射線
源として用いられる高圧水銀灯は、出力が単位ア
ーク長当り30〜160W／cmと大きく、かなりの熱
が発生し、被照射物への熱的影響も大きい。

本発明者等は、紫外線照射硬化性物質の硬化過
程における揮発物の除去、および発生熱の除去に
関し、検討を行ない、本発明に到達した。

本発明は管状高圧水銀灯をそなえた紫外線照射
装置を用い、水銀灯中心より、紫外線照射硬化性
物質の塗布された被塗物までの距離を３〜80cmと
し、１〜30ｍ／secの空気を吹き付けながら該被
塗物を照射硬化する紫外線照射硬化方法である。

本発明において紫外線照射硬化性物質を塗布し
た被塗物表面に、空気を強制的に吹付けて揮発物
の除去および冷却の効果を与えて硬化速度、硬化
性能を向上させることが、重要であり、その吹き
つける空気の速度は１〜30ｍ／secである。空気
の速度が１ｍ／secより小さいとその効果が小さ
すぎ、また30ｍ／secより大きいと塗面が荒れ、
平滑な面がでにくい。

本発明に用いられる管状高圧水銀灯の出力は単
位アーク長当り30〜160Watt／cmであることが好
ましく、特に30Watt／cmより小さいと、効果的
でない。

また吹付ける空気については通常の圧搾空気の
ほか、冷却空気を使用することも考えられる。

本発明の方法を用いることにより、特に被塗物
に蓄積される熱の除去が容易になされ、したがつ
て被塗物が熱の影響を受けやすいようなABS樹
脂等のプラスチツクス成形品やフイルム等の場合
に特に有効に利用しうる。

実施例 １ 下記の紫外線硬化型塗料を調合し、150ミクロ
ンの厚みのある硬質塩化ビニルフイルムに膜厚10
ミクロンになるように塗装した。

PPG社製ウレタンアクリレート樹脂RRA−1042
50重量％ PPG社製ウレタンアクリレート樹脂RD−2556
15 テトラヒドロフルフリルアクリレート 12 Ｎ−ビニル−２ピロリドン 11 セルロースアセテートブチレート樹脂CAB−551
−0.2（イーストマン社製） ３ ポリエチレンワツクス １ 合成シリカ ２ ベンゾフエノン ５ イルガキユア651 １ この塗装物に、80ワツト／cmの強度の高圧水銀
灯を装備した紫外線照射装置を用い、高圧水銀灯
１灯、高圧水銀灯高さ13cm、コンベアー速度９
ｍ／minの条件で風速13〜14ｍ／secの空気を吹
き付けながら紫外線を照射したところ、塗膜は完
全に硬化し、熱による変形、収縮のない硬化、密
着性、耐キズ性、耐溶剤性、耐汚染性、耐折り曲
げ性の良好なフイルムが得られた。一方前記塗装
物に空気を吹きつけないこと以外は同じ条件で紫
外線を照射したところ、硬化が不十分で表面にベ
タツキがみられ、又熱による変形が著るしかつ
た。

実施例 ２ 下記の紫外線硬化型塗料を調合し、紫外線硬化
型インキを印刷したカルトン紙に膜厚10ミクロン
になるように塗装した。

シエル化学社製エポキシアクリレート樹脂
DRH−370 15重量％ 三菱レイヨン社製ウレタンアクリレート樹脂
UK−6012 ５ アクリロキシピバリルアクリロキシピバレート
45 テトラエチレングリコールジアクリレート
12 東亜合成社製ポリエステルアクリレート アロニ
ツクスＭ−7100 10 ベンゾフエノン ８ Ｎ、Ｎ−ジメチルアミノエタノール ４ マイクロクリスタリンワツクス １ この塗装物に、80W／cmの強度の高圧水銀灯を
装備した紫外線照射装置を用い、高圧水銀灯１
灯、高圧水銀灯高さ13cm、コンベアー速度15ｍ／
minの条件で、風速10ｍ／secの空気を吹きつけ
た場合と空気を吹きつけない場合で紫外線を照射
したところ、両者とも塗膜は表面のベタツキがな
く硬化していたが、塗膜性能に差がみられ、酢酸
ブチルをしみこませたガーゼでこするラビングテ
ストを実施すると空気を吹きつけたものは100往
復以上で異常がないのに対し、空気を吹きつけな
いものは、20往復で塗膜が消失することが認めら
れた。

実施例 ３ 下記の紫外線硬化型塗料を調合し、AS樹脂成
型品にスプレー法で膜厚15ミクロンとなるように
塗装した。

三菱レイヨン社製ウレタンアクリレート樹脂
UK−6018 40重量％ トリメチロールプロパントリアクリレート
10 テトラメチロールメタンテトラアクリレート
15 カルビトールアクリレート ６ セルロースアセテートブチレート樹脂 CAB−
381−0.1 （イーストマン社製） ２ ２，２−ジエトキシアセトフエノン １ キシレン 30 イソプロピルアルコール 10 この塗装物に80W／cmの強度の高圧水銀灯を用
い、20cmの距離から50〜60rpmで回転させなが
ら、風速13ｍ／secの空気を吹きつけた場合と空
気を吹きつけない場合で20秒間紫外線を照射した
ところ、両者とも塗膜は硬化したが、塗膜性能に
差がみられ、空気を吹きつけた場合の鉛筆硬度
4Hに対し、空気を吹きつけない場合は2Hと低
く、耐水性、耐摩耗性、耐アルコール性も空気を
吹きつけない場合の方がやゝ悪いことが認められ
た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管状高圧水銀灯をそなえた紫外線照射装置を
   用い、水銀灯中心より、紫外線照射硬化性物質の
   塗布された被塗物までの距離を３〜80cmとし、１
   〜30ｍ／secの空気を吹き付けながら、該被塗物
   を照射硬化する紫外線照射硬化方法。