JPH0234644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は工業用水、工業排液、下水、海水、原
油等濾過を必要とする液体（原液）中から、ゴ
ミ、土砂等の固形異物を取除くために使用するス
トレーナに関する。

本発明は濾過効率良く、連続運転に適し、且つ
構造簡単なストレーナを提供することを目的と
し、その１例を図面に示す如く、濾過槽１内に筒
状濾過エレメント２とこの濾過エレメント２の表
面に付着した固形異物ｂを掻き落とす掻取部材１
６とを相対回転可能に配し、濾過エレメント２で
濾過された濾液ｃを濾過エレメント２内から外部
に取出せるように構成したストレーナにおいて、
濾過槽１の上部に原液ａを濾過槽１の接線方向に
流入せしむる原液流入管３を接続すると共に、濾
過槽１の下部に固形異物ｂを濾過槽１の接線方向
に排出せしむる異物排出管４を接続し、且つ濾過
エレメント２の下端部に濾液ｃを外部に流出せし
むる濾液流出管１３を接続し、更に前記掻取部材
１６を原液ａの旋回流をほとんど妨げないような
形状に形成したことを特徴とする。

上記構成によれば、濾過槽１の上部にこの濾過
槽１の接線方向に流入した原液ａは無理なく濾過
槽１の内周面に沿つて旋回流となり、しかも濾過
エレメント２と濾過槽１との間に位置する掻取部
材１６を、原液ａの前記旋回流をほとんど妨げな
いような形状に形成しているので、前記旋回流を
スムーズに生ぜしめることができる。

又異物排出管４を濾過槽１の下部にその接線方
向に接続したことにより、固形異物ｂを前記旋回
流によつてこの異物排出管４の位置まで導くこと
ができる。

以下本発明を図面に示す実施例に基き具体的に
説明する。１は頂壁５、側周壁６及び底壁７より
なる円筒状の濾過槽で、前記側周壁６の上端近く
に該側周壁６の接線方向に配設した原液流入管３
を接続する一方、下端近くにその接線方向に配設
した異物排出管４を接続している。

２は頂板８及び下端開放の濾過壁９を備えた濾
過エレメントで、回転軸１０を介してモータ１１
により回転駆動される。前記濾過壁９は断面三角
状のウエツジワイヤー１２を円筒状に捲装してな
り、ウエツジワイヤー１２の相隣接する部分間に
形成される〓間を液流路として、濾過作用を営む
ように構成されている。尚、濾過壁９として、多
孔筒、金網等で形成したものを採用することがで
きる。

１３は濾液流出管で、前記底壁７を貫通し、そ
の基端開口部１３ａは前記濾過エレメント２の内
部空間に連通している。又前記開口部１３ａの周
囲に形成したフランジ部１４上には、前記濾過エ
レメント２の下端が水密状に接触している。更に
前記フランジ部１４の突出部１４ａ上に主柱１５
を立設し、これに前記濾過エレメント２の濾過壁
９に相対回転可能に接触するスクレーパ（掻取部
材）１６を上下３本の取付杆を介して取付けてい
る。このスクレーパ１６はその支持部１７に挿脱
可能に支持されるブラシ１８を有する構成とする
ことができる外、ナイフエツジ状に形成したテフ
ロン製棒状体、同様の形状の黄銅製棒状体等を備
えたものとすることもできる。尚、前記濾過エレ
メント２を濾過槽１に固定し、スクレーパ１６を
回転させるように構成することもできる。

次に上記実施例の作用を説明する。原液ａは原
液流入管３より濾過槽１内に入り、ここで斜下方
に向け旋回しつつ流動する。原液ａの大部分は濾
過エレメント２の周囲を旋回しつつ、濾過エレメ
ント２内に流入する。このとき、スクレーパ１６
及びその支持部材（突出部１４ａ、主柱１５及び
取付杆）とその周辺は、第１図に示すように原液
ａのスムーズな通過が可能な空間を有するので、
原液ａの前記旋回流はほとんど妨げられない。

原液ａ中に存在する固形異物ｂの大部分は、原
液ａの旋回運動に起因するサイクロン現象により
遠心分離され、前記側周壁６の内面に沿い、旋回
しつつその自重と相俟つて降下し、異物排出管４
に導かれる。

遠心分離されない原液ａ中の固形異物ｂは濾過
エレメント２に向かうが、その濾過壁９により通
過を阻まれ、これに付着する（微小異物は液と共
に濾過エレメント２内に流入することは勿論であ
る。）。濾過エレメント２内に付着した大部分の固
形異物ｂは、濾過エレメント２の回転に伴つて順
次、スクレーパ１６によつて掻き落され、旋回す
る原液ａによつて異物排出管４に導かれる。又濾
過エレメント２に付着した一部の固形異物ｂは、
原液ａの旋回流による強い洗浄作用を受けて、ス
クレーパ１６で分離される前に、濾過エレメント
２より分離せしめられる。

前記濾過エレメント２内に流入する原液ａは、
濾過壁９において濾過され、濾液ｃとなり、濾過
槽１の下端部に接続された濾液流出管１３を経て
外部に取出される。このとき、濾液ｃは濾過エレ
メント２内を下向きに流動するので、前記旋回流
の下向きの流動を安定させる作用を営む。他方、
原液ａの旋回流によるサイクロン現象により遠心
分離された固形異物ｂ、前記旋回流による洗浄作
用を受けて濾過エレメント２より分離された固形
異物ｂ、並びに前記スクレーパ１６の掻取り作用
により濾過エレメント２より分離された固形異物
ｂはすべて自動的に前記旋回流によつて異物排出
管４に導かれ、固形異物ｂ排出時にここより若干
量の原液ａと共に外部に排出される。

本願発明は上記構成、作用を有するので、次の
ような効果を奏することができる。

濾過槽内のスムーズな旋回流の流動圧及び遠
心分離作用により、固形異物をその自重に逆ら
わず無理なく整然と一方向に誘導し、自動的に
異物排出管に導くことができる。

この結果、濾過槽内に固形異物が充満浮遊し
たり濾過エレメントに再付着することを回避で
きるので、濾過効率を高めることができる。又
異物排出時には、濾過槽内で分離された固形異
物を澱みなく速やかに外部に排出できる。

濾過槽内の原液中の固形異物は、前記旋回流
によるサイクロン現象及び濾過エレメントの濾
過作用により原液から分離され、しかも濾過エ
レメントの外周を掻取部材の掻取作用と前記旋
回流の押し流し作用とによつて濾過エレメント
の濾過性能を良好な状態に維持することができ
るので、の固形異物を異物排出管に導く効果
と相俟つて、濾過効率を高めることができる。

原液は濾過エレメントの外周を流れ、漸次濾
過エレメント内部に取入れられるが、原液が濾
過エレメントの外周を上部から下部に向つて旋
回するので、濾過エレメントにまんべんなく取
入れられ、実効濾過面積を十分大きくとること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は一部を
切開して示す斜視図、第２図は概略横断平面図で
ある。 １……濾過槽、２……濾過エレメント、３……
原液流入管、４……異物排出管、１３……濾液流
出管、１６……掻取部材、ａ……原液、ｂ……固
形異物、ｃ……濾液。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 濾過槽内に筒状濾過エレメントとこの濾過エ
   レメントの表面に付着した固形異物を掻き落とす
   掻取部材とを相対回転可能に配し、濾過エレメン
   トで濾過された濾液を濾過エレメント内から外部
   に取出せるように構成したストレーナにおいて、
   濾過槽の上部に原液を濾過槽の接線方向に流入せ
   しむる原液流入管を接続すると共に、濾過槽の下
   部に固形異物を濾過槽の接線方向に排出せしむる
   異物排出管を接続し、且つ濾過エレメントの下端
   部に濾液を外部に流出せしむる濾液流出管を接続
   し、更に前記掻取部材を原液の旋回流をほとんど
   妨げないような形状に形成したことを特徴とする
   ストレーナ。