JPH0234007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、先端部内に固体撮像装置を設ける内
視鏡に係り、固体撮像装置の撮像面を大きく取
り、しかも他の照明手段及び複数のレンズよりな
る対物光学系の配設スペースを必要充分に確保し
た上で、先端部の径を細径化できるよう改良した
内視鏡に関する。

［従来の技術と発明が解決しようとする課題］ 近年、電荷結合素子（CCD）等の固体撮像素
子を撮像手段に用いた内視鏡が種々提案されてい
る。

上記固体撮像素子は一般に長方形状ないし正方
形状であるため、撮像画を充分取つた上で挿入部
の先端部に収容した場合、該先端部の中央に取付
けると、先端部を太径化しない限り他の照明手
段、対物光学系、或は処置具用チヤンネル等のス
ペースを十分とれないといつた問題があつた。

このため、特開昭58−46922号公報に開示され
ているように、挿入部先端部の内周面に固体撮像
素子を当接させて軸方向に配置した従来例があ
る。

しかしながら、この従来例においては、断面円
形の隅部に撮像素子が配置されるので、固体撮像
素子の撮像面を先端部の径に対し充分に大きく取
ることはできず、必要な撮像面積を得ようとする
と、先端部の径が太径化するといつた問題があ
る。また、撮像手段を形成するミラー等の導光部
材が先端部の中央に配設されているため、上述の
ように照明手段（照明光学系）、対物光学系ある
いは処置具用チヤンネル等のためのスペースが狭
くなり、照明強度が不足ぎみになつたり、使用で
きる処置具が制限され、処置具を用いた治療処置
を充分行うことが難しくなるといつた問題があ
る。

本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもの
で、固体撮像装置を挿入部先端部内に配設するも
のであつて、照明手段及び対物光学系の配設スペ
ースを必要充分確保した上で該挿入部先端部の細
径化を図り、しかも撮像面を先端部径に対し大き
く取れるようにした内視鏡を提供することを目的
としている。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するため本発明は、挿入部先端
部の先端面に出射開口を有して被写体を照明する
照明手段と、挿入部先端部の軸と平行で且つ該先
端部の先端面に入射開口を有する対物光学系と、
この対物光学系の光軸を直角方向に屈曲させる光
学素子と、前記先端部の中心軸を略含むように設
けられて該中心軸と直交する断面が略長方形状
で、前記対物光学系によつて結像した画像を電気
信号に変換する固体撮像装置とを具備している。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本発明の１実施例に係り、
第１図は第１実施例の内視鏡の挿入部先端部を示
し、第２図は第１図のＡ―Ａ線断面図を示す。

第１実施例の内視鏡１は、体腔内等に挿入可能
となる細径で可撓性の挿入部２の先端側に例えば
若干太径にして撮像手段及び照明光学系等が収容
された先端構成部３が形成されている。

上記先端（構成）部３は、金属等硬性の部材を
用いて先端部本体４が形成され、第１図先端部３
の中心軸０（２点鎖線で示す）から例えば上部側
に偏心して撮像用の光学系（対物光学系）が配設
されている。

即ち、先端部本体４の中心より第１図において
上部側に偏心して形成した透光の前端をカバーガ
ラス５で覆い、その奥に対物光学系を形成する対
物レンズ系６がレンズ枠７を介して収容され、前
記対物レンズ系６の挿入部先端部の軸と平行な直
線状の光軸０′上には枠体２２を介してミラー２
３が該光軸０′と45度傾斜して固定されている。
このミラー２３で直角に反射れた（図示では）下
方側となる反射光軸上には、上記対物レンズ系６
の焦点面に撮像面が位置するように固体撮像素子
９が配設され、上記対物光学系にて撮像面に被写
体の像を結ぶ撮像手段が形成されている。

上記固体撮像素子９は、先端部本体４の内壁に
固定されていると共に、その撮像面を保護ガラス
等の透明板１１で保護し、該固体撮像素子９と透
明板１１とで固体撮像装置を構成している。この
固体撮像装置は、先端部本体４の中心軸０を略含
むように設けられて該中心軸０と直交する断面が
略長方形状に形成されている。

上記固体撮像素子９の各電極は、例えば半田付
けあるいはろう付け等で固定された図示しない各
端子と導通し、各端子に接続されたリード線を介
して手元側から信号読取り用のクロツク信号の印
加とか、該クロツク信号の印加による信号の読取
り（信号の取込み）ができるようになつている。

上記固体撮像装置を挟んだ対物光学系６の反対
側先端部本体４には、軸方向に透孔が形成され、
該透孔の前端は配光レンズ１４で閉塞され、該配
光レンズ１４の奥に出射端となる前端が臨むよう
にしてライトガイド１５が挿通されている。この
ライトガイド１５は、可撓性の光学繊維（フアイ
バ）を束ねて形成され、該ライトガイド１５は挿
入部２内を挿通され、その後端は図示しない光源
装置に着脱自在に装着できるようになつている。
しかして、装着されたライトガイド１５の後端に
は、光学装置内の照明ランプの光が集光して照射
されるようになつており、照射された照明光は、
ライトガイド１５の前端から配光レンズ１４を経
て、対物レンズ系６で撮像面に結像可能になる範
囲を略一様に照明できるようになつている。

また、上記対物レンズ系６の両側には、第２図
に示すように処置具用チヤンネル１６及び送気・
送水チヤンネル１７が形成されている。

尚、先端部本体４の後端側は、例えば前端側が
拡径にされたカバー部材１８に嵌着され、該カバ
ー部材１８の細径部分の内側にはライトガイド１
５，処置具用チヤンネル１６，送気・送水チヤン
ネル１７等を挿入可能とする湾曲部が形成されて
いる。この湾曲部の後方側は可撓部に連設されて
いる（図示略）。

尚、上記固体撮像素子９の各電極に接続された
リード線は、ビデオプロセス部に接続され、読込
まれた信号は該ビデオプロセス部内の増幅器で増
幅されるようになつている。上記固体撮像素子９
が、撮像面の前にモザイク状の３原色フイルタを
配設したものにあつては、サンプルホールド回路
にて各色信号に分離され、分離された色信号を各
色増幅器でさらに充分増幅後、水平及び垂直偏向
信号で掃引されながらカラーブラウン管等の表示
装置に表示するようにしてある。

一方、ライトガイド１５の後端面に、例えば３
原色の各波長の光で順次照明する色順次照明方式
の照明手段を用いた場合にあつては、アナログス
イツチ等用い、該アナログスイツチを前記３原色
の各波長の光で順次照明するのと同期して切換
え、アナログスイツチで導通された各色増幅器で
フレーム期間ごとに増幅して増幅された各色で表
示することによつて、カラー画像として視認され
るようにしてある。この他メモリ等用いて、３原
色同時に表示することもできる。

このように構成された本発明の第１実施例によ
れば、固体撮像装置を、挿入部先端部の中心軸を
含むように先端部内に配置している一方、上記中
心軸と直交する面を略長方形状として、内視鏡に
とつて必須の照明手段、及び複数のレンズの組み
合わせよりなる対物光学系の配設スペースに節約
を加えることなく、挿入部先端部の細径化を図り
つつ先端部径に対し固体撮像装置の撮像面を大き
く取ることができる。従つて照明強度が不足する
ことなく充分な照明をすることができ、撮像光学
系で撮像して表示された画像も鮮明なものとな
り、診断を的確に行なうことができる。また、チ
ヤンネル等のスペースも多く取れ、処置具等用い
た治療処置も種々の処置具を使用でき、適切な処
置が可能になる。

第３図は本発明の第２実施例における先端部を
示す。

この実施例においては、上記第２実施例におけ
るミラー23の代りにプリズム３１が用いられてい
る。又、このプリズム３１の入射側となる端面に
は、対物レンズ系６を形成するレンズ６Ａが貼着
する等して取付けてある。

尚、プリズム３１は、側面（紙面垂直方向の
面）で固定されている。

この他は上記第１実施例と同様であり、同一部
材には同一符号が付けてある。この実施例も上記
第１実施例と略同様の利点を有する他に、上記対
物レンズ系６の一部のレンズ６Ａをプリズム３１
に貼着する等して形成したことと、屈折率がより
大きいプリズム３１を用いたことによつて、第１
実施例の場合より撮像面に至る光路を短くでき、
その分先端部１の長さを短くできる。

尚、上述した各実施例の他に、例えば照明手段
としてライトガイド１５を用いることなく、ラン
プとか発光ダイオードを先端部３内に配設するこ
ともできる。

又、ライトガイド１５，処置具用チヤンネル１
６等は上述した位置に形成しなければならないも
のでなく、形成可能となるスペース部分が広くな
つているので設計等が容易になるという利点もで
てくる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、固体撮像
装置を配設し、且つ照明手段及び対物光学系の配
設スペースを必要充分確保した上で挿入部先端部
を細径化でき、しかも先端部径に対し撮像面を大
きく取れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の第１実施例に係
り、第１図は先端部周辺を切欠いて示す側面図、
第２図は第１図のＡ―Ａ線断面図、第３図は本発
明の第２実施例の先端部周辺を切欠いて示す側面
図である。 １…内視鏡、２…挿入部、３…先端部、４…先
端部本体、６…対物レンズ系、９…固体撮像素
子、１１…透明板、１４…配光レンズ、１５…ラ
イトガイド、１６…処置具用チヤンネル、１７…
送気・送水チヤンネル、２３…ミラー、３１…プ
リズム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 挿入部先端部の先端面に出射開口を有して被
   写体を照明する照明手段と、挿入部先端部の軸と
   平行で且つ該先端部の先端面に入射開口を有する
   対物光学系と、この対物光学系の光軸を直角方向
   に屈曲させる光学素子と、前記先端部の中心軸を
   略含むように設けられて該中心軸と直交する断面
   が略長方形状で、前記対物光学系によつて結像し
   た画像を電気信号に変換する固体撮像装置とを具
   備したことを特徴とする内視鏡。