JPH0233972B2 - Binnokensahoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、瓶の耐圧強度を検査する瓶の検査
方法に関する。

この種の検査は、元来、瓶内に液圧や空気圧を
掛けて行われていたが、液圧検査の場合は、水の
大量消費に難があつて、製瓶者側へ洗浄水を兼用
して検査する場合にしか全数検査に向かないし、
空気圧検査では、空気の圧縮性によつて、被検瓶
が検査圧に耐えられないで破裂する場合、瓶の破
片が粉々になつて粉塵状に周りへ飛び散り、作業
員に危険であると共に、他の瓶に傷を付けるほ
か、爆発的な音を発するので、周囲への防音対策
や安全対策に可成りの設備費が掛かる。

そこで、瓶をその底面と天面との間で挾んで荷
重を加えて検査する、前記のような欠点のない簡
単な擬似検査方法も近時採用されている。しか
し、瓶の耐圧強度は、例えば第１図に示されるよ
うな瓶１の各部にできる各種の傷Ａ，Ｂ，…，Ｊ
の影響を受けて大きく低下し破壊の原因となるに
もかかわらず、従来の擬似検査方法、例えば
AGR社のVLT検査機（垂直荷重式検査機）によ
る場合は、第２図に仮想線AGR−VLTで示され
ているように、瓶１の底接地部であるナーリング
部分の内側全周に傷Ｂがある場合についての必要
破壊荷重は最大2041Kg、換算内圧値にして456
Kg／cm²であつて、第２図に一点鎖線AGR−IPで
示されるAGR社の内圧式検査機の場度最大1020
Kg、225Kg／cm²であるのに対し、２倍弱にも達す
る。このことは、内圧がかかる実際の使用状況下
では既に破壊するにもかかわらず、それを検出し
ようとすれば、倍近い荷重を与えてしか瓶１の欠
陥を検出できないことになり、確実な検出のため
には大きな荷重が必要であつて、機械容量が増大
するし、良瓶に疲労や傷を与え、不良瓶化させる
きらいがある。したがつて、各種傷がある瓶１は
より低い荷重で破壊させ得るようにするのが望ま
しいが、内圧式検査でも、瓶１の底から５mmまで
の高さ範囲の部分にある長さ40mmの横傷Ｃに対し
ては、必要最大破壊内圧が500Kg／cm²で、垂直荷
重値に換算して2268Kgに達し、空気圧による場合
は特に、瓶１の破裂による問題が大きくなる。ま
た、前記垂直荷重検査機や内圧式検査機による場
合共、瓶１肩部の長さ20mmの縦傷Ｉや、底から20
mm範囲にある長さ20mmの縦傷Ｄに対しても、最低
必要破壊力が、第２図に示されているように680
Kg以上、換算内圧値にして150Kg／cm²以上であつ
て、検出性能は満足なものとは云えない。

この発明は、垂直荷重式擬似検査方法を改良し
て、簡単で全数検査に適し従来の方式よりも小さ
い荷重で充分な検査結果が得られる瓶の検査方法
を提供することを目的とする。

この発明は、第３図に示されるように、瓶１の
底面１ａの中央部を、それに点接触する瓶底面１
ａよりも曲率が大きい凸球面２ａやそれに近い凸
曲面で支持し、瓶１の天面１ｂに当てがう平板３
との間で瓶１に荷重Ｗを加えることを、前記的達
成のための要旨としている。瓶底面１ａの中央部
を支持する凸球面２ａは、例えば、布入りベーク
材よりなるボトムプレート２の天面に形成され
る。ボトムプレート２の直径を30mm、高さを15
mm、凸球面２ａの曲率半径を60mmとした場合にお
ける前記傷Ｂ，Ｉ，Ｄ，Ｃがある各瓶１に対する
検査を、平板３側から荷重Ｗを加えて行つた結
果、第２図に実線YM−VLTで示されるように、
ほぼ793Kgの垂直荷重、換算内圧値にして175Kg／
cm²以下で、瓶１の各傷Ｂ，Ｉ，Ｄ，Ｃのどの傷が
ある場合でも破壊させることができ、それらの傷
に対する検出性能が前記従来の場合に比し第２図
で明らかなように充分に優れている。特に、
AGR社の垂直荷重検査機の場合における傷Ｂや、
AGR社の内圧検査機および垂直荷重検査機の場
合における傷Ｃに対する検査性能が格段に向上し
ている。

このような検査は、瓶１の胴部にある各種傷
Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｈの検出に強い、瓶１を挾圧しなが
ら転動させるスキーズ検査法と併せ行うと、瓶１
に生じる各種傷Ａ，…，Ｊの全てに充分な耐圧検
査が達成され、前記垂直荷重式検査法を、スキー
ズ検査後か前の瓶１に対して行えばよい。

前記検査は、例えば第４図、第５図で示される
装置で自動的に行える。この装置は、円周上等間
隔に配設された透孔４内に上下動支持棒５を配し
て同体的に旋回可能なターンテーブル６が設けら
れていて、支持棒５の上端に前記ボトムプレート
２が装着されている。ターンテーブル６の横にコ
ンベア７が張設され、被検瓶１を矢符イ方向に搬
送して、スクリユー８により間隔を整えた後、ス
ターホイル９によつて被瓶１をターンテーブル６
の各透孔４上に移し載せ、その被検瓶１が別のス
ターホイル１０に達したときターンテーブル６か
ら引き戻された瓶１を再び矢印イ方向に搬送する
ようにしている。１１，１２はスターホイル９，
１０周りの瓶ガイドである。

ターンテーブル６上には、それと同心的なロー
タ１３が配置され、スターホイル９の直後に設置
されたパツド１４との間で、ターンテーブル６の
各透孔４上に移載される瓶１を、それがロータ１
３の旋回によつて矢符ロ方向に移動させる途中の
一定範囲で、挾圧しながら転動させるいわゆるス
キーズ検査が行われる。前記各支持棒５は、通常
ボトムプレート２がターンテーブル６の透孔４よ
りも没する高さを保ち、前記スキーズ検査部以後
の所定垂直荷重検査範囲ｘに位置する間、ボトム
プレート２を透孔４上へ飛び出させてターンテー
ブル６への受載被検瓶１を凸球面２ａで持ち上げ
て支持するような高さを保つよう、図示しないカ
ム等によつて高さ制御されるようにしている。

ターンテーブル６の各透孔４の上方には、ター
ンテーブル６と共に旋回される荷重ヘツド１５が
設けられ、前記垂直荷重検査範囲ｘにあるとき、
それに対向するボトムプレート２上の被検瓶１に
対して、所定の荷重Ｗをヘツド１５下端の平板３
を介し加え、垂直荷重検査を行うようにしてい
る。ヘツド１５による荷重Ｗの負荷は、ヘツド１
５を瓶１に押し付け、あるいは落下させ、あるい
は衝撃力を与える等して行える。

以上のような装置によれば、瓶１を搬送する任
意のラインの途中で、全数検査することが難なく
なされる。

第６図に示されるように、ターンテーブルと同
体もしくは同期回転する回転体１６に対して荷重
ヘツド１５を上下動自在に保持し、カム１７によ
る高さ制御でヘツド１５が垂直荷重検査範囲にあ
る間、下端平板３を瓶１の天面１ｂに当接するよ
うにすると共に、ヘツド１５上端の小径杆１５ａ
に上下動自在に嵌め合わせたり重り１８を設け、
該重り１８をカム１９によつて前記天面１ｂに当
接したヘツド１５から一定高さＬの位置に常時保
つておいて、垂直荷重検査範囲中のある位置でヘ
ツド１５上に落下させ、その衝撃力で瓶１に荷重
を加えるようにすれば、瓶１に対し常に一定の垂
直荷重を自動的に加えることが容易である。

この発明によれば、瓶底面の中央部を、それに
点接触する瓶底面よりも曲率の大きい凸球面やそ
れに近い凸曲面で支持し、瓶天面に当てがう平板
との間で瓶に荷重を加えることを特徴とするもの
であるから、流体による内圧検査のように消費す
るようなものがなく、しかもシールや防音、安全
等の対策が一切不要な簡単なもので、瓶の全数検
査に適すると共に安価に実施し得る。また、検査
性能も、瓶底面中央部の支持構造の結果、従来の
内圧式検査方法および垂直荷重式検査方法の何れ
の場合よりも小さな荷重で確実に検査できる点で
優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は瓶の各部への加傷状態を示す側面図お
よび底面図、第２図は各種検査方法での各部傷に
対応する検査結果を示す線図、第３図はこの発明
の検査方法の概略説明図、第４図は検査装置の一
例を示す平面図、第５図は一部断面図、第６図は
検査装置の変形例を示す一部の断面図である。 １……瓶、１ａ……底面、１ｂ……天面、２…
…ボトムプレート、２ａ……凸球面、３……平
板、Ｗ……荷重、１５……荷重ヘツド、１８……
重り。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 瓶底面の中央部を、それに点接触する瓶底面
   よりも曲率が大きい凸球面やそれに近い凸曲面で
   支持し、瓶天面に当てがう平板との間で瓶に荷重
   を加えることを特徴とする瓶の検査方法。 ２ 荷重は、平板側から与えられる特許請求の範
   囲第１項記載の瓶の検査方法。 ３ 荷重は、平板に対して重りを一定高さ位置か
   ら落下させることにより与えられる特許請求の範
   囲第２項記載の瓶の検査方法。 ４ 瓶に対する平板および凸曲面間で荷重を加え
   る検査が、挾圧転動式検査後か前の瓶に対してな
   される瓶の検査方法。