JPH0233909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の立用分野 本考案はフアン等の動力を用いる事なく、簡易
な構成によつて、溶剤蒸気の拡散を防止し得る蒸
気洗浄装置に係るものであつて、蒸気発生槽と蒸
気洗浄槽とを分離して構成した蒸気洗浄装置に用
いるものである。

従来の技術 従来蒸気発生槽と蒸気洗浄槽とを分離して構成
した蒸気洗浄装置は、蒸気洗浄槽での蒸気洗浄作
業が完了した時には蒸気発生槽との連通を遮断す
ることにより、蒸気洗浄槽への蒸気の供給を停止
することができるから、洗浄の完了した被洗浄物
を蒸気洗浄槽から取出す場合に於ても、比較的溶
剤蒸気の拡散を少ないものとすることができる
が、それでも蒸気洗浄槽内の被洗浄物が位置する
洗浄部には残留蒸気が存在しており、この洗浄部
の残留蒸気が被洗浄物の取出時に大気中に拡散す
る欠点を有していた。また特開昭57−165078号の
ごとく、フアン等の動力を用いて蒸気を強制的に
冷却部に導き、蒸気の凝縮を行なうものも存在す
るが、この方法は、装置を複雑高価なものにする
とともに凝縮された冷却液は、単に蒸気発生槽に
還流されるのみで、有効な利用が成されず、不経
済なものとなる欠点を有していた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述のごとき問題点を解決しようとす
るものであつて、蒸気洗浄完了後の蒸気洗浄槽の
残留蒸気を確実に除去するとともにフアン等の動
力を用いる事なく、しかも凝縮冷却された冷却液
を蒸気の凝縮に再利用し、廉価で構造簡易な蒸気
洗浄装置を得ようとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述のごとき問題点を解決するため、
蒸気発生用のヒーターを挿入した加熱液相の上部
の蒸気相を設け、この蒸気相の上部に、蒸気圧の
上昇によつて開放される蓋体を介して上端方向に
冷却部を形成した蒸気発生槽と、この蒸気発生槽
と開閉弁を介して接続し蒸気発生槽から導入した
蒸気により蒸気洗浄作業を行う蒸気洗浄槽と、蒸
気発生槽の冷却部に接続し冷却凝縮した溶剤液を
導入して溶剤液と水分とを分離し溶剤液を形成す
る水分分離機と、この水分分離機から冷却溶剤液
を蒸気洗浄槽の洗浄部に導入するとともに蒸気発
生槽に還流する冷却管とから成るものである。

作 用 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、蒸気発生槽で蒸気を発生させた後に開閉弁を
開放すれば、洗浄蒸気は一定の圧力で蒸気洗浄槽
の蒸気洗浄部に噴出され、被洗浄物の蒸気洗浄を
行う。被洗浄物の蒸気洗浄を完了した後は、開閉
弁を閉止することにより、蒸気洗浄槽への蒸気の
流入を遮断するとともに蒸気発生槽内の蒸気圧は
上昇し、蓋体を押しあげて開放し、蒸気を冷却相
内に流入して冷却凝縮する。この凝縮液化された
冷却溶剤液は水分分離機に導入され、溶剤液と水
分とを分離した溶剤液を形成するとともにこの冷
却溶剤液を、蒸気洗浄槽の洗浄部に配設した冷却
管に導入し、蒸気洗浄槽内の洗浄部に残留してい
る洗浄蒸気を急速に冷却凝縮することができるも
ので、残留蒸気が被洗浄物の取出時に大気中に拡
散することは全く無いものとなる。また開閉弁が
開放されている時には、蒸気は蒸気洗浄槽に導か
れ、高圧とは成らず、蓋体も開放されないから、
冷却部での蒸気の凝縮もなく、冷却管の冷却は生
じる事がない。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１は蒸気発生槽で、ヒーター２を装置した加
熱液相３と、この加熱液相３の上面に形成される
蒸気相４と、この蒸気相４の上部に、冷却コイル
５を内面に位置して設けた冷却部６を形成すると
ともにこの冷却部６と蒸気相４との間の内周面
に、環状に液留部７を設け、この液留部７に、ス
テンレス板等で形成した適宜の重量を有する蓋体
８を載置し、この蓋体８は蒸気相４の圧力上昇時
にのみ、押しあげられて開放されるものであつ
て、冷却部６と蒸気相４を常時は分離している。
またこの蒸気相４に、蒸気洗浄作業を行う蒸気洗
浄槽１０の洗浄部１１を開閉弁１２を介して接続
し、開閉弁１２を開放することによつて洗浄部１
１に洗浄蒸気を噴出し洗浄作業を行うことができ
る。また、蒸気発生槽１の冷却部６に形成した液
留部７には水分分離機１３を接続し、開閉弁１２
の閉止時に冷却部６に導入した凝縮された冷却溶
剤液を水分分離機１３に導入して、溶剤液と水分
とを分離した溶剤液を形成するとともにこの水分
分離機１３に接続した冷却管１４を蒸気洗浄槽１
０の洗浄部１１に配設することにより、冷却洗浄
液を洗浄部１１に導入し、冷却管１４を介して洗
浄部１１を冷却し、残留蒸気を凝縮液化し得るよ
うに形成している。また蒸気洗浄槽１０には冷却
管１４とは別個に、上端開口部１５方向に冷却コ
イル１６を位置している。

上述の如く構成したものにおいて、蒸気発生槽
１のヒーター２を加熱し蒸気を発生させるととも
に開閉弁１２を開放すれば、洗浄蒸気は開閉弁１
２を介して蒸気洗浄槽１０に導入され、被洗浄物
１７の蒸気洗浄を行う。この場合、蒸気発生槽１
で生じる蒸気は、蒸気相４と冷却部６間が、一定
の重量を有する開閉自在の蓋体８で区画されてい
るから、蓋体８の重量に比例して加圧され、この
状態で開閉弁１２を開放すれば、洗浄蒸気は一定
の圧力で蒸気洗浄槽１０の洗浄部１１に噴出さ
れ、冷却部６に蒸気が供給されることは全くな
い。

次に、蒸気洗浄の完了により開閉弁１２を閉止
すれば、蒸気相４内の蒸気圧は上昇し、蓋体８を
開放して蒸気は冷却部６内に流入して冷却凝縮さ
れ、この冷却凝縮された洗浄液は冷却管１４を介
して蒸気洗浄槽１０の洗浄部１１に導入され、冷
却管１４を冷却するから、洗浄部１１に残留して
いる洗浄蒸気は凝縮液化されるものとなる。。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、被洗浄物の蒸気洗浄を完了した後は、開閉弁
を閉止することにより、蒸気圧は上昇し、蓋体を
押しあげて開放し、蒸気を冷却相内に流入して冷
却凝縮する。この凝縮液化された冷却溶剤液を、
蒸気洗浄槽の洗浄部に配設した冷却管に導入し、
蒸気洗浄槽内の蒸気洗浄を行う洗浄部に残留して
いる洗浄蒸気を、冷却凝縮することができ、残留
蒸気が被洗浄物の取出時に大気中に拡散すること
がないとともにこの凝縮をフアン等の動力を用い
る事なく廉価に行なうことができ、しかも冷却相
で凝縮冷却された冷却液を、蒸気の凝縮に再利用
するものであり、洗浄作業の完了によつて蒸気洗
浄槽内の洗浄部に残留している洗浄蒸気を、廉価
に効率良く急速に冷却凝縮することができ、洗浄
装置の安全な使用を可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す断面図である。 １……蒸気発生槽、２……ヒーター、６……冷
却部、８……蓋体、１０……蒸気洗浄槽、１２…
…開閉弁、１３……水分分離機、１４……冷却
管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸気発生用のヒーターを挿入した加熱液相の上
   部に蒸気相を設け、この蒸気相の上部に、蒸気圧
   の上昇によつて開放される蓋体を介して上端方向
   に冷却部を形成した蒸気発生槽と、この蒸気発生
   槽と開閉弁を介して接続し蒸気発生槽から導入し
   た蒸気により蒸気洗浄作業を行う蒸気洗浄槽と、
   蒸気発生槽の冷却部に接続し冷却凝縮した溶剤液
   を導入して溶剤液と水分とを分離し溶剤液を形成
   する水分分離機と、この水分分離機から冷却溶剤
   液を蒸気洗浄槽の洗浄部に導入するとともに蒸気
   発生槽に還流する冷却管とから成ることを特徴と
   する蒸気洗浄装置。