JPH023319Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は座、背もたれのシート部分を合板等
の硬質材料で形成した椅子に関するものである。

従来よりシート部分を合板あるいは合成樹脂等
の硬質材料で一体的に形成したものは数多くみら
れる。しかしながらこれらの椅子はシート部分を
一体的に形成し製作上は簡単、かつ安価である
が、反面、シート部分を形成する材料に通気性が
ないため、使用者は発汗し易く不快感を感ずる恐
れが多分にあつた。

この考案は前記従来の欠点を解消すべく創案さ
れたもので、以下図示した実施例に基いて説明す
る。

１はシートを示すもので、このシート１は座２
と、この座２の後端を上方に折曲して背もたれ３
を一体的に形成したもので、予め成形した合板か
らなる表、裏二枚の素板４，５を貼着したもので
ある。そして表面素板４には縦方向に平行に表裏
に貫通する多数のスリツト６が全面にわたつて設
けられている。また裏面素板５には横方向に平行
に多数のスリツト７が全面にわたつて設けられて
いる。なお、場合によつては表面素板４に横方向
のスリツト７を、裏面素板５には縦方向のスリツ
ト６を設けることもあり、また互いに交叉するよ
うそれぞれ逆方向合傾斜を有するスリツトを設け
ることもある。

これら表面素板５の裏面と裏面素板６の表面と
が接着剤で一体的に貼着されてシート１を形成し
てなるもので、表面素板４のスリツト６と裏面素
板５のスリツト７が交叉し、シート１の表面には
スリツト６内にスリツト７が表われ、シート１の
表面は格子状に表わされ多数の角型の貫通孔が形
成されてなるものである。

８は脚部９と前記座２及び背もたれを支承する
枠部分を一体的に形成したフレームを示すもので
ある。このフレーム８は左、右一対に設けられ、
略水平状に形成された座取付部１０から背もたれ
取付部１１にかけて軸方向に沿つて角溝状の取付
用柄１２が形成されている。そしてシート１の
左、右両側縁を柄２に嵌着してなるものである。
この場合、シート１の左、右両側縁の所要個所に
取付用の突起１２を突設し（破線部分）、フレー
ム８には突起１２に対応する個所に柄９を設け
（図示せず）、この突起１２部分を柄９に嵌着して
なることもある。

製作に当つてはまず所要の形態に表面素板４、
及び裏面素板５を成形し、次いでスリツト６、及
びスリツト７をそれぞれ穿設し、フレーム加工後
表面素板４と裏面素板５とを帖着し、フレーム８
を取付け塗装仕上げを行い完成する。また場合に
よつてはスリツト加工を行つた後それぞれの素板
４，５毎に塗装し、塗装後帖着することもある。

この考案は以上述べた構成からなり、シートの
表面に貫通孔を多数設けてあるので、通気性が良
好であるため、使用時に発汗する恐れはなく、快
適な座り心地を得るものである。しかも予めスリ
ツトを別個に全面に施した表面素板、及び裏面素
板をそれぞれのスリツトが交叉するよう貼着てな
るだけなので製作は容易で、かつ安価である。そ
してスリツトは例えば縦方向、及び横方向等それ
ぞれ異なる方向に穿設されているので強度的に優
れており、比較的厚みの薄いものでも耐力上充分
である等、実用価値の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示したもので、第１
図はシート部分の分解斜視図、第２図は正面図、
第３図は平面図、第４図は右側面図、第５図はＡ
−Ａ線拡大部分断面図である。 １……シート、２……座、３……背もたれ、４
……表面素板、５……裏面素板、６，７……スリ
ツト、８……フレーム、９……脚部、１０……座
取付部、１１……背もたれ取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座と背もたれのシート部分を一体的に硬質材で
   形成した椅子において、シート全体は表面素板と
   裏面素板とを重ね合せて貼着したものであり、表
   面素板には多数のスリツトが設けてあり、裏面素
   板には表面素板の前記スリツトと交叉する方向に
   多数のスリツトを設けてあり、表面素板と裏面素
   板とを重ね合せて貼着したことによりシート表面
   は全体に亙つて格子状に形成され、表面素板のス
   リツト部分と裏面素板のスリツト部分との交叉部
   分は貫通孔となり、この貫通孔がシート表面に多
   数表われてなる椅子。