JPH023316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車用のバケツトシートを組立て
るのに用いられるシートクツシヨンの改良に関す
るものである。

従来の技術 従来、この種のシートクツシヨンとしては座部
１に相当する部分と左右の土手部２に相当する部
分とをフオーム材で一体に成形したクツシヨンパ
ツド３を用い、そのクツシヨンパツド３をボトム
フレーム４の立上がり部５上に載置すると共に、
クツシヨンパツド３の外表面を立上がり部５に端
末止着する表皮材６で被包することにより座部１
側と左右の土手部２側とを一体成形するのが通常
である。

考案が解決しようとする課題 然し、このシートクツシヨンでは土手部２側に
ヘタリが生じ易く、また、土手部２側を表皮材６
で被包する際に座部１側と整合するのに手間が掛
りしかも表皮材６に皺が生じ易く、更には左右の
土手部２が形状的に制約されてしまうものであ
る。また、クツシヨンパツド３は座部平面相当部
分と左右の土手部相当部分を含めて一体成形され
ているため大重量のものとなり、また、嵩高で大
きなものになるからシートをコスト高なものにす
る原因となつている。

なお、応接用のシートで座部と左右の肘掛け部
とを別体に形成し、その各肘掛け部を基部側で座
部のサイドフレームに取付けて組立てたものが知
られている（実開昭49−73606号）。然し、これは
応接用のシートとして左右の肘掛け部が略逆Ｌ字
状に高くまで装備され、また、合成樹脂或いは木
等で形成されて表面側が素地のまま露出成形され
ているところから自動車用おバケツトシートとし
て適用するには工夫を施す必要がある。

茲において、本考案は上述した応接用シートと
同様に座部と土手部とを別体に成形ししかも自動
車用バケツトシートを組立てるのに好適なよう工
夫を施したシートクツシヨンを提供することを目
的とする。

課題を解決するための手段 本考案に係る自動車用バケツトシートのシート
クツシヨンにおいては、クツシヨンパツドをボト
ムフレームに載置させて表皮材で被包した略方形
で扁平な座部と、上端縁を下向きに湾曲させて緩
やかなアール状に立上げ成形した反上りフレーム
をベースにし、且つ、薄肉なクツシヨン材を介装
させて反上りフレームの外表面を上端縁の裏面側
に巻込み止着する表皮材で被覆した左右の土手部
とを備え、その各土手部を反上りフレームの基部
側で座部のサイドフレームに取付けて組立てるこ
とにより構成されている。

作 用 この自動車用バケツトシートのシートクツシヨ
ンでは座部を略方形で扁平に形成し、その座部と
別体に緩やかなアール状に立上げ成形した反上り
フレームをベースに形成する土手部を座部の左右
に取付けるから自動車用のシートクツシヨンとし
て好適なものに組立て得るばかりでなく、この反
上りフレームの外表面に薄肉なクツシヨン材を介
装させて表皮材で被覆するから座者の腎部を左右
より安定よく支持できて良好なクツシヨン性を発
揮でき、また、その表皮材を反上りフレームの下
向きに湾曲させた上端縁の裏面側に巻込み止着す
ることにより体裁上も良好に組立て得るようにな
る。

実施例 以下、第２図〜４図を参照して説明すれば、次
の通りである。

このシートクツシヨンは第２図で示すように比
較的丈の低いパン状のボトムフレーム１０上に扁
平で方形のクツシヨンパツド１１を載置し、その
クツシヨンパツド１１をトリコツト等の表皮材１
２で被包することにより第３図で示すように自動
車用バケツトシートを組立てるのに好適なクツシ
ヨン性を持つ座部Ａが形成されている。また、左
右の土手部Ｂはボトムフレーム１０の左右に立上
るサイドフレーム１３に取付ける反上りフレーム
１４をベースにして別体に形成されている。

ボトムフレーム１０は前後共通フレーム１０ａ
の左右にレール１０ｂを溶接固定し、その共通フ
レーム１０ａの前後間にジグサグスプリング１０
ｃを三本程度張設したものが用いられている。こ
のボトムフレーム１０に載置するクツシヨンパツ
ド１１としてはPEクロスを接着したウレタンス
ラブ等を用いることができ、その大きさは共通フ
レーム１０ａと略同程度の幅に形成すれば足り
る。また、表皮材１２はボトムフレーム１０に載
置するクツシヨンパツド１１のみを被包できるも
のでよく、その前後端を共通フレーム１０ａにト
リムコード等で止着することによりクツシヨンパ
ツド１１を被包するように取付けることができ
る。

このボトムフレーム１０に対しては、各サイド
フレーム１３に基部側１４ａをビス、ボルト止め
等で固定することにより左右の土手部Ｂを形成す
る反上りプレート１４が取付けられている。その
反上りプレート１４は座部Ａから左右に緩やかな
上がり勾配で棚状に張り出させて取付け得るもの
であり、この上端縁１４ｂは下向きに湾曲させて
形成されている。その反上りプレート１４は合成
樹脂をインジエクシヨン成形することにより形成
でき、また、この成形品単体で或いは下面側に別
のサポートプレート（図示せ）を一体に組合せて
形成するようにできる。その反上りプレート１４
の外面側は第４図で示すように約10mm程度の薄肉
なクツシヨン材１５を介装させて表皮材１６で被
包することができ、この表皮材１６としてはクツ
シヨン材１５を予めラミネートしたものを用いる
ことができる。また、その表皮材１６は反上りプ
レート１４の上端縁１４ｂから裏面側に巻込んで
端末をタツカー針等で止着することにより端末仕
上げされている。

このように構成する自動車用バケツトシートの
シートクツシヨンでは左右の土手部Ｂを反上りプ
レート１４をベースに座部Ａと別体に形成するも
のであり、その材質からヘタリが生ずることはな
い。また、表皮材１６を被着しても皺等が生ずる
こともなく、しかも端末側を反上りプレート１４
の下向きに湾曲させた上端縁１４ｂの裏面側に巻
込み止着するから簡単で体裁よく成形できるよう
になる。また、クツシヨンパツド１１は座部Ａに
相当する個所にのみ配置するため相対的に狭幅な
ものになり、シート全体としての重量を軽減しま
たコストダウンを図ることができる。なお、この
シートクツシヨンを用いてリクライニングシート
を構成する場合にはロツクレバー１７を反上りプ
レート１４で形成する土手部Ｂの下側に収容配置
することができるから取付けスペースを節減する
こともできる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係るシートクツシヨンに
依れば、自動車用のバケツトシートを組立てるも
のとして体裁よく形成できしかも永年の使用にも
土手部にヘタリが生ずることがなく、また、良好
なクツシヨン性を保持させて座者の腎部を安定よ
く支持できるシートを安価に組立てることを可能
にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用バケツトシート
のシートのクツシヨンを示す部分断端面図、第２
図は本考案に係る自動車バケツトシートのシート
クツシヨンを示す展開斜視図、第３図は同シート
クツシヨンの部分断端面図、第４図は同シートク
ツシヨンの土手部を被包する表皮材の説明図であ
る。 １０：ボトムフレーム、１１：クツシヨンパツ
ド、１２：表皮材、１３：サイドフレーム、１
４：反上りフレーム、１４ａ：基部側、１４ｂ：
上端縁、１５：クツシヨン材、１６：表皮材、
Ａ：座部、Ｂ：土手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クツシヨンパツドをボトムフレームに載置させ
   て表皮材で被包した略方形で扁平な座部と、上端
   縁を下向きに湾曲させて緩やかなアール状に立上
   げ成形した反上りフレームをベースにし、且つ、
   薄肉なクツシヨン材を介装させて反上りフレーム
   の外表面を上端縁の裏面側に巻込み止着する表皮
   材で被覆した左右の土手部とを備え、その各土手
   部を反上りフレームの基部側で座部のサイドフレ
   ームに取付けて組立てたことを特徴とする自動車
   用バケツトシートのシートクツシヨン。