JPH023305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、書類などを綴じたフアイル等を収納
する収納ケースに関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 近年におけるコンピユータの普及と用途の拡大
によつて、コンピユータから出力されるプリント
資料は膨大なものとなつており、これらプリント
資料をいかに整理し、保管するかということがオ
フイスにおいて軽視できない問題となつてきてい
る。一般にこのようなプリント資料は、従来から
使用されている第７図に示すようなフアイル２０
に綴じられ、保管されている。

同図において、フアイル２０は表紙部２１，２
１と背部２２とがビニルなどの合成樹脂材料によ
り可撓性を有するように成形されており、内部に
設けた図示しない綴具によつて多数のプリント資
料２３を綴じ込むようになつている。このフアイ
ル２０は、背部２２の幅は一定寸法を有している
が、背部２２より遠い部分においてはプリント資
料２３の枚数が少ないときには幅（厚さ）が小さ
く、平面視が三角形状となる。従つて、このフア
イルをロツカーやラツク等に収納しようとして
も、自立することができず倒れてしまつたり、自
重により撓んでしまつて整然と収納することがで
きず、また横にした状態で積み重ねようとして
も、真直ぐに積み重ねることができず表紙部２１
の表面が滑りやすいこととあいまつて崩れやすく
取扱いが不便である。また、上述のロツカーやラ
ツクは各フアイル２０を個別に収納するものでは
ないから、フアイル２０内に綴じ込んだプリント
資料は、また単にはさみ込んだだけの資料が散逸
して紛失するおそれがある。このためフアイル２
０の運搬にあたつても多大の労力を要し、その作
業能率は非常に悪いものであつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述の問題点を解決するためになさ
れたもので、フアイルを個別に収納することがで
き、且つ多段状に重ねるこを可能にしたもので、
その技術的手段は、水平方向または上下方向に多
数重ねて使用される収納ケースであつて、該収納
ケース１は、上面部２ａ、下面部２ｂ及び両側面
部２ｃ，２ｄからなる断面長方形筒状のケーシン
グ２を有し、該ケーシング２の少なくとも一方の
端面にはフアイル等を挿入する挿入口４が設けら
れており、前記両側面部２ｃ，２ｄには連結用の
開口部５，６がそれぞれ同位置に設けられてなる
ことを特徴とするものである。

（実施例） 以下本考案の一実施例を添付の例示図に基づい
て説明する。

第１図及び第２図において、収納ケース１はほ
ど直方体状をなしており、ケーシング２と蓋３と
によつて構成されている。ケーシング２は、上面
部２ａ、下面部２ｂ、および両側面部２ｃ，２ｄ
からなる断面長方形筒状に形成され、且つ一方の
端面は開口してフアイルなどの挿入口４となつて
おり、他方の端面は閉じられて端面２ｅが形成さ
れている。また、両側面部２ｃ，２ｄには、それ
ぞれ同位置において長方形状に開口した開口部
５，６が設けられている。このケーシング２は、
ポリプロピレンのような合成樹脂によつて一体成
形されるか、または軽金属や木などの板材を折曲
げまたは貼り合わせて形成され、収納しようとす
るフアイルが挿入口４から容易に挿入されるよう
な大きさを有し、且つ積み重ねても型くずれがせ
ず耐えられる程度に堅牢にできている。

蓋３はケーシング２内に収納したフアイルＦが
不測に抜け出すのを防止するためのもので、正面
部３ａおよび両側面部３ｂ，３ｄからなる平面視
コ字形に形成されており、その中央部分には、着
脱にあたり指などを入れるため、および収納され
たフアイルの背部を識別するための開口窓部７が
設けられている。この蓋３は、後述する連結部材
と干渉しないようにその縦方向長さが挿入口４よ
りも短くなつており、また横方向長さは挿入口４
内にゆるく圧入される程度となつている。

上述の収納ケース１は、蓋３を取外してケーシ
ング２内にフアイルＦを挿入し、再び蓋３を嵌め
込むようにして使用され、これによつてフアイル
Ｆは個別に収納ケース１に収納され、フアイルＦ
内に綴じられたプリント資料やはさみ込まれた資
料が散逸して紛失するそおそれがなくなる。また
収納ケース１は直方体状であるから、倒れること
なく自立し、しかも水平方向および上下方向に多
数重ねて使用することができる。

ところで、上述の収納ケース１を多数重ねて使
用する場合には、それぞれの収納ケース１を互に
連結しておいた方が安定するし、運搬も行い易い
のであるが、この収納ケースは次に説明するよう
に容易に連結することが可能である。

第３図は複数の収納ケース１を水平方向に配列
して互に連結した状態を示すもので、ケーシング
２，２の互にとなり合う側面部２ｄ，２ｃを４個
の連結部材８……で挟んだものである。連結部材
８は、第４図に詳細に示すように、合成樹脂や金
属板などにより弾力性を有する断面コ字状に形成
されており、その弾力によつて内側面で各側面部
２ｄ，２ｃを挟むものである。各ケーシング２に
は開口部５，６が設けられているから、ケーシン
グ２内にフアイルを挿入する前であればこの開口
部から手を入れて容易に連結することができ、ま
た容易に取外すことができる。従つて、連結する
収納ケース１の個数を容易に増減することが可能
である。

第５図は連結部材９の他の例を示し、各側面部
２ｄ，２ｃに連結部材９がちようど嵌入するよう
に凹所１０，１０を設けておくことによつて、ケ
ーシング２内方に連結部材９が突出せず、フアイ
ルの挿入時にひつかかることがない。

第６図は収納ケース１を水平方向及び上下方向
に多数重ねて配列した状態を示している。同図に
おいて、前述した連結部材８が各挿入口４にわた
つて取付けられることによつて、上下方向に重ね
られた各ケーシング２のとなり合う上面部２ａと
下面部２ｂとがそれぞれ連結されている。各ケー
シング２の水平方向の連結は、第３図において説
明したようにして行われている。しかし、水平方
向の連結についても上下方向と同じように連結部
材８を各挿入口４に取付けるようにしてもよい。
なお、この場合において、ケーシング２の端面部
２ｅに連結部材８を挿入するための穴を設けてお
くと都合がよい。このように、収納ケース１を水
平方向及び多数重ねてこれらを互に連結すること
ができ、収納ケース１のみによつて多数のフアイ
ルを個別に収納することができるロツカーを構成
することができる。しかも、収納ケース１はフア
イルの数量や設置スペースに応じて必要な個数の
みを連結しておけばよいので、収納ケース１及び
オフイスのスペースの有効利用が図られる。

上述の実施例において、ケーシング２の一方の
端面に端面部２ｅを設けて閉じているが、端面部
２ｅを省略して開口させてもよく、またはここに
蓋３を取付けるようにしてもよい。蓋３は他の
種々の形状、例えば一方の側面部２ｄの前縁に連
続して開閉可能な開き扉状のものでもよく、蓋３
に取手を設けてもよく、または蓋３を省略しても
よい。開口部５，６の形状および大きさは適宜変
更することが可能であるし、小さな開口部を複数
個設けてもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、フアイルなどを個別に収納す
ることができ、これによつてフアイル内に綴じら
れたプリント資料やはさみ込まれた資料が散逸し
て紛失するおそれがなくなる。この収納ケースは
自立するので、ロツカー等に整然と並べておくこ
とができて取扱いが容易である。しかも簡単な連
結部材によつてとなり合う収納ケースを互に連結
することができるので、必要な個数の収納ケース
を水平方向または上下方向に連結してロツカーを
構成することができ、設置スペースの有効利用を
図ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の収納ケースの斜視
図、第２図は同じく正面図、第３図は、第１図の
収納ケースが水平方向に３個連結された状態を示
す斜視図、第４図は第３図に示す連結部材の部分
を拡大して示す断面図、第５図は連結部材の他の
実施例を示す第４図と同様な断面図、第６図は本
考案の実施例の収納ケースが水平方向及び上下方
向に多数重ねて使用された状態を示す正面図、第
７図は従来から使用されているフアイルの一例を
示す斜視図である。 １……収納ケース、２……ケーシング、２ａ…
…上面部、２ｂ……下面部、２ｃ，２ｄ……側面
部、２ｅ……端面部、４……挿入口、５，６……
開口部、８，９……連結部、２０，Ｆ……フアイ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向または上下方向に多数重ねて使用され
   る収納ケースであつて、該収納ケースは、上面
   部、下面部及び両側面部からなる断面長方形筒状
   のケーシングを有し、該ケーシングの少なくとも
   一方の端面にはフアイル等を挿入する挿入口が設
   けられており、前記両側面部には連結用の開口部
   がそれぞれ同位置に設けられてなることを特徴と
   する収納ケース。