JPH0232943B2 - Ichisoroshutsugatasetsushokugatadenkaikaatensochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、接触型電界カーテン装置の粒子搬送
能力を向上させるための電極群の配置構成の改良
に関するものである。 従来の接触型電界カーテン装置は、原則として
電極群が誘電体内に埋設されていた。 また上記装置による粉体移送能力は、誘電体表
面近傍の不平等交番電界の強度が高いほど、また
電極近傍の誘電体表面よりの無電極両極性コロナ
放電量が大きいほど、促進されることが見出され
た。 しかし、無電極コロナ放電を発生せしめるため
には、それぞれの電極群に極めて高い交番電圧を
印加しなければならず、これが上記誘電体に短期
間に絶縁劣化を生じて接触型電界カーテン装置の
寿命を短縮させ、かつ電源の価格の上昇をきたし
ていた。 本発明は、前記した従来技術の欠点を解消する
ためのものであり、接触型電界カーテン装置への
印加電圧を従来よりも低く設定することにより、 (1) 装置の寿命を延長させる (2) 電源価格を低減させる ことができ、且つ誘電体表面近傍に多量の両極性
イオンを発生させ、粉体粒子の移送能力を大巾に
向上させることができる装置を提供することを目
的とするものである。 本発明は、この目的を達成するため、接触型電
界カーテンの複数の各相電極群のうち一相の電極
群のみを誘電体表面に配設し、他の相の電極群を
誘電体内に埋設た構造を特徴とするものである。 本発明の施例を説明する前に、接触型電界カー
テン装置の原理を説明する（特許第981125号参
照）。 いま、第５図に示すように誘電体層Ａの内部に
平行円筒電極群Ｂを並べ、一つおきに接続して、
単相交番電圧を印加すると、点線で示されるよう
な電気力線Ｃを有する交番不平等電界の列が、上
記誘電体層Ａの内部と外部空間に形成される。い
ま、誘電体表面に、微粒子が接触した場合、微粒
子は、接触帯電によつて電荷をおび、交番不平等
電界の作用で、強力な反発力を受けて誘電体層の
上方に反発され浮上する。これを接触型電界カー
テンと称する。 いま、第６図のように平行円筒電極群Ｂを二つ
おきに接続して三組にわけ、これに三相交流電圧
を印加すると、誘電体層Ａの外部空間には相順方
向に進行する進行波不平等電界ができ、粒子は浮
上状態で進行波の進行方向に移送される。 第５図の如き装置を特に単相接触型電界カーテ
ン装置（定在波型）、第６図の如き装置を三相接
触型電界カーテン装置（進行波型）と呼んでい
る。 本発明は、単相接触型電界カーテン装置及び三
相ないし多相の接触型電界カーテン装置の何れに
も適用できるものであるが、以下の実施例では三
相接触型電界カーテン装置について説明する。 第１図は、一相露出型接触型電界カーテン装置
の模式図（電極に垂直な断面図）で、露出電極群
２（Ｕ相）は誘電体１の表面に間隔ａを保つて平
行に配置してあり、埋設電極群３（Ｖ相）及び４
（Ｗ相）はそれぞれ誘電体１内部に間隔ａを保つ
て平行に配置してある。なお、それぞれの電極群
は隣接する他電極群と平行に且つｂの間隔（ａ＝
3b＋2φ）を保つて配置されている。なお、φは
電極の直径である。また一般的には、ｂは２〜５
mmでφは１〜0.2mmである。更に印加する交番電
圧の実効値は相間で2.5〜5KVとなるようにして
ある。なお、誘電体層１は第３図に示す如く表層
誘電体層８、内部誘電体層９および基板１０より
なる。 以上の構成により誘電体１上の粉体粒子は前述
した接触型電界カーテン装置の原理によに相順方
向に移送される。この時の露出電極群２は前述し
た従来型の接触型電界カーテン装置の原理以外の
役割を有する。つまり露出電極２から、無電極放
電と違つて著るしく強力な交流コロナ放電を発生
し、誘電体１上の粒子を強力に除・帯電させ、粉
体粒子が、不平等交番電界により受ける電気力学
的作用（反発移送作用）を著るしく促進強化す
る。 ここで、前記の除・帯電について若干の説明を
する。従来の接触型電界カーテンでは上記の反発
移送作用を受け難い粉体粒子が存在し、これには
大別して二つのタイプがある。一つは粒子集合体
の内部で互に隣接する粒子同志がその接触面で
正・負に接触帯電して互に強力なクーロン引力を
及ぼし合つている様な、いわゆる両極性内部帯電
をしている粉体である。もう一つは粒子と誘電体
１との間で接触帯電し難い粉体である。前者の粉
体対しては交流コロナ放電で供給される正・負イ
オンは、両極性内部帯電を中和減少させ、粒子同
志の引力を弱めて粒子集合体を解体し、個々の粒
子が電気力学的作用をうけ易くする作用がある。
また交流コロナは、正イオンより負イオンを多く
発生するために、粉体を負に帯電させるので、後
者の粉体でも有効に反発移送作用を受けるように
なる。 第２図は、シート状に構成した一相露出型接触
型電界カーテンの平面図で、第３図は第２図の断
面Ｘ−Ｘを示す図である。同図において、５は露
出電極群、６，７は埋設電極群の入力端子であ
る。 第３図において、８は表層誘電体層で100μm厚
のポリエステルで表面に厚さ35μm、巾300μmの
銅箔よりなる露出電極群２が配置されている。ま
た、埋設電極群３及び４は露出電極２と断面形状
を一にして厚さ200μmでポリエステルよりなる基
板１０に配置されている。更に９は、内部誘電体
で100μm厚のシリコンゴムよりなり、埋設電極群
６，７間に気泡が混入しないようにモールドする
と共に表層誘電層８と基板１０とを接合する役割
を果している。なお、隣接する電極の間隔ｂは３
mmである。 以上の如く構成された一相露出型接触型電界カ
ーテン装置に相間実効電圧が、4KV以上の交番
電圧（一般に30〜60Hz程度の周波数のものが良
い）を印加すると、誘電体８上には電極群２〜４
と平行な不平等電界が電極群２〜４と直角に相順
方向に移動することとなり、しかも露出電極より
放出される交流コロナの作用で粉体粒子は除・帯
電され、この進行波不平等電界の相順方向に移送
される。 ちなみに、従来の接触型電界カーテン装置では
印加電圧を6KV以上にして初めて粉体粒子が移
送されていたが、本発明の実施例では4KVで充
分な移送能力が得られた。ここで、隣接電極間距
離ｂ及び印加電圧の周波数は同一に設定した。 第４図に本発明の一相露出型の実施例と従来タ
イプのものとの効果の比較を示す。同図の搬送力
ランクは下表の基準に基づくものである。

【表】 従来型接触型電界カーテン装置では3.5KVの印
加電圧で、全く搬送されなかつた電子写真用トナ
ーが、本発明の一相露出型では充分に搬送される
ことが確認された。 また、本発明の一相露出型に3.5KVを印加した
時と従来型に約4.25KVを印加した時とでは同一
搬送力を有するから、本発明の一相露出型では従
来型よりも約750V低い印加電圧で同程度の搬送
ができる。従つて、電界カーテン装置の寿命を大
巾に延長させることが可能になる。 表層誘電層８の材質は上記実施例では、ポリエ
ステルを使用したが、無機質、例えばガラス、フ
アインセラミツク等を用いても良く、このように
することにより、電界カーテンの寿命（長期的耐
電圧性）は大巾に延長されるが、柔軟性が要求さ
れる用途に対しては、実施例のように有機誘電体
を用いる必要を生ずる。 交番電圧印加方法については、安全性の面から
露出電極の電位を常に零（接地）となるようにす
ることが望ましい。こうすれば、露出電極に手を
触れても感電することがない。 露出電極群は交流コロナ放電をさせると云う目
的からして断面形状を円形とするよりも、極力と
がつたエツジを有する様な形状とした方が放電効
率が良く望ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一相露出型接触型電界カーテ
ン装置の断面を示す模式図、第２図は本発明の実
施例の平面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線部の断
面図、第４図は本発明と従来例との効果の比較を
示すグラフ、第５図及び第６図は接触型電界カー
テン装置の原理を説明する図である。 図において、１：誘電体層、２：露出電極群、
３，４：埋設電極群、５：露出電極群２の入力端
子、６，７：埋設電極群３，４の入力端子、８：
表面誘電体層、９：内部誘電体層、１０：基板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 接触型電界カーテンを構成する各相電極群の
   うち、一相の電極群のみを誘電体層の外気に露出
   する表面に配設し、他相の電極群を誘電体層内に
   埋設したことを特徴とする、一相露出型接触型電
   界カーテン装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の一相露出型接触
   型電界カーテン装置において、露出電極群を接地
   したことを特徴とする、一相露出型接触型電界カ
   ーテン装置。