JPH0232676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は熱処理炉の輻射管に係り、特に熱処理
炉の加熱手段として用いられている輻射管の断熱
構造を改良したものに関する。

〔従来の技術〕

熱処理炉（例えば加熱炉）の加熱手段として用
いられる輻射管は、内部に加熱ガスを通して熱輻
射を行うようになつているため、炉内の被加熱物
に対する熱伝達の面からいえばできるだけ径を大
きくして放熱面積を大きくした方が好ましい。

ところが、輻射管は一旦炉壁を貫通して炉内に
挿入された後、加熱ガスを炉外に排出すべくその
戻管部が再び炉壁を貫通て炉外へ導かれているた
め、特に排ガス側である戻管部の炉壁貫通部より
炉外へ向う部分が大径であると、炉外における放
散熱量が多くなる結果、次のような問題を生じ
る。

炉外雰囲気の高温化を招いて作業環境が悪化
する。

炉壁の鉄皮が高温化して耐久性が低下する。

エネルギの浪費につながる。

そこで、上記問題点を解消すべく従来では、第
３図に示す如く輻射管ａの戻管部ｂにおける炉壁
ｃの貫通部より炉外へ向う部分の外壁部に外装断
熱材ｄを巻付けるという対策が採られていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、輻射管ａは通常互いに隣接して
炉壁ｃに多数取付けられるので、外装断熱材ｄの
厚さを充分にとることができず、上記問題点を充
分に解消することはできなかつた。

また、戻管部ｂの炉壁貫通管内に内装断熱材ｅ
を張設して、熱損失を少なくする方法も採られて
いるが、内装断熱材ｅの表面あらさのため加熱ガ
スの圧力損失が大きく、しかも加熱ガスとの直接
接触のため内装断熱材ｅの損耗を招き易い。

〔考案の目的〕 本考案は上記従来技術の問題点を有効に解決す
べくなされたもので、その目的は炉外における放
散熱量の大幅な減少を図ることができると共に内
装断熱材の如き不具合は全く生じない熱処理炉の
輻射管を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は上記目的を達成するために、炉壁を貫
通して炉内に挿入され、炉外から加熱ガスを循環
させるための熱処理炉の輻射管において、上記炉
壁に炉外へ取出される輻射管の戻管部を貫通させ
るための貫通孔を形成し、この貫通孔に挿通され
る上記戻管部を上記加熱ガスの下流側に沿つて漸
次縮径して形成し、この縮径部及びこれより下流
の管壁上に断熱材を被覆したものである。

〔実施例〕

以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図において、１は熱処理炉である加熱炉で
あり、その炉内２にはＵ形状の輻射管３が基端部
を炉壁４に貫通させた状態で吊金具５を介して水
平に支持され、且つこの支持状態で紙面垂直方向
に所定ピツチで多数配設されている。

上記輻射管３の一端にはバーナ６が連結され、
このバーナ６からの加熱ガスは管内を循環して、
その戻管部７を介して炉外８に導き出されるよう
になつている。

上記炉壁４には列外８へ取出される輻射管３の
戻管部７を貫通させるための貫通孔９が形成さ
れ、第２図に示す如くこの貫通孔９に挿通される
部分において上記戻管部７が下流側に向つて漸次
縮径して形成され、この縮径部１０より下流は小
径部１１になつている。そして、上記縮径部１０
上には炉壁４の貫通孔９を閉塞する如く、且つ小
径部１１上には貫通孔９と略同一径となる如く断
熱材１２が連続的に被覆されている。尚、１３は
断熱材１２の外周部を覆う覆い管、１４は覆い管
１３より小径部１１を支持するサポートプレー
ト、１５は輻射管３上をシールしつつその熱膨張
による伸びを吸収する伸縮管である。

次に作用を述べる。バーナ６により燃焼加熱ガ
スが輻射管３内に供給されると、輻射管３が加熱
され、炉内２の被加熱物に輻射管を与える。加熱
ガスは輻射管３内を循環後、戻管部７を介して炉
外の排ガス系に排気される過程で、炉壁貫通部よ
り下流の戻管部７をも高温に加熱することにな
り、この放散熱が種々の問題を生じさせていた。

ところが、本考案はその炉壁４を貫通する戻管
部７を炉内側から加熱ガスの下流側に向つて漸次
縮径して形成し、炉外側の戻管部７を小径にした
ので、放熱面積が小さくなり、しかも小径になつ
ている分だけ厚く断熱材１２を被覆することがで
き、炉外側における放散熱量を大幅に減少させる
ことができる。

また、輻射管３は縮径部１０において加熱ガス
の流れ方向に漸次縮径して形成されているので、
加熱ガスの圧力損失が少ない。

〔考案の効果〕

以上要するに本考案によれば次の如き優れた効
果を発揮する。

(1) 戻管部を炉壁の貫通孔部分において加熱ガス
の下流側に向つて漸次縮径して形成し、炉外側
における放熱面積を小さくすると共に、縮径さ
せた分だけ厚く断熱材を被覆することができる
ようにしたので、炉外における放散熱量を大幅
に減少させることができる。

(2) このため、炉外雰囲気及び炉壁鉄皮の高温化
を防止することができ、作業環境の向上、炉壁
鉄皮の耐久性の増大及び省エネルギ化を図るこ
とができる。

(3) 内装断熱材を使用しないので、その表面あら
さによる加熱ガスの圧力損失や加熱ガスとの直
接接触よる内装断熱材の損耗等を生じることが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す熱処理炉の断
面図、第２図は同要部拡大断面図、第３図は従来
の断熱構造を示す断面図である。 図中、１は熱処理炉、３は輻射管、４は炉壁、
７は戻管部、１０は縮径部、１２は断熱材であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉壁を貫通して炉内に挿入され、炉外から加熱
   ガスを循環させるための熱処理炉の輻射管におい
   て、上記炉壁に炉外へ取出される輻射管の戻管部
   を貫通させるための貫通孔を形成し、該貫通孔に
   挿通される上記戻管部を上記加熱ガスの下流側に
   向つて漸次縮径して形成し、該縮径部及びこれよ
   り下流の管壁上に断熱材を被覆したことを特徴と
   する熱処理炉の輻射管。