JPH0232278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、主として使い捨て注射針を注射器か
ら手を触れずに取外し、ケースと共に、あるいは
ケースから注射針のみを廃棄するようにした注射
針廃棄ケースに関する。

［従来技術とその問題点］ 一般に、注射器から注射針を取外すには、使い
捨て用注射針あるいは再使用可能な注射針、いず
れも注射器から注射針を手で取外していた。

しかしながら、近年後天性免疫不全症候群等に
おけるように、血液の付着、交流等による諸疾病
の罹患が注目されるに従つて、医師等、医療に従
事するものからの注射器の取扱いに関する関心が
高まつている。

特に、血液に触れた注射針には手を触れないで
注射器から取外し、取外された注射針をまとめて
廃棄し、あるいは再利用のための処理ができる器
具が求められている。

［問題点を解決するための具体的手段］ 本考案は、このような問題点を解決し、注射針
には直接手を触れないで、手軽に注射器から注射
針を取外すことができ、取外された注射針をまと
めてケースから廃棄し、あるいはケースと共に廃
棄したり、ケース内から注射針を再利用のための
処理へまわすことができるようにした注射針廃棄
ケースを提供するもので、ケースの周面の一部に
針挿入用切欠部が形成され、この切欠部に連設し
て針取外し用切欠部がケースの前後いずれかの面
に形成されると共に、上記針挿入用切欠部の内面
には、該切欠部が掩蔽される大きさの開閉蓋が、
弾性材により開閉自在に設けられたことを特徴と
する。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案に係る注射針廃棄
ケースの実施例を説明する。

図において、１は細長い６面体からなる鈑金製
の注射針廃棄ケース、該ケース１はケース本体１
１と引出し１２とからなる。

ケース本体１１の上面ａには前面ｂに亘つて針
挿入用切欠部１３が形成され、ケース本体１１の
前面ｂには、上記針挿入用切欠部１３と連設して
斜下側に向けて針取外し用切欠部１４が形成され
ている。

この針取外し用切欠部１４は、注射器２３の針
取付部２４の移動が自由で、注射針１９の針基２
０のフランジ２１が引掛かる程度の大きさに形成
される。

ケース本体１１の前面ｂの下側から底面ｃの前
方に亘つて、引出し１２の押出用切欠部１５が形
成され、底面ｃの上面には、引出し１２が自重で
ケース本体１１から抜出さないように板ばね１６
が設けられている。

ケース本体１１の針挿入用切欠部１３の内面に
は、この切欠部１３が掩蔽される大きさの開閉蓋
１７が、スプリング１８の弾性で切欠部１３を閉
じる方向に弾持されたちようつがい２２により開
閉自在に設けられている。

開閉蓋１７は、針挿入用切欠部１３の一方の切
欠縁から注射針１９の針基２０が容易に挿入可能
な幅、すなわち、針基２０が少し許り接する程度
の幅に亘つて切欠ｄされており、かつその先端は
ケース本体１１の前面ｂと少し許りの間隙、すな
わち針基２０のフランジ２１が挟入できる程度の
間隙ｅを配して取付けられている。

引出し１２としては、上面が開放され、前半上
側が切欠されたものが用いられる。

したがつて、上記注射針廃棄ケース１の使用に
際しては、ケース本体１１に引出し１２が押し込
まれた状態で、第３図示のように、注射針１９が
取付けられた注射器２３における注射針１９の針
基２０を針挿入用切欠部１３上に位置させ、かつ
そのフランジ２１を開閉蓋１７とケース本体１１
の前面ｂ間の間隙ｅに位置させた後、注射器２３
の針取付部２４を針取外し用切欠部１４に沿つて
下降させると、開閉蓋１７はちようつがいのスプ
リング１８の弾性に抗して針挿入用切欠部１３を
開いた後、注射針１９がケース本体１１内に完全
に埋没すると、スプリング１８の弾性で再び針挿
入用切欠部１３を閉じる。

しかる後、注射器２３を引張れば注射器２３の
針取付部２４から注射針１９は取外され、引出し
１２内に収納される。

このようにして、使用済注射針が引出し１２内
にある程度の量貯蔵されたら、ケース本体１１の
押出用切欠部１５に露出している引出し１２の下
側隅角部を、板ばね１６の弾性に抗して押せば、
ケース本体１１から引出し１２の他側が引出され
た状態となるので、この部分をもつて引出し１２
をケース本体１１から引出し、貯蔵された注射針
１９を廃棄するか、洗浄滅菌器等に入れ再利用に
供すれば良い。

第５図に示すものは、注射針廃棄ケース２５全
体が合成樹脂により構成された他の実施例で、前
述の実施例と同一符号は同一構成よりなるものが
示される。

ここで、前述の実施例と構成および取扱い上異
なるところは、前述の実施例におけるケース本体
１１と引出し１２が一体に形成され、引出しの構
成を有さず、使用済注射針がケース２５内にいつ
ぱいになつたときは、注射針とともにケース５も
廃棄するようにした点にあり、その他の使用方法
等については同一である。

［効果］ 上記したように、本考案によれば注射針を注射
器から手を触れずに取外し、ケースと共に、ある
いはケースから注射針のみを廃棄することができ
るので、医療従事者から血液の付着による諸疾病
の罹患を防止し得られると共に、ケースの構成が
簡潔で取扱いも簡便であるため、手軽に使用で
き、携帯用としても好適である効果を有する。

なお、実施例に示されるように、ケースがケー
ス本体と引出しとからなるものにおいては、注射
針のみの廃棄や再使用のための処理をするのに好
都合であり、ケースが安価な合成樹脂製ケースで
一体に構成されたものにおいては、使い捨て注射
針の場合、ケースと共に廃棄できるため、一層医
療従事者等が血液に触れることを防止できる効果
を併有する。

【図面の簡単な説明】

図示するものは、本考案に係る注射針廃棄ケー
スの実施例で、第１図は全体の斜視図、第２図は
ケース本体の断面図、第３図は使用状態を示す平
面図、第４図は注射器の平面図、第５図は他の実
施例を示す全体の斜視図である。 １，２５……注射針廃棄ケース、１３……針挿
入用切欠部、１４……針取外し用切欠部、１７…
…開閉蓋、１８……スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケースの周面の一部に針挿入用切欠部が形成
   され、この切欠部に連設して針取外し用切欠部
   がケースの前後いずれかの面に形成されると共
   に、上記針挿入用切欠部の内面には、該切欠部
   が掩蔽される大きさの開閉蓋が、弾性材により
   開閉自在に設けられたことを特徴とする注射針
   廃棄ケース。 (2) ケースが、ケース本体と引出しとからなるケ
   ースである実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の注射針廃棄ケース。 (3) ケースが、合成樹脂製ケースで一体に構成さ
   れたものである実用新案登録請求の範囲第１項
   および第２項いずれか記載の注射針廃棄ケー
   ス。