JPH061141Y2 - 廃棄物容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、医療器具等の廃棄物容器に関するものであ
る。

［従来の技術］ 一般に、使用済みの医療用器具は消毒して再度使用する
が、一度使用しただけで廃棄処分するものもある。例え
ば、Ｂ型肝炎やエイズと云った血液や体液から感染する
伝染病の患者に用いた注射器や注射針等は、直ちに廃棄
処分するのが好ましい。このため、従来は適当な箱や袋
等の容器に捨てて廃棄するようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、医療用器具を捨てる際に前記容器に手や身体
の皮膚が触れると危険であり、また廃棄後にその容器が
倒れたりひっくり返ったりすると、注射器等の廃棄物又
はそれに付着した血液や体液がこぼれ出して伝染の危険
性が生じることになる。

本考案は、このような従来の欠点を除去するためになさ
れ、手や身体の皮膚に接触することなく医療器具等を捨
てることが出来、かつ容器が転倒したとしても廃棄物及
びそれに付着した血液や体液等が外部に流出しないよう
にした廃棄物容器を提供することを技術的課題としたも
のである。

［課題を解決するための手段］ このような技術的課題を解決するための手段として、本
考案は容器本体に固定板と弾性板とを下向き傾斜させて
対設すると共に、前記弾性板の下端部が固定板の下端部
に圧接するようになし、前記容器本体に蓋体を開閉自在
に取り付け、この蓋体の下面に係止突起を設け、蓋体を
閉じる過程に該係止突起で前記弾性板の上面に設けた係
止突起を押圧して前記固定板との間に落下口が形成され
るようにしたことを要旨とするものである。

［作用］ 本考案の廃棄物容器は、前記蓋体を開いて廃棄物を投入
後蓋体を閉じると、蓋体の係止突起を介して弾性板が押
されて前記固定板との間に落下口が形成されるので、そ
の落下口から捨てた廃棄物を容器本体内に収納すること
が出来、その後弾性板の押圧が解除されて弾性により元
の位置に復帰して落下口が閉じられる。この落下口が閉
じた状態では、容器が転倒しても開かず、収納された廃
棄物及びその廃棄物に付着した血液や体液がこぼれ出す
ことはない。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明
する。

第１図において、１は容器本体であり、その上部に下向
き傾斜の固定板１ａと、この固定板の下縁に下端部が圧
接する下向き傾斜の弾性板２とが対設されている。前記
弾性板２は、前記容器本体１に形成された取付部１ｂに
上端部が固定され、上面のほぼ中央の長手方向に沿って
係止突起３が２個形成されている。この係止突起３は、
上部に傾斜面３ａと係止部３ｂとを有している。４は蓋
体であり、前記容器本体１の固定板１ａ側の上縁にヒン
ジ５を介して開閉自在に取り付けられている。この蓋体
４の下面には前記係止突起３と係合する係止突起６が形
成され、その下部に前記係止突起３の傾斜面と接する傾
斜面６ａと、前記係止部３ｂに係止する係止部６ｂとを
有している。

本考案に係る廃棄物容器は上記のように構成され、蓋体
４を前記ヒンジ５方向にやや押すようにして上に持ち上
げると、前記係止突起６が弾性板２の係止突起３から外
れて蓋体４をヒンジ５を介して開くことが出来る。この
開蓋状態で、注射器等の医療用廃棄物７を投入し、前記
蓋体４を閉じると前記係止突起６の傾斜面６ａが前記係
止突起３の傾斜面３ａに圧接しながら下降し、この押下
力によって前記弾性板２は第３図に示すように先端部が
前記固定板１ａから離れる方向に動かされ、その固定板
との間に落下口８が形成され、この落下口から前記医療
用廃棄物７が落ちて容器本体１内に収納されることにな
る。

この後、蓋体４の係止突起６は弾性板２の係止突起３か
ら外れて押下力が解除され、弾性板２はその復元力によ
って跳ね返り前記固定板１ａに圧接して落下口８が閉じ
られ、同時に蓋体４の係止突起６が弾性板２の係止突起
３に係止して閉蓋されることになる。

この閉蓋状態においては、前記落下口８は弾性板２によ
り完全に閉じられているので、例え容器本体１が転倒し
ても落下口８は開かず、前記医療用廃棄物７やそれに付
着した血液や体液等がこぼれ出すことはない。

第４図は本考案の他の実施例を示すもので、蓋体14は弾
性板12側の縁にヒンジ15を介して取り付けられ、蓋体14
の係止突起16及び弾性板12の係止突起13の形状も前記実
施例のものとは多少異なっているが、使い方は前記実施
例のものと同じである。

尚、何れの廃棄物容器も一杯になったら、その容器毎焼
却等の廃棄処分がなされる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案に係る廃棄物容器によれ
ば、医療用廃棄物特に伝染病患者に用いた注射器等を人
が触れることなく容器内に簡単に捨てることが出来、し
かも廃棄後は容器が倒れても廃棄物やそれに付着した血
液等がこぼれ出すことはない等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す上部の斜視図、第２図は
開蓋状態での要部の断面図、第３図は閉蓋時での要部の
断面図、第４図は本考案の他の実施例を示す要部の断面
図、第５図はその閉蓋時での要部の断面図である。 １…容器本体 １ａ…固定板 １ｂ…取付部 ２、12…弾性板 ３、13…係止突起 ４、14…蓋体 ５、15…ヒンジ ６、16…係止突起 ７…医療用廃棄物 ８…落下口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体に固定板と弾性板とを下向き傾斜
   させて対設すると共に、前記弾性板の下端部が固定板の
   下端部に圧接するようになし、前記容器本体に蓋体を開
   閉自在に取り付け、この蓋体の下面に係止突起を設け、
   蓋体を閉じる過程に該係止突起で前記弾性板の上面に設
   けた係止突起を押圧して前記固定板との間に落下口が形
   成されるようにしたことを特徴とする廃棄物容器。