JPH0542184A - 使用済注射器の収納箱、および使用済注射針の収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注射器から使用済の注射針を外して収納でき
るようにする。 【構成】 箱体を注射器本体収納用箱体と注射針収納用
箱体に区画し、これらの箱体を分離できるように連結す
る。注射針収納用箱体には針抜取部を設ける。針抜取部
には注射器本体の針取付部を挿入し得る大径の孔と、こ
れに連接し上記針取付部のみ嵌合し得る幅狭の溝からな
り、該溝の裏面には傾斜面が形成されており、注射器本
体の針取付部を大径の孔に差込み幅狭の溝内に移動する
ことにより、カム作用で針を抜取るようになっている。
各収納用箱体内には消毒部材が設けられている。上記収
納用箱体には、それぞれ開閉可能なシャッターが設けら
れている。箱体は紙など焼却可能の材料で作られ、焼却
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用済の注射針等を安
全かつ容易に取外して収納できるようにした使用済み注
射器の収納箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】注射、採血等に使用する注射針は、近年
感染のおそれを防止するため使用後に注射器から外し
て、焼却等の処理をしている。現在、多くの場合そのよ
うな処理をするには、使用済の注射器から注射針を外
し、看護婦が注射針の先端にプラスチックキャップをか
ぶせ、注射器本体と注射針を各別個の運搬箱に入れ、こ
れを業者が集めて処理するようになっている。

【０００３】ところが、上記のようなキャップをする
際、看護婦が誤って針先を手指にさすおそれがあって危
険であり、また、キャップをかぶせないと針先が露出す
るため処理業者が取扱ってくれないことがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、その
ような実情に鑑み、注射器本体から注射針を取外してそ
のまま箱体内に収納でき、その後の処理を容易にした使
用済注射器の収納箱を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上面開
口に開閉蓋を備えた使用済注射器本体収納用箱体と、該
箱体に分離可能に付設され、上面開口に開閉蓋と、上記
注射器本体を差し込み横方向に移動することにより針を
抜取るようにした針抜取部を備えた針収納用箱体を有す
る使用済注射器の収納箱が提供され、上記目的が達成さ
れる。

【０００６】

【作用】針収納用箱体においては開口部に注射器本体の
針取付部を挿通し得る大径の孔とこれに連接し上記針取
付部のみが嵌合し得る幅狭の溝からなり、かつ該溝の裏
面に傾斜面を形成している針抜取部を有し、注射器本体
の針取付部を大径の孔に挿通し、幅狭の溝に横方向に移
動させることにより、カム作用により針が極めて容易に
抜取られ、手を触れることなく安全に針収納用箱体内に
収納されるので、注射器本体を本体収納用箱体内に収納
し、適当量収納されたならば本体収納箱と針収納箱を分
離して処理業者に手渡すことができる。

【０００７】

【実施例】以下実施例と共に詳細に説明する。図におい
て、本発明の収納箱は、通常の取扱い程度では注射針が
通らないような丈夫な板紙材料、合成樹脂フィルムをコ
ートした紙材料その他の焼却可能な材料で横長の箱体
（１）に形成されている。

【０００８】上記箱体（１）は、注射器本体収納用の箱
体（２）と注射針収納用箱体（３）からなり、両者は分
離可能に連結されている。なお、図においては、横方向
に注射針収納用箱体（３）を形成してあるが、注射器本
体収納用箱体（２）の前後方向に縦に設けることもでき
る。

【０００９】また、図においては、図１、図６に示すよ
うに、切取線（４）を形成した外板（５）の内部に、隔
壁（６），（７）を設けて上記各収納箱（２），（３）
を区画しているが、２つの独立した収納箱（２），
（３）を別個に作り、これらを並べて接着力の弱い接着
剤で接着したり、接着テープ等で連結するようにしても
よい。

【００１０】上記注射針収納用箱体（３）には、注射針
を注射器本体から手を使わずに取外せるよう注射器本体
（８）の針取付部（９）を挿入し得る大径の孔（１０）
とこれに連接し、上記本体の針取付部（９）のみが嵌合
し得る幅狭の溝（１０′）を形成し、かつ、溝（１
０′）の裏面が傾斜面（１２）を形成している針抜取部
（Ａ）が設けられている。

【００１１】該傾斜面（１２）は図３、図４に示す如く
金属材料、プラスチック材料等で形成したくさび状ブロ
ックを溝（１０′）の孔縁の裏面に貼着してもよく、或
は、ばね材料を曲屈して作り大径の孔（１０）の孔縁の
裏側に貼着する等により設けることもできる。なお、該
傾斜面（１２）の傾斜角は、約２０度に形成すると、針
（１１）が容易に脱落することが確かめられた。傾斜面
（１２）は箱素材に型押し、切起し等により一体的に形
成してもよい。

【００１２】なお、上記針抜取部（Ａ）の上方には、開
閉可能にシャッター（１３）を設けてある。また、上記
注射器本体収納用箱体（２）の上面には注射器本体
（８）の投入口（１４）を形成してあり、該投入口（１
４）にも開閉可能にシャッター（１５）を設けてある。
これらのシャッター（１３），（１５）は、いずれも案
内溝（１６），（１７）にそれぞれ摺動自在に設けてあ
るが、一端を蝶着して、開閉可能に蓋を取付けるように
してもよい。

【００１３】上記注射器本体収納用箱体（２）および注
射針収納用箱体（３）の底部には、消毒部材（１８）を
設けておくとよく、図においては消毒液を浸潤させた脱
脂綿その他の部材を設けてある。

【００１４】使用済の注射器本体（８）は、図４に示す
ように、針取付部（９）を針抜取部（Ａ）の大径の孔
（１０）に差し込み、横に移動させると、溝（１０′）
の縁部と傾斜面（１２）が注射器本体（８）の底面と針
（１１）の基部間に入り、カム作用により上記傾斜面
（１２）に押されて針（１１）は取付部（９）から脱落
し、図６に示すように針収納用箱体（３）内に落下す
る。注射器本体（８）は、投入口（１４）から注射器本
体収納用箱体（２）内に投入すればよい。その後針抜取
部（Ａ）および投入口（１４）はそれぞれシャッター
（１３），（１５）で閉じておく。

【００１５】上記各収納用箱体（２），（３）が一杯に
なったならば、上記切取線（４）から注射器本体収納用
箱体（２）と注射針収納用箱体（３）を分離して、それ
ぞれ処理業者に手渡せばよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、手を触れることなく注射針を箱体内に納めることが
でき、医師、看護婦等の第二次感染が予防され、また注
射器本体と針を別個に分離収納できるから、使用済注射
器の管理が容易かつ衛生的になり、従来のようなプラス
チックキャップを使用しないので廃棄作業も極めて容易
である。その上、シャッターにより針抜取部や注射器本
体の投入口を塞いであるので、持ち運び中に注射器や注
射針がこぼれ落ちる等のこともなく安全であり、収納用
箱体もコンパクトで取り扱いも容易になり、消毒液によ
り使用中に針等が消毒され、使い捨てでそのまま焼却で
き、便利である。上記収納用箱体（２）は注射器本体の
代わりに点滴用管、採血用管等を収納するようにしても
よい。また注射針収納用箱体を単体で使用することも可
能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図である。

【図２】針抜取部の平面図である。

【図３】針抜取部の断面図である。

【図４】針抜取部に注射器を差し込んだ状態を示す断面
図である。

【図５】注射器本体投入口部分の断面図である。

【図６】使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１…箱体 ２…注射器本体収納用箱体 ３…注射針収納用箱体 ８…注射器本体 ９…針取付部 １０…大径の孔 １０′…溝 １２…傾斜面 １３，１５…シャッター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面開口に開閉蓋（１５）を備えた使用
   済注射器本体収納用箱体（２）と、該箱体（２）に分離
   可能に付設され、上面開口に開閉蓋（１３）と、上記注
   射器本体を差し込み横方向に移動することにより針を抜
   取り得るようにした針抜取部（Ａ）を備えた針収納用箱
   体（３）を有する使用済注射器の収納箱。
2. 【請求項２】 針収納用箱体（３）の開口部に開閉蓋
   （１３）と、注射器本体の針取付部（９）を挿通し得る
   大径の孔（１０）と該孔（１０）に連接し上記針取付部
   （９）のみが嵌合し得る幅狭の溝（１０′）からなり、
   かつ該溝（１０′）の裏面が傾斜面（１２）を形成して
   いる針抜取部を備えた使用済注射針の収納箱。
3. 【請求項３】 上記各箱体が焼却可能の材料で作られて
   いる請求項１に記載の使用済注射器の収納箱もしくは請
   求項２に記載の使用済注射針の収納箱。