JPH0232216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気掃除機に係り、掃除機本体の集塵
室に着脱自在に装着される口枠と集塵袋からなる
フイルターの保持構造に関する。

〔従来の技術〕

従来の集塵袋の開口部に口枠を取付けて構成し
たフイルターを用いる電気掃除機においては、第
１１図に示すようにフイルター１の口枠２の上縁
を回動自在に取付けられたフイルター装着板３の
左右の係止爪部４，５で保持し、フイルター１の
口枠２を吸込み口に気密に装着し、またフイルタ
ー１が装着されると吸込み口近傍のフイルタ装着
面の一側に突出されたフイルター装着検知子６の
検知部７をばね８に抗して押圧し、この検知子６
の回動で係止部９が移動し、このこの検知子６の
係止部９が集塵室の開口部を開閉する蓋体の内面
に突出した突部との衝合位置より退避し、蓋体の
閉塞が可能となり、フイルター１が装着されてい
ないと、検知子６の係止部９が蓋体の突部に衝合
して蓋体が閉塞されないようにし、フイルターの
装着忘れを防止する構造が採られていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の掃除機では、フイルター装着板の係
止爪部とフイルターの口枠との係合状態をフイル
ター装着板の上方からでは確認できず例えばフイ
ルター１の口枠２のフイルター装着検知子６側の
みを押付けて装着し、口枠２がフイルター装着検
知子６側の係止爪部４のみが係止された状態、ま
た、フイルター１の口枠２の上縁に装着板３の両
係止爪部４，５が乗り上げた状態のいずれでも検
知子６が回動され、係止部９が蓋体の突部の位置
から移動しており、蓋体の閉塞が可能となり、フ
イルター装着板３の上方からはこのような誤装着
の状態を確認できず、このような装着状態のフイ
ルター１は掃除機本体の吸込み口からホースを差
込み接続すると、ホースの端部でフイルター１の
口枠２が押圧されてフイルター１と吸込み口との
気密性が保持できず、或いはフイルター１が外
れ、吸込まれた塵埃はフイルター１の集塵袋に収
納されず、集塵室に散乱する問題があつた。

そこで検知子６の係止部９の移動量を大きくし
てフイルター１の誤装着時には蓋体が閉塞されな
いようにすることが考えられるが、それには、検
知子６の回転軸部１０から検知部７までの長さを
係止部９までの長さに比べ長くすることになり、
検知子６の集塵室に占める大きさが大きくなる問
題がある。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、フ
イルターの口枠がフイルター装着板の左右の係止
爪部に確実に係止された状態をフイルター装着板
の上方から確実に確認できるようにし、フイルタ
ーの不完全な状態で使用することによる問題を解
決した電気掃除機を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の電気掃除機は、電動送風機を内蔵しこ
の電動送風機の吸込み側に気密に連通されるとと
もに吸込み口を開口した集塵室を形成しかつこの
集塵室のフイルター挿脱用開口部を開閉する蓋体
を有する掃除機本体と、この本体の集塵室の吸込
み口近傍に回動自在に取付けられ口枠とこの口枠
に取付けられた集塵袋からなるフイルターの口枠
を前記吸込み口に対向させて着脱自在に保持する
左右２個の係止爪部を有しこのフイルターの口枠
を保持する方向に付勢されたフイルター装着板と
を具備し、前記フイルター装着板の係止爪部の近
傍にこの係止爪部と前記フイルターの口枠との係
合状態を覗視可能な切り欠き凹部を形成したこと
を特徴としたものである。

〔作用〕

本考案の電気掃除機は、掃除機本体の集塵室の
蓋体を開き、フイルターを集塵室に収納し、この
フイルターの口枠を吸込み口の内端の装着面に当
接し、フイルター装着板の左右の係止爪部にフイ
ルターの口枠の上縁を係止したとき、フイルター
装着板の切り欠き凹部から係止爪部とフイルター
の口枠との係合状態を確認でき、フイルターの口
枠の上縁に係止爪部が乗り上げたような不完全の
装着状態で使用することを防止でき、またフイル
ターを取出すときにフイルター装着板を回動して
フイルター装着板の係止爪部とフイルターの口枠
との係合状態を解除するときに、フイルターの口
枠はフイルター装着板の切り欠き開口の位置に臨
ませられて、口枠を摘んで取り出し易いものであ
る。

〔実施例〕

本考案の一実施例の構成を図面第１図乃至第７
図について説明する。

１１は掃除機本体で、第２図に示すように合成
樹脂にて成型された下部本体ケース１２とこの下
部本体ケース１２の上面開口部を覆う上部本体ケ
ース３とにて構成されている。この下部本体ケー
ス１２は仕切り壁１４にて前側は集塵室１５、後
側は電動送風機室１６に仕切り形成されている。
この電動送風機室１６には電動送風機１７が収納
固定され、この電動送風機１７の吸込み側はパツ
キング６８にて前記仕切り壁１４に形成した格子
状の通気部１８に気密に連通されている。また前
記集塵室１５の前面にはホースなどが嵌挿接続さ
れる筒状の吸込み口１９が集塵室１５に連通開口
されている。またこの集塵室１５の電動送風機室
１６に連通する通気部１８には肉厚の二次フイル
ター２０が着脱自在に取付けられている。また前
記上部本体ケース１３は前記電動送風機室１６の
上面開口部を覆うよう下部本体ケース１２に取付
けられ、この上部本体ケース１３の後部には床ブ
ラシなどの付属品収納部２１が形成され、この収
納部２１は蓋板２２にて開閉されるようになつて
いる。またこの上部本体ケース１３の前部には前
記集塵室１５の上部開口部を開閉する蓋体２３が
軸２４にて回動自在に取付けられているとともに
この軸２４にハンドル２５が回動自在に取付けら
れている。

また前記掃除機本体の前部には把持部２６が形
成され、底面前部には自在輪２７が後部両側には
車輪２８が取付けられている。

また第１図、第２図に示すように前記掃除機本
体１１の集塵室１５にはフイルター装着面２９に
開口した吸込み口１９の内端部に集塵室１５に突
出してシールパツキング３０が取付けられてい
る。そしてこのフイルター装着面２９の両側には
フイルター３１の口枠３２を嵌合案内する嵌合リ
ブ３３が突出形成され、このフイルター装着面２
９にはフイルター３１の口枠の受け部３４が形成
されている。

さらに第１図乃至第３図に示すように前記集塵
室１５のフイルター装着面２９の上部にフイルタ
ー装着板３５が回動自在に取付けられている。こ
のフイルター装着板３５の両端には軸部３６が一
体に突出形成され、この軸部３６は前記フイルタ
ー装着面２９に突出した嵌合リブ３３の上部に回
動自在に軸支されている。そしてこのフイルター
装着板３５の下部略中央には左右方向の突出した
ばね受け軸部３７に巻きばね３８が装着され、こ
のばね３８によりフイルター装着板３５は、この
フイルター装着板３５に形成した係止爪部３９，
４０がフイルター３１の口枠３２を前記吸込み口
１９を開口したフイルター装着面２９に当接して
シールパツキング３０に圧接する方向に付勢され
ている。

このフイルター装着板３５の前記左右の係止爪
部３９，４０は、水平板部４１から下方に向けて
垂直に突出した係止面４２とこの係止面４２と反
対側面の外側上方から下方に向けて傾斜された係
合案内面４３とからなる側面略三角形状に形成さ
れ、この一方の係止爪部３９は他方の係止爪部４
０より長さd₁寸法短く形成されている。さらにこ
のフイルター装着板３５は、上方に突出された取
手部４４が形成され、またこのフイルター装着板
３５には前記係止爪部３９，４０に係止されたフ
イルター３１の口枠３２とフイルター装着面２９
との間に介在されるフイルター押圧片４５が左右
に設けられている。

さらにこのフイルター装着板３５には係止爪部
３９，４０の左右にフイルター３１の口枠３２と
係止爪部３９，４０との係合状態を上方から容易
に確認できるようにした切り欠き凹部４６が形成
され、さらにこのフイルター装着板３５の両係止
爪部３９，４０の間にはフイルター３１の口枠３
２をつまんで引抜くための切り欠き開口４７が形
成されている。

また４８はフイルター装着検知子で、第４図お
よび第５図に示すように前記集塵室１５の一方側
すなわち前記フイルター装着板３５の一方の係止
爪部３９側に回動自在に設けられている。このフ
イルター装着検知子４８は中間部に設けた上下方
向の軸部４９が下部本体ケース１２に回動自在に
軸支され、このフイルター装着検知子４８の一端
には検知部５０が形成され、この検知部５０は前
記フイルター装着面２９の一側すなわちフイルタ
ー装着板３５の一方の係止爪部３９側に位置して
このフイルター装着面２９に開口した通穴５１か
ら集塵室１５に突出されている。またこのフイル
ター装着検知子４８の他端には係止部５２が上方
に向かつて突出形成され、常時は前記蓋体２３の
内面に突設した突部（図示せず）に衝合する位置
にあり、フイルター３１の装着でフイルター装着
検知子４８が回動されると、係止部５２は蓋体２
３と衝合される位置から退避されるようになつて
いる。

またこのフイルター装着検知子４８は、ばね６
０により検知部５０が常時フイルター装着面２９
に突出する方向に付勢されている。

また前記フイルター３１は口枠３２とこの口枠
３２に形成した通口５３を囲繞して開口部を密着
固定した紙製集塵袋５４とで構成されている。

なお前記集塵室１５の開口部を開閉する蓋体２
３はクランプ５５にて閉塞状態に保持される。

また前記掃除機本体１１の電動送風機室１６に
は電動送風機１７の排気側に連通する排気部５６
が形成されている。

次にこの実施例の作用を説明する。

フイルター３１の装着に際しては、クランプ５
５を操作して蓋体２３を開き、集塵室１５にフイ
ルター３１を挿入し、フイルター３１の口枠３２
の下縁を集塵室１５の受け部３４に係合し、口枠
３２の上部をフイルター装着板３５の係止爪部３
９，４０の係合案内面４３に押し付けると、フイ
ルター装着板３５はばね３８に抗して回動され
（第６図鎖線）、口枠３２の上縁が係止爪部３９，
４０の下縁を通過すると、フイルター装着板３５
はばね３８により復帰回動し、係止爪部３９，４
０が口枠３２の上部を係止し、フイルター３１は
装着され、この状態で口枠３２の通口５３の周囲
にシールパツキング３０が圧着され、フイルター
３１は吸込み口に気密に連通される。なおこの時
フイルター装着板３５の両側には切り欠き凹部４
６が形成されているため、フイルター３１の口枠
３２と係止爪部３９，４０との係合状態を上方か
ら確認できる。またこの状態ではフイルター３１
の口枠３２がフイルター装着検知子４８の検知部
５０をばね６０に抗して押圧しており、フイルタ
ー装着検知子４８の回動でで係止部５２が蓋体２
３との衝合位置から退避され、蓋体２３を閉塞す
ることができ、蓋体２３はクランプ５５で閉塞状
態に保持される。

そして電動送風機１７を駆動すると、吸込み口
１９から吸込まれた塵埃はフイルター３１に補捉
され、濾過された空気は二次フイルター２０を通
過し、電動送風機１７に吸込まれ、掃除機本体１
１の外側に排気部５６から排気される。

そしてフイルター３１の集塵袋５４に塵埃が詰
つた時には、クランプ５５にて蓋体２３を開き、
フイルター装着板３５の取手部４４を操作してフ
イルター装着板３５をばね３８に抗して回動させ
ると口枠３２と係止爪部３９，４０との係合が解
かれ、さらにフイルター装着板３５のフイルター
押圧片４５がフイルター３１の口枠３２をフイル
ター装着面２９から離反する方向に押圧し、フイ
ルター３１に塵埃が詰つていても口枠３２をフイ
ルター装着面２９から離反し、口枠３２を掴んで
フイルター３１を集塵室１５から抜出すことがで
きる。この時フイルター装着板３５の中央部に切
り欠き開口４７が形成されているため、第３図に
示すようにフイルター３１の口枠３２を掴み易
い。そしてフイルター３１の口枠３２がフイルタ
ー装着面２９から離反するとフイルター装着検知
子４８の検知部５０の押圧が解かれ、フイルター
装着検知子４８が回動してその係止部５２が蓋体
２３を衝合する位置に移動し、蓋体２３の閉塞が
できないようになつている。

またフイルター３１の装着に際し、口枠３２の
一方側すなわちフイルター装着検知子４８側のみ
を押圧してもフイルター装着板３５の一方の係止
爪部３９は他方の係止爪部４０より短いため、一
方の係止爪部３９にのみ口枠３２が係止されるこ
とがなく、また第３図に示すように口枠３２が長
い側の係止爪部４０に乗り上げた場合も、一方の
係止爪部３９は短いため、一方の係止爪部３９は
口枠３２に係止されないので、フイルター装着検
知子４８はばね６０により検知部５０が口枠３２
の一側を押圧し、係止部５２は蓋体２３との衝合
位置に保持され、蓋体２３は閉塞できず、フイル
ター３１の装着が不完全であることを確認でき
る。

次に他の実施例を第８図および第９図について
説明する。

この実施例の構造は、フイルター装着板３５の
長い側の他方の係止爪部４０に一方の係止爪部３
９よりわずかに長い寸法d₂下方位置でフイルター
３１の係止面４２と反対側の係合案内面４３に段
部５７による段差を形成する。

この構造では、フイルター３１の口枠３２の一
側のフイルター装着検知子４８側を押圧したと
き、口枠３２が係止爪部４０の段部５７に乗り上
げ、一方の係止爪部３９のみに口枠３２が係止さ
れるようなことがなく、この時フイルター装着検
知子４８は蓋体２３を閉塞できない位置に保持さ
れ、フイルター３１の不完全な装着を防止でき
る。

さらに他の実施例を第１０図について説明す
る。

この構造は、フイルター装着板３５のフイルタ
ー装着検知子４８側の係止爪部３９より他方の係
止爪部４０を長くするとともに係止面４２から係
合案内面４３までの厚みL₁を一方の係止爪部３
９の厚み寸法L₂より厚くするとともに、係合案
内面４３の傾斜も他方係止爪部４０の角度θ₁を一
方の係止爪部３９の角度θ₂より大きくする。

この構造でもフイルター３１の口枠３２の一側
のフイルター装着検知子４８側のみを押圧して
も、通常の押圧力では、一方の係止爪部３９のみ
がフイルター３１の口枠３２が係止されることが
なく、フイルター装着検知子４８がフイルター３
１の不完全な状態で作動されることがない。なお
この実施例の構造では必ずしもフイルター装着板
３５の一方の係止爪部３９は他方の係止爪部４０
より長くする必要はない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、フイルター装着板の係止爪部
の近傍にこの係止爪部とフイルターの口枠との係
合状態を確認可能な切り欠き凹部を形成したの
で、フイルターの口枠がフイルタ装着板の係止爪
部に係止された状態を切り欠き凹部から容易に確
認でき、フイルターの口枠と吸込み口との間から
吸込み空気流が漏洩するようなフイルターの不完
全な状態で使用することによる不都合を防止でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気掃除機の
集塵室部の斜視図、第２図は同上電気掃除機の縦
断側面図、第３図は同上フイルターの装着部のフ
イルター取外し時の斜視図、第４図はフイルター
装着時の斜視図、第５図は同上平面図、第６図は
同上側面図、第７図は同上フイルター装着検知子
の斜視図、第８図は他の実施例を示す電気掃除機
のフイルター装着部の斜視図、第９図は同上係止
爪部の説明図、第１０図は他の実施例を示す電気
掃除機のフイルター装着部の係止爪部の説明図、
第１１図は従来の電気掃除機のフイルター装着部
の斜視図である。 １１……掃除機本体、１５……集塵室、１７…
…電動送風機、１９……吸込み口、２３……蓋
体、３１……フイルター、３２……口枠、３５…
…フイルター装着板、３９，４０……係止爪部、
４６……切り欠き凹部、４７……切り欠き開口、
５４……集塵袋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電動送風機を内蔵しこの電動送風機の吸込み
   側に気密に連通されるとともに吸込み口を開口
   した集塵室を形成しかつこの集塵室のフイルタ
   ー挿脱用開口部を開閉する蓋体を有する掃除機
   本体と、この本体の集塵室の吸込み口近傍に回
   動自在に取付けられ口枠とこの口枠に取付けら
   れた集塵袋からなるフイルターの口枠を前記吸
   込み口に対向させて着脱自在に保持する左右２
   個の係合爪部を有しこのフイルターの口枠を保
   持する方向に付勢されたフイルター装着板とを
   具備し、 前記フイルター装着板の係止爪部の近傍にこ
   の係止爪部と前記フイルターの口枠との係合状
   態を覗視可能な切り欠き凹部を形成したことを
   特徴とした電気掃除機。 (2) 前記フイルター装着板にフイルターの口枠の
   係止状態の解除時にフイルターの口枠の上縁が
   臨ませられる位置に切り欠き開口を形成したこ
   とを特徴とした実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の電気掃除機。